【文徒】2020年(令和2)11月5日(第8巻205号・通巻1862号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】学術会議問題にこだわり続ける新聞社説
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】学術会議問題にこだわり続ける新聞社説

北海道新聞が11月3日付で掲載している社説「学術会議で論戦 矛盾と疑問尽きぬ答弁」は次のように驚いている。
《驚いたのは、首相が推薦会員の名簿を見ていないだけでなく、任命拒否した6人のうち加藤陽子氏以外は知らず、著作も読んでいないことを明らかにしたことだ。
それでなぜ拒否の判断ができるのか。疑問が尽きない。》
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/477558?rct=c_editorial
新潟日報が11月3日付で掲載している社説「予算委論戦 疑問は解消されぬままだ」は次のように首相の説明軽視に呆れている。
《首をかしげざるを得ないのは、任命拒否した53歳の宇野重規大教授が会員の中で若手に当たると指摘され、それを認めるかと問われた際に「認めない」と突っぱねたことだ。
一方で「49歳以下は3%しかいない」と政府側の理屈を押し通すことにはこだわった。
首相の答弁について野党側は「めちゃくちゃ」「支離滅裂」と嘆いたが、無理もない。》
《今国会では、新型コロナウイルス対策などについても議論を深めなければならない。首相は、学術会議問題に関する自らの説明軽視が、その壁となっていることを認識すべきだ。》
https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20201103578879.html
信濃毎日新聞は11月3日付で掲載している社説「衆院予算委員会 首相答弁は矛盾だらけだ」で次のように懸念している。
日本学術会議法は会員候補を「優れた研究または業績がある科学者」から選ぶと定める。首相は6人のうち5人の研究や業績は「知らなかった」とも述べた。それでは、誰がどのような基準で任命対象から外したのか、明らかにしなければならない。
共通点は、安全保障関連法など政府の政策に反対していたことだ。首相は拒否理由として「あり得ない」と述べている。一方で「政府に反対したことを理由に任命を拒否するのは違法か」との問いに、明確に答弁しなかった。
首相が理由を説明できないから学術会議側に「忖度(そんたく)」を求めているようにも受け取れる。これでは会議側に萎縮が生まれ、独立性が脅かされる懸念がある。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20201103/KT201102ETI090009000.php
朝日新聞は11月3日付で掲載している社説「予算委の論戦 一問一答でこの説明か」で次のように怒りを滲ませている。
《政府がいくら否定しても、国会への説明もなく、法解釈を事実上変更したに等しい。法治国家の安定性を損なう行為を立法府が見逃していいわけがない。
自民党は首相への援護射撃のように、学術会議のあり方論へのすり替えに躍起だが、与野党の別のない行政監視の重い責務を自覚するなら、実態解明にこそ力を入れるべきだ。まずは、これ以上、杉田氏の予算委出席を拒み続けてはいけない。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14681466.html?iref=pc_rensai_long_16_article
毎日新聞は11月3日付で掲載している社説「日本学術会議問題 ほころぶ一方の首相答弁」で次のように政府を糾している。
《政府の説明はほころぶ一方だと言っていい。
菅首相はNHKのテレビ番組で「説明できることと、できないことがある」と述べた。だが、そもそも説明できないことを政府がすべきではない。
学術会議について、首相は予算委でも「閉鎖的で既得権益のようになっているのではないか」と語り、組織の見直しに言及した。そうした論点のすり替えでは到底切り抜けられない段階に来ている。》
https://mainichi.jp/articles/20201103/ddm/005/070/058000c
讀賣新聞が11月3日付で掲載している社説「衆院予算委 山積する課題に議論を深めよ」にしても、政府に丁寧な説明を求めている。
《だが、首相が6人の任命を拒否した理由を語らず、「政府が行うのは形式的任命」という過去の政府答弁との食い違いを残したままでは、説得力を欠く。》
《政府が疑問に答える努力をせず、野党との間で押し問答を繰り返しているようでは、国民の期待に応えられまい。論点を整理し、丁寧に説明せねばならない。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201102-OYT1T50248/
中日(東京)新聞が11月4日付で掲載している社説「憲法と学問の自由 迫害の歴史の果てに」はなかなか格調が高い。
《「シンデレラ」「赤ずきん」「白雪姫」…。「グリム童話集」にあるお話です。十九世紀にグリム兄弟がドイツの民話を集め、まとめたことで知られます。
もともと兄のヤーコプと弟のウィルヘルムは言語学者献学者でした。ドイツ北部に当時あったハノーバー王国のゲッティンゲン大学で教えていました。兄は講義の初めに「思想は稲光であり、言葉は雷鳴である」と語ったそうです。学者らしい逸話です。》
《学者には政治から離れた良心に基づく見識が求められているのです。この境界線を突破されれば、またも全体主義への道を進みかねません。
グリム兄弟と同時代を生きた童話作家デンマークアンデルセンがいます。「ヤーコプ・グリムは人が愛さざるをえないような人柄」との人物評が残っています。
そういえばアンデルセンの名作には「裸の王様」も…。取り巻きの同調意見ばかり聞き入れ、学者の正論に耳をふさげば、宰相はそう呼ばれてしまいます。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/66202?rct=editorial
佐賀新聞は11月3日付で、山陰中央新報は11月4日付で掲載している社説「学術会議巡り本格論戦/疑問解消とは程遠い」が指摘しているように私たちが知りたいのは次の3点である。
菅義偉首相は衆院予算委員会で初の本格論戦に臨んだ。焦点の日本学術会議の会員任命拒否問題では、野党の追及に対し理由の説明を拒み続け、疑問はむしろ深まった。
国民が知りたいのは(1)政府に批判的な6人の任命拒否は学問の自由を侵害していないか(2)従来の政府答弁・法令解釈の変更に当たり、手続きに違法性がないか(3)任命権者である首相本人が「候補者名簿を見ていない」としており、誰が任命拒否を実質的に判断したのか-の3点だ。
ところが首相や自民党は学術会議の組織改革の必要性を繰り返し主張。会員構成や活動内容の問題点を強調することで、任命拒否の「正当性」を訴える意図を感じざるを得ない。しかし組織問題と任命拒否は本来別問題だ。因果関係があるように「印象操作」するのは不適当と言うべきだ。》
https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1604457247876/index.html
熊本日日新聞は11月2日付で社説「学術会議問題 論点ずらさず丁寧に説明を」を掲載している。
《当初は推薦段階の名簿を見ていないと発言。他方で総合的、俯瞰[ふかん]的な判断の結果としたが、ここに来て新たに多様性を持ち出したのは苦し紛れにも見える。
学術会議は、この20年間で女性の比率は1%から38%に、関東に偏っていた会員比率も68%から51%に改善したとして、「多様性や男女比率は長い間、試行錯誤してきた結果だ」と反論している。今回、任命拒否された会員には女性や50代前半の若手、その大学からただ1人の研究者が含まれている。首相の言う多様性の根拠があいまいだ。理由を言わず、多様性重視として切り捨てるのはあまりに強権的ではないか。》
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1663326/
琉球新報は11月2日付で掲載している社説「国会代表質問 核心部分避けた首相答弁」で次のように指摘している。
《首相は10月上旬のインタビューで、(学術会議による)推薦段階の名簿は見ていないと述べている。しかし、国会では「偏りが見られることも踏まえ、多様性を念頭に判断した」と答えた。多様性の説明として、東京大学など旧帝国大が45%、旧帝大以外の国立大17%、私立大24%と旧帝大への偏りに矛先を向けた。
なぜ名簿を見ていないのに多様性を考え判断できたのか。それに今回任命拒否された6人中3人は、私立大である。会員が他にいない東京慈恵医大の教授や比率の低い女性の研究者も任命拒否している
多様性を持ち出した首相の説明は、明らかに論理破綻している。その点を突かれると「必ず推薦通りに任命しなければならないわけではない」とはぐらかした。》
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1218201.html
新聞各紙の社説を読んでいると、今度の首相は、前首相の末期と同じような情況に既に追い込まれてしまっている。前首相は病気を理由に退任したが、今度の首相は団塊の世代が得意とする「一点突破全面展開」をもって、この局面を打開しようとするのではないか。総選挙である。

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2)【本日の一行情報】

◎CCCメディアハウス、メリディアンパートナーズ、ノリットジャポンの3社が運営する「FRUIT SAKE Agent Associations」が、10月22日(木)に海外に向けた日本の果実酒の専門Webサイトを開設した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000068582.html

◎「呪術廻戦」の担当編集者も「鬼滅の刃」と同じ片山達彦であることを漫画家の柴田亜美が11月1日に放送されたバラエティ番組ワイドナショー」(フジテレビ系)で明かした。
https://www.excite.co.jp/news/article/Narinari_20201101_62239/
今年の2月5日付「livedoorNEWS」が「『鬼滅の刃大ブレイクの陰にあった、絶え間ない努力――初代担当編集が明かす誕生秘話」で片山をインタビューしている。そこで片山は、「鬼滅の刃」の「セリフの力」について語っている。
《セリフの力が圧倒的ですよね。あんな言語体系、あまり見たことがない。
先生のセリフは、借りものじゃないんです。『ジャンプ』では「キラクターを立てよう」と耳が痛くなるほど指導されます。しかし先生は「そのキャラクターが言っているな」と感じられるセリフを自然と書けていた。そこにいちばん才能を感じました。》
そして、吾峠呼世晴の才能についてこうも指摘している。
《僕が「先生は本当にスゴい!」と圧倒されたのは、『鬼滅の刃の第8話。倒した手鬼に対し、竈門炭治郎が手を握るシーンです。それまでも他の新人作家さんとは一線を画しているとは思っていましたが、あそこで改めて、こういうキャラクター造形ができるところが、この人の才能なんだと感動しましたね。》
https://news.livedoor.com/article/detail/17760339/

◎「auスマートパスプレミアム」は、世界化社のモノ&ファッション誌「Begin」とコラボして、おすすめアイテム&ソングを紹介する特集を、11月2日(月)より公開している。また、Beginとauスマートパスの公式Twitterをフォロー&リツイートする事でスペシャルプレゼントがもらえるキャンペーンも併せて実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000397.000034485.html

朝日新聞デジタルは11月2日付で「オウンドメディア、相次ぐ閉鎖 成功例でも『役割終了』」を掲載している。
《近年は「成功例」とされたサイトの閉鎖や更新停止も相次ぐ。
日本ハムが2015年に開設した「BBQ GO!」は「国内最大級のバーベキューサイト」として広く知られたが、昨年に閉鎖。15年に始まり、最高で月間650万PVがあった帝人の睡眠情報サイト「フミナーズ」は昨年6月に閉鎖された。「担当する部署がすでになく、成果などを体系的に説明できる者がいない」(同社広報)という。
14年にアサヒビール日経BP社と共同で始めたお酒に関する情報サイト「カンパネラ」も人気を博した。週に3~4本の記事を配信していたが、「役割を終えた」(アサヒビール広報)として昨年6月に更新をやめた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNBZ6VQFNBZUTIL002.html
オウンドであろうと何であろうと、オーディエンスにとってメディアの価値は「面白いかどうか」であり、「役に立つかどうか」なのである。発信者からすれば、発信者のビジネスに貢献するかどうかである。

毎日新聞は11月2日付で「#排除する政治~学術会議問題を考える『このままでは理系も手を突っ込まれる』佐倉統東京大大学院教授」を掲載している。
《今回の任命拒否のようなことを許容し続けると何が起きるか。金や権力を握っている人の意向に沿う研究しかできなくなる恐れがある。それは非常に危ういし、国の力全体をそいでいくことにもなります。
実際、歴史を見ると、何度も権力者が学問に口を出していますが、ろくなことになっていない。学術とは20年、30年、場合によっては100年先の社会や子孫を豊かにする、そんな実りを生む木のようなものです。権力者が自らの意に沿った研究しか許さなくなると、根っこの部分がどんどん小さくなっていく。それでは人々が幸せにならない。》
https://mainichi.jp/articles/20201030/k00/00m/010/139000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20201102

◎「春オンライン」は11月2日付で「『誤報が多い』…ウォール・ストリート・ジャーナル記者たちが抗議を出した理由」(近藤奈香)を掲載している。
《なぜWSJ民主党を攻撃するのか。その要因とみられるのが、“世界のメディア王”として知られるルパート・マードック氏(89)だ。ニューヨーク・ポストも、WSJの発行元も、彼が率いるニューズ・コーポレーションが所有する。
マードック氏は前回の大統領選挙でトランプ氏のアドバイザーを務め、一貫して支持してきた。そのため、トランプ大統領誕生後、WSJでは報道方針で対立した記者の解雇や移籍が相次いだのです」(国際部デスク)》
https://bunshun.jp/articles/-/41016

◎「CNET Japan」は11月2日付で「Twitter、バイデン氏の疑惑を報じたNew York Postのアカウント凍結を解除」を公開している。
https://japan.cnet.com/article/35161803/

◎「CNN.co.jp」は11月2日付で「バイデン前副大統領の偽動画、ツイッターで100万回閲覧」を公開している。
《ニューヨーク(CNN Business) 米大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領が集会で会場を言い間違えたかのように見える偽動画が先週末、ツイッターに投稿された。警告を受けて削除されるまでに、閲覧回数は100万を超えた。》
https://www.cnn.co.jp/tech/35161821.html
他人事ではないような気がする。

◎総額1000万円!講談社の「ヤングマガジン」は今年40周年を迎え、10名に100万円が当たる「あなたは100万円あったら何したい? #やんちゃな100万円の使い方選手権」をツイッターで実施している。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000002895.000001719&g=prt

◎学研プラスは、奈良市教育委員会よりオンライン英会話事業を受託し、一人一台のChromebook端末と校内Wi-Fi環境を活用して、外国人講師との相互通信を行い、英会話のレッスンを授業内で行う『学研オンライン英会話for School』を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003017.000002535.html

◎これは必読書。野口悠紀雄ダイヤモンド社から「経験なき経済危機 日本はこの試練を成長への転機になしうるか?」を刊行した。株価バブル(コロナバブル)の原因を過剰流動性ではなく、すなわちマネーが増えていることではなく、「早期の経済再開に対する過剰な期待であり、政府の政策に対する過剰な期待」なのだ、とする。
https://www.diamond.co.jp/book/9784478111994.html
こんな記述もある。「…預金増の大部分は、政府の支出というよりは、金融機関の融資の増加によるものだ。そうであれば、増加したマネーストックの大部分は、コロナ終息後に回収されて減ることになる」と。財務相は読んでおいたほうが良いかもしれない

白泉社は月刊化第1号となったウェブBLマガジン「花丸漫画」を11月1日より、Renta!、コミックシーモア、マンガPark、白泉社e-net!で先行配信した。月刊化に合わせて、配信日と表紙デザインもリニューアルし、ロゴも生まれ変わった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000354.000046848.html

◎インスタフォロワー16万超のイラストレーター「スティーヴン★スピルハンバーグ」のコミック「パンダと犬Ⅳ -The Inu Must Go On-」が、ぴあから11月11日に発売される。わかる?わんわんわんわんの日だ。
https://books.j-cast.com/topics/2020/11/02013478.html
あらゆる才能がSNSから生まれる時代だ。

大日本印刷DNP)が丸善ジュンク堂書店教堂及びトゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」は、LINEが運営するLINE公式アカウント上で電子書籍を購入・閲覧できる<honto for LINE>を11月2日(月)から開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000572.000009424.html
マンガはデジタルが「主」で紙が「従」である。

◎冷凍食品などの製造・販売を行うニチレイフーズと学習参考書や辞書などを出版する旺社ならびに、学習SNSアプリを運用するスタディプラスの3社は、11月1日(日)から11月30日(月)までの間、学習SNSアプリ「Studyplus」内にてクイズチャレンジ企画「ニチレイ 今川焼からの挑戦状!」を実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000047308.html

◎Donutsが開発・運営するライブ配信アプリ「ミクチャ」は11月2日(月)より、女性ファッション誌「LARME」(ラルム)のビジュアルサポートのもと、この世で最も甘くて、かわいい世界観を体現する次世代アイドルユニット「miao」(ミャオ)のオーディションイベントへの応募者募集を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000615.000004237.html

産経新聞は11月2日付で「アパレルのレナウン破産へ」を掲載している。
新型コロナウイルスなどの影響で衣料品販売が激減し、5月に民事再生法適用を申請していたが、会社全体を引き受けるスポンサー企業が見つからず破産手続きに移行することになった。》
https://www.sankei.com/economy/news/201102/ecn2011020010-n1.html
創業118年の歴史に幕が降りることになった。私はレナウンというと電通映画社を連想してしまう世代に属している。

◎「水けナシでとどけられますが」は第二回宣伝会議賞を受賞した柿沼利招のコピーだ。オリンピックの開催された1964年のことだ。柿沼は、この受賞でナショナル宣伝研究所(当時)に入社する。10月29日、肺腺がんで亡くなった佐江衆一である。広告人として朝日広告賞や日経広告賞を受賞している。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14681621.html
「洪水を歩む―田中正造の現在」やホームレス襲撃事件を題材にした「横浜ストリートライフ」も佐江の作品である。

パソナグループで農業分野での人材育成事業等を展開する株式会パソナ農援隊は、カルチャー・ライフスタイル誌「Pen」などを発行するCCCメディアハウスと連携し、ミシュランガイドで星を獲得したフランスのレストラン等で実際に採用された日本の厳選された地域産品を、生産者のこだわりやその地域の化・歴史を発信しながら販売するWEBメディア「てまひまオンライン」を11月2日(月)に開設した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000853.000016751.html
https://temahima.jp/

◎野間芸賞は、小川洋子の「小箱」、野間芸新人賞は李龍徳の「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」(河出書房新社に決まった。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65968/
「排外主義者たちの夢は叶った」という一行で始まる「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」もディストピア小説である。
「私は今の世間があまりに『正義』とか『理想主義』とか『人権』とかっていう言葉を嘲る、その風潮がほんとに大嫌いだった、小さいときから。だから、私は逆にそこに向かって走ろうと思った。」
こういう気持ちがわかるかどうかだよな。

◎毎日出版化賞が決まった。
学・芸術部門 「<うた>起源考」 藤井貞和青土社
・社会部門 「追いついた近代 消えた近代 戦後日本の自己像と教育」 苅谷剛彦岩波書店
自然科学部門 「洪水と水害をとらえなおす 自然観の転換と川との共生」 大熊孝(農協プロダクション)
企画部門 「池澤夏樹=個人編集 日本学全集」全30巻(河出書房新社
特別賞 「ものがたり西洋音楽史近藤譲、「ものがたり日本音楽史」徳丸吉彦著(岩波書店
https://mainichi.jp/articles/20201103/ddm/010/040/012000c
毎日出版化賞がなかったならば、私は大熊孝の「洪水と水害をとらえなおす 自然観の転換と川との共生」を読むことなどなかったに違いない。阿賀に生きる」で撮影監督をつとめた小林茂がツイートしている
《本日、「阿賀に生きる」製作委員会代表(新潟大学名誉教授、新潟水辺の会)の
大熊孝著『洪水と水害をとらえなおす』が毎日出版化賞を受賞しました。
  近代的河川の国家一元管理の思想に対し、川と共生しながら生きる民衆の知恵をいかした実践的思想を提唱した。》
https://twitter.com/kobacamera/status/1323420680830939137
不忍ブックストリート代表の南陀楼綾繁は、今年の5月23日に次のようなツイートを発表している。さすがだ。
《大熊孝『洪水と水害をとらえなおす 自然観の転換と川との共生』(農協)届く。新潟大学で河川工学を研究してきた著者の集大成的な本。ダムなどの開発を優先した「国家の自然観」に対し、近世以来の「民衆の自然観」復権を論じる。大熊さんは映画『阿賀に生きる』の製作委員会代表も務めた。》
https://twitter.com/kawasusu/status/1264115037884448768

◎書泉(アニメイトグループ)では、11月2日から11月30日まで「本屋で物産展-福島-」を芳林堂書店高田馬場店3階にて開催している。 喜多方ラーメン、赤ベコなどに代表される福島の名産・名物を多数販売している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002185.000016756.html

講談社は、「大切な人にコミックをギフトする」というコンセプトのもと、11月3日(火)より「ギフコキャンペーン」をスタートさせた。参加書店は未来屋書店紀伊國屋書店丸善ジュンク堂書店、リブロプラス、有隣堂ブックファーストど。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002897.000001719.html

テレビ東京カンブリア宮殿」に学研ホールディングスの宮原博昭が出演していたようだ。学研のピークは1979年だったという
《会社全体の売り上げは1000億円と業界トップを走っていたが少子化などで購入者が激減。売り上げは下がり続け、2009年に「学習」と「科学」は休刊する。
ところが翌年、宮原博昭(60)が学研ホールディングス社長に就任すると、10年連続増収に転じ、去年は1400億円を叩き出したのだ。
ライバル出版社、集英社の堀内丸恵社長は宮原を「出版界で一番バイタリティーがある、エネルギーがある。ちょっと元気をもらっています」と評する。》
https://www.mag2.com/p/news/472765
周知のように集英社の堀内丸恵は現在、会長である。さて、学研の宮原であるが、防衛大学校に進学し、航空自衛隊パイロットを目指し、その後、ひとっ飛びに学研に入社するとしているが、その間瀬島龍三あたりのつながりで商社の仕事を確かニューヨークでしていたのではなかったか。

西武池袋本店別館2階=西武ギャラリーにおいて「パタリロ!白泉社)のコミックス 100巻達成を記念して魔夜峰央原画展が11月11日(水)まで開催されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000695.000031382.html

小学館のWebメディア「和樂web」は、10月に月間200万UUを達成した。メディアのコンセプトである「日本化の入り口をつくる」ための活動をますます拡大するため、11月2日(月)にサイトデザインとロゴを新たにリニューアルもしている。
特筆すべきは「和樂web」が企業や自治体とのコラボレーションにも力を入れていることだ。2019年は滋賀県の観光PRを目的としたタイアップ記事を制作、全国の工芸作家とのつながりを武器新千歳空港直結のプレミアムホテル「ポルトムインターナショナル北海道」の空間デザイン、プロデュースも担当。2020年はAGF「煎」のタイアップ記事を公開、来年には商品発売も予定。また、サントリーホールディングスの社内向けセミナーではこれまでに5回にわたる講義を実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000890.000013640.html

◎「BuzzFeed Japan News」の編集長に貫洞欣寛が、同副編集長には神庭亮介が就任した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000019238.html

◎マガジンハウスは、「ゲスの極み乙女。」「DADARAY」「ichikoro」のベーシストとして活動する「休日課長」の初書籍「ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん」を11月19日(木)に発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000030125.html
こういう変化球でヒットを打てるようになると良いんだよね。さすがマガハだということになる。

東洋経済記者・中野大樹のツイート。
《記者志望が減っている問題、労働時間はやはり大きいと思う。
写真は某社の採用ページのQA。
正直に就活生に伝えているのは素晴らしいけれど、この表だと実働14時間程度で、月換算100時間の残業。単月で過労死ラインを越えてます。
忙しい検察担当とはいえ、平均的な一日でこれはやはり問題だと思う。》
https://twitter.com/nakano_tkbiz/status/1323506879478202368
「空飛ぶんや」がリツイートしている。
《そして、そんな労働時間によってもたらされるものが、発表モノの抜き抜かれ競争という会社の自己満足であり、読者は年々減り、マスゴミと蔑まれ、給料さえも減れば、そりゃ、もう、どうしようにもない…。》
https://twitter.com/ffPyk80YBU6w7fG/status/1323577518595559425
これをまた「限界マスコミのアライさん」がリツイートして。
《さらに言えば、こーゆー生活デフォとするオッサンたちが、子育て記者を排除する理由に夜回りできないことを挙げるのだ。「じょせー記者も本気で仕事したいなら子ども作るべきじゃないよな」とか、平気で言うおじーさんがまだ存在する世界なのだ。
このままでは限界なのだ。》
https://twitter.com/arai3media/status/1323581548126334982
「限界マスコミのアライさん」は中野の投稿もリツイートしている
《これでもまだマシなのだ。
子どもできると都下に住む人多いので、出発・帰宅時間は1時間ずつ前後に食い込むのだ。昔は夜回り先から直帰できたらしいけど、今は経費削減のため一度社に上がってから帰宅便なので社発1時近くなるのだ。こんな生活してもいいかなと思う学生はもはや絶滅危惧種かもなのだ。》
https://twitter.com/arai3media/status/1323575702155767808
ガガーリン工場長」が「限界マスコミのアライさん」をリツイートだ。
ブラック企業が吊し上げられる昨今にて、春から記者になる絶滅危惧種です。
現役記者に質問できる某新聞社のインターン中、学生から福利厚生の話題が出た瞬間に人事が話を遮り年間休日等の説明をし始めた。
その時の記者の苦笑いと泳いだ目は、あの場にいた学生全員の脳裏に焼きついているに違いない。》
https://twitter.com/shokicho_21/status/1323636381873102854
「限界マスコミのアライさん」が「ガガーリン工場長」に応じる。
《(ここだけの話)某新聞社、有給休暇は年に二十何日かあるけど、あとは公休週2日だけなので、祝日休むと年休が自動的に消化されるのだ。労基法違反スレスレだけど、その年休すら未消化な人がほとんどというブラック風味。福利厚生なにそれ美味しいの?って世界なのだ。》
https://twitter.com/arai3media/status/1323643195519950849
オレにしても一日12時間労働が常態化している。しかも休日休暇はゼロ。自分で自分を労働強化している(泣)。いや、オレなどは、まだマシな部類であろう。実際、出版業界で言えばフリーは週7日12時間労働は当たり前。そうやってフリーを自在に使えるから、正社員は高給を取れるし、休日も確保できる。こうした二重構造は日本経済のお家芸である。

共同通信は10月30日付で「東京五輪開会式入場は五十音順で 組織委が各国に伝達、史上初」を配信している。
東京五輪パラリンピック組織委員会が五輪開会式の選手団の入場について、日本語で国・地域名を表記した五十音(あいうえお)順で実施すると、各国・地域の国内オリンピック委員会NOCに伝えたことが29日、分かった。》
https://this.kiji.is/694591977155560545?c=113147194022725109
平野啓一郎が引用ツイート。
《中止一択だろう、これだけ見ても。恐ろしいほどに貧しい「日本固有の化」観。》
https://twitter.com/hiranok/status/1323641210448179205
これは鈴木耕。
《ヨーロッパは感染第2波でロックダウンする国が続出。
いまだに「東京オリンピック」などと言っている連中は、もはや「反日」どころか「反世界」でしょう。》
https://twitter.com/kou_1970/status/1323549382512320512

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3)【深夜の誌人語録】

せめて遠吠えできる余力を残しておきたい。