【文徒】2020年(令和2)8月3日(第8巻141号・通巻1798号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】NHKに問われているのは公共放送とは何かの原点だ
2)【記事】花房観音が西日本出版社から「京都に女王と呼ばれた作家がいた」を上梓した
3)【記事】李登輝は単なる親日家ではなかった!
4)【記事】石原慎太郎「謝罪」に批判が殺到している!
5)【記事】テレ朝労組が民放労連脱退の「真相」を志葉玲が追及
6)【記事】フジテレビ「コロナ感染」報道の右往左往
7)【本日の一行情報】
8)【人事】藝春秋 2020年8月27日付
9)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.8.3 Shuppanjin

1)【記事】NHKに問われているのは公共放送とは何かの原点だ

日刊ゲンダイDIGITALは7月31日付で「首相の“逃亡”に都医師会長激怒 野党も臨時国会召集要求へ」を掲載している。
《もはや待ったなしの状況だが、「今が最後のチャンス」と危機感をあらわにし、政府に「今すぐ国会を開け!」とブチ切れたのが、東京都医師会の尾崎治夫会長だ。コロナ対策の前線に立つ医師からの異例の“物言い”。安倍首相はこれ以上、逃げるのは無理だ。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276708
朝日新聞デジタルは7月31日付で「都医師会長『国全体が感染の火だるまに』 法改正求める」(嘉幡久敬)を掲載している。
《東京都医師会は30日、記者会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて国が金銭的な補償を伴う休業要請を行い、応じない場合は罰則を適用できるよう、新型コロナ対応の特別措置法の改正を政府に求めていく考えを示した。尾崎治夫会長は「良識のある国会議員のみなさん、コロナに夏休みはない。国会をひらき、国がすべきことを国民に示し、国民、都民を安心させてほしい」と早急な対応を訴えた。》
https://www.asahi.com/articles/ASN7035GLN7ZULBJ010.html
この日の東京都医師会の記者会見を記事にするのであれば、尾崎の「国会を開け」という叫びは絶対に欠かせないはずである。しかしNHKは、どうもそうではなかったようなのである。「NHK NEWS WEB」は7月30日付で「PCR検査 医療機関1400か所まで増やす方向で検討 東京都医師会」を公開しているが、そこに国会という二字は刻まれていない。
《東京都医師会が記者会見を開き、新型コロナウイルスのPCR検査を受けられる医療機関を都内で1400か所まで増やす方向で検討していることを明らかにしました。尾崎治夫会長は「感染が拡大している地域では、法的強制力を持った補償を伴う休業要請が必要だ」と述べ、政府に特別措置法の改正などを求めていく考えも示しました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200730/k10012541601000.html
NHK19時のニュースは国会という二字は使わず放送したようだ。
《皆さん、本気でNHK受信料払うのやめませんか?我が家はここ一点に関しては、一貫して闘ってます。NHKの体質を変えるには、結局、それしかないと思う。》
https://twitter.com/hanakija38/status/1288809200215154688
絵本作家の鈴木邦弘はニュースウォッチ9を見ていたようである。
《さすがNHK、東京都医師会尾崎会長の「国会を開け」という言葉をバッサリ切ったね。》
https://twitter.com/SZKN29/status/1288809931357872128
翌31日の朝のニュースでも同じだ。
NHKの朝のニュース、医師会が国会を開け、と言ったニュース伝えてないね。ひどいわ。》
https://twitter.com/mailly1021/status/1288959604525682688
30年近くの新聞記者経験があるというライター道端は、次のように説明しているのだけれど。
《国会開け発言が削除されていると怒るツイートが散見されるが法改正を訴えたという記述はある。法改正は国会でしかできないから実質的には国会開けを削除しているわけではない。むしろこの記事を掲載したのはNHK にとってはある意味命がけでよく報道したと誉めたい》
https://twitter.com/izoFIy0B3oTdqaF/status/1289088427783098368
この程度の報道がNHKでは本当に命がけなのだろうか。公共放送とは何か、原点に立ち戻ってもらいたい。こんなツイートを発見した。
《しかし、つくづく思うのだけど、昨日の都医師会会見のニュースバリューって、どう考えても第一は臨時国会招集要求でしょうに。そこをトップに持ってこない報道って、報道を名乗る資格はないと思います。》
https://twitter.com/KawatheCathand/status/1288998535552102400
それにしても最近のNHKは本当に変である。こんなことも指摘されている。毎日新聞は7月30日付で「局内外から『情報公開否定』の声 NHK経営委、かんぽ不正議事録『開示』」を掲載している。
NHK経営委の対応は、情報公開審議委の全面開示の答申をないがしろにするものだった。「開示」と銘打ちながら、実態は公表済みの簡単な議事概要を切り貼りしただけ。局内外から「情報公開制度を否定する大問題で、開示の偽装と言える。視聴者の受信料で運営され、高い透明性が求められるNHKの信頼を損なう」(NHK関係者)などと批判が上がる。》
https://mainichi.jp/articles/20200730/k00/00m/040/311000c

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2)【記事】花房観音が西日本出版社から「京都に女王と呼ばれた作家がいた」を上梓した

「花祀り」の花房観音が西日本出版社から「京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男」を上梓した。
http://www.jimotonohon.com/annai/a1527_yamamuramisa.html
花房観音が次のようにツイートしている。
山村美紗さんの本の記事が出ると、「山村美紗って、〇〇なんですよね~」と、「俺、知ってるよ」とばかりに引用RTやリプライで、「噂」を発信しているのをたまに見かける。人がいかに「噂」をそのまま信じて疑いもしないのかよくわかる。本では、「噂」も検証してるので、買って読んで欲しい。》
《「噂」をそのまま信じて発信するのって、罪のないようなことに思えて、実は名誉棄損や誹謗中傷にもなるんですよね。コロナの感染が疑われ、「噂」で、事実と違うのに叩かれるのがいい例。SNS上にはもっともらしいデマが安易に拡散されてるのは日常だし。
《とにかく、記事だけを見てわかった気にならず、本を買ってね!
https://twitter.com/hanabusakannon/status/1289394466906808320
https://twitter.com/hanabusakannon/status/1289396093789196293
https://twitter.com/hanabusakannon/status/1289396345535512576
花房は、こうもツイートしている。
《もちろん出版社が余裕ないのも承知ですが、だからといって「本が売れない」状況を嘆いてばかりいても仕方ないし、どうせこのまフェイドアウトするのならばと、「本が一番売れていた時代」を形にしようと思って書いたのが、「京都に女王と呼ばれた作家がいた」です。》
https://twitter.com/hanabusakannon/status/1288372573944733696
綾辻行人のツイート。
《花房観音さんが書かれた『京都に女王と呼ばれた作家がいた  山村美紗とふたりの男 』(西日本出版社)をつい買って読んでしまう。懐かしいというか、何だか切ないというか。美紗さんが帝国ホテルで亡くなったとき、僕も東京の某ホテルに滞在中で、第一報は宇山さんから聞いたのだったな…と思い出す。》
https://twitter.com/ayatsujiyukito/status/1287859731109777409
鈴木涼美が「夜のオネエサン@化系」で「京都に女王と呼ばれた作家がいた」を取り上げている。
《生い立ちや作家として活躍しだす前のエピソードも面白いけど、何より大物作家たちを次々虜にして、西村京太郎と並びの邸宅に住み、向かいのマンションに夫を住まわせていたその女性としての魔性に強く惹かれる。そういうジジ転がし的なところは最近再び選挙に勝った某女帝の本と通じるところもあるけれど、某女帝が自分の価値観をオトコのそれにしてしまうことでサバイバルした人であれば、美紗サマは、オンナのまま王になった人だと思った。オンナのまま王になることは、オトコになったりオンナになったりしながらのし上がるよりずっと難しい。ましてオンナの作家が今よりずっと少ない時代。無理がたたって早世してしまった。》
https://www.gentosha.jp/article/16112/
千倉書房の神谷竜介が呟いている。
《昨年、出版梓会化賞特別賞を取った西日本出版社さんが今年も気を吐いてます。『京都に女王と呼ばれた作家がいた』。かなり面白いです》
https://twitter.com/kamiya_Chikura/status/1287759217873494017
西日本出版社代表取締役社長である内山正之が出版梓会化賞特別賞を受賞した際のスピーチが残っている。
https://www.youtube.com/watch?v=3XGYeB1Q28c&feature=youtu.be
西日本出版社は「獺祭」をはじめ勝谷誠彦の本を多く出している出版社である。
http://www.jimotonohon.com/annai/917dassai.html
http://www.jimotonohon.com/annai/a1213_hyogoken.html
寮美千子の「あふれでたのは やさしさだった」も西日本出版社だ。
http://www.jimotonohon.com/annai/a1282_afuredeta.html

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3)【記事】李登輝は単なる親日家ではなかった!

毎日新聞は7月30日付で「李登輝・元台湾総統死去 97歳 民主化に尽力、親日家」(香港・福岡静哉)を掲載している。
台湾総統を1988年から12年間務め、台湾の民主化と経済発展に尽くした李登輝(り・とうき)氏が30日午後7時24分(日本時間午後8時24分)、台北市内の病院で敗血症性ショックと多臓器不全のため死去した。97歳だった。》
https://mainichi.jp/articles/20200730/k00/00m/030/333000c
蔡英の追悼ツイート。
《私達が心から敬愛する李登輝元総統がご逝去されました。李元総統は台湾の人々とともに歴史的挑戦を幾度も乗り越えてきました。台湾に民主自由を残し、今後も私達を勇気づけてくれることでしょう。李元総統の遺志を継ぎ「台湾に生まれた幸福」を追求し続けます。》
https://twitter.com/iingwen/status/1288858873344823300
ジュディ・オングの追悼ツイート。
《台湾李登輝元総統が亡くなりました。悲しいです。30年前、台湾で初めての版画展を開いた時見に来て下さって、本当に光栄でした。「おっ、これは京都だね。」と中絶えず私に日本語で話しかけ、新聞記者たちを困惑させていた事思い出します。ユーモラスでダンディな李総統、安らかにお眠りください。合掌》
https://twitter.com/JudyOngg/status/1288825665379155968
木村幹のツイート。
《政治史的には李登輝のすごいところは「国民党からの総統」としての「上からの民主化」を破綻なく成し遂げた事。本来は国民党のエリートだったのに、総統引退後は、あたかも最初からずっと「緑」だったかのように行動した。ゴルバチョフが失脚せずに、その後も活動し続けた形。》
https://twitter.com/kankimura/status/1288821645214273537
李登輝は1945年8月15日を岩里政男として名古屋で迎える。日本名を捨てて台湾に戻るのは戦後になってからのことである。台湾に戻った李登輝中国共産党に入党していたかどうかは別にして共産党の周辺にいたことは間違いなく、二・二八事件に反発したとも言われている。李登輝客家の家系の本省人だったのである。むろん、李登輝共産党の近くにいたのは2年程度にしかならないが、伊藤潔の「李登輝伝」(藝春秋)によれば京都大学で岩里政男としてマルクス主義河上肇などに親しんでいたそうである。また、李登輝台北高等学校の卒業だが、リベラルな歴史教師である塩見薫の影響を受けているそうだ。
李登輝は「最初からずっと『緑』」であったのかもしれないのだ。台湾において「緑」は民進党のイメージカラーである。岩里政男李登輝を隠し、李登輝は「緑」を隠しつづけたのではないだろうか
木村幹は、先のツイートにこうつづける。
《そういった李登輝に対して、NHK李登輝の業績を「李総統は親日家として知られてきました」とまとめるのは、ほとんど冒涜だと思う。彼の政治家として凄かったのそこじゃないでしょ。民主化もそうだし、経済発展もそう。もっと大事なところがあるでしょ。
https://twitter.com/kankimura/status/1288822054406352898
李登輝親日大合唱が並ぶツイッターのタイムラインで木村幹のツイートはホッとさせられる。
李登輝さん亡くなりましたか。2000年の台湾調査旅行中に突然ホテルに電話がかかってきて淡水の研究所を訪問してお話をお聞きしたのが印象に残っている。ご冥福を。》
《この時には(母校の)京大の先生がきた(堀和生先生の事です)というので、呼ばれてお話を一方的にお聞きしたわ訳ですが、「お決まりの日本統治の話では」という我々の期待を裏切り、「私は農学者として、農業を重視した毛沢東(!)を尊敬している」という話から入ったのは鮮明に記憶している。》
《「え、あんた前まで共産党に対抗する国民党党首兼中華民国総統やったやん。なんで毛沢東なん?!」という我々の疑問を後にその後延々と続いたのは、第二次大戦後の中華民国政府が如何に農業政策を軽視していたか、という話であり、「なるほどこういう風に比較の対象を使うんだ」と思い知らせた。》
《話は2時間程聞いたと思うけど、延々と続いたのは、如何に第二次大戦後の中華民国政府の台湾における施政が誤りであったかという話。なるほどその為の比較の対象として「日本統治の方がましだった」と平行して「大陸の方がましだ」というロジックを使うのだな、と。「政治学者」として面白い話でした。》
《この話からよくわかるように、李登輝さんは基本、台湾の議論をするために大陸や日本を比較の対象として使っていた訳で、それをもって「日本が褒められてる」と思うのは、この時のインタビューで「李登輝毛沢東を尊敬していたんだ」と思うくらいナンセンスなんだよ。》
李登輝の関心は最初から最後までずっと彼の生まれ故郷である台湾にあった。「犬が去って豚が来た」という有名な言葉を自らの人生で体現して見せたのが彼。国民党の政治に不満を持ちながら、本音をひた隠しにしてのし上がり、蒋介石から蒋経国と引き継がれた「蒋王朝」の後継者になった。ドラマだよ。》
https://twitter.com/kankimura/status/1288809182112542720
https://twitter.com/kankimura/status/1288811817985171459
https://twitter.com/kankimura/status/1288812527673962497
https://twitter.com/kankimura/status/1288813563717365763
https://twitter.com/kankimura/status/1288825243184664577
https://twitter.com/kankimura/status/1288826433968590848
「へぼ侍」の坂上泉のツイート。
《台湾の李登輝元総統の訃報を目にして、先日も韓国の白善燁元陸軍大将が亡くなったのと合わせて考えると、良くも悪くも大日本帝国の残した子供たちの時代が、完全に終焉を告げたのだなと思いました。》
《1996年台湾総統選では、現役の李登輝氏と並んで野党民進党から彭明敏氏が出馬していますが、李登輝氏は京都帝大卒、彭明敏氏は東京帝大卒。2年後に韓国では金大中が大統領になりますが、彼も日本語教育を受けた世代。つい二十数年前の東アジアは、日本植民地時代を知る人々が牽引していた。》
大日本帝国は、勿論1945年8月15日の敗戦とその後数年の占領統治で消えたけど、その残り香は75年かけて緩やかに消え失せたのだなと思う。この消滅は不可逆だし、僕らは帝国のかほりなどないフラットで群雄割拠な東アジアで生きている自覚を持たなければいかんなとも思うのです。》
https://twitter.com/calpistime/status/1288851120660471809
https://twitter.com/calpistime/status/1288854732228792322
https://twitter.com/calpistime/status/1288856487314329601
台湾在住ライター・田中美帆が次のような決意をツイッターで語っている。期待したい。
《私自身は修論のテーマが李登輝さんも卒業した台北高等学校に絡むこともあって、彼をして「親日家」「日本人と公言」と表現することに違和感しかありません。
なぜ変だと感じるのか、いつかちゃんと言語化したいと思います。下手くそでも、的を得てなくても。思考停止の表現を使いたくない。》
https://twitter.com/tanakamiho_tw/status/1288997993702543361

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4)【記事】石原慎太郎「謝罪」に批判が殺到している!

「偏見」によるものではないそうである。石原慎太郎のツイート。
《先に難病のALS患者の死を幇助した医師たちの行為を『殺害』容疑で逮捕した警察への批判の際、ALSを難病とせず業病と記したのは偏見によるものでは決してなく、作家ながら私の不明の至りで誤解を生じた方々に謝罪いたします。》
https://twitter.com/i_shintaro/status/1289078337680244738
京都女子大学名誉教授の物理化学者・小波秀雄が引用ツイートで次のように呟く。
《作家を名乗る人がこれだけ意味不明の日本語を書くとは驚きますが,責任逃れの「誤解を生じた」云々という悪のテンプレートはしっかり使っているわけですね。「業病は私の誤った偏見に基づくもので難病と書くべきでした」とか,何が悪かったかを明確にして謝罪すべきではないでしょうか。》
https://twitter.com/konamih/status/1289167424114192384
ジャーナリスト・青木美希も引用ツイートしている。
《「不明の至り」ですか……。/多くの方々を傷つけ、批判が殺到しました。/なぜすぐに撤回しなかったのでしょうか。》
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1289426803031908352
小説家の深町秋生のツイート。
《あんだけ武士道を称揚したんだから、ツイートなんかしてないで武士らしい謝罪をやってほしいよ。しかし、こんなのが芥川賞の選考委員として、ずーっと候補作を上から目線で酷評しまくってたんだから笑っちまうよ。》
https://twitter.com/ash0966/status/1289151051728171008
毎日新聞は8月1日付で「石原慎太郎氏の問題発言『健康への強いこだわり、不健康に直面する恐怖』 中島岳志さん」(牧野宏美)を掲載している。中島岳志の次のような指摘は重要である。
《 ――今回のツイッター発言をどう受け止め、過去の「水俣病患者はIQが低い」「障害者に人格はあるのか」などの差別発言との関連性をどう見ますか。
◆まさに優生思想を表した発言だと思います。そしてこの考え方は、かなり若い頃から一貫しており、過去の発言の数々と通底するものは同じだと言えるでしょう。それは健康な肉体への強いこだわりです。
彼は大学在学中、1955年に「太陽の季節」で作家デビューします。その時、上の世代、特に戦中派に対して「あいつらの精神は不健康だ」と徹底的に批判しました。一番嫌っていたのは太宰治織田作之助ら、いわゆるデカダンスと呼ばれる退廃的な学でした。彼はそこに不健康なものを見る。そして「自分たちは戦中派の暗い影から太陽の季節になった、真の戦後派だ」と主張します。
彼にとって、非常に重要なキーワードが「健康」だったんです。だから彼は学の一方でヨットに乗ったり世界一周のバイクの旅に出たりしています。健康な肉体に強いこだわりがあり、かつ、それが彼の学を支えていたのです。健康、不健康という二分法は、彼にとって大きなものでした。人間の本質は肉体的なものであるという考えが一貫して根っこの部分にあり、身体障害者など彼がみなす「不健康」に対し、非常にネガティブにとらえ、差別的なまなざしを向けてきたとみられます。》
https://mainichi.jp/articles/20200731/k00/00m/040/307000c
石原慎太郎の「不健康」や「病」に対する「学的暴力」は、自らが「不健康」「病」になることによって「差別的恐怖」に変質していったのかもしれない。

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5)【記事】テレ朝労組が民放労連脱退の「真相」を志葉玲が追及

志葉玲は「YAHOO!ニュース」は7月31日付で「【スクープ】激白!テレ朝の闇―セクハラ隠蔽、労働争議へ報復、民放労連退の『真相』とは」を掲載している。
《匿名のテレ朝関係者は「MICの行動がテレ朝経営陣を激怒させ、テレ朝労組にも抗議した」のだという。「経営陣側は"集会を開いたら週刊誌に載る、スポンサーがまたそれを嫌がる。集会は絶対だめだ"と、テレ朝労組に言っていたのです」(同)。つまり、テレ朝労組が民放労連から脱退したのは「報ステ社外スタッフ支援集会への報復」であり、それが民放労連の高木委員長のMICに対する非難めいた発言にも現れているというのである。》
《派遣切りされた社外スタッフ達は、中東情勢や沖縄の基地問題原発や災害、事件報道などに精通。森友・加計問題や「桜を見る会」関連の報道にもかかわっていたなど、まさに番組の中核を担っていた。そのため、派遣切りされる当事者である社外スタッフだけでなくテレ朝社員含めて報ステの現場は、皆、派遣切りには否定的だったという。それにもかかわらず、前出のテレ朝関係者は「誰も逆らえませんでした」と言う。「それは、テレ朝幹部含め社内で皆が"報ステ派遣切りは8階の意向"と解釈していたからです」(同)。
テレ朝本社ビルの8階には、早河洋テレビ朝日会長兼CEOの部屋がある。つまり、報ステ派遣切りは早河会長兼CEOじきじきの指示であると、テレ朝社内ではみなされていたのだ。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20200731-00190944/
東京新聞記者・望月衣塑子が引用ツイート。
《#テレ朝 は桐永チーフプロデューサーのセクハラ疑惑が週刊誌に報じられると、情報漏洩を警戒してベテランスタッフの大量雇い止めの暴挙。最後は、抗議の声を上げた #MIC を非難し #民放連 からまさかの脱退。全て #早河洋 会長ら経営陣の意向なのか。
こんな事が起きてるとは》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1289082417391665158
沖縄タイムス記者・阿部岳の引用ツイート。
《労組がどう振る舞うべきか、経営者が指示するなんて、あり得ない。まして言論機関で。》
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1289177425377521665
小説家の盛田隆二が引用ツイート。
《『報ステ』チーフプロデューサーのセクハラを告発した社外スタッフへの報復人事。「派遣切り」された社外スタッフ達に味方したMICに報復するため、テレ朝経営陣はテレ朝労組に圧力をかけた
――証言が事実なら「民放労連からのテレ朝労組脱退」の背景にあるものは余りに禍々しい》
https://twitter.com/product1954/status/1289149611580387328
東京新聞労働組合の引用ツイート。
《テレ朝で何が起きているのか。/きわめて深刻な内容が書かれている。/テレ朝労組の反論が聞きたい。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1289149138286686208
労使の間に緊張関係がなくなってしまったならば、労働組合の存在価値はなくなってしまうはずである。

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6)【記事】フジテレビ「コロナ感染」報道の右往左往

「YAHOO!ニュース」は8月1日付で「ニュースソクラ」が7月31日付で発表した「フジテレビ遠藤社長 スタッフ感染の放送中止を命令」を公開している。
《感染者がでたのは、同局の昼時のバラエティ情報番組バイキング。全国的に新規感染者数が増え続けていることもあって、同局では公表を強化する方針を固めたばかりだった。
関係者によると、30日午後にスタッフの感染が報告され、幹部が夕方の報道・情報番組での公表を決めた。しかし、その後、遠藤社長が直接、報道局長などがいるフロアーに現れ、「そこまで認めていたたわけじゃない」と強い姿勢で、放送での公表を止めるよう求めた。その後、報道局長なども加わって協議し、放送での開示は取りやめ、ホームページで番組名は伏せる形で、いわば「こっそり」(局関係者)と公表した。》
https://news.yahoo.co.jp/articles/66374d09a3e9a921c6a00832f4aac41762761722
ニュースソクラ編集長・土屋直也は8月1日付で「フジテレビ、失態の対応で社長の度量が問われる」を発表し、次のように書いている。
《今回のように感染者を隠そうとしてしまったのは、業績低迷への焦りと受け取る関係者も少なくない。また、一度は常駐スタッフの感染は、社員でなくとも放送で公表するとコンプライアンス委員会で決め、それを事前に遠藤社長は了解していた。
それを覆しての差し止め指示だっただけに、会長など社長の「上司」の意向を踏まえての強引な指示になったのではないか、推測する人もいる。社長といえども中間管理職だったとの同情論なのだが、そんな同情をされるのでは情けない。》
https://socra.net/technology/%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%80%81%E8%87%AA%E7%A4%BE%E6%84%9F%E6%9F%93%E3%81%AE%E6%94%BE%E9%80%81%E3%82%92%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%9F%E9%81%A0%E8%97%A4%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B/?r=1
新聞とテレビをともに経験している島契嗣が引用ツイートしている
《もし僕がフジテレビ社長なら、報道フロアには絶対に足を踏み入れない。NHK会長でも同様(見学とかは別ね)
具体的な個別事案で報道機関トップが“報道現場”に踏み込むことは避けるべきということを知らないのかな。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1289538540930441217
東洋経済記者・中野大樹のツイート。
《これはまたひどい話…。
自社の都合で報道内容を曲げるべきではない。そもそも隠す話でもないし。
最近こんな話が出すぎて感覚が麻痺してきました。
メディアのなかにいながらメディア不信になりそう。》
https://twitter.com/nakano_tkbiz/status/1289539647245189120
島契嗣は、こうもツイートしている。
《フジテレビ制作のドラマ「美女か野獣」を思い出すわ。福山雅治さん演じる報道ディレクターが幹部の反対を押し切って真実を報じる。副調整室の鍵を閉めて、突入してまで止めようとする幹部を締め出すシーンがあったな。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1289540421173956608
これも島のツイート。
《フジ、制作会社のスタッフがコロナに感染してたのに社長の鶴の一声で隠蔽とな。相変わらず腐っておる。そしてすぐに内情ををリークされるあたり、内部はガタガタなんだな。テラスハウスもそうだけど、隠蔽すればするほど暴露された時のダメージは大きいと何故学ばないんだろう。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1289561367444221953
もっとも、フジテレビは営業局に勤務する20代の女性社員が、新コロナウイルスに感染したことは報じている。一方は隠蔽し、一方は報道するというフジテレビの報道姿勢はコンプライアンスに問題があると言わざるを得まい。
https://www.fnn.jp/articles/-/68908
これを島契嗣が引用ツイートしている。
《そして今度は社員が感染していてこちらも濃厚接触者なしだが自ら報道。対策していて感染することは何も悪くない。仕方ない。隠すのがダメ。
NHK電通社員が亡くなった問題で、追及の急先鋒だったが、実NHK記者も過労死していたのに“隠蔽”してた。もう説得力がなくなるわけ》
《報道機関は「あんたに言われたくない」「どの口が言うてんねん」と言われたら終わりなんですよね。
他人の不正を追及するということはそういうこと。これは検察も警察も同じ。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1289564082069102592
https://twitter.com/shima_keishi/status/1289564937694490624

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7)【本日の一行情報】

◎「TUGBOAT」の岡康道が亡くった。
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/555668
コピーライター&CMプランナーの勝浦雅彦がツイートしている。
《TAGBOATの岡康道さんが亡くなられた。会社の先輩にあたり、あれほど「カッコよくてモテるCMプランナー」はもう2度と出てこないだろう。昨年お話を聞く機会があり「今後やりたい事は?」という質問に「CMプランナーをまだやりたい」とおっしゃっていた。名を成してなお尽きなかった熱意。ただ、合掌。》
https://twitter.com/katsufootball/status/1289092983715848192
森俊博のツイート。
《コピーや企画をどう考えればいいのか模索していた若い頃。岡康道さんの「意表をつく正解」という言葉を見た瞬間にものすごくハッキリと視界が開けた感じがした。広告賞を獲り始めたのもそれからだと思う。ずっと机の前にその言葉を貼っていた。憧れの人でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。》
https://twitter.com/moritoshi826/status/1289120312815099904
小学館芸編集部のツイート。
TUGBOAT代表岡康道さんが逝去されました。自らの生い立ちと父親との30年に渡る相克を描いた鮮烈な自伝的小説『夏の果て』は2016年に庫化され、NHK BSでは瑛太主演でドラマ化もされました。CM製作のレジェンドであり、アメフトを愛する飛びっきりダンディな方でした。》
https://twitter.com/sgkbungei/status/1289373971553456128
永瀬正敏、だ。
《信じられない、、、
どうか、、、どうか安らかに
R.I.P.  Mr.Yasumichi Oka ( Mr.“TUGBOAT”)
永瀬正敏
https://twitter.com/m_nagase_66/status/1289400491248504833
シンガタを閉じて連を立ち上げた佐々木宏と岡康道の対談。岡は、こう発言している。
《最初に言っておきたいんですけど、TUGBOAT階級闘争、シンガタは市民革命で、似ているようだけど違うんです。階級闘争は終わらないんですよ、体制が変わらない限り。一方、電通を市民とすれば、市民革命はなされたと思います。電通の中でいろいろな人が自分で会社を持ったり、フリーランスと同じような待遇を勝ち得たのだから。それは電通に革命が起きたからで、それをなし得たのは佐々木さんです。その流れは今でも残っています。僕らは階級闘争だから、自ら立ち上がって地位の向上を訴えてきたわけで、いまだに終わらない。》
https://mag.sendenkaigi.com/brain/201907/special-talk/016478.php
私は岡の「南アルプスの天然水」が青春の瑞々しさを見事に切り取っていて、大好きだ。

◎映画監督・原一男のツイート。
《これまで「れいわ一揆」や私に対して、映画を観もしないでわる口を書いたり、偏見や誤解に寄って批判するツィートしてくる人に対して、あまり敵意を持たれるのは避けた方がいい、と考えてきましたが我慢するのはやめました。
余りに酷い書き込みや低レベルのツィートには激しく反論しますからね。》
https://twitter.com/kazu19451/status/1289286797696987136

◎「評伝 石牟礼道子-渚に立つひと」の米本浩二がツイートしている。
石牟礼道子渡辺京二の関係は、ポール・マッカートニーとジョン・レノンの関係に似ている。影響しあって自分の力以上の表現を達成する。》
https://twitter.com/yonepenpen/status/1289067600501071878

◎「恋愛氷河期」(扶桑社)の勝部元気のツイート。本当なのだろうか?
《「資生堂アネッサは絶対買わない」って友人が言っていた。理由はフラワーデモを馬鹿にした弁護士を起用しているかららしい。ちなみに彼女はフェミニズム情報にアンテナを立てている人ではない。担当者は「フェミが騒いでるだけ」と捉えているかもしれんが、ブランドイメージは想像以上に悪化してます。》
https://twitter.com/KTB_genki/status/1288828274940841986

◎「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」の鴻上尚史がこうツイートしている
《誰もが未経験の緊急事態だから、間違えたり失敗したりすることは当然あるわけで、大切なことは有効じゃない・違うと思ったらすぐに方針を変えることでしょう。一度決めたことだからと破綻するまで続けたのが、アジア・太平洋戦争で、死者300万人の9割は破綻しても続けた昭和19年以降です。》
https://twitter.com/KOKAMIShoji/status/1289056750226694145

東京新聞は7月30日付で「『亀田製菓さんへのお願い』で炎上 それでも女子高生が訴えたかったこと」を掲載している。
《お菓子の過剰包装をなくしてほしいとインターネットで署名を集めていた東京都内の私立高校1年の女子生(16)が28、29日、亀田製菓新潟県)とブルボン(同)の東京オフィスを訪れ、集まった1万8737人分の署名を担当者に手渡した。提案に賛同の声が集まる一方で、ネット上には生を中傷するコメントやデマが流れた。生は「声を上げただけで、汚い言葉でどこまでもののしる人たちがいる。血の通った人間なのに」と心を痛めつつ、「署名を機会にプラごみの削減が進んでほしい」と願った。》
《心身ともに傷つきながらも、署名を提出できたのは、亀田製菓担当者や家族らの励ましの言葉があったからだという。生