【文徒】2020年(令和2)9月3日(第8巻163号・通巻1820号)つづき

◎シュン@ひろしまタイムラインが9月2日にツイッターを再開した。
《6月16日と8月20日のツイートは、1945年当時の中学生が見聞きしたことに基づいていますが、現代においてどう受け止められるかについての配慮が不十分でした。発信の再開にあたって、今後は必要に応じて時代背景の注釈をつけるなどの対応を取り、差別を助長していると受け取られないよう努めます。》
https://twitter.com/nhk_1945shun/status/1300965303300624385
しかし、差別ツイートには何の注釈も加えずに野放しにしたままである。「限界マスコミのアライさん」がツイートしている。
《8月が終わったタイミングで、
みんなの関心が政局に移ったところで、
そっと謝罪して企画を再開するのだ?》
https://twitter.com/arai3media/status/1300969449466462208

◎脚本家の桂千穂が8月13日、老衰のため亡くなった。90歳。
https://mainichi.jp/articles/20200902/ddm/041/060/033000c
増村保造を支えた脚本家の白坂依志夫の弟子にあたる。脚本家としての単独デビューは「白鳥の歌なんか聞こえない」であり、この東宝映画で薫を演じた岡田祐介は現在、東映代表取締役だ。桂千穂が脚本家としての才能を開花させたのは日活マンポルノであり、脚本家として日活マンポルノを支えることになる。
長谷部安春と組んだ「暴行切り裂きジャック」や「暴る」は忘れ難いし、大林宣彦のメジャーデビュー作「ハウス」を支えたのも桂千穂だ。官能小説も執筆しており、私のイチオシは「血と薔薇は暗闇のうた 長編ホラー・サスペンス小説」(大陸書房)を別格とすれば、「スチュワーデス・肛虐飛行」(フランス書院庫)である。翻訳家としては国書刊行会のドラキュラ叢書でブラム・ストーカーの「ドラキュラの客」などを翻訳している。
「暴行切り裂きジャック」で主演をつとめたのは、「ヴィレッジ・シンガーズ」の林ゆたか。アニメ監督りんたろうの弟である。
ツイッターのTLから追悼を拾ってみよう。
樋口尚桂千穂さんは、拙著『ロマンポルノと実録やくざ映画で『昼下りの女 挑発!』を称揚していたのをとても喜んで下さった。『ふたり』のような清冽な映画の一方であんな極悪鬼畜なホンを書けるなんて桂さんくらいのディレッタントでないとムリだろう。》
https://twitter.com/higuchism/status/1301028582903304192
脚本家・三隅炎雄《作って評論もする脚本家。僕は桂千穂さんの章が中川信夫石井輝男の入り口だった。思い入れのあるのはやっぱり日活ロマンポルノの諸作かな。》
https://twitter.com/H_Misumi/status/1300983154006659073
西村大樹《脚本家の桂千穂さん死去(時事通信)……試写室で会うたびに、最近観た映画の話しをしたものです。また、どこかの試写室で会いたかったな。お疲れ様でした。》
https://twitter.com/taiki_nishimura/status/1300975982015254533
中田圭《桂千穂先生が映画学校時代にゲスト講師でいらしたので、帰りの電車でもずーっとロマンポルノのお話し聞かせて戴いたのは楽しかったです。ご冥福をお祈りいたします。》
https://twitter.com/keinakata/status/1300983478641598466
国書刊行会《【訃報】脚本家・桂千穂さん御逝去。あまり知られていませんが、40数年前には弊社「ドラキュラ叢書」http://ow.ly/qyxg50Bespj などの訳者としても活躍されました。心よりお悔やみを申し上げます。》
https://twitter.com/KokushoKankokai/status/1300737389900566528
下村健《桂千穂さんと云えばふと思い出した事。
石井輝男監督のお通夜の時に新東宝出身の石川義寛監督がいらしたんだけど、ご焼香を終えた石川監督に突然桂さんが「石川さん、僕はあなたの作品を全部観てます」とまるでただの一ファンの様に話しかけられたのが凄く印象的だったな。》
https://twitter.com/Shimo_x2/status/1300847380439339008
難波望《ぼくの人生を変えてくださった、恩師、脚本家の桂千穂んがお亡くなりになられたとのこと。もう何年も前から「ぼくはもうすぐ死ぬんですよ」とお話しされていましたが、それからも本当に沢山のものをぼくたちに残してくださいました。桂さんの作品を観て、偲びたいと思います。》
https://twitter.com/namba_scenario/status/1300730570922627072
佐藤闘介《“あなたは「独立愚連隊」のときのお父さんのような新人を見つけてVシネマを撮りなさい。ハードボイルドの脚本なんて「マルタの鷹」を1回観れば3日か4日で書けなきゃダメですよ”  と笑顔の、桂千穂先生。無茶苦茶に聞こえ、でもどこか言い得て妙な、娯楽映画の本質を突いているような、桂節(?)》
https://twitter.com/makotosuke0708/status/1300835353255768064
佐野亨桂千穂さん逝去。3年前、藝別冊『大林宣彦』のインタビューで2度ほどご自宅にうかがったことがある。亀谷万年堂のお菓子を持参すると、大変お喜びになり、美味しいお茶を淹れてくださった。大林映画のみならず、紀田順一郎大伴昌司と出していた同人誌「ホラー」の話など、時間を忘れて聞き入った。》
https://twitter.com/torusano1124/status/1300758982785556482
港岳彦《桂千穂さんが亡くなられた。10年前、「結び目」を見た桂さんが月刊シナリオへの掲載を強引に進めて下さり、さらに三ヶ月にわたり対談で取り上げて下さった。その月刊シナリオを読んだプロデューサーから連絡が来て、初めてメジャー会社の脚本を書くことになった。本当の恩人でした。感謝しかないです。》
https://twitter.com/minatotakehiko/status/1300778049252679680

-----------------------------------------------------

4)【人事】宝島社 2020年9月1日付

[組織変更]
雑誌局が5局制に変更となる。

[人事]
大平洋子
新:第1雑誌局局長
旧:雑誌局GLOW編集長

井下香苗
新:第1雑誌局GLOW編集長
旧:雑誌局GLOW編集部

西山千香子
新:第2雑誌局局長兼リンネル編集長兼おしゃれ手帖編集長
旧:雑誌局リンネル編集長兼おしゃれ手帖編集長

渡辺佳代子
新:第3雑誌局局長兼otonaMUSE編集長
旧:雑誌局Sweet編集長兼otonaMUSE編集長

鏡味由起子
新:第3雑誌局Sweet編集長
旧:雑誌局Sweet編集部

箕浦ちさ子
新:第4雑誌局局長兼InRed編集長
旧:雑誌局InRed編集長

柚木昌久
新:第5雑誌局局長
旧:雑誌局MonoMax編集長

奥家慎二
新:第5雑誌局MonoMax編集長
旧:雑誌局MonoMax編集部

-----------------------------------------------------

5)【深夜の誌人語録】

変わってはならない局面で変わることは最低である。