【文徒】2020年(令和2)7月10日(第8巻127号・通巻1784号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】LINEノベルが創刊からたった1年でジ・エンド!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.7.10 Shuppanjin

1)【記事】LINEノベルが創刊からたった1年でジ・エンド!

LINEは7月8日付で「LINEノベル サービス終了のお知らせ」を発表した。鳴り物入りの創刊からたった一年しか経っていない。
《昨年4月にサービスを発表し、同年8月から運営しておりました小説投稿プラットフォーム「LINEノベル」(以下「本サービス」といいます。)について、今後の事業方針など様々な要因を踏まえて検討を重ねた結果、誠に残念ながら2020年8月末を持ちまして、サービスを終了することとなりましたのでお知らせいたします。
つきましては、2020年8月31日(月)15:00をもちまして、本サービスのWEB版・アプリ版をクローズし、アプリの新規ダウンロードを停止させていただきます。また、2020年8月24日(月)15:00をもちまして、本サービスのアプリ内通貨「ノベルコイン」(以下「前払式支払手段」といいます。)の販売を停止いたします。
お持ちのスマートフォンに既にアプリをインストールされている場合は、上記本サービス終了日時まで、引き続き作品の閲覧や前払式支払手段の利用が可能です。ただし、本サービス終了後まで閲覧期限が残っている場合でも、お客様が購入された作品は上記本サービス終了日時以降は閲覧できず、また、作品購入にご利用いただいた前払式支払手段につきましても返金できませんのでご了承ください。》
https://novel.line.me/pages/close/index.html
KADOKAWA講談社、新潮社、集英社実業之日本社、スターツ出版、宝島社、東京創元社藝春秋と連携してのスタートであったが、結局、LINEにとって小説は儲からないと判断したのだろう。ヤフーとの経営統合に際して不採算部門を整理する必要があったということでもあろう。しかし、版元としては無責任きわまりないハナシである。弁護士の河野冬樹が次のようにツイッター呼びかけている。
《LINEノベルのサービス停止が話題になってますが、LINE庫から本を出してる著者さんは、必ず出版権の消滅の覚書等を作成しておくことをお勧めします。
出版権が残ってる限り他の出版社から出せないので、他から出すチャンスがなくなってしまいます。
なお、作成に応じなければ、消滅請求という方法も。》
https://twitter.com/kawano_lawyer/status/1280854182480580618
ライトノベルの編集も担当する合同会社FIREWORKS代表社員&社長の箕崎准が興味深いツイートを連投している。
《作家としてLINEノベルをどう思ったかというと、プラットフォームとしては魅力的だし、ストレートエッジの皆様も集まった編集者さんも優秀だし、出版される本の内容も基本的には好きでした。自分の担当編集に対して思うところも何もない(今更だし)。》
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280916509301194753
《ただみんなもっとビジネス寄りに本をつくるんだと思ってたのですが、結構フリーダムだなとは思いました。内容含めて。俺が言えたことでは本当にないですが。みんな売れ線狙うだろうから目立とうと思ったのにそうならなかった。なんでだよ(笑)》
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280917228272017408
《ただ採算重視って最初から言われてたら、みんなそういうことしてないと思うのよね。そういう意味でも事業計画とかどうなってるのって思うのだけど、ここで一点結論に達するわけです。》
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280917561039716352
《ぼくらの業界って言われないと「そうかー、好きに作っていいんだ」ってなるわけです。でも別の業界の人ってそうじゃなくて、みんな利益追求するのが当然と思ってんじゃないかってこと。そしてそれは実は企業としてとても正しい。出版がおかしいとも言える。
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280918123298734082
《ただ出版はおかしくて当然。制度で保護されてるし、化事業だからなんです。そこにたぶん一番の問題があったんじゃないかと。そしてたぶんその溝は埋まらないと思います。経営者や役員にそれを理解している人がいないと。》
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280918305474142208
《今いったことってたぶんかなり本質だと思っていて、今後似たような形で参入する人たちが理解しておくポイントだと思うんです。
https://twitter.com/MisakiJun/status/1280918500928712704
HEXABLOCKの西川和範も次のように連投している。
《日本の創作系ビジネス界隈はもっと「作りたいものを作る」勢力と、「売れるものを作る」勢力がしのぎを削るべきだと思うんだよなー。もっと周辺がゴツゴツしてないと、飽きられんだよ。売れ筋を見極める人たちがジャンルを切り開かないとさ》
《「売れるものを作る」勢力が欲望を見える化しながら針で穴をあけて、そこに「作りたいものを作る」勢力が広げていくべきだと思うんだよ。マーケってそういうもんじゃん。作家がほしいものを作ってそれを売るだけじゃ売れないし、市場も広がらないんだよ》
《LINEノベルなんかまさにそこに特化すべきだったし、ユーザーが興味を持つものをビッグデータの解析でもして見える化できれば、後はそこに杭を打ち込んでいけば良いだけだったのに。「何が売れる(可能性がある)か」がわかれば、作り手だってそこに吶喊しやすくなる》
《日本のクリエイションと世界のクリエイションに違いがあるとすればそこでしょ?日本なんて市場そのものが「日本オンリー」の同人即売会場みたいなもんだったんだから。世界に売り出すんだったら、もっとキチンと「日本オンリー」のマーケット周辺をリサーチするだけで良いんだよ。オンリーを増やせば》
《「日本人と外国人」「好きな人と嫌いな人」みたいな切り分けを考えすぎるからおかしいんだよね。どんなとこのどんな人であっても、何かを買うためには「存在を知って」「自分にとっての必要性を納得する」フローにハマればいい。好きな人だけのことを考えて、好きな人を増やすだけでいい》
《眠れなくなった「ものを作らないクリエイター」の深夜のつぶやきでした。
自分がほしいものがないときだけしかものを作らないし、基本的に誰かに(自分が作るより)質のいいものを作ってもらうのが大好きです。》
https://twitter.com/happylab/status/1280927316038742018

https://twitter.com/happylab/status/1280935140177268737
三崎尚人もこう指摘している。
《ヤフーとの経営統合に伴う事業見直しという思いがけないできごとがあったとはいえ、見切りは早すぎる。ラノベとは言え芸なんだから、そんなにすぐに成果がでると思っているなら、大間違いなわけで…。》
https://twitter.com/nmisaki/status/1280907394445217792
KADOKAWA出身でKADOKAWA時代には数々の成功を収めたストレートエッジ代表取締役三木一馬にとっては初めての「挫折」ではないだろうか。
《【ご報告】LINEノベルは8/31をもってサービス終了となります。自分自身本サービスへの思い入れが強く、必死に頑張ってきたのですが、志半ばで終わりました。とても悔しいです。この想いは絶やさず次のプロジェクトに必ず活かします。今までご利用いただいた皆様、本当に本当にありがとうございました。》
https://twitter.com/km_straightedge/status/1280746883233669120
何しろ三木は昨年4月、次のように豪語していた。
《僕はずっと前から、新たな“出版のカタチ”とは何かをずっと考えてきました。ドキドキワクワクが止まらない、“面白さ”がぎっしり詰まった作品は、実は世の中にたくさんあります。それらを世界に広げるとき、どういうベストなアプローチが良いのか。今という時代だからこそ出来る、最高のやり方はないのか。
その長年の答えを、『LINEノベル』の『あたらしい出版のカタチ』プロジェクトとして打ち出したいと思っています。今の時代だからこそやれる、次世代の“出版のカタチ”を、『LINEノベル』で展開していきます。》
https://note.com/straightedge/n/nb3aa1774adbf
「LINEノベル」を活動の舞台にしていた作家も動揺している。
瀬尾順のツイート。
《『妹はサイコパス』の権利関係はどうするかまだ決めてませんが、たぶん、近いうちに僕に戻ってくるのかな……。(イラストと装丁デザインはそれぞれのイラストレーターさんとデザイナーさんですが)》
https://twitter.com/junseorz/status/1280754832769343488
《レーベルがなくなるという経験は初めてなので、右往左往の瀬尾さん(涙)》
https://twitter.com/junseorz/status/1280755047307984898
K.バッジョ のツイート。
《【お知らせ】
下記のような訳で「人類の未来は英雄ガチャで決まるらしい」は、店頭在庫及び電子書籍のみとなりました。
電子書籍のほうもいつ停止するか分かりませんので、お早めに!
関係された皆様、お疲れ様でした!》
https://twitter.com/kobaggio/status/1280756722408124417
蒼空チョコのツイート。
《「こうして僕らは獣医になる」の続報についてお知らせします。
現在、別の出版社で出せないか聞いて回っています。
業界でもほぼ見ないネタなので再起の芽はあるかもしれません。
興味がある編集さんはご一報ください
刊行が無理だった場合は年内に投稿サイトに掲載し、再勝負してみたいと思います!》
https://twitter.com/Choco_Aozora/status/1280749875672477696
波摘のツイート。
《【ご報告】
『デザイア・オーダー』を掲載して頂いていたLINEノベルさんが終了することになりました。
『デザイア~』には強烈な続編プロットがありましたが、力及ばず世には出せませんでした…。
紙書籍はこのまま絶版の流れですが、万が一拾ってくれる出版社さまがおりましたら、お声がけください。》
https://twitter.com/nami_tumi/status/1280756111520395264
内田裕基のツイート。
《小説『君の涙はとても恋しい』ですが、LINEノベルの終了に伴い書籍版は在庫が尽きれば絶版、電子版についても権利をお引き取りし8月いっぱいには読めなくなる予定です。
良い作品だと思うので新たな出版社で出して頂けないか頑張ってみます!ただでは転びませんのでこうご期待》
https://twitter.com/u2daa/status/1280786801070727170
アサウラのツイート。
《ともかく、今後本当にどうするか、どうなるかの判断がまだのため、どうなるかわかりませんが…とりあえず電子書籍で読めるような状態は維持したいな、と。
(権利を引き上げて、個人として電子出版する可能性もアリ。とはいえその場合イラストがくなります)
…続報にご期待ください…》
https://twitter.com/asaura_seizon/status/1280794394237386752
和泉桂のツイート。
《LINEノベル終了に伴い、用意していたキャラ芸作品(平安もの)が世に出なくなりました。引き取っていただけるところを募集中です!》
https://twitter.com/izumi_k/status/1280790929440268288
辻堂ゆめのツイート。
《今年1月にLINE庫から刊行した『ヒマワリ高校初恋部!』は、紙の書籍は今流通しているもので終わり、電子書籍は販売継続となる予定です。
LINEノベルさん、とても期待してたのでサービス終了は残念です……!》
https://twitter.com/YumeTsujido/status/1280812252434583554
水沢あきとのツイート。
《既にご存じの通り、「LINEノベル」様がサービス終了いたします。公式作家の一人として、盛り上げに貢献出来なかったこと、申し訳なく感じています。
拙著、LINE庫刊の『取締役は神絵師』について、もしよろしければ、通販等でお読み頂けると幸いです。》
https://twitter.com/akitomizusawa/status/1280830802465439745
津田彷徨のツイート。
《LINEノベル及びLINE庫エッジにて取り扱い頂きました「デュアル・クリード」に関しまして、先方とご相談させて頂き、アプリのサービス終了日である8月31日を持って出版契約終了の形で現在調整させて頂いております。
当作を読んでくださった皆様には、この場をお借りし深くお詫び申し上げます。》
https://twitter.com/TT_Clarith/status/1280787483827949569
小説家になろう」の神田大和のツイートが鋭い。
《LINEノベル、相互の人が作品あげてたから読んでみようと思ったら読むのにさえ登録が必要だったので、そりゃ廃れるわなと思った。
ニコニコでさえログイン不要で動画見れるようになったこの時代に、小説投稿サイトで読むのにログイン必須はハードルが高い。》
https://twitter.com/kandayamato/status/1280777106780127233
アニプレックス日本テレビと共同で立ち上げた「令和小説大賞」は第一回で終了ということか。無責任である。遊歩新夢のツイート
《LINEノベルのサービス終了に伴い、令和小説大賞受賞作『星になりたかった君と』の、受賞時そのままの投稿作品は読めなくなりますので、興味のある方は今のうちに。
なお、書籍化につきましては予定通り鋭意進行中です。
最高のものをお届けできるよう、頑張っておりますので、よろしくお願いいたします》
https://twitter.com/Sir_Euphonium_Z/status/1280792021028884482

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2)【本日の一行情報】

毎日新聞は7月8日付で「党本部の1億5000万円は買収原資なのか 河井夫妻起訴で言及避ける自民の頬かむり」を掲載している。
安倍晋三首相は8日夜、河井夫妻の起訴を受け、首相官邸で記者団に「(克行議員を)法相に任命した者として責任を痛感するとともに改めておわび申し上げたい」と述べ、謝罪した。》
https://mainichi.jp/articles/20200708/k00/00m/010/300000c
「痛感」という言葉に反応した「ツイッター民」は多かった。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の音楽を担当し大友良英のツイート。
《痛感、痛感、うるせえよ!》
https://twitter.com/otomojamjam/status/1280838303520980993
松尾貴史のツイート。
《また!
またまたまたまたまたまたまたまたまたまたままた痛感!
責任は取らずに痛感するばかり。》
https://twitter.com/Kitsch_Matsuo/status/1280873329834905600
こちらは小説家の平野啓一郎
《「痛感」オジサンの責任スルー集。いい加減にしろと、今度こそ言いましょう。》
https://twitter.com/hiranok/status/1281025998297821184
乃南アサも吐き捨てている。
《「責任はワタクシにあり……痛感しており……」って、自分で言いながら、好い加減に他の台詞を考えた方がいいくらい、せめて思わないのかな。責任を取らないことには変わりはないわけだけど、飽き飽きだ。うんざりだ。ごめんで済めば警察はいらない。》
https://twitter.com/asanonami/status/1281031053449129984
武田砂鉄が提案している。
《毎度の「責任痛感」芸。
これからは開き直って、お付きの人が、タブレットかなにかで、かつての動画を再生すればいいと思う。まったく同じなので。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1281027632855842817
豊崎由美が怒っている。
《「責任を痛感している」「責任を痛感している」って、おぬしは壊れたテープレコーダーか(昭和な喩えで失礼)。「痛感」という言葉に謝れ。おぬしのせいで「痛感」の「痛感」たる「痛感性」が台無しになっちまったじゃねえかよっ。》
https://twitter.com/toyozakishatyou/status/1281081513149214720

◎7月9日付日本経済新聞「春秋」。大島三緒の名調子。目線の低さが魅力だ。
《かくも愛されてきたはずの場所が、昨今はずいぶん無遠慮な視線にさらされている。新型コロナウイルスの感染が広がるなかで、行政や専門家が危うさを強調するのが「夜の街」だ。いつの間にか世に知れわたった、このあやふやな言い方はだれの考案なのだろう。どこか蔑みのニュアンスを感じるという声が少なくない。》
《かつて森進一さんが歌った「盛り場ブルース」には、それこそ日本中の「夜の街」が登場し、そこに生きる人たちの哀歓がにじんでいた。》
https://r.nikkei.com/article/DGXKZO61313600Z00C20A7MM8000?unlock=1&s=4
都知事小池百合子が「無遠慮な視線」の代表格である。大島三緒は日経では社会部など「軟派」畑で育ち、教育や司法の取材に携わってきたという。
https://r.nikkei.com/journalists/19122300
ちなみに大島は自由学園の出身だ。田中康夫から教えてもらった。
https://www.jiyu.ac.jp/boys/blog/news/14437
日経では秋田浩之も自由学園なのか。市岡揚一郎(=水木楊)も!これまた田中に教わった。田中曰く「ある意味では賀川豊彦のような人物が実は日経の紙面を差配しているのが面白い」。なるほど的確な表現ではないか。
https://www.jiyu.ac.jp/college/career/message_18.php
https://www.fsight.jp/4953
自由学園羽仁もと子、羽仁吉一夫妻によって創立されている。羽仁もと子は婦人之友社を設立し、家計簿を考案したことでも知られている。この二人の長女が羽仁説子であり、説子と結婚した森五郎羽仁五郎となる。羽仁五郎はベストセラー「都市の論理」で知られる歴史学者であり、この二人の息子が「不良少年」や「初恋・地獄編」の映画監督・羽仁進である。羽仁進と左幸子との間の一人娘が亡くなった羽仁未央である。羽仁進は自由学園OBである。
これも田中から教わったことだけれど、2019年4月1日付日本経済新聞に掲載された大島三緒の「カジュアル改元の光と影」も素晴らしい。
《平成の時代にも、じつは何度か「万葉集」がつくられた。直近でNHKが「平成万葉集」を編んでいる。デジタル時代の日常などを詠んだ歌が多いが、若い世代にもこんな作品がある。
「シュガーローフの丘にはビルが建ち並ぶ傷あとおほふかさぶたのごとく」(知花くらら
シュガーローフとは沖縄戦で米軍に猛爆されて露出した、石灰岩白い土地のことである。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43169070R00C19A4EA2000/
知花くららは「Domani」(小学館)の表紙モデルをつとめたことで知られている。「シュガーローフの丘にはビルが建ち並ぶ傷あとおほふかさぶたのごとく」という一首は歌集「はじまりは、恋」に収められている。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO46303610Z10C19A6000000/

◎金儲けの手段として小説に群がったLINEの連中には、こうした書物の価値を理解できないだろう。これは、後世に残る一冊だと思う。こういう編集者がいるということは出版業界の誇りだと言っても良いだろう。しかも、版元はわが国最大級の書籍出版社ではなく、左右社である。出版化は幅広く、奥が深いことを思い知る。
「仕事本 わたしたちの緊急事態日記」のことである。本書は新型コロナウイルス感染が拡大するという前代未聞の事態を迎え、「普通の毎日」が一変した2020年4月、パン屋、ミニスーパー店員、専業主婦、タクシー運転手、介護士、留学生、馬の調教師、葬儀社スタッフ……コロナ禍で働く全60職種77人の日記アンソジーである。「はじめに」には、こう書かれている。
《仕事、終わり~。今日のお風呂は、登別温泉風かな別府温泉風かな。なんていう、ついこの間までのおだやかな日常は、コロナウイルスによって一変させられました。仕事がなくなったり、やり方が変わったり、突然忙しくなったり。ほかの人の仕事が気になりはじめました。この危機、どうやって乗り越えるんだろう? 緊急事態宣言が発せられた日、左右社編集部はすぐさま、仕事をテーマにした本をつくるべく、七七人のさまざまな職業の人たちに、四月の日記を書いてもらうようお願いしました。
それを構成したのが本書です。 有名な人も無名な人も、二〇代も八〇代も、命の危険を感じながら治療する医者も、風評に悩まされるタクシー運転手もいます。日記を読むうちに、これまで職業名でしか認識していなかった人も、ひとりひとりの素顔が見えてきました。翻ってみれば、納豆を食べる幸せひとつとっても、どれだけの人の仕事でなりたっているか
ひとつの仕事は、誰かの生活につながり、その生活がまた別の人の仕事を支えている。本書は仕事辞典であると同時に、緊急事態宣言後の記録であり、働く人のパワーワードが心に刺さる学作品でもあります。》
http://sayusha.com/catalog/books/p9784865282832%e3%80%80c0095
「お金本」は過去を相手にした仕事だが、今度の「仕事本」は現在を相手にしている。そのことによって歴史の一部となる仕事である
http://sayusha.com/catalog/books/p9784865282511%e3%80%80c0095

大日本印刷DNP)が丸善ジュンク堂書店教堂及びトゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」は、全国133店舗の丸善ジュンク堂書店教堂書店、戸田書店と連携して、対象書籍の購入者へレシート型クーポン(POSクーポン)を発券し、Zoomを活用したオンライン開催の読書会へ誘導する仕掛けを7月8日(水)より実施する。
今回の取り組みに、IT評論家で、リアルとオンラインが一体化する世界を説いた「アフターデジタル」(日経BPの尾原和啓の賛同を得て、尾原の新刊「あえて数字からおりる働き方」(SBクリエイティブ)でオンライン読書会を開催することが決定した。計3回実施する読書会に、尾原もオンラインで参加するそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000543.000009424.html

◎日販調べによる週間ベストセラー 庫ランキングだが、ベスト30のうち、KADOKAWAが12点もランクインしている。7月1日(水)より「新潮庫の100冊」フェアがスタートしていることもあって、新庫はベスト30に7点がランクインしている。
https://hon-hikidashi.jp/more/110709/

◎「Superfly」の越智志帆が7月7日、新潮社が運営するWebマガジン「考える人」で、エッセイ「ウタのタネ」の連載をスタートさせた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000047877.html

◎おおのこうすけの漫画「極主夫道」(新潮社)が日本テレビ系新日曜ドラマで、玉木宏主演で実写ドラマ化されることになった。このドラマ、当たりそうだな。コミックスの売上も急増する可能性が大である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000047877.html
専業主夫の元極道というキャラクターはテレビ向きである。

◎吉田敦のちくま新書「アフリカ経済の真実」は雑誌「北と南」の河内卓が編集を担当したようだ。河内は次のようにツイートしている。
《担当した吉田敦『アフリカ経済の真実』発売となりました。石油、金、ダイヤモンド…資源が豊富にあるのに、なぜ貧困に苦しまなければならないのか? 人々が貧しさや戦火のもとに置かれる、この世界の構造を、歴史、政治とともに見ていきます。気が重い内容ですが、類書のない新書になったと思います。》
https://twitter.com/kita_to_minami/status/1280993704753246208
https://twitter.com/ChikumaShinsho/status/1280716195964964865

◎「春オンライン」は7月8日付で「電通回答拒否 “1000万円還流”問題またしても隠蔽工作が発覚」を発表している。
《実際に赤池氏と連絡を取ったのは、元電通社員でSIIの業務執行理事である田中哲史氏だったという。
電通赤池氏側との契約になっているにも関わらず、電通を退職している田中氏が、電通側の担当局長の指令を受けて動いたと聞いています。電通は、自らの手を汚さないかたちで隠蔽しようとしたのです」(電通関係者)》
https://bunshun.jp/articles/-/38866
「週刊春」7月16日号が掲載した「電通“幽霊法人”トップに依頼していたセコい隠蔽工作」は、「電通側の担当局長」を実名で報じている。
電通関係者が明かす。
電通内で官公庁事業どの〝事務局ビジネス〟を確立したのが、第15ビジネスプロデュース局局長だった森宗秀敏氏。高額な事務委託費が批判を受けて仕切り直しになった、GoToキャンペーンの事務局運営計画を電通で仕切っていたのも森宗氏です。六月八日に開かれたサ協の釈明会見にも姿こそ見せましたが、責任者としての発言はなかった。サ協やSIIは、森宗氏が率いる事務局ビジネスの〝別動隊〟という位置づけだったのですが…」》
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/13657
電通は2020年1月1日付で「第15ビジネスプロデュース局」を廃止し、同局を分割する形で、「パブリック・アカウント・センター」および「パブリック・プラットフォーム・センター」(PPC)を新設した。第15ビジネスプロデュース局MDだった森宗はパブリック・プラットフォーム・センターMDに就任している。
https://www.dentsu.co.jp/news/sp/release/2019/1114-009957.html
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/588640
森宗は1988年に電通に入社している。新聞局書籍部、新聞部地方部を経て、2005年よりパブリック・アカウント・センターで官公庁を担当するようになる。内閣官房経産省国交省環境省、官公庁、総務省、復興庁を担当し、エコポイント事業、クール・ジャパン推進事業、ビジット・ジャパン・キャンペーン、住まいの復興給付金などのパブリック・プロジェクトの企画立案、推進を担って来た人材だ。確か、関西学院高等部時代は放送部でアナウンサーではなかったか?

小学館は6月30日(火)に発売したばかりの、かわぐちかいじの「空母いぶき」完結巻13集および既刊11集と12集の緊急大増刷を決定した。累計600万部突破の人気作である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000741.000013640.html
「黒い太陽」を小学館で復刻してくれないだろうか。

◎「Nippon.com」は7月9日付で「『週刊春』新谷学編集局長インタビュー『スクープこそ、我々の生きる道』」(下)を発表している。
《「週刊春の発売は木曜日(首都圏など)。しかし前日にはオンラインで記事をバラ売りしています。渡部さんの時は、1本300円で4万本以上売れたので、1200万円になる」
「さらにオンライン上では、ダイジェスト記事を2本出し、これが8000万PV(ページビュー)くらいだったので、仮に3掛け(30%)が広告収入になると想定すれば、2400万円という計算になります」
また、テレビ局に対しては、1番組1回使用ごとに記事5万円、動画10万円の使用料を設定した。》
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00899/
新谷は「落穂拾い」を極めようとしている。

小学館の「サライ」8月号の特別付録は帆布製のオリジナル・バッグだ。これは私も欲しい。特集は読書。そう、コロナだから読書が一番、安全な娯楽だ。
https://serai.jp/news/1000662

◎「リアルサウンド」は7月8日付で「江口寿史が語る、漫画家としてやり残したこと 『70年代後半のギャグ漫画の凄さを残したい』」を公開している江口寿史はジャケットアートワーク集「RECORD」(河出書房新社)を刊行したばかりである。次のような江口の発言が嬉しいし、楽しみである。
《とにかく漫画から逃げてる感じが常にあるので、描かないといけないなと。特に自伝みたいなものは、必ず描きたいです。それは自分のことというより、70年代後半のギャグ漫画の凄さを残したいんですよね。今はお笑いのジャンルがいっぱいあるけど、当時は漫画がお笑いの最先端で。赤塚不二夫先生、山上たつひこ生が一時代を築いて、その後、僕らの世代がしのぎを削って。特に鴨川つばめですね。当時のあの人のカッコ良さは描いておかないといけない。僕しか描けないので。》
https://realsound.jp/book/2020/07/post-581733.html

毎日新聞は7月9日付で「『女帝』石井妙子さんが見た小池都知事の“冷ややかな圧勝”」を掲載している。
都知事選の結果が出た翌日、都内で石井さんに会った。開口一番、「『冷ややかな圧勝』ですよね」と表現した。
「冷ややか」とは? 「『圧勝』といっても(有権者の)熱が伝わってこなかったから。得票率が高いのは確かですが、それは自民党が対抗馬を立てなかったからでしょう。新型コロナウイルスで大変な中で、都民は『トップを代えたくない』という消極的な支持もあったでしょう」と分析した。》
https://mainichi.jp/articles/20200708/k00/00m/040/368000c

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3)【深夜の誌人語録】

やる気が焦りの元なのだ。