【文徒】2020年(令和2)9月15日(第8巻171号・通巻1828号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】朝日新聞記者は大坂なおみが米誌に発表した章の日本語訳があることを知らなかった!
2)【記事】全米オープン優勝 大坂なおみメッセージをどう受け取ったのか
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】朝日新聞記者は大坂なおみが米誌に発表した章の日本語訳があることを知らなかった!

朝日新聞ニューヨーク支局の藤原学思は大坂なおみが「Esquire」に発表した「I Never Would've Imagined Writing This Two Years Ago」の抄訳をツイッターで紹介している。
《1) その章は「私の名前は大坂なおみです」で始まって、「でっかい夢を持ってほしい」で終わる。
全米オープンで優勝した大坂選手は7月、エスクァイア誌に寄稿していた。とっても素敵で、日本への言及もある。なので、主な部分を訳したい。》
《2) 私の名前は大坂なおみです。物心ついたときから、周りのひとたちは私を定義するのに苦労してました。一つの描写に当てはまりません。なのにみんな、すぐにレッテルを貼りたがります。日本人?米国人?ハイチ人?黒人?アジア人? 私はそれらが同時に一つにまとまった人間です。》
《3) 私はみんなと同じような、ただの22歳です。たまたまテニスが得意、ということを除けばですが。私は私自身を、ただただ私として受け入れています。つまり、大坂なおみとして、です。
パンデミックが、私たち全員の生活を一変させました。人生にとって何が重要なのか。私も再び考えました。》
《4) 「テニスができなかったら、私はどうやって何かを生み出せだろう」。声をあげるべきときだと決めました。2年前、全米オープン優勝したときには考えられませんでした。ただ、いまこの瞬間については、これこそが私であり、ここに書くことが私の考えです。》
《5) ジョージ・フロイド警官と3人の同僚の手によって殺され、苦しめられる映像を見たとき、胸が痛みました。行動を起こすべきだ、もう本当に十分だと感じました。数日後にミネアポリスを訪れ、声を届けました。そのとき現場にいることは「正しい」と感じたのです。》
《6) LAに戻って、署名や抗議、寄付をしました。でも、自問が続いていました。「自分の子どもたちにより良い世界をつくるため、何ができるだろう」と。そして、制度的人種差別、警察の残虐行為について、声をあげるべきときだと、そう決めたのです。》
《7) 黒人たちは一人で、何年も抑圧と戦ってきた。なのに、し一人で、何年も抑圧と戦ってきた。なのに、進展があるのはせいぜいちょっとの間だけ。「レイシストじゃない」というだけでは、じゅうぶんではないのです。私たちは反レイシストになる必要があるのです。
《8) 私は"defund the police"運動を指示します。ただ、それは予算を完全に打ち切るということを必ずしも意味しません。一部がコミュニティーの社会的措置に振り分けられるべきです。しばしば無視される、教育や住宅、青少年プログラムなどです。》
《9) 現在の抗議デモは勢いと期待があります。今回ばかりは、これまでと違うエネルギーがあって、多くの人たちが加わり、そしてそれは世界に広がっている。オスロから大阪、タラハシーから東京。日本でさえ、BLM行進が複数ありました。それは、私たちの多くが、予想も想像もできなかったことです。》
《10) 日本は極めて均質的な国で、人種差別に取り組むことは私にとって難しいことでした。ネットでもテレビでさえも、人種差別的な声を向けられました。ただ、それは少数派です。私たちbiracial(複数の人種・民族が混ざり合った)人たち、特にアスリートたちは、日本の未来です。》
《11) 大多数の国民、ファン、スポンサー、メディアに受け入れられてきました。多数の進歩を、少数の無知によって止めさせるなんてことはできません。あらゆる年齢層の日本のファン、特に若い世代のファンからの愛情は、常に私の心を温めてくれるものです。》
《12) だから私は、日本を代表することをとても誇りに思っていますし、これからもそうです。社会が前に進むこと、警察が私たちを殺すのではなく守ること、それは私にとって、極めて大きな意味を持ちます。 認識や意見が変わりつつある。そこにほんの少しでも役に立てたことを、私は誇りに思っています。》
《13) 私が4大大会で勝って、日本の教室にいるbiracialな女の子が、それを誇りに輝いてくれる。そんなことを考えるのが好きです。遊び場が女の子にとって行きやすい場所になって、名前をあげられるロールモデルがいて、自らに誇りを持つ。心からそうなってほしい。
そして、でっかい夢を持ってほしい。》
《14終) 以上で訳は終わりです。これを読んでも、大坂選手の活躍、活動に肯定的になれないでしょうか。
「アスリートは"本業"に集中するべき」でしょうか。
「人種差別の問題と競技を一緒にするのは違う」でしょうか。
少なくとも、ぼくは大坂選手を応援したいです。
ファイト!戦う君の姿を(略》
https://twitter.com/fujiwara_g1/status/1304994328775974912

https://twitter.com/fujiwara_g1/status/1304994343606984704
大坂なおみが「Esquire」に7月1日付で発表したこのの抄訳は、私たちは藤原学思の連ツイを読まずとも、7月12日には日本語で読むことができたし、今現在も読めるのである。女性誌「ELLE」日本版と「Esquire」日本版が「大坂なおみが特別寄稿。ジョージ・フロイド事件の数日後に、私がミネアポリスでデモに参加した理由」としてオンラインで発表しているのだ。
このことを藤原の属する朝日新聞も含めて記者クラブメディアは報じなかったに過ぎないのである。だから、朝日新聞の藤原もその存在を知らなかったのだろう。しかも、こちらの抄訳のほうが日本語として、こなれていることがわかる。こんな具合だ。
《黒人はただただ、この抑圧と何年もの間闘い続けていますが、進展があったとしてもほんの束の間のこと。「人種差別主義者ではない」ことだけでは、十分ではないのです。私たちは「反人種差別主義者」でなくてはならないのです。
私は、警察に対する予算削減運動を支援しています。その運動によって、警察自体を解体したいというわけではありません。有罪となった警察官へ支払われるための予算など、資金の一部をコミュニティー内の社会的対策、つまり教育や住宅、若者のためのプログラムなど無視されることの多い活動に再分配するべきだと考えているのです。私たちは、それぞれの安全を守るために、コミュニティー対してホリスティックなアプローチをとることが必要だと思うのです。》
《日本でも、「Black Lives Matter」の抗議活動がありました。日本でのこのような動きは多くの人が予想もしておらず、可能だとも思っていなかったことでした。日本はとても均質的な国なので、人種差別に立ち向かうことは、私にとってはとても大変なことでした。私はネット上で、そしてテレビでさえも、人種差別的なコメントを受けたことがあります。ですが、それは少数です。》
https://www.esquire.com/jp/culture/column/a33272327/naomi-osaka-op-ed-george-floyd-protests/
https://www.elle.com/jp/culture/a33292072/naomi-osaka-op-ed-george-floyd-protests/
周知のように「Esquire」も、「ELLE」も、ハーストの擁するメディアなのである。わが国の女性誌がこうした社会的な記事を苦手にしていると、「この勝利はじぶんのため この闘いはみんなのため」というコピーを掲げるNIKEのようなグローバルクライアントからは相手にされなくなるのかもしれない
https://twitter.com/nikejapan/status/1304909292928073728

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2)【記事】全米オープン優勝 大坂なおみメッセージをどう受け取ったのか

大坂なおみ全米オープンを通じて発信されたメッセージをどのように受け取ったのか。ツイッターのタイムラインから少し投稿を拾ってみることにしよう。
ぬまがさワタリ《大坂なおみ選手、もはや何かしらの教科書に載るレベルの社会的インパクトをもたらしているようだが、チャドウィック・ボーズマンという偉大なヒーローを失ったばかりの黒人の子どもたちに対して、大坂選手が与えている勇気はどれほど大きいことだろう…と感銘を受けてしまう。》
大坂なおみ選手、ついに優勝までしちゃって何もかも凄すぎるのだが、やっぱり今アイコニックなヒーローを失ったばかりでめちゃくちゃ不安と失意の中にいるであろう黒人の子どもたちを、どれほど勇気づけていることだろう…と考えずにいられないんだよね。本物のヒーローだな。》
https://twitter.com/numagasa/status/1304673107076997122
https://twitter.com/numagasa/status/1304963033165230082
フリー編集者・浅原裕久《大坂なおみさんを貶したくて仕方がない海乱鬼というアカウントは桜井誠支持者。いつもツイッターで在日コリアンやアイヌに向けたヘイトを繰り返している。それに賛同のリプを送っている連中は差別や誹謗中傷で繋がっている亡者の群だ。反差別の勇気ある行動を奴らは「きれいごと」と嗤う。陰湿。卑劣。》
https://twitter.com/asahara1966/status/1304996846821978112
若松英輔大坂なおみさんは、語るべきことを語るべき場所で語り、期待されている以上の実績を残した。正義はいつも、ある勇気を必要とすることを改めて教えられた。亡き者たちに護られているかのような姿でもあった。》
https://twitter.com/yomutokaku/status/1304959658117922817
平野啓一郎《自覚的じゃなくても、社会には構造的な差別があり、多くの人が、無自覚の子供の頃から、何らかの形でそれに加担しているし、させられてもいる。それこそ、言語の次元から。自覚的に差別をしないように心掛けるだけでなく、社会そのものを変えないと、「自分は差別に加担してない」などとは言えない。》
https://twitter.com/hiranok/status/1304956341149028358
鈴木耕《大坂なおみ選手の全米オープン優勝を、心からお祝いします。大坂さんは、テニスだけではなく、もっと大きなものに優勝したような気がします。》
https://twitter.com/kou_1970/status/1304966273608998912
安田菜津紀大坂なおみ選手は試合前後、犠牲になった人々の名前を刻んだマスクを着けていた。先日の試合後、ご家族から感謝を伝えるビデオメッセージが届いたときの映像。テニスだけしていればいい、といわんばかりのコメントをした日本のスポンサー企業はこの声をどう受け止めるだろう。》
https://twitter.com/NatsukiYasuda/status/1304963972651655170
立川談四楼《リスペクトという言葉はこの人にこそ相応しい。大坂なおみ選手だ。リスクを背負い彼女しかできないことを続け、優勝まで成し遂げたからだ。行為が世界に拡散される中、一体どれくらいの重圧があったことだろう。心身が日々安定していくようにも思え、眩しくさえあった。心から行為と優勝を称賛します。》
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1304989641016131585
笛美《大坂なおみさんのマスクで抗議を表明するクリエイティビティ、記者会見での受け答え、かっこよすぎて痺れる。
Huge respect to Naomi Osaka for her creative idea of protesting with masks and her answers to the press. I am thrilled to see her bold action in the same period.》
https://twitter.com/fuemiad/status/1304971570755010561
岸田雄《大坂なおみ選手、全米オープン優勝おめでとうございます!/多様性の大切さを世界に提起しながら戦い抜き/最高の結果を出されたことに敬意を表します。/私も大いに勇気づけられました!》
https://twitter.com/kishida230/status/1304955463054716929
髙田延彦《あくまで想像だが、大坂なおみ選手は世界が抱える大きなテーマ、人種差別問題に明確な意思表示をした事でメンタルにブレない芯棒が出来上がったように見える。そして彼女の全てを知らない人が外野からとやかく批判をする資格は断じて無いはずだ。彼女の勇気と強さに敬意!》
https://twitter.com/takada_nobuhiko/status/1305072337696387073
小田嶋隆大坂なおみさんによるBLMへの意見表明を「スポンサーへの迷惑」という視点から攻撃している人たちは、自身が「末端のメンバーによる社会的/政治的見解の表明を上司や同僚が強く牽制している」タイプの組織に所属していること(言い換えれば自分が「犬」であること)を告白しているわけだよね。》
https://twitter.com/tako_ashi/status/1305019125719166980
朝日新聞ニューヨーク支局長・鵜飼啓《大坂なおみ選手が人種差別に抗議の声をあげていることにスポンサーの日本企業には批判もあるとの記事を目にしましたが、今朝のNYTは「全米オープン以上に大事なことに取り組んでいる」と紹介。胸元のスポンサー名もばっちり写っています。これ以上のブランドへの貢献はないでしょう。左は一面。》
https://twitter.com/s_ukai/status/1305141763909320708
畑中章宏《大坂なおみの行動に対し〝政治的〟だと批判的な目を向ける人がいるけど、社会性をもったおとなの〝社会的〟な行動にすぎないのではないか。》
https://twitter.com/akirevolution/status/1305046469380980736
瀬川深《綺麗事を言う奴が桂冠まで手にしやがって!クソックソックソッ世の中なんてそんなもんじゃねえんだよぉ……と大坂なおみの優勝にショックを受けてクダ巻いてる連中のルサンチマンがつくづく醜い。》
https://twitter.com/segawashin/status/1305008801720881152
宇都宮けんじ《テニス全米オープン大坂なおみ選手が優勝した。彼女はこの大会で7人の黒人犠牲者の名前が記されたマスクをつけて試合に臨んだ。彼女のテニスのプレーにも人種差別に抗議する行動にも感動した。そして、あらためてトミー・スミス、ジョン・カーロス、ピーター・ノーマンを忘れまいと思った。》
https://twitter.com/utsunomiyakenji/status/1305093203909984261
犬山紙子《大坂なおみ選手がウエスタン・アンド・サザン・オープン準決勝出場を辞退すると言った時の覚悟、全米オープンを優勝できるほどに積み重ねた努力と整ったコンディションを捨てる覚悟だったのかと思うとその思いの強さに胸を打たれる
とてつもない努力の日々のはずなので》
https://twitter.com/inuningen/status/1305009762015178752
高橋順子《大坂なおみさんの全米OP優勝に「おめでとう」以外の何かを言いたい人は、自分はなぜそれを言いたいのか、自分の問題として考えてみてほしい。言いたい理由は大坂さんの方ではなく、言いたい自分の方にあるのではないかと。自分を見てくれ。一瞬でいいから。》
https://twitter.com/misetemiso/status/1305056204775981056
浅生鴨《大坂なおみさん本当にカッコいいなあ。スポンサーの日清も応援したいんだけど、僕はインスタント食品はあまり食べないので、その代わりに日清食品の株を買った。》
https://twitter.com/aso_kamo/status/1305002906106564617
安倍晋三《二度目の全米オープン優勝、おめでとうございます。最後まで諦めることなく、フルセットでの逆転勝利。感動をありがとう!益々の御活躍を祈念しております。》
https://twitter.com/AbeShinzo/status/1305016732247965696
大島新《今日は誕生日で、51歳になった。何故か人生50年と思って生きてきたので、余生に入った気がする。余生だからこそ、社会の役に立つと思える仕事だけをしていきたい。大坂なおみさんの快挙の日に思う。それにしても大坂さん、素晴らし過ぎる。》
https://twitter.com/oshimaarata/status/1305118990805602305
毎日新聞記者・井上英介《大坂なおみ、すごい。テニスの実力もすごいが、断固として反差別を貫く姿勢は本当にすばらしい。日本で一部にわく反・反差別のノイズなど1ミリも気にする必要はない。てか「世界のオオサカ」が、そんなものを気にかけるはずもないか》
https://twitter.com/iwannagofarther/status/1305134894343880705

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3)【本日の一行情報】

黒沢清の「ドレミファ娘の血は騒ぐ」でヒロインを演じた洞口依子のツイート。
《今まで以上に黒沢さんの作品が世の中で観られ愉しまれますよう。どんな時でも”相変わらずだ”とか言いながら黒沢さんは撮ってこられた。これからもずっと撮り続けられるよう、監督が撮りたい映画が作られる日本映画界のアカルイミライがやってきますよう。引き続き秘かに私は祈り続けます。》
https://twitter.com/noranecotv/status/1305288872322981888

◎映画ライター・村山章のツイート。
《クロエ・ジャオ監督が新作『ノマドランド』でなんとベネチア獅子賞受賞とな。 次作『エターナルズ』はマーベル映画で、今後ますます語られる人だと思うので、いまネトフリで観られる超低予算の美しき傑作『ザ・ライダー』は躊躇なくご覧になるのがよい思いますよ。》
《ああ、この流れで『ザ・ライダー』の劇場公開の目もありなのではないですか、ソニーさん! あとクロエ・ジャオ監督の長編デビュー作『Songs My Brothers Taught Me』も日本で観られる状況になりますように。ジャオ作品の撮影監督ジョシュア・ジェームズ・リチャーズの仕事ももっと観たいのですよね。》
《ノーバジェットに近い『ザ・ライダー』で素晴らしい撮影をしたジョシュア・ジェームズ・リチャーズはクロエ・ジャオのパートナーでもあり、大作『エターナルズ』の撮影監督はさすがにマーベル御用達のベン・デイヴィスなのねと思ったら、ちゃんとカメラオペレーターとして参加してるんですよね。》
https://twitter.com/j_man_za/status/1304897419004452864
https://twitter.com/j_man_za/status/1304947982601601024
https://twitter.com/j_man_za/status/1304949530035585025
「ザ・ライダー」の美しさに私は圧倒された。「ジュニアボナー」を超える美しさであった。

朝日新聞デジタルは9月13日付で「BTS、全米1位の理由 マッチョでワイルドからの変化」(半田尚子)は次のように書いている。半田は慶応大教授で、ハーバード・イェンチン研究所客員研究員も兼ねる大和田俊之と北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授・金成ミン(王+)にインタビューをしている。
大和田俊之は次のように語っている。
《メンバー自ら、積極的に自分の言葉で発信する姿もファンを引きつけています。BTSの楽曲の中には、メンバー自身が抱える悩みや苦しみを歌詞に落とし込んだ曲もあります。BTSは18年9月、ニューヨークの国連本部で「自分自身を愛そう。自分自身について話そう」と世界の若者に向けて、英語で演説しました。自分の内面をさらし、「自分らしく生きよう」と呼びかける姿に、アメリカの若者も共感しました。》
金成ミンは次のように語っている。
《数々の韓国の音楽グループが世界へ活動の場を求めたのは、韓国の音楽市場の規模が小さく、市場が限られていたからです。市場を拡大するには世界進出を狙うしかありません。しかし、世界でヒットするのは簡単ではない。磨きぬかれた歌とパフォーマンスで、ファンの心をつかまなければなりません。BTSが成功した背景には、20年にわたってグローバル化してきたK-POPの底力があると思っています。》
https://digital.asahi.com/articles/ASN9C43V4N97UHBI018.html

◎ときわ書房志津ステーションビル店・日野剛広のツイート。
《私自身の中には大坂なおみつるの剛士もどちらもいる。両者の大きな隔たりの中に生きていると言っていい。
特に自身の中につるの剛士がいるということこそ強く自覚しなくてはならない。
半世紀生きてきて、その間私自身も差別主義者的な人間であったことを認めなければならない。》
《悪意をもって人を傷つけたことはあるし、無自覚に傷つけたことは更に多いだろう。そしてまだこれから同じことを繰り返す可能性が大いにある。
その自覚を持って生きること、もうそれ以外に差別と向き合う方法はないように思える。自覚を持つだけで過去の精算は出来ないが、自覚し続けるしかない。》
《しかし、それは決して窮屈な生き方ではない。むしろ開放的で新しい可能性があると思いたい。人を傷つけて取る笑い、人の尊厳を踏みつけにして楽しむ娯楽、人を差別して得る安心、そんなものに依存する方が遥かに窮屈な生き方ではないか。それらは自身が差別者であることの自覚の無さが生み出していく。》
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1305154221109473282
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1305154616946909184
https://twitter.com/Nanoruhino/status/1305155069390630913

毎日新聞は更に9月13日付で「持続化給付金不正受給の沖縄タイムス社員 同僚も誘う 給付金以外も虚偽説明で受領」(竹内望)を掲載している。
《日刊紙「沖縄タイムス」を発行している沖縄タイムス社の40代男性社員が国の持続化給付金100万円を不正受給していた問題で沖縄タイムス社は13日、那覇市の本社で記者会見し、男性社員は関連会社タイムス印刷に出向していた社員で、緊急小口資金と総合支援金も個人事業主と偽って申請し、別に計80万円を不正に受け取っていたことを明らかにした。不正受給した計180万円は返還手続きを進めている。》
《さらに、タイムス社の編集局技術職の社員2人も40代男性社員に誘われ、税理士事務所で手数料を払って説明を受けたが、申請はしなかった。40代男性社員は計15人程度に不正受給の話を持ちかけたという。》
https://mainichi.jp/articles/20200913/k00/00m/040/233000c
沖縄タイムス+」は9月13日付で「沖縄タイムス社長『心よりおわびします』と謝罪 不正受給は2人 借り入れ含め計200万円」を掲載している。
《中小企業や個人事業主を対象にした国の持続化給付金の不正受給問題で、沖縄タイムス社の武富和彦社長らは13日、那覇市内の本社で記者会見を開いた。40代男性社員(総務局付課長)が計100万円の不正受給していたことを明らかにし、「国の制度を悪用した行為は法律に反するだけでなく、人や社会を欺く反社会的行為であり、決して許されない。沖縄タイムス社を代表して心よりおわびいたします」と謝罪した。
当該社員は緊急小口資金と総合支援資金も虚偽申請し、計80万円も不正に借り入れしていた。計180万円の返還手続きを進めている。
また、新たに関連会社の30代男性社員が、緊急小口資金を虚偽申請し、20万円を不正に借り入れていたことも説明した。》
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/631842
何故、実名報道をしないのだろうか。有本香ならずとも首を傾げざるを得まい。
https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1304889204996890629

毎日新聞の9月13日付「松尾貴史のちょっと違和感 東京オリンピックとコロナ 安全の担保が優先だろう」は、次のように書いている。
《開催が決まってから、当時の猪瀬直樹都知事は「世界一金のかからない五輪」だとツイッターでつぶやいていたが、予算は桁違いに膨れ上がり、ピークより少しは縮小されたとはいえ、巨額の上乗せが設定されたことに違いはない。それは都民の税金であり、支払われる保険料も税金だろう。こうしたことについての説明が、能動的に聞こえてくることは、まずない。》
https://mainichi.jp/articles/20200913/ddv/010/070/019000c

朝日新聞デジタルは9月13日付で「五輪選手と触れ合い、できるの? 国は維持方針、ホストタウン困惑」を掲載している。
《政府関係者によると、選手らにホストタウンで2週間滞在してもらい、検査で新型コロナの感染が確認されなければ、選手村に移ってもらう案も出ているという。ただ、受け入れる自治体側の負担が大きくなる可能性もあり、「現実的ではない」(内閣官房幹部)との指摘もある。首相官邸の幹部は「交流などにも制約はかかる。ただ、全くなくすわけにもいかない」と両立を探る考えだ。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14620915.html

リクルートキャリアの調査によれば緊急事態宣言下でテレワークを経験した人は、生産年齢人口の多い順に、東京では71.1%、神奈川は63.8%、大阪は64.8%。一方、その他の44道府県では38.5%に留まり、東京とは32.6ポイントの差があったことがわかった。緊急事態宣言を機に「自己の判断で自由にテレワークできるようになった」人は、66.1%が「良かった」と回答。
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/200909-01/

鈴木亮平の妄想旅行記「行った気になる世界遺産」がワニブックスから発売され、「めざましテレビ」で紹介された。「フジテレビュー!!」が9月11日付で「鈴木亮平が“妄想”で旅行記を書き下ろし出版!『時期によっては地獄』執筆期間を振り返る」を公開している。
世界遺産検定1級を所持する“世界遺産マニア”としても知られる鈴木が自ら描き下ろしたイラストと、すべて“妄想”で書かれた紀行で構成される本書について、鈴木自身も「僕の知る限り、世界で最も風変わりで、最もマニアックな旅行記」とコメントしている。》
https://www.fujitv-view.jp/article/post-165484/

自民党の岸田政調会長は9月11日、初の著書となる「岸田ビジョン 分断から協調へ」(講談社)を出版し、神保町の三省堂本店に現れた。スポーツ報知は9月11日付で「岸田雄氏が大人気 書店でサイン求め行列」を掲載している。
《報道陣に「初めての自分の本を出すことができて、大変うれしい。政策はもちろん、自分のこれまでの人生や、選挙のこと、国会議員になってからのいろいろなエピソードも盛り込ませていただいた。興味深く読んでもらえるのではと期待している」と笑顔で話した
その後、本を買った人たちからサインや記念撮影を求められ、一時は列もできた。岸田氏は限られた時間の中で気さくに応じ、握手ではなくグータッチなどで交流していた。》
https://www.47news.jp/politics/5247327.html
岸田という政治家は「時」を逃すことにかけては天才である。

◎光社は書籍を丁寧に売っているのだと思うのは、こうした重版情報をこまめに発信しているからだ。J.D.ヴァンスの「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」は9月11日(金)出来の2,000部増刷で7刷、累計21,000部となった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000544.000021468.html
私たちは、ちょうど4年前ので紹介している。
https://teru0702.hatenablog.com/entry/20161216/1481841796
ヒルビリー・エレジー」は「ダ・ヴィンチ・コード」などの巨匠ロン・ハワード監督による映画化され、Netflixによる全世界配給も決まっている。

◎都内から真鶴町(神奈川)に移住した夫婦が移動本屋「道草書店」を9月から始めた。「タウンニュース」が紹介している。
《町内のパン屋の駐車場に小さなテントを張り、迎えた開店初日。町民に喜んでほしいと、大手の書店にはない選書にこだわり、絵本から庫まで100冊ほどを並べた。すると待っていたかのように町内や隣町からも人が集まってきてくれたという。その様子はまさに、真鶴町の美の基準の一つでもある「小さな人だまり」そのもの。》
https://www.townnews.co.jp/0607/2020/09/12/542268.html

小学館は、太田記念美術館の所蔵作品約180点を厳選、浮世絵に感じる「日本らしさ」について徹底的に解説した「ニッポンの浮世絵 浮世絵に描かれた『日本のイメージ』」を発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000829.000013640.html
太田記念美術館は原宿にある浮世絵専門美術館であり、コロナ禍で休館を余儀なくされた3月より、Twitterで所蔵作品を紹介する〈#おうちで浮世絵〉の投稿を開始し話題を集めたことで知られる。かるび(主夫アートライター)がツイートしている。
太田記念美術館監修の「ニッポンの浮世絵」(小学館)が非常に良い出来でオススメ!
同館所蔵の約180作品で富士山や桜、美人、グルメなど日本のイメージを象徴する代表的な15のモチーフをフルカラーで紹介。浮世絵に描かれた各テーマがポップなテイストで初心者でも分かりやすく解説されています!》
https://twitter.com/karub_imalive/status/1305060155709485056

山本英夫の漫画「ホムンクルス」(小学館)が実写映像化されることになった。「ホムンクルス」は、漫画アプリ「マンガワンにて9月18日まで「全巻イッキ読み」が実施されている。
https://www.crank-in.net/news/80748/1

住友商事の100%子会社で、国内外におけるデジタルメディア事業の投資・開発・運営を行うSCデジタルメディアが運営する、キッズ&ファミリー向けに特化したYouTubeクリエイターのコミュニティサービス「Hapiton!」は、同テーマに沿った動画を一斉配信する企画「ハピトン!DAY」の第8弾を9月11日(金)に実施した。この企画は、国内No.1 YouTubeチャンネル「キッズライン Kids Line」から生まれたアニメ「おりがみにんじゃコーヤン」およ小学館発行の幼児向け知育雑誌「ベビーブック」と連動したもので、「Hapiton!」に所属する計13のクリエイターが、「コーヤンと手洗い」をテーマにした親子向けの動画を一斉配信した
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000033617.html

◎and factoryがパートナーと共同運営するマンガアプリの総合月間アクティブユーザーが、8月で1,000万人を突破した。and factoryは、次の8つのマンガアプリを各パートナー企業と共同運営している。
・マンガUP!(スクウェア・エニックス
・マンガPark(白泉社
・マンガMee(集英社
・コミックevery(ビーグリー)
・サンデーうぇぶり(小学館
・マンガTOP(日本芸社)
ヤンジャン!(集英社
・めちゃコミックの毎日連載マンガアプリ(アムタス)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000014185.html

◎光社は女子大生を中心とした20代向け女性ファッション誌「JJ」のWEBメディア「JJnet」から、9月4日(金)より毎週金曜配信のスマホ特化型WEBマガジン「weekly JJnet」を新創刊した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000541.000021468.html
スマホ特化型は理解できるのだが、週刊というスタイルがピンと来ない。

北海道新聞の「中森明夫の銭湯的メッセージ」は9月12日付で古市憲寿の「アスク・ミー・ホワイ」(マガジンハウス)を取り上げている。中森は「アスク・ミー・ホワイ」を高く評価している。
《題名の『アスク・ミー・ホワイ』とは、ビートルズの初期ナンバーだ。小説中にドイツ・ハンブルクが出てくるが、同地のクラブで無名時代のビートルズが歌っていた。<「なんで?」って聞いてよ>の意味で<「君を愛してるからさ」って答えるから>と続くこのセンスは、若きジョン・レノンのものだ。そういえば、ジョンとヨーコはベッドインと称してホテルのベッドルームから「戦争ではなく、愛を!」と訴えた。半世紀前、そう、アムステルダムでのこと。なるほど、アムステルダムは愛の街だ。コロナ禍に誕生したこの新しい“愛の物語”の一読をお薦めしたい。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/459591?rct=n_major

田亀源五郎の「僕らの色彩」の最終3巻が双葉社より刊行されたが、大阪・画廊モモモグラで「『僕らの色彩』完結記念 田亀源五郎個展 ~モノクロから生まれる色~」が9月12日(土)~10月4日(日)の日程で開催されている。
https://news.mynavi.jp/article/20200912-1297176/

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4)【深夜の誌人語録】

笑い飛ばす技術を磨きたい。