【文徒】2020年(令和2)5月27日(第8巻95号・通巻1752号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】新聞に見る報道と隠蔽と癒着と
2)【記事】首相記者会見とアベノマスクと誹謗中傷ツイート規制
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】新聞に見る報道と隠蔽と癒着と

朝日新聞で国会担当の政治部記者をつとめる三輪さち子の次のようなツイートは私も批判的に紹介している。
《取材相手とつきあい、酒を飲み、長い時間を過ごし、信頼関係を築くことで、本音を引き出し、人柄、考え方を知る。権力の中枢で何が起きているのかを探る。政治記者のこうした努力を心から尊敬する。問題は、権力者が知られたくない事実を書くことよりも、「先に書く」ことが優先されていること。》
https://twitter.com/MIWAsachik0/status/1264370349426143233
しかし、私などよりも、もっと厳しい見方をしているリツイート目についた。例えば、ラサール石井だ。
《え!そんな!!
もうそろそろこんな取材方法は改めようって議論になるんじゃないの?こんなの世界標準じゃないよね日本だけでしょ。一緒に酒飲まなきゃ信頼関係築けない?そんなので批判記事書けるのか。新聞社が一番昭和引きずってる。社名実名入りでこんな事言うなんて。新聞死んだ。》
https://twitter.com/lasar141/status/1264821730104598528
元「アエラ」編集長で、現在は朝日を去り、「Business Insider Japan」統括編集長をつとめる浜田敬子のリツイート
《この感覚なら抜け出さないと、政治取材も検察取材も変わらない。政治部記者のみなさんはもっと記者会見で正々堂々と突っ込んでください。みんなが見ているところでちゃんと対峙し、本音を引き出して欲しい。》
https://twitter.com/hamakoto/status/1264777542747090944
弁護士の渡辺輝人のリツイート
《この方、黒川氏の定年延長問題で人事院法務省の見解矛盾が発生した日に「人事院の見解は国家公務員法を延長の根拠とする法務省とは異なるものの、最終的な判断は法務省に委ねるとの姿勢を示した形だ。」と火消し記事を書いた。道理なき永田町の常識に染まりすぎでは。》
https://twitter.com/nabeteru1Q78/status/1264738274121150465
八木啓代リツイート
《こういう記者が、政権に阿り、都合の悪い情報を潰す様なことを平気でやる。それはジャーナリズムではなく、広報という。記者をお辞めになって広告代理店に転職なさるが良い。》
https://twitter.com/nobuyoyagi/status/1264721087566237696
しかし、この程度の呟きでは、八木啓代の怒りは収まらなかったようである。再びリツイート
《大新聞の記者が公然とツイッターでこういうことを書いたという事実は、日本のメディアがいかにモラル崩壊した大本営発表化しているかの見本として、英訳され世界に報道されるレベル。国の恥。
https://twitter.com/nobuyoyagi/status/1264728393867657219
中林香のリツイート
《何か別の目的があって人に近付いて、お酒を飲んだり長い時間を過ごせば信頼関係が築けると本気で思われているんでしょうか?お互いに相手を利用しようとしているだけでしょうし、もし何かを知り得たとして、馴れ合った相手を裏切るような記事が書けますか?もし書けるなら、信頼関係ではないですよね。》
https://twitter.com/kaokou11/status/1264790294349910016
朝日新聞経済部記者の小森敦司が一刀両断している。
《哀れ。もう、こんなのやめよ。》
https://twitter.com/komoriku_n/status/1264946005771837440
岩波新書原発と大津波 警告を葬った人々」の著者である添田孝史は朝日新聞の元記者である。添田リツイートしている。
《酒飲み夜回り麻雀お車供与型の取材に、経費をかけ高給の記者を配置するのか、あるいは記者会見で直接読者の知りたいことを追及し、調査報道で深く掘り下げることに力を入れるのか。高い購読料を払う読者の期待と、中の人の報道観のずれは、大きい。中の人がその深刻さに十分気づいていないのはヤバイ。》
https://twitter.com/sayawudon/status/1264906015096467457
おしどりマコリツイート
《ドイツで高校生らに「なんで日本の報道は政府よりなの?」と質問され
「日本の記者らは政治家とゴハン食べたりするんです」と答えた瞬間に「ウソでしょ!?」と大騒ぎ。
「プレスとは独立すべきもの。政治家の記者会見で出されたコーヒーにも手をつけてはならない。日本は報道でなくて広報なんだね」
https://twitter.com/makomelo/status/1265133743636836352
清水潔は次のように分析している。
《このツイートに対するレスを読むと、一部記者たちが主張する「権力者取材の手法」がいかに問題視され、読者との温度差が激しいかよくわかる。いくら弁明したところで結局は「ベタベタ」の関係と見られているという事だ。報道記者は権力者と仲良くなってはならない。読者はそこに信頼を置く。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1264697497223524357
さて、三輪のような思考の記者が朝日新聞では社内評価がベラボウに高くなり、しかし、権力と戦う記者に対しては権力と一体となって、その背後から弾や矢を飛ばすのだろうか。
「PRESIDENT Online」は5月25日付で「朝日は恥を知れ!なぜ、新聞社はこれからも『賭け麻雀』を続けるのか」を公開している。
《日本の新聞社が談合せず、それぞれが独自取材をしていたら、記者クラブなどという癒着組織はそもそも不要だ。マスコミ各社が公平に権力と癒着するためにあるのが記者クラブだ。
そんな権力との癒着の成れの果てが、今回の産経新聞朝日新聞。おそらく、検事長と賭けマージャンができるのだから、その記者たちの社内評価はベラボウに高かったのであろう。》
https://president.jp/articles/-/35655
癒着を断ち切ろうとして取材に動いた記者に対して背中から撃って来るのも新聞だ。そうすることで癒着を守るというわけである。朝日新聞の青木美希がツイートしている。
《私たち道新取材班は警察の組織ぐるみの裏金問題を追及しましたが、その後、私たちは高田昌幸デスクらとばらばらにされ、私は「青木は2度と高田と仕事をさせない」と人事で不利益を受け、社を去りました。権力と戦うと、権力と一体となっている先輩たちから弾や矢が飛んでくるのが現実なのです。》
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1265045625256636416
そんな青木が「賭けマージャン」問題で次のようにツイートを連投していた。
《なぜ、権力とメディアの人間の賭け麻雀が常態化してしまっていたのか。
多くの方々を傷つけ、信頼を失ってしまいました。問題は非常に深刻だと思います。非常に残念で悔しいです。朝日産経、そして検察庁は、自ら丁寧に説明するべきだと思っています。》
《道新のとき、私たち道新取材班が追及した北海道警裏金問題は、全国紙がほとんど動かず、警察から「書いているのはおたくだけだ」「アカだ」とさんざん揶揄され、警察は不適切な予算執行はないと否定を続けました。
どうして書かないのか。
私は各全国紙とNHKの警察キャップを集めて聞きました。》
《各社の警察キャップは、裏金報道をしない理由を「うちは警察幹部と一体と思われているから、どの警察官も裏金について話さない
「君もうちの社に入れば分かる」
と言い訳しました。
元警視長の原田宏二さんが実名告発をし、ようやく各メディアが報じました。
報道機関は権力を監視するのが仕事です。》
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1264843262394642432
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1264843263736836100
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1264843264902918144
そんな青木にとって朝日新聞も「約束の地」ではなかったのかもしれない。青木は現在、元記者の立場にある。青木は、この4月から広報部門にあたる記事審査室に異動になっている。異動が決まった際に中島岳志は次のようにツイートしていた。
《青木美希さんとは、札幌時代から「貧困問題への取り組み」や「メディアと権力」の問題でいっしょに仕事をしてきました。道新では道警の裏金問題に迫り、朝日新聞では福島の手抜き除染問題を暴いた記者です。彼女からペンを取り上げていいのか。》
https://twitter.com/nakajima1975/status/1239054617083654145
検事長と賭けマージャンができるような社内評価がベラボウに高いといった記者と権力と戦う記者に対して弾や矢を飛ばしてくる権力と一体となった記者は、恐らく等号で結ばれるのではないか。朝日新聞や産経新聞が「賭けマージャン」の共犯者に対して、どのような処分を下すか見ものである。
朝日新聞デジタルは5月25日付で「賭けマージャン、黒川氏を告発 朝日新聞社員ら3人も」を掲載している。
《東京高検の黒川弘務・前検事長(63)=22日付で辞職=が新コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言中に産経新聞記者や朝日新聞社員と賭けマージャンをしていた問題で、岐阜県の弁護士らが25日、常習賭博の疑いで黒川氏と記者ら計4人に対する告発状を東京地検に郵送した。》
https://www.asahi.com/articles/ASN5T62TBN5TUTIL01X.html

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2)【記事】首相記者会見とアベノマスクと誹謗中傷ツイート規制

毎日新聞編集編成局次長兼写真・映像報道センター長の斎藤信宏が《信じられませんが、現実に起きたことです。》ツイッターで紹介していた。
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1264921916021723136
毎日新聞は5月25日付で「『アベノマスク着用』 中学校で配布プリントに記載、保護者に謝罪 埼玉・深谷」を掲載している。
《埼玉県深谷市の市立中学校が生に配ったプリントの中に、校内で「アベノマスク着用」を求めたと受け取れる記載があり、国会内で25日、野党議員らが「国支給のマスク着用を生に義務づけているのか」と批判した。同市教育委員会は「着用はどんなマスクでも構わない。誤解を招く表現だった」と説明し、学校側は保護者にメールで謝罪した。》
https://mainichi.jp/articles/20200525/k00/00m/040/236000c
落語家の立川談四楼が次のようにツイートしている。
《「マスクはアベノマスクとする」とのプリントを埼玉の公立中が配った。アベノマスクという洒落が普通に使われてることに笑うが、官邸の思いつきで配布が決まったものを「強制着用」と短絡する教師がいることに驚く。更に驚くべきは、この事実をツイートした人のアカウントが凍結されてしまったことだ。》
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1265124919735541760
実は、毎日新聞の記事は次のように結ばれている。
《一方、ツイッターに投稿した保護者の女性は取材に「『変な事が書いてあるよ』と子どもから言われ、プリントを見て驚いたので書き込んだ」と話した。女性のアカウントは24日深夜に突然、凍結されて使えなくなり、「9年前からツイッターを使っている。どうしたらいいのか」と困惑している。》
弁護士の中村剛がツイートしている。
《「女性のアカウントは24日深夜に突然、凍結されて使えなくなり」とあるけど、Twitterは、誹謗中傷にはビックリするくらい(裁判で名誉毀損が認められてる事例でも)通報への対処には冷たいのに、政治的なことが絡むとあっという間に凍結されるのは、信頼なくすと思う。》
https://twitter.com/take___five/status/1265114415579320320
京都女子大学名誉教授の物理化学者である小波秀雄も呟いている。
《これに限らずツイッターの凍結は恣意的,あるいは政治的とも見えますね。》
https://twitter.com/konamih/status/1265145792358051840
そうしたなか参議院議員三原じゅん子が次のようなツイートを投稿した。
《インターネット上の匿名での誹謗中傷の人権侵害に対して、政治家として動き出します。》
https://twitter.com/miharajunco/status/1264768686469943297
この三原のツイートは女子レスラー・木村花のネット集団リンチ事件を踏まえての投稿だったようだが、Twitter Japanの《誹謗中傷にはビックリするくらい(裁判で名誉毀損が認められてる事例でも)通報への対処には冷たいのに、政治的なことが絡むとあっという間に凍結》してしまうような傾向を踏まえれば、そう簡単に三原の呟きには賛同できないのかもしれない。町山智浩は次のようにリツイートしている。
《木村花さんを政治に対する批判封じ込めに利用しないで欲しいです。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1265065925264306176
これには三原が反論している。
《何度も書いていますが、批判と誹謗中傷の違いを皆さんにまず理解して頂く事が大切。
まして政治批判とは検討を加え判定・評価する事です。何の問題も無い。ご安心を。
しかし、政治家であれ著名人であれ、批判でなく口汚い言葉での人格否定や人権侵害は許されるものでは無いですよね。》
https://twitter.com/miharajunco/status/1265071611939418116
共同通信は5月26日付で「ネット発信者特定へ制度改正検討 木村花さん死去で総務相が意向」を発表している。
高市総務相は26日の記者会見で、SNSで誹謗中傷を受けてい女子プロレスラーの木村花さん(22)が23日に死去したことに関し、ネット上の発信者の特定を容易にし、悪意のある投稿を抑止するため制度改正を検討する意向を示した。》
https://this.kiji.is/637834364545696865
町山智浩は、この改正に反対のようである。
SNS規約違反で取り締まればいいものを、政府が国民監視に利用するという最悪の展開に。》
https://twitter.com/TomoMachi/status/1265103420031029248
津田大介が次のように条件をつけている。
《ようやくこの議論が動き出した。とはいえ、発言の事前規制にならないようできるだけ対象を絞り、『情報戦争を生き抜く』で紹介した大阪市ヘイトスピーチ対策案(電気通信事業法4条に特例設けるほか)など、従前の議論の蓄積を踏まえながら慎重に制度設計してほしいですね。》
https://twitter.com/tsuda/status/1265146718124863488
俳優の古舘寛治は次のように危惧している。
《政権批判は「政権に悪意ある投稿した」とされるのか?されそうだよね。この笑顔はそういう顔だよね?でまたみんな黙するとか踏んでるんだよね?(いやオレも飽きたけど別の面白い手法を思いつかないウチは心の声で行きたいと思った。心の中で)》
https://twitter.com/Mkandhi091/status/1265163363312480256
「私の居場所はどこにあるの?」(朝日庫)の藤本由香里のツイート。
《いまニュースで、SNSでの誹謗中傷に対して「(立法措置も含め?)適切に対応していく」との菅官房長官の発表が報道されたが、このところ「(政府)批判」と「誹謗中傷」の区別がついていないツイートが散見され、先のようなアカウント凍結が行われると、下手な立法をされるのでは?と不安で仕方がない》
https://twitter.com/honeyhoney13/status/1264937344622182403
そういえばパリ在住のヴァイオリニストである千々岩英一がこんなツイートを投稿していた。
《パリ市提供の無料マスク。60度の高温で20回まで洗えるらしい。欧州の洗濯機はやろうと思えば95度まで設定できるのだが、恐ろしくて40度以上に上げたことなし。》
https://twitter.com/EiichiChijiiwa/status/1264924969827532800
朝日新聞記者の三浦英之が千々岩英一の投稿をリツイートしている
《なんですか、このクオリティーの違い……。センスの差が歴然じゃないですか……。なんか涙出てくる……。》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1265110542936465412
マスクだけではない。5月25日の記者会見でも典型的であったが、わが首相はパロールが貧弱きわまりないのだ。武田砂鉄のツイート。
《演説は「空前絶後」などのハイテンションでサンシャイン池崎
質疑応答は「右から来たものを左へ受け流す」ムーディ勝山的。この併用。》
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1265100890974781440
高田延彦のツイート。
《いまテレビで安倍首相の会見やってんだが言葉が耳に入ってこない。何を言ってるのか分からない。脳が受け付けない。話の中身が空っぽで信憑性も無いから脳が拒否ってる。やってきた多くの負の遺産が明確に顕在化してきたからでしょう。》
https://twitter.com/takada_nobuhiko/status/1263417052393422849
首相曰く…
《日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示した》
https://www.sankei.com/politics/news/200525/plt2005250029-n1.html
小説家の津原泰水のツイート。
《あーあ、なんの根拠もなく収束宣言しちゃったよ。知らね。》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1264873004946747392
小説家の乃南アサのツイート。
《え。「日本モデル」というビジョンがあったの?》
https://twitter.com/asanonami/status/1264859362528395265
アベノマスクは「日本モデル」の一角をなしているのだろうか。わが家には未だ送られて来ていない。

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3)【本日の一行情報】

◎「Engadget 日本版」は5月24日付で「アップルARメガネは2021年公開?からバタフライ式キーボードが復活?まで。最新アップルの噂をまとめ」を発表している。
《アップルの拡張現実メガネ(ヘッドセットより軽い、両耳に着用タイプ)ことアップルメガネ(仮称)の登場は「最短で」2022年と予測されていたなか、急きょ2021年に発表説が浮上。そのきっかけは、最近注目のYouTuberでありリーカーのJon Prosser氏です。》
《…Prosser氏はYouTubeにて製品名は「Apple Glass」、基本価格は約500ドルで別料金で度付きレンズも入れられるなどの追加情報を発信。今秋のiPhone発表イベントでお披露目する予定だったが、新型コロナの影響により2021年3月に先送りされる可能性があるなど詳細を伝えています。》
https://japanese.engadget.com/ar-butterfly-033509192.html
あくまで「噂の真相」レベルの噂ではあり、かつてグーグルは《スマートグラスの商品化は高コスト・高価格になりやすい》という問題に直面し、断念したことがあるが、これをアップルが解消できるかどうかである。もし、アップルがクリアできたらば、グーグルも、アマゾンもスマートグラスに参入することは間違いあるまい。映画館にとってスマートグラスは恐怖となるだろう。

◎日刊スポーツは5月24日付で「時刻表が初の発売中止、コロナで正確な情報提供困難」を掲載している。
《今日25日発売予定だった「小型全国時刻表」6月号、「コンパス時刻表」6月号(ともに交通新聞社)が休刊となった。交通新聞社時刻表編集部の大滝真理さんは「新型コロナウイルスで運行状況が日々変わり、正確な情報提供が難しくなった。休刊は初めて」と話している。》
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202005240000517.html
新型コロナウイルスで運行状況が日々変わるなか、「デジタルJR時刻表」は月1回更新から週1回更新にして対応しているが、月刊の紙では対応できないということである。新型コロナは出版のデジタルシフトの背中を押していることは間違いない。

京都新聞は5月24日付で「鍵開けて入店『無人書店』が人気 座席で2千冊心ゆくまで、キャッシュレスで決済」を掲載している
《客が自分で鍵を開けて入店し、キャッシュレスで購入、出品もできる書店「セルフブックス」が、昨年11月に大津市二本松の商業施設「ブランチ大津京」内にオープンして半年が過ぎた。登録者は600人を超え、本を買うだけではない、多様な体験ができる店として人気が広がっている。
経営するのは、奈良市無人書店「ふうせんかずら」を運営する平田幸一さん(59)。》
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/252486
セルフブックスは新刊と古書を販売しているようだ。
https://www.branch-sc.com/otsukyo/shop/index.jsp?bf=1&fmt=1&shopid=7010
映像で見てみよう。
https://twitter.com/SELFBOOKS_/status/1245310768146337793

朝日新聞の「好日好書」が5月23日付で掲載している「『#』でつながる本好きの輪 SNSで拡散する読書系ハッシュタグ」で、今や「シャープさん」として有名になってしまった「フォロワー数80万人を超えるシャープ株式会社公式Twitterの運営者」の素顔の一端が紹介されている。
《3月27日、フォロワー数80万人を超えるシャープ株式会社公Twitterの運営者、通称シャープさんは、こうつぶやいた。
「書を捨てず、町へ出るな」
ここから「#書を捨てず町へ出るな」のハッシュタグが広がった。 
(中略)
冒頭のフレーズは、在宅勤務が始まった際、反射的に浮かんだ。もちろん、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」のもじりだ。投稿してからほどなく、「なにを読むかも、あわせて表明すべきだ」と考えたシャープさんは、「武田百合子富士日記』#書を捨てず町へ出るな」と投稿した。昔から日記学が好きなシャープさんが一番好きな作品だ。》
《シャープさんは、各所で章を発表していることでも知られる。同人誌「異人と同人」のほか、「シャープさんの寸評恐れ入ります」というウェブ連載も。この連載で掲載された「不安を心配に変換したい」は、想像力で不安を乗り越える必要を伝え、大きな反響を呼んだ。》
https://book.asahi.com/article/13389133

ダイヤモンド社から昨年に刊行された出口治明の「哲学と宗教全史」が2400円+税という高額本にもかかわらず8万部を突破したそうだ。「ダイヤモンドオンライン」が出口の講演「世界の中の日本」後に繰り広げられた質疑応答の模様を公開している。
《…根拠なき精神論に基づく徹夜などはまったく意味がないのです
よく「若いときには徹夜ぐらいはしたほうがいい」とか、「徹夜ぐらいしないと仕事は覚えられない」という人がいるのですが、その方々に、「では、若いときに徹夜や長時間労働をして生産性が向上したエビデンスがあれば示してください」と10年以上いい続けていますが、1回もデータが示されたことはありません。
それでよろしいでしょうか?》
https://diamond.jp/articles/-/237096
日本スゴイ論」と「根拠なき精神論」はコインの表裏である。

田中康夫ツイッターで「エリックC」の次のようなツイートを紹介していた。
《外国では今、日本に旅行に来ると旅行費の半額を日本政府が負担するというキャンペーン広告が出ているという。日本政府はそれに1兆3500億円を使うと言っている。
しかし問題は日本国内にはまったく報道されていないので、日本国内ではほとんど誰もこれのことを知らないということ。》
https://twitter.com/x__ok/status/1264637145429405696
これまた田中康夫のツイートによれば共同通信が英で「Japan receives mere 2,900 foreign travelers in April」なる記事を発表している。しかし、日本語では発表していないそうだ。
https://english.kyodonews.net/news/2020/05/5528d2a21b8c-breaking-news-no-of-foreign-visitors-to-japan-drops-999-in-april-on-pandemic.html
田中によれば讀賣、産経は「黙して語らぬ日本の人民日報」でありNHK朝鮮中央通信ということになり、「ここは独立国か」と叫ばずにはいられなくなるようだ。
https://twitter.com/loveyassy/status/1264785292759756800

◎映画監督の佃尚能が「note」に「『春』創業者も「賭け麻雀」で検挙されていた。壇 VS 検察 90年越しの応酬」を発表し、次のように書いている。
《奇しくも当時、「壇の大御所・菊池寛検挙!」と煽情的に見出しを打ったのは東京朝日新聞。その朝日新聞記者の「麻雀賭博」を暴き、壇の麻雀愛好家たちを連行した国家権力の親玉とも言える、検事長を辞任に追い込んだ今回の『春』スクープは、ある意味、90年越しの報復 とも言えるのではないだろうか?》
https://note.com/tsuku_dany/n/n2641f28fd33b

◎私は清水潔の「鉄路の果てに」を手に取りレジへと向かった。この本の版元がマガジンハウスであると気がついたのは、読み始めてからのことであった。そして、驚いた。いつの間にか、マガジンハウスは、こういう本を編集できるようにっていたのだから驚くのは当然であろう。いったいマガジンハウスに何が起きたのか?
https://magazinehousebooks.jp/m/mc3f5b5a9d238
産経新聞が5月23日付で掲載した「【編集者のおすすめ】『鉄路の果てに』清水潔著 国家は間違いを繰り返す」を読んで私の疑問は解消された。そこに「マガジンハウス書籍編集部・大島加奈子」とクレジットされていたのである。幻冬舎の大島加奈子がマガジンハウスに入社したのである。
https://www.sankei.com/life/news/200523/lif2005230008-n1.html
佐久間裕美子の「みんなウェルカム」もマガジンハウスから刊行されるのだろうか。
https://note.com/yumikosakuma/n/na0234ae22389
佐久間の「ピンヒールははかない」(幻冬舎)の担当も大島であった。

◎「GQ JAPAN」編集長・鈴木正は「エディターズ・レター」のなかで次のように書いている。
《コロナ禍によって大打撃を受け、ジョンソン首相までが生死の境界をさまようことになったイギリスでは、その首相が3月末におこなっていた自主隔離中に、「社会というものはたしかに存在する」と述べて注目された。これはおなじ保守党出身で政権を担当したマーガレット・サッチャー元首相が、1987年のあるインタビューで「社会なぞというものは概念としてあるだけで、実体としては存在しない。
(中略)
…かれが「社会なるものは存在する」といったのは、急速な感染者増加で深刻な医師・看護師不足におちいったNHS (イギリス国民保健サービス)が、退職した6万5000人の医師と看護師に一時的な復職を求めたところ、2万人が医療現場に戻ったという事実に感激してのことだった。この2万人は「概念」ではなく「実体」であり、それが「社会」だ、とかれは宣明したのだ。
そうしてまた、みずからが集中治療室で受けた人工呼吸器をつけての48時間にもおよぶ酸素強制吸入の手当てが成功したのは、入院していた聖トーマス病院のニュージーランド出身の女性看護師、ジェニー・マックギーさんとポルトガル出身の男性看護師、ルイス・ピタルマさんのふたりが、つきっきりで「私を監視し、必要な介入を行ってくれたからである」と、退院後に述べている。かれはまたしても、ふたりが代表する「社会」に救われたのだ。》
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20200524-editors-letter

毎日新聞は5月25日付で「メディアは本気の怒り見せろ 元『週刊現代』編集長・元木昌彦さん」を掲載している。
《常に最悪の事態を考えていました。(剛腕と呼ばれた)小沢一郎衆院議員の批判を続け、オウム事件松本智津夫麻原彰晃元死刑囚の自白調書を掲載しました。怖くはなかったけれど、強気でもなんでもないです。(掲載前に)一人で汗を垂れ流しながら考えました。万が一後ろに手が回って、自宅や職場の前で写真を撮られたとしても恥ずかしくない、こちらにも言い分があるのだからと考えた末に、やるぞと進めたわけです。》
https://mainichi.jp/articles/20200525/ddm/004/070/025000c

産経新聞は5月24日付で主張「ドラマの休止 テレビ化の転換促そう」を掲載している。
《これはテレビに限ったことではない。人気漫画「ゴルゴ13」も連載開始から52年で初の休載を発表した。制作現場は10人以上のスタッフが集まる3密状態で、その健康を守るためにやむを得ない決断だったという。漫画やアニメなど日本が得意とする繊細な表現やアナログ的なもの作りは、その品質ゆえにクールジャパンとして評価されてきた。その制作現場がウイルスに直撃されている。》
https://www.sankei.com/column/news/200524/clm2005240002-n1.html

集英社の「non-no」モデルをつとめている西野七瀬のインスタグラムフォロワーが150万人を突破した。
https://www.andgirl.jp/entertainment/33893?page=1

◎「リアルサウンド」は5月23日付で「『JJ』編集長が語る、ファッション誌の進む道 『リアルなことじゃないと読者にはもう響かない』」を公開している。「JJ」編集長・今泉祐二は次のように語っている。
《ウェブではウケるものが決まってしまっていて、ユニクロ・GUやプチプラコスメでしかPVが稼げないんです。》
何故かといえばユニクロ、GUが彼女たちのリアルであるからだろう。
《昔は、服を購入するのに駅ビルや百貨店で買う方が多かったと思います。今はそれが激減していて、百貨店は50~60代がメインの購買層に。ギリギリ、ルミネが20代に支持されているという体感ですかね。こういった経緯もあり今の読者層は大手のアパレル会社が発信するスタイルにピンときていないのかなと感じてしまいます。
単純に値段が高く、トレンドが反映されるまでが遅いので「だったらもう韓国のECでいいじゃん」ってなってしまっているのが現実ですね。今の読者層はZARAでさえ高いと感じているんです。そこまでファッションにお金をかけたくないという感覚は、今の若い世代は実はもう“ファッションにそんなに興味がないのではないか”とも感じてしまいます。》
https://realsound.jp/book/2020/05/post-555843.html

◎「WIRED」は5月24日付で「アマゾン初のPCゲーム『Crucible』の世界には、ジェフ・ベゾスのビジネスのやり方が投影されている」を発表している。
《アマゾンはゲーム制作でも、いつも通りのお得意のやり方を試している。既存の競合製品のセールスポイントを盗み、それをうまく組み合わせて、客観的には優れているにしても個性を欠いた無味乾燥なものを完成させるのだ。》
《もうひとつの「アルファ・ハンターズ」は、アマゾンのビジネスモデルをゲーム化したかのような内容だ。アマゾンはまずメーカーやブランドと積極的な関係を築いてから、その巨大なプラットフォームを利用して顧客や製品を巡る膨大な量のデータを取得する。そして似たような製品を市場投入して、提携を結んだメーカーのシェアを奪っていくのだ。
ビジネスを運営していく上で、アマゾンのやり方から学ぶべきところはまったくない。だが、Crucibleの「アルファ・ハンターズ」モードでは、これと同じことが展開される。》
https://wired.jp/2020/05/24/crucible-amazon-game/
オリジナルを徹底的に真似て、遂にはオリジナルを凌駕してしまうのがアマゾン流儀なのだろう。

◎「女子SPA!」が5月23日付で公開した「箕輪厚介氏のセクハラ報道で噴出。女性ライターが語る“悪質編集者たち”からの被害」によれば《ライターや記者、作家など出版界で働く女性から「私も似たような経験がある」という被害報告を訴える声が続出している》そうだ。
《「決定打になったのは帰り道です。駅まで向かっていたとき、いきなりキスを迫られました。さすがに『やめてください』とその場で断ったら、『冗談だよ~』と言った後に『それにしても、つまらない女だな!』と吐き捨てられ、その日は解散。しかも次の日には『いや~、昨日はB子さんが酔っ払って脱いで大変だったんだよ』というウソを編集部の社員に吹聴していました」
さらに男性からは、「これまで君に発注していた仕事は、制作の都合で取りやめになった」などと言われ、同社からの執筆オファーは途絶えてしまったという。》
《「これはかつての上司で某エンタメ誌の編集長なのですが、私の周りの女性ライターにFacebook経由で、『新規の連載の相談をしたい。』とメッセージを送りつけていたんです。しかも私には一切相談なし。メッセージを送られた友人は『C子ちゃんの知り合いだから』とメッセージを返信したらしいのですが、それをきっかけに公開されている友人の投稿にも、頻繁に絡むようになりました。心配になって聞いてみたら、どうやら『アナタは美しいので書いているだけではもったいない』『ぜひ二人きりで食事に行きませんか』とかなり粘着質に迫ってきたそうです」》
https://joshi-spa.jp/1007743
出版業界はセクハラ&パワハラ天国のような状態をこのまま放置しておいて良いのだろうか。

小田嶋隆のツイート。
《箕輪厚介氏とのコラボ企画に乗っかった出版業界人と、その周辺を行き来している人間(の名前と所属と経歴)は、エクセルに入力した。そのデータを使って何かをしようと考えているわけではない。ただ、自分自身が、うっかり変な仕事先にひっかからないために役立てたいとは思っている。》
《出版業界のような矮小な世界では、どんな仕事をしているのかよりも、誰とツルんでいるのかの方が重要だったりする。残念なことだが、本当のことなのだから仕方がない。》https://twitter.com/tako_ashi/status/1264932803822534662
https://twitter.com/tako_ashi/status/1264934253977939969

似鳥鶏の光庫「難事件カフェ」が好調。発売即重版が決定したそうだ。「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」を改題したのが良かったのだろう。5月13日には「難事件カフェ2 焙煎推理」が発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000387.000021468.html

◎知性コミュニケーションズの小石原昭が亡くなった。
http://www.chisei.co.jp/comp/
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052600425&g=soc
構改派出身の経営者たちと強い結びつきを持っていた。週刊誌の黄金時代を知る人物がまた一人この世を去った、か。私が30年にわたって属していた会社の社長と、小石原と、日刊ゲンダイの川鍋孝徳間書店の山下辰巳で定期的な会合を持っていた時期があった。これで全員が鬼籍に入ったことになる。宮野澄とか、知っている人はもういないだろうな。

講談社は、 米国のクラウドファンディング大手 Kickstarter PBC(キックスターター) とクリエイターの育成・支援を目的としたパートナーシップを締結しているが、このパートナーシップの一環として、両社は日本最大級のボードゲームイベント「ゲームマーケット」のオンライン版「ゲームマーケット ライブ」(6月27、28日〔土、日〕10~17時)を共同サポートする。
https://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/20200521_GameMarketLive.pdf

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4)【深夜の誌人語録】

成功が隠蔽するのは決まって弱点である。