【文徒】2020年(令和2)6月22日(第8巻113号・通巻1770号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】フジと産経の世論調査はインチキだった!廃刊・廃局のススメ
2)【記事】汗と感動の甲子園大会はセクハラの温床なのかもしれない… 朝日新聞の「国体護持」体質
3)【記事】メディアがジャーナリズムを放棄した首相会見の無惨
4)【記事】元朝日・烏賀陽弘道VS毎日・宮原健太のツイッター論争
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】フジと産経の世論調査はインチキだった!廃刊・廃局のススメ

女優の毬谷友子がツイートしている。
《フジテレビ社長、遠藤龍之介様。
お父様が悲しんでおられると思います。
「沈黙」しないで会見をしてください。
ご一緒に遊ばせていただいた、小さい頃のまっすぐな龍之介さんを思い出しています。
報道ってなんなんですか?》
https://twitter.com/mariyatomoko/status/1273863793559236608
共同通信は6月19日付で「フジと産経の世論調査過去14回架空データ」を配信している。
《フジテレビと産経新聞社は19日、合同で行った過去14回の電世論調査で、調査業務委託先のコールセンター現場責任者が、実際には電話していない架空の回答を1回につき百数十件、不正に入力していたと発表した。》
https://this.kiji.is/646545892994139233
朝日新聞デジタルは6月19日付で「フジと産経の世論調査、14回で架空回答 記事取り消し」を掲載している。
《発表によると、両社は調査業務を「アダムスコミュニケーション」(東京都)に委託し、不正は、再委託先の「日本テレネット」(京都市)で見つかり、同社の管理職社員が主導して、実際に得た回答の居住地や年齢などを変える方法で架空の回答を作成していた。世論調査は、全国の18歳以上の男女約1千人を対象に行っており、不正は各回で100件以上、14回分で計約2500件に上るという。》
https://www.asahi.com/articles/ASN6M41QPN6MUTIL00R.html?ref=tw_asahi-tokyo
産経新聞は6月19日付で「産経・FNN合同世論調査、委託先社員が不正」を掲載している。
産経新聞では今回不正が明らかになった計14回の世論調査の結果を伝えた記事をすべて取り消します。報道機関の重要な役割であ世論調査の報道で、読者の皆さまに誤った情報をお伝えしたことを深くおわび申し上げます。
報道機関の世論調査の結果は、政党や政権への支持率、重要な施策に関する賛否の割合など社会の重要な指標であり、読者の皆さまのさまざまな判断や行動にも影響を与えるものだと考えています。その内容に不正なデータが含まれていたことを、極めて深刻な事態だと受け止めています。
調査業務委託先のアダムス社と日本テレネットは、当該社員による不正を認めたうえで、会社として不正を指示したことはないと説明しています。
産経新聞社とFNNでは、委託先の選定で問題がなかったかどうかなどをさらに検証しています。確実な方法を確認して導入するまで当面の間、世論調査を休止します。》
https://www.sankei.com/politics/news/200619/plt2006190008-n1.html
日本テレビ出身の清水潔は呆れている。
《めちゃくちゃな調査だな、これ。
実際には電話していない架空の回答を1回につき百数十件、不正に入力していたと発表した。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1273815914064998400
東京大学名誉教授で地震学者のロバート・ゲラーがツイートしている。
《フジテレビと産経新聞の合同世論調査で不正で、架空回答14回というのはショッキング。ただ、フジ産経は記事を取り消したことに首を傾げる。学術誌のよう、記事を残すが、「撤回された」と明記すべきだと思う。記事を削除した処理はある意味で隠蔽工作だと言える。》
https://twitter.com/rjgeller/status/1273857620802105344
元朝日新聞記者で、現在はEVERRISEで広報を担当している船崎桜のツイートを発見した。
《フジ産経の世論調査不正は痛いな…。こういうのが一つ出ちゃうと、他も疑われちゃう。朝日時代に世論調査の事務もやって膨大かつすんごい細かい作業を一個一個やってるのを知ってるので不憫…。》
https://twitter.com/sakura_funazaki/status/1273829501785436161
弁護士・趙誠峰は「詐欺」に近いとフジ、産経をバッサリ切り捨てている。
《報道機関としてオワリですね。
調査の対象が偏ってるとか、集計手法がどうとかの問題とは次元が違う。刑法犯で言えば詐欺に近いと思う。》
https://twitter.com/cho_seiho/status/1273822932800647169
国立遺伝学研究所教授 川上浩一も報道機関の看板を下ろすべきだとツイートしている。
《フジと産経は報道機関の看板を降ろすべき。この間の選挙結果に影響を与えたでしょうし、もしかすると人命にも影響を与えたかもしれません。責任は重大。》
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1273818426964729862
神奈川新聞記者・田崎基のツイート。
《ちょっと信じがたい。むちゃくちゃ過ぎる。しかし、外注による不正なので、報道各社は「うちは大丈夫か?」と調査する必要あると思う。》
https://twitter.com/tasaki_kanagawa/status/1273831704822640640
布施祐仁もフジや産経だけの問題ではない可能性もあるとツイートしている。
《いや、フジや産経の中にも真面目に仕事したいという記者はいますよ。それに、これはフジや産経だけの問題ではない可能性もあります。いずれにせよ報道機関の信用にかかわる重大な問題なので、しっかり原因を究明しないといけないと思います。》
https://twitter.com/yujinfuse/status/1273876349967425537
「武器としての世論調査」(ちくま新書)の三春充希は産経・フジ世論調査内閣支持率が高めに出るという傾向はなく、それゆえ不正は意図的ではなく、委託先の手抜きだと思っているという。
《このグラフからわかるように、産経・FNNの世論調査には内閣支持率が高めに出るというような傾向はありません。その傾向が最近変化したという事もありません。ですから不正は意図的なものではなく、委託先で手抜きが行われ、その手抜きを防げなかったのではないかと思います。》
https://twitter.com/miraisyakai/status/1273873349374959618
そんな三春を朝日新聞記者の小手川太朗がリツイートしている。
《そういう問題じゃないと思う。民主主義に必要不可欠なものだから、報道機関は世論調査での利用に限り、住民基本台帳から個人情報などを閲覧できると法律で決まってる。その運用がずさんだったとすれば、もう一生世論調査しちゃいけないレベルの不祥事》
https://twitter.com/tarokote/status/1273937711196299265
三浦英之も朝日新聞記者だ。こうツイートしている。
《報道機関による世論調査の「捏造」。報道の信頼性を毀損する、最近の中でもひときわ深刻なケースだと思う。両社は記者会見を開いて原因や検証をしっかりと社会に説明するべきだと思う。それくらい大きな問題》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1273934195593605120
大塚英志事務所のツイートに膝を打つ。
《この架空世論調査、「下請け」「孫請け」の構造の中でそれを放置したという点で、給付金等の丸投げ杜撰さ問題と同質。》
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1273827573353480192
大塚英志事務所は、こうもツイートしている。
《産経の不正世論調査がある意味衝撃的なのは世論操作が目的でなく、単なる手抜きコストカットとして下請けレベルでなされたということ。そこまで政治が軽く希薄になっているのか、この国では。河井夫妻の買収もかつてのような泥々とした政治的野心が動機でなく振り込まれた1億5千万ただ浪費した感じ。》
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1273949354588430337
かくも日本を軽く、希薄にしてしまったのが安倍晋三なのだろう。デザイナーの大下賢一郎がツイートしている。
産経新聞安倍晋三同人誌に成り下がっているので、これを機会にとっとと筆を折った方がいいですね。フジテレビは報道は一切やめて、くだらんバラエティだけやってればいいと思いますよ。》
https://twitter.com/kemuchiman/status/1273908232243646464
これをテレビ東京報道局出身の青木俊がリツイート。いい加減や杜撰は意図的な悪より悪いとは言い得て妙だ。
《この世論調査の不手際をフジ産経がわざとやったとは思わない。要はいい加減で杜撰なだけ。世論調査のようなデータ記事がいい加減で杜撰ということは、他の記事の裏づけや評価もいい加減で杜撰な証拠で、それは報道機関にとって致命的。いい加減や杜撰は意図的な悪より悪い。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1273913387831816193
JX通信社では、この手の不正は絶対に起こらないと代表取締役米重克洋は断言する。
《一応書いておくと、弊社は全ての調査を社内の調査部門で(つまり自社で)行っており、委託という概念自体がない。そもそも調査システム自体も社内で開発、改善している。また、オートコールのため人間が電話をかけたり回答を聞いたりしない。不正が介在する余地はない。》
https://twitter.com/kyoneshige/status/1273952728692088833
フジテレビは廃局し、産経新聞は廃刊しなければならないほどのことをしでかしたのは間違いないのではいだろうか。こんなツイートもある。青木俊だ。
《頭おかしい人間以外に産経を定期購読する者などいるのかな?》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1273933671100116992

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2)【記事】汗と感動の甲子園大会はセクハラの温床なのかもしれない… 朝日新聞の「国体護持」体質

ツイッターの自己紹介によれば「ウネリウネラ」は朝日新聞記者の牧内昇平との物書きユニットであり、今回は女性のウネラがツイッターとブログで情報発信しているようだ。ウネリウネラは6月17日に次のようツイートを投稿している。
《記者だった時の私を直接的に知っている人たちの多くは、私の取材時の性被害について、程度の差こそあれ「あの人だったら、しょうがない」と思っているのではないかと、今でも時々思ってしまう。「あの人は何も悪くない」と心から思ってくれる人が、どれだけいるだろうか。》
《はっきり言って私はピシッとした人間ではないのだ。それこそ、恥の多い人生で、自棄的な生活を送っていたこともある。酒も飲むし、煙草も吸っていて(だいぶ前にやめた)、情に流されやすく、物言いもはっきりしない。他人様に迷惑をかけたことも数知れない。》
《ただ、そうだとしても私は、尊厳のある一人間だ。女性だとか男性だとかいうことも、問題にしたくない。ただ、どこまでも人間。その尊厳を踏みにじらないでほしい。》
https://twitter.com/Unera12/status/1273166656899080193
https://twitter.com/Unera12/status/1273167249776443396
https://twitter.com/Unera12/status/1273167414499381253
「note」にも「ウネリウネラ」として6月18日付で「ウネラツイッターから~過去の性被害をめぐる想念みたいなもの~」を発表している。
《新聞記者だった時に、取材中に性被害を受けているんですね。警察官と、高校球児とに。
そういうこと、ずっと言えずにいる間に、いろんなことがこじれて、問題も加害と被害という単純な構図ではなくなってきてしまった。そして退社。
今後そのへんのことを少しずつ慎重にお話していきたいと思っているのですが、それの前というか、決意みたいなものが、上のツイートです。》
https://note.com/uneriunera/n/n725e10dcc04d
「ウネリウネラ」は6月18日付で次のような投稿を発表している
《こんなことわざわざ書く理由、いろいろありますけど、主には以下のようなことです。また私は、会社の対応に絶望しましたが、マスメディアの果たすべき役割は、軽んじられるべきものではないとも思っています。》
《性被害の話なので、精神的な影響を受けそうな方はご注意ください。自分もまだつらいので、ウネリさんに聞き書きしてもらったものを編集というプロセスを経て、やっとやっと書きました。》
https://twitter.com/Unera12/status/1273503713781403648
ブログ「ウネリウネラ」は6月18日付で「甲子園がつらいという話」をエントリしている。まずブログでは新入社員は必ず高校野球の取材を経験するという朝日新聞の特殊事情が説明される。
《私は昨年退職するまで、夏の甲子園大会を主催する朝日新聞社勤めていました。入社したての若手記者は、地方に配属されます。そこで野球取材を経験することになっています。
私の初任地は静岡でした。ほかの同期の記者と同様に、静岡で高校野球の取材を命じられました。夏の大会では、学校や試合の取材だけでなく、主催者として大会のプログラム作り、高野連との連絡役も務めます。
この仕事は、野球の好き嫌いに関係なく担当します。全く関心がない人は、野球のルールを学ぶところから始めなければなりません。私の場合、父は体育の教師、家族もほとんどスポーツ好きで、夏になればテレビでは必ず高校野球中継がかかっているという家庭でしたから、野球についてはそこそこ知っていました。自分も遊びでソフトボールなどをやっていましたし、高校時代は母校の野球部の県大会を応援に行ったこともあります。》
そんな記者がセクハラを受けることになる。当時、朝日新聞の担当記者は大会期間中、担当チームと同じ宿舎に宿泊するのだが、事件は宿舎で起きた。しかし、朝日新聞社の対応は社員である被害者に全く寄り添っていない。ブログには、こう書かれている。
《次の試合は準決勝でした。私の直属の上司である静岡総局長は、事件直後からすべて報告を受けているはずですが、甲子園に来て私と顔を合わせたのは、この準決勝の日。事件の2、3日後でした。私が担当しているチーム、加害者の選手が何食わぬ顔でプレーするチームを応援に来たのです。総局長は私の顔を見て「君、やつれたな」と言いました》
《それらの仕事もすべて終わった8月の終わり、事件の処理について静岡総局長から説明を受けました。
「学校側は全部認めた。学校から当該の選手らに聞き取りを行い、本人もすべて認めたそうだ。で、学校側は僕の前で謝った。相手は未成年だし、未来がある。この件の処理はこれで終わりだ。」
と、総局長は私に告げました。私の返答を待たず、総局長は9月以降の人事の話を始めました。秋からは県警キャップ(事件担当の責任記者)をやってくれ、とのことでした。
私は、この高校野球での性被害の前に、警察官からも性被害を受けていました。その際は、私自身が県警の取り調べを受けた上で、当該警官は事実関係を認め、依願退職しています。
総局長はそうした経緯を知っていたにもかかわらず、私に県警キャップを命じました。傷口に塩を塗るような話です。》
https://uneriunera.com/2020/06/18/kousien/
その翌年の5月、選抜大会を担当していた他紙の記者が、ウネラと同じ学校の野球部の監督からセクハラを受けていたと週刊誌に報道され、その際にウネラのことも書かれてしまった。「週刊春」である。同誌は2008年5月15日号で「2007甲子園優勝校『監督&レギュラー』エロ全開事件――朝日・毎日女性記者が春夏連続セクハラでダウン」を掲載している。2007甲子園優勝校というのは常葉菊川高校にほかならない。「週刊春」は次のように書いている。
常葉菊川の宿舎は大阪府茨木市内の高級ホテル。深夜、B記者の部屋を誰かがノックした。関係者が語る。
「ドアを開けると、ある主力選手が露出した局部を手でしごいていた。Bは恐怖のあまり声も出せなかったようです。Bの報告を受けた上司が、この選手に直接電話をかけ『そんなことをしてると試合に出られなくなるぞ』と叱り飛ばし、Bを別の宿舎に移しました」セクハラというよりもはや明らかな犯罪行為である。
「退会が終わってもこの選手から頻繁にB記者の携帯に電話がかかってきて、ハアハア声を荒げながら、『今どんな格好で寝てるの』など卑猥な言葉を投げかける。着信拒否にしても、違う電話や公衆電話からしつこくかけてきたそうです。最近でこそなくなったものの、Bは『いつかまた始まるんじゃないかと思うと怖い』と怯えています」》
https://syakai-no-mado.hatenablog.com/entry/2018/05/14/200200
ブログ「ウネリウネラ」は、当時のことを次のように書いている。
《週刊誌のコピーが静岡総局に来て、当時の総局長(※大会当時の総局長とは別の人。当時の総局長は別の部署に異動していました)から「しばらく休んで。取材はもちろん会社にも来なくていいよ」と言われました。
私は指示通り自宅で休んでいたので知りませんでしたが、週刊誌報道を受けて騒動になり、学校が謝罪会見を開いたようです。学校側が認めたことで、新聞やテレビも取り上げました。朝日新聞もこの時はじめて、私の事案について報じました。ここでは細かく書きませんが、そのときの朝日新聞の報じ方には大変違和感をもちました。主催社であり、被害者の私が在籍する朝日新聞社として、記事上で何ら説明を果たしませんでした。
その記事を見て、私は傷つきました。そうした記事が出ることについて、当事者の私には誰からもなにひとつ報告がなかったことも、言っておきたいと思います。》
報告がなかったどころか傷口に塩を塗り付けるよう言動が上司からされた。
《ただ、事件の処理にあたって「相手には未来がある」と言った勤務先の上司、静岡総局長の言葉は忘れません。私にも未来はあったのです。実際、その約十年後の未来を、私はいまだ苦しみながら生きています。私はその後、記者として満足できる仕事がなにひとつできませんでした。》
毎日新聞を経て「弁護士ドットコムニュース」で記者として働く出口絢は、このブログを読んで呟く。
《しんどすぎて絶句した
甲子園がつらいという話》
https://twitter.com/aya_deguchi/status/1273794996404011008
出口を自称「窓際記者」がリツイートしている。
《甲子園を取材中の自社の記者に対する性被害について、表沙汰にならないよう朝日新聞に揉み消しされたという被害者の手記。総局長の「相手は未成年だし、未来がある」という発言がエグい…朝日新聞としては社員よりも、飯の種である甲子園のイメージを守る方を優先したということなんだろうが。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1274466860113760263
ちなみに「週刊春」がスクープした後、讀賣新聞の取材に朝日新聞社は「この件は答えられない」とコメントしている。また、朝日新聞は、この件を自ら紙面で取り上げるに際して「セクハラ」という言葉を使わず、「不適切な行為」として報じたことも、ここに記しておこう。

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3)【記事】メディアがジャーナリズムを放棄した首相会見の無惨

6月18日に首相会見が行われたが…河井克行・案里夫妻の逮捕や東京都知事選の話題もあり、さして話題にもならなかった。質の悪い記者の質の悪い質問しかなかったと言うべきかもしれない。「嫌われモノの〈広告〉は再生するか」(イーストプレス)の境治がツイートしている。
《安倍首相の会見がてんこ盛りで何の会見かわからない上に記者の質問がまた三つも四つも聞くから何のやりとりか全然わかんなくなって、そういう作戦なんじゃないかと疑ってしまう。メディア側もどう映ってるかよく考えた方がいいんじゃない?》
https://twitter.com/sakaiosamu/status/1273547548465168385
東京新聞の望月衣塑子も「酷い質疑」だったとツイートしている。
《産経記者が今日の首相会見でまず聞くべきは #憲法改正 でなく、#黒川前検事長 との賭けマージャン問題と、安倍政権が閣議決定した、検事長の違法な定年延長ではないのか。
紙面での「反省」が空虚に感じる。朝日新聞はまたも当てられず。会見では国会を延長しないことを誰も質さず。酷い質疑だった。》
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1273591341826498564
青木俊が望月をリツイートしている。
《世の中で誰かに飼われた御用記者ほど惨めで汚い存在はない。たいていの職業は資格や免許や技能が要るが、記者は日本語ができれば誰でもできるアホ商売だ。アホ商売をアホでなくさせ得るものは、唯一、誰にも飼われずものを言う自律独立の精神だけで、それがないならただの下衆。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1273672541895188480
江川紹子は今回、抽選に外れたようだ。
《昨日の記者会見の記録を見たけど、記者は「どういった責任を痛感されているのか」(フジテレビ)って聞くだけで、「どのようにして責任をとるつもりか」という趣旨の質問はない。激甘》
https://twitter.com/amneris84/status/1273790148233199616
東京新聞労働組合も怒っている。
《首相会見はおそらく/国内の記者会見の中で最低最悪。/毎回、延々と作朗読を拝聴し/質疑時間を奪われたうえ/「時間の都合で1人1問」などと言われ/よく黙ってられるものだ。/聞くべきことが全然聞けてない。/内閣記者会は/いつまでこの醜態を続けるのか。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1273704454324277248
集英社OBの鈴木耕も怒る。
《安倍首相の18日の会見、記者たちは河井夫妻逮捕について厳しい質問をしなかった。逆に安倍氏に「改憲などを言わせっぱなし。恥ずかしいと思わないのかなあ。記者証、取り上げてしまえ!》
https://twitter.com/kou_1970/status/1273813774428856321
山崎雅弘が指摘するように今までにも増してつまらない内容の記者会見だったのだ。
《今日の安倍晋三氏独演会は、今までにも増してつまらない内容だったと思うが、特に異様だったのは演説本編でもその後のヤラセ質問でも、なぜか不要不急の憲法改正の話にたっぷり時間をとっていたこと、そして記者たちが「安倍首相が法務大臣に任命した国会議員の逮捕」以外の質問ばかり聞いていたこと。》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1273554089700253696
長崎県の民放の記者だった郡司真子が山崎の投稿をリツイート
《だいたいなんで長谷川に仕切られてみんな黙っているの?
記者はみんな質問したいんだし首相は説明責任あるんだから、質問尽きるまで十分時間とって記者会見して下さい。
なんで人数制限、時間制限、質問制限されて、黙っていられるの?
一般の人からメディアに対する不信感が膨れ上がるばかり。》
https://twitter.com/bewizyou1/status/1273831688846454785
京都新聞が良い仕事をしている。6月19日付で「首相会見に疑問の声 質問の事前聴取、フリー記者の参加規制…『活発な質疑を押さえ込む』」を掲載している。
《(1)で首相はプロンプターという透明な板に映し出される原稿を読む。官邸報道室は(3)についても記者会の一部加盟社に内容を聞き取り、想定問答を用意する。司会の長谷川栄一内閣広報官が指名するほとんどは聞き取りを受けた記者たち。長谷川氏は「質問は1社1問で」とアナウンスして会見を始める。
こうした仕組みについて、会見に度々参加するフリージャーナリストの江川紹子さんは「質問を重ねて追及するなら事前通告も意味があるが、現状はなれ合いだ」と指摘。外国通信社の記者経験があるジャーナリストの神保哲生さんも「当局の質問制限も問題だが、記者側も異論を唱えず首相に言いっ放しを許している」と話す。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/283197
京都新聞は6月19日付で「首相会見 『首相が気持ちよくしゃべる場に』フリージャーナリストが指摘」も掲載している。フリージャーリストというのは元NHK記者の立岩陽一郎だ。
《「……米国の記者会見はトランプ大統領を怒らせる質問が度々あるが、日本では安倍首相が気持ちよくしゃべる場になっている」》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/283198
ただし、首相の言葉も、記者の言葉も軽いの何のって!朝日新聞尾形聡彦のツイート。
《安倍首相会見。前日まで自民党だった現職国会議員2人が逮捕された日にもかかわらず、質問した官邸クラブの記者からは、事件の質問自体が少なく、首相に鋭く迫る姿勢も全く感じられず、愕然としました。ホワイトハウスなど他の主要国の会見なら、首脳の責任を問う質問で埋め尽くされると思います。》
《安倍首相会見。最後に友人の英JANESの高橋記者が指されたことはよかったですが、厳しい質問をするフリーの記者が当たる場面がなく、同僚の朝日記者の質問もなく、緊張感に欠けるかつての首相会見に戻ってしまったように感じました。官邸記者たちの姿勢の緩さは、世界から見ると異例で、とても残念です》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1273614885960597508
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1273621626278473728
立岩陽一郎は6月20日付「YAHOO!ニュース」に「総理会見を『総理慰労会』にした官邸記者クラブの常駐組~それは既に情報統制の共犯者だ」を発表している。
《「終わっている」
そう感じさせる記者会見だった。6月18日に行われた国会閉幕後の総理会見だ。
「終わっている」のは何か?勿論、国会閉幕という意味ではない。機能していないという意味での「終わっている」だ。それは、何を言っているのかわからない安倍総理か?違う。情報を統制しようとする官邸か?それも違う。
記者だ。終わっているのは官邸記者だ。正確には、官邸記者クラブの常駐組ということになる。具体的に言えば、全国紙、通信社、NHK、東京キー局の民放だ。》
立岩が指摘しているように官邸記者クラブは官邸による情報統制の「共犯者」にほかならないのである。
《この記者会見は官邸記者クラブが主催している。その運営に大きな発言力を持つのは前述の常駐組だ。繰り返しになるが、権力は情報を統制しようとする。それに抗って、事実を国民に知らせるのがメディアの役割だが、官邸記者クラブ駐組は記者会見を「官邸記者クラブ主催の総理慰労会」にすることで、その役割を放棄している。それは、情報統制の「共犯者」と言うほかにない。》
情報統制の「共犯者」に購読料を払うほど、私たちはお人よしではないのである。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20200620-00184231/
こんな投稿を東京新聞労働組合リツイートしていた。
《18日の首相記者会見後の質疑の気持ち悪さ。メディアが権力者と馴れ合う醜悪さ。河井夫妻の逮捕で首相が追い込まれるどころか改憲や後継者の話で饒舌になる首相。不正、不公正の溜まり場である安倍政権が7年半も続いたのは官邸記者クラブを中心とするメディアのお陰です。》
https://twitter.com/SiamCat3/status/1274323235463553025

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4)【記事】元朝日・烏賀陽弘道VS毎日・宮原健太のツイッター論争

元朝日新聞で現在はフリーの報道記者である烏賀陽弘道のツイート
《おかしいと思いませんか?
安倍総理が国会答弁で「首相官邸の記者会見は事前に質問を提出してもらっている」と「記者会見ゴッコ」であることを暴露しても、日本新聞協会はおろか新聞一社すら抗議しません。あの東京新聞望月衣塑子記者ですら沈黙している。なぜなら全員会見ゴッコの一部だからです。》
安倍総理が国会答弁で「首相官邸の記者会見は事前に質問を提出してもらっている」と証言したように、官邸の会見は「記者会見ゴッコ」にすぎません。台本どおりに進む「芝居」「ヤラセ」ともいえるでしょう。》
《よく一般読者に「なぜ日本の新聞テレビはX(小池都知事の学歴問題など政府への疑惑)を追求しないのですか?」と質問されてため息が出ます。統治機構の一部である新聞テレビがそんなことするわけがない。》
《日本の新聞テレビが統治機構の一部あることが理解できないのは「日本は民主主義国のはずだから、ジャーナリズムを実践する新聞テレビがあるはずだ」という架空の「べきだ」論に目が見えなくなっているだけです。》
https://twitter.com/hirougaya/status/1273723401358565377
https://twitter.com/hirougaya/status/1273721471156641792
https://twitter.com/hirougaya/status/1273655396016599041
https://twitter.com/hirougaya/status/1273712660341641216
新聞記者全員が「会見ゴッコ」の一部だとまで言われて毎日新聞者でYouTuberの宮原健太は黙ってはいられなかったようだ。こうリプを飛ばした。
《批判してますし、官邸に抗議もしてますよ》
https://twitter.com/bunyakenta/status/1273838100108603393
烏賀陽は宮原に応じた。
《貴方のような個人的な記者ではなく、社として、と書いたのですが、貴方は日本語が読めないのですか?》
https://twitter.com/hirougaya/status/1273845326772727808?cxt=HHwWgMCjkevkza0jAAAA
宮原も黙ってはいない。
《じゃあなぜ望月衣塑子記者に対しては個人で名指ししているのか。普通に記者個人にも批判の矛先が向いているように読めますが…。勝手な意の押し付けをして「日本語が読めないのか」という幼稚な批判はやめてもらいたいものです。》
https://twitter.com/bunyakenta/status/1273855334247854081
烏賀陽も黙らない。
《宮原記者。小生が指摘しているのは安倍総理のコロナ会見ではなく、首相官邸の会見がヤラセであると暴露した国会答弁です。現役政治部記者の日本語読解力がこんなありさまでは、ますます私は不安です。》
https://twitter.com/hirougaya/status/1273846002290585600
烏賀陽は更につづける。
毎日新聞の宮原記者。貴方はなぜ毎日新聞という巨大なマスメディアの記者なのに、このようなYouTubeなどで、お世辞にも上手いとは言えないお喋りを披露しておられるのですか。貴方の本業である記事を書いて正々堂々と安倍総理の国会答弁に反論されては如何ですか。》
https://twitter.com/hirougaya/status/1273858971128877058
宮原も黙ってはいない。
《若手記者の新しい取り組みを、ほとんど句といった形で批判して芽を潰す。こういう守旧的な人が新聞業界やその周辺に多いからこそ、デジタル化の波が来ても新聞業界は一向に変われない。お引き取り願いたい。
あと、政治部の最前線で日々取材し、記事も出稿しています。》
《そして、総理答弁に反論すべきと言っていますが、答弁自体は事実を述べています(会見の仕組みを明らかにしたこと自体を批判しろというわけではないでしょう)。そうなると、批判すべきは記者会見のありかたですよね?それは弊紙記事で批判していますよ?》
https://twitter.com/bunyakenta/status/1273894412808933376
https://twitter.com/bunyakenta/status/1273895331881574400
毎日新聞記者・井上英介がリツイート
毎日新聞は他社に先駆けて記事に記者の署名を入れた。今や記者の実名のみならず顔までさらし、個々に発信力を高めていく時代。読者に信頼され、発信力のある記者の集合体が報道機関である、というのが理想だと思う。》
https://twitter.com/iwannagofarther/status/1274009939204206592
全国紙中堅記者だという「窓際記者」も宮原をリツイートしている
《この烏賀陽氏に限らず、新聞社を早期退職してフリーになる人は5%の超優秀な人か、95%の狂人に分類される。後者のせいでもともと悪い業界の印象が更に下がるという…。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1273974080702763008
「弁護士ドットコム」前編集長の亀松太郎もリツイート
烏賀陽さんが朝日新聞にいたときはYouTubeもTwitterもなかった。いまの新聞記者は大手メディアで記事を書きつつ、個人でツイートしたり、動画をアップしたりできる。それが羨ましいのではないかな、と思いました。》
https://twitter.com/kamematsu/status/1274131968842596352

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5)【本日の一行情報】

◎「NHK NEWS WEB」は6月18日付で「NHK関連団体プロデューサー逮捕 児童ポルノ禁止法違反容疑」を発表している。
《NHKの関連団体、NHKエデュケーショナルの59歳のプロデューサーが、東京都内で女子高校生にわいせつな行為をし画像を撮影したとして、警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは、NHKエデュケーショナルの語学部のプロデューサー、菊池真哉容疑者(59)です。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200618/k10012474731000.html
朝日新聞デジタルは6月18日付で「NHK番組のプロデューサー、女子高校生にわいせつ容疑」を掲載している。
《同社はNHKの関連団体の一つ。Eテレを中心に番組制作などを担い、菊地容疑者はラジオ番組「世界へ発信!ニュースで英語術」の担当だった。調べに対し、わいせつ行為は否認しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASN6L4DJHN6LUTIL019.html

三崎尚人のツイート。
KADOKAWA株主総会。「芸でヒット作もなくカクヨム等で新人発掘するのは無駄では?」という質問が出版社の株主総会で出るのは衝撃。もちろん、「新しい作家さんを育てていくのは役目なのでチャレンジは続けて行く」と青柳さんがちゃんと答えていましたが。》
https://twitter.com/nmisaki/status/1273795900956004353

舛添要一のツイート。
石井妙子『女帝小池百合子』の私に関する記述は間違い。私は小池氏の言う失恋相手ではない。東大卒の女性との結婚前の話で時間も10年ずれている。明日JBpressに書く。まだ購入もしてない北海道の別荘に彼女を連れて行くことはない。学歴詐称などを取り上げた好著だが、噂に基づくこの凡ミスは残念だ。》
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1273810049475817472

ソウル・フラワー・ユニオンのツイート。
《テレビつけたらコレ。まだ憲法改正とかぬかしてやがる。辞任会見早よ。》
https://twitter.com/soulflowerunion/status/1273549390699876353

◎エイコ・マルコ・シナワの「悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治」(朝日新聞出版)は、そのタイトルからし私の好みである。第一章で取り上げられているのは「博」だ。
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21981
有志舎社長の永滝稔が呟いている。
朝日新聞出版の小柳暁子さんより、エイコ・マルコ・シナワ著『悪党・ヤクザ・ナショナリスト:近代日本の暴力政治』をご恵贈頂きました。
担当編集者の小柳さんは彼女が未来社にいた頃からの友人で私が尊敬する編集者の一人。解説の執筆は藤野裕子さん(『都市と暴動の民衆史』著者)という待望の本。》
https://twitter.com/yushisha/status/1273439825194921984
書評でも絶賛されそうだな、これ。

◎「ほんのひきだし」は6月18日付で「売行好調の続くビジネス書 これまでになかった「売れ方の特徴」とは?
《ここで注目したのが「YouTube」です。これら10タイトルに共通する特徴を探したところ、そのうち半数近くが「中田敦彦YouTube大学」に取り上げられていることがわかりました。『「繊細さん」の本』『FACTFULNESS』『嫌われる勇気』『漫画 バビロン大富豪の教え』の4冊です。》
https://hon-hikidashi.jp/more/109679/
中田敦彦YouTube大学」?これがそうなんだよね。251万人が登録している。オレは面白くなかったけれど。ただ、この口調はN党の立花党首に似ている?!
https://www.youtube.com/channel/UCFo4kqllbcQ4nV83WCyraiw
中田敦彦はお笑い芸人だが、青山学院大学経営学部で客員講師もつとめている。

◎NHKの「北海道 NEWS WEB」は6月17日付で「新聞販売店が試験的に日用品配達」を公開している。
《新聞購読数の減少が続く中、釧路市内の新聞販売店が宅配ボックスを使って購読先に日用品などを配達する取り組みを試験的に始めることになりました。
取り組みを行うのは釧路市鳥取大通の「マルカツ吉田新聞店」です。》
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200617/7000022177.html

テレビ西日本は6月17日付で「西日本新聞社グループ会社社員ら2人逮捕 営利目的で大麻所持か 福岡県」を公開している。
西日本新聞社のグループ会社の社員ら2人の男が、営利目的で大麻を所持した疑いで逮捕されました。
大麻取締法違反の疑いで逮捕されたのは、西日本新聞社のグループ会社「西日本新聞エーシ-・エス」の社員で、福岡県糸島市に住む牟田光浩容疑者(48)と知人の無職の男です。》
https://www.tnc.co.jp/news/articles/NID2020061707462

未来屋書店で購入した学研の科学商品で自由研究をすると、合計100名に「『科学と学習PRESENTS』詰め合わせセット」「図書カード1000円分」が当たる「”科学”が好きになる 自由研究キャンペーン」を実施する。
https://gkp-koushiki.gakken.jp/2020/06/18/27694/
児童書「お菓子な自由研究」も学研プラスから発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002818.000002535.html

◎サムライギタリストの異名を持つMIYAVIがグッチのグローバル・コレクション「Gucci Off the Grid collection」の広告に起用された。日本人がグローバルキャンペーンに抜擢されたのは1921年「グッチ」創設以降、100年の歴史の中で初めての快挙だという。
https://natalie.mu/music/news/383561

◎アベノマスクをした閣僚はいない。家族からも無視され、アベノマスクは孤立無援だ。昨晩、都営新宿線で帰路についたのだが、堂々とアベノマスクをしているのは私の乗車した車両では私ひとりであった。「NEWSポストセブン」は6月19日付で「安倍昭恵ん、『アベノマスク』ではないマスクで日常に復帰」を掲載している。
《東京都心に人出が戻り始めた6月初旬の昼どき、神田の細い路地にある居酒屋の前でワンボックスカーが停まり、財布を握りしめた女性が降りた。ランチ用なのか、店先に並ぶテイクアウトの弁当を物色している。鼻の上から顎下までをすっぽり覆う特大マスクをしているこの女性、安倍晋三首相の夫人・昭恵氏だ。》
https://www.news-postseven.com/archives/20200619_1571325.html?DETAIL
「福井マスク券」による福井県全29万世帯へのマスクの提供元であるフジコンコーポレーションは、