Index------------------------------------------------------
1)【記事】京都大学の緊縛シンポジウムのお粗末
2)【記事】フリーランスが報酬未払いセクハラ地獄を提訴
3)【記事】記事の原稿を大阪市財政局にみせていた毎日新聞
4)【記事】沖縄タイムス元社員を逮捕で琉球新報、沖縄タイムスは匿名 朝毎讀は実名報道
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.11.16 Shuppanjin
1)【記事】京都大学の緊縛シンポジウムのお粗末
NHK NEWS WEBは11月11日付で「京都大 “縄で女性縛る動画” ネット公開を停止」を公開している。
《京都大学で10月開かれた、縄で人を縛ることをテーマにしたシンポジウムで、着物姿の女性を縛る様子を実演し、動画をインターネットで配信していましたが、大学は内容に不快感を示す意見が寄せられたことから、公開を取りやめました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201111/k10012706891000.html
朝日新聞デジタルは11月13日付で「『緊縛』シンポ、京大が動画公開中止して謝罪 批判受け」(田中ゑれ奈、河野通高)を掲載している。
《シンポジウム「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」は先月24日、京大の人社未来形発信ユニットと文学研究科応用哲学・倫理学教育研究センター主催で開かれた。性的な文脈で捉えられてきた緊縛について、その歴史や近年の国内外での受容の広がりを踏まえて現代アートとしての側面から再考する趣旨で、緊縛師の男性がモデルの女性を縛ってつるす実演もあった。会場とライブ配信をあわせて600人超が参加し、アーカイブ動画は終了後2週間限定の予定で公開されていた。動画は海外を中心に話題となり、約59万回視聴された。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNCF3C89NCDPTFC001.html
企画したのは京大文学研究科教授の出口康夫だという。イアン・ハッキングの翻訳者として知られている。数理哲学者である。田辺元の嫡子なのかもしれない。
《数理科学は、対象の「量」に着目します。量を測定し、その間の規則的な関係を見つけ、それを数学的に表現した上で、実験や観察で検証する。物理学なら物理現象、生物学なら生物現象を量として捉えて、数学的に記述し、分析していく。こうした作業を行う科学が「数理科学」です。そのような数理科学の正体を暴いて、批判的に検討するのが、僕の言う「数理科学の哲学」、すなわち「数理哲学」です。
数理哲学には、もうひとつの側面もあります。それは、数理的な道具立てを用いて、過去の思想や哲学を分析するというものです。現在僕は、「分析アジア哲学」という分野に踏み込み、アジア思想の研究をしています。その際のツールとして、数理的、論理的な道具立てを使う。そうやって、昔のアジアの思想や、近代日本の哲学が汲み取ろうとしてきたものの考え方を、現代でも使えるような仕方で、汲み取り直してみたいと思っています。》
https://www.toshin.com/sekai/interview/11/
こんなプログラムであったという。
①イントロダクション
出口康夫(CAPEセンター長・UKIHSSユニット長)
②緊縛入門ミニ講義:緊縛からKINBAKUへ
藤峰子(緊縛アーティスト)、山森真衣子(哲学・東京大学総合文化研究科PD)
③講演:緊縛ニューウェーブのいま + KINBAKUパフォーマンス
Hajime Kinoko(緊縛師) × あいみ(モデル)
④現代アートとしての緊縛
吉岡洋(美学・現代アート論:京都大学こころの未来研究センター教授)
⑤ 緊縛の哲学:アジア的自己の観点から
出口康夫(哲学:京都大学文学研究科教授)
⑥座談トーク
Hajime Kinoko × 藤峰子 × 山森真衣子 × 吉岡洋 × あなた
司会 出口康夫
https://ukihss.cpier.kyoto-u.ac.jp/2262/
緊縛師のHajime Kinokoがモデルのあいみを縛ってつるす実演が問題となったのだろう。Hajime Kinokoは12月1日(火)~ 12月6日(日)の日程で渋谷の「Gallery LE DECO」でHajime Kinoko展「和様緊縛 雅」が開催される。
《私にとって縛りとは、「つながり」です。
誰かを縛る時、とらえる、縛りつけるといった感覚ではなく、相手との『つながり』を一番に感じます。 縄は糸電話のように相手と自分とを結びつける、そんな感覚になります。相手の事を大切だ!と強く想い縛ると、相手が縄を通してほしい箇所、タイミング、してほしい強さなど様々を感じ取ることができ、それに応じて縛ることができます。その感覚で縛れた時につくり出されるラインは、波が岩肌を削り崖ができるように、まるで大自然のなか出来上がったような、自分とその相手だけのラインとなります。私はそれが素晴らしく、美しいと感じます。
僕にとって追い求めている縛りは、それです。》
http://shibari.jp/special/index.html
http://shibari.jp/profile/index.html
「NHK NEWS WEB」の「関西NEWS WEB」は11月11日付で「京大 緊縛動画を公開停止し謝罪」を公開し、次のように書いている。
《…この動画を見た人から「女性を軽視している」とか、「これは学問なのか」など不快感を示す意見が寄せられ、京都大学は今月5日、動画の公開を停止したということです。
京都大学は、「大学の研究成果はできるだけ社会に還元すべきと考えているが、今回の動画の一部について不愉快に感じた方には申し訳なく思います。今後は適切な配慮を行う」とコメントしています。》
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201111/2000037132.html
私には、京大のこうした対応が「学問の自由」や「表現の自由」とは程遠い対応のようにどうしても思えてならないのである。朝日新聞は豊田市美術館長の村田真宏にコメントを求めているが、村田の指摘する通りではないか。
《愛知県美術館長時代に展示の一部が「わいせつ」として警察の介入を受けた経験がある村田真宏・豊田市美術館長は、「単に『不快だ』といった批判を受けてやめることには慎重であってほしい。たとえ1日の前倒しでも残念だし、きっかけが1件の抗議だとしたらなおさら残念だ」と受け止める。「どんな作品であれ賛否はある。公開とりやめが積み重なると、人々が多様な表現や価値観に触れられなくなることが最大の問題だ」》
https://digital.asahi.com/articles/ASNCF3C89NCDPTFC001.html
松井計のツイート。
《アカデミアに属するわけでもない人から、「これは学問か」という問い合わせがあったからと言って謝罪していたのでは、学問なんか成立しなくなるんじゃないんですか?》
https://twitter.com/matsuikei/status/1327198426371563520
こういう事件を眼前にすると桐野夏生の「日没」(岩波書店)が一層リアリティを帯びてくる。「緊縛をあたかも肯定するかのように書いている」という告発により、作家収容所に囚われてしまう一歩手前の時代を私たちは生きているのかもしれない。問われているのはシンポジウムを企画した京大教授の批判精神の「重量」なのではないだろうか。ろくでなし子が連ツイを発表している。
《京都大学のような権威だから余計に「緊縛のようないかがわしいものを」と非難されたのだろうけど、そんなクレームくらい予想の範囲だったはず。学問として発表するなら簡単に折れない矜恃は欲しかった。これで緊縛がいかがわしいものになってしまった。》
《そもそも、無理に「学問として習うこと」なの?という疑問がある。趣味嗜好の話じゃないの…。わたしにはそのセンスがないから、仮に習ったとしても、特に面白くないと思うんだよなぁ。友人にも緊縛好きな子はいるが、学問として習わなくても、自分から探求してその道の人になってるし。》
《「緊縛は芸術だ」というイメージを高めたかったのかな。わたしは、緊縛好きな人の自由は尊重するけれど、自分はしないから、あれこれ言える立場じゃない。ただ、万人に認められる物にしたいのであれば、やっぱり発表する側に、クレームなどには絶対に折れない覚悟は必要だと思う。》
https://twitter.com/6d745/status/1326663122686410752
https://twitter.com/6d745/status/1326666577836560385
https://twitter.com/6d745/status/1326668387800346624
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2)【記事】フリーランスが報酬未払いセクハラ地獄を提訴
朝日新聞デジタルは11月13日付で「『セクハラ』『報酬未払い』…被害訴えるフリーランス」を掲載している。これが事実なら本当に酷い。
《訴状や会見などによると、昨年3月に女性の個人ウェブサイトを通じて、エステサロンの体験記事の執筆依頼があった。引き受けて記事を書いたところ、経営者は高く評価。「会社を辞めて、うち専属でフリーでやりなよ」などと声をかけられた。
その後、無料体験の施術と称して下半身を触られたり、性行為を強要されたりするなどの性被害があったという。女性は当時、アルバイトなどを掛け持ちしながらフリーランスとしての独立を目指していた。専属契約の交渉が進んでいたこともあり、これらの行為を我慢していたという。
昨年7月、コラムの執筆やエステサロンのSNS発信などの業務委託契約を結んだ。ただし、女性の弁護士によると書面で契約を交わしておらず、LINEやメールのやりとりでの契約だったという。契約を受けてほぼ毎日コラムを配信したが、経営者は「こんな質の低い記事に報酬は払えない」と繰り返し、結局1円も支払われなかった。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNCB5JLKNC4ULFA02D.html
小川たまかも「YAHOO!ニュース」に9月9日付で「叱責した後『ハグしてあげる』 フリーライター女性が契約先をセクハラと報酬未払いで提訴」を発表している。そこで、次のように書いてている。
《Aさんは裁判支援を訴える会で、「セクハラを受けていながらなぜ仕事を続けてしまったのか」について自ら説明し、「今の自分だったら、セクハラ的なことを言われたときに辞めたいと思う」としながら、「『プライベートゾーンを触られることが犯罪だ』というような、性の知識不足が原因だと思う」と話した。
男性からの行為は施術中に言葉巧みに行われた。Aさんは抵抗を示したが、男性はやましい行為ではないかのように言い繕ったという。
「(男性は)毎回のようにセクハラ的な発言をした。嫌ですと言ったり困ったりしていると、『女性が一人でやっていくなら、男のセクハラをうまくかわせるようになっていかなければ』と言われ、セクハラをされても無心でいられるようにしなければと思ってしまった」》
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20200909-00197307/
http://union-nets.org/wp-content/uploads/2020/10/Ms_A_support.pdf
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3)【記事】記事の原稿を大阪市財政局にみせていた毎日新聞
讀賣新聞オンラインは11月12日付で「毎日新聞記者、取材先の大阪市職員に掲載前の下書き原稿見せる…都構想巡り」を掲載している。毎日新聞がスクープしたものの、大阪市長松井一郎などから「誤報」だと袋叩きにあった10月26日付の記事「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」は、《毎日新聞大阪本社の記者が、取材先の大阪市財政局の職員に、掲載前の原稿の下書き(草稿)を2度、見せていたことが、市や同社への取材でわかった》と讀賣新聞は報じたのである。讀賣新聞は、こう書いている。
《市によると、記者は10月15日、市財政局の課長に記事の内容を確認してもらうため、A4用紙1枚にコピーした草稿を手渡した。課長は内容を確認し、修正点を指摘。上司に見せた後、市役所内に保管していた。記者は掲載前日の同25日にも、修正した原稿を課長にメールで見せた。》
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201112-OYT1T50231/
讀賣新聞も書いているように「原稿を事前に渡すことで、取材対象の介入を招くおそれがある」ため基本的にはしないのが新聞記者の常識であるし、モラルであるとされてきた。これを毎日新聞は破ったというわけである。元ロイター記者で、現在は北陸大学准教授の志田義寧もツイートしている。
《これはまずい。記事を取材先に見せないというのは、記者のイロハのイ。見せれば必ず注文がつく。》
https://twitter.com/y_shida/status/1326997159107989504
法政大学大学院メディア環境設計研究所長の藤代裕之もこうツイートしている。
《一面トップの掲載前原稿の下書き(草稿)を2度見せていたと、それもコピーとメール…軽率ではすまないだろ…》
https://twitter.com/fujisiro/status/1327504700632129537
「週刊文春」特派記者の和田泰明が鋭い。
《驚いたのは課長とその上司、つまり組織として毎日報道を事前にチェックしていたこと。
私は拙著を出版する際、正確を期すため、信頼する都庁幹部に原稿の一部に目を通してほしいと頼んだら「バレたら大変なことになる」と一蹴されたものだ。
大阪市、大丈夫か!?》
https://twitter.com/yasuakiwada/status/1327516181188657152
毎日新聞記者の一宮俊介が火中の栗を拾って次のようなツイートを投稿している。
《毎日の記者が掲載前の原稿の下書き(草稿)を大阪市職員に見せていた問題。
取材相手に草稿を渡すことは基本的に禁じられていますが、記者になってから、読者はその理由となる「報道機関の独立性の問題」よりも「正確性」の方を気にしているのではないかと思うことがあります》
https://twitter.com/Ichimiya_Sh/status/1327269074850680832
「限界マスコミのアライさん」は、こう指摘している。
《確かに、草稿を紙にしてまるっと渡したのは軽率だったかもしれないのだ。でも、市職員が確認したのなら、その時点でその数字は存在して、かつ正しいものだったことを、心ならずも証明してる趣深い記事なのだ。
読売さんこそ維新と一心同体なのだ。ワン》
https://twitter.com/arai3media/status/1326967980199014400
しかし、桜ういろうは、こう見ている。
《検閲につながりかねない行動で感心できませんが、逆に維新の側は「毎日ガー」と言えなくなりましたね。大阪市財政局がチェック済みの原稿な訳ですから。》
https://twitter.com/uirousakura/status/1327018671282155520
毎日新聞においては、報道よりも政治が優先されたのであろう。加えて讀賣新聞においても、讀賣の政治が今回の記事を書かせたのではあるまいか。
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4)【記事】沖縄タイムス元社員を逮捕で琉球新報、沖縄タイムスは匿名 朝毎讀は実名報道
琉球新報は11月13日付で「【速報】沖縄タイムス元社員を逮捕 コロナ給付金詐取容疑 マスコミ関係者で初」を掲載している。
《新型コロナウイルス感染拡大で収入が減少した個人事業者に最大100万円が支給される持続化給付金を国からだまし取ったとして、沖縄県警は13日午後、沖縄タイムス元社員の40代の男を詐欺容疑で逮捕した。》
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1224816.html
琉球新報は翌14日付で「沖縄タイムス元社員を逮捕 コロナ給付金の詐欺容疑 約40人関与の起点か」を掲載している。
《男は沖縄タイムス社の総務局付課長時に計180万円を不正に受給・借り入れしたほか、編集局所属の技術職や関連会社の社員ら3人にも申請を紹介した。男を起点に社内外を合わせて40人程度が、不正な受給・借り入れに関与した可能性があるという。特捜本部は関係者の事情聴取などを進めており、県内の不正受給の全容解明を急いでいる。》
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1225124.html
朝日新聞デジタルは実名報道。11月13日付「沖縄タイムス元社員を逮捕 コロナ給付金不正受給の疑い」は、こう書いている。
《沖縄県警は13日、新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金100万円を不正に受け取ったとして、沖縄タイムス社(那覇市)の元社員牧志秀樹容疑者(45)=那覇市識名4丁目=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNCF6VK0NCFTPOB005.html
毎日新聞が11月13日付で掲載した「持続化給付金をだまし取った容疑 沖縄タイムス元社員を逮捕」も実名報道。
https://mainichi.jp/articles/20201113/k00/00m/040/321000c
讀賣新聞が11月13日付で掲載した「コロナ給付金100万円だまし取る、沖縄タイムスの元社員逮捕」も実名報道。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201113-OYT1T50221/
さて、沖縄タイムスは?沖縄タイムスは容疑者にインタビューしているが匿名であった。11月14日付で掲載している「『軽率だった』『償いたい』 逮捕の沖縄タイムス元社員」がそうだ。
《 国の持続化給付金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕された沖縄タイムス社の元社員で無職の男(45)が本紙の取材に「お金が入るのなら、という本当に軽率な意識だった」などと語った。》
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/663548
沖縄タイムスは「ネット上の匿名報道についてのご説明」を発表している。
《新型コロナウイルスに関連した持続化給付金について、沖縄タイムス社元社員が不正受給し、詐欺の疑いで13日に沖縄県警に逮捕されました。新型コロナで日常生活の維持が困難になった世帯などの救済を目的とした国の制度を悪用した行為は、法律に反するだけでなく、人々や社会を欺くものであり、許されるものではありません。逮捕容疑が行われた際には社員であり、不正行為をはたらいたことにお詫び致します。
沖縄タイムスでは実名報道を原則としておりますが、事件・事故の報道については紙面上は実名で、ホームページなどでは匿名での報道を基本としております。インターネット上では、一度掲載すると情報が広がって長く掲載され、すべてを消すことは困難です。逮捕で容疑者を実名で報じた後、不起訴や裁判で無罪になったりするケースもあることや、刑期満了後もネット上に長く残り続けることで、当事者が不利益や迷惑を被る恐れがあります。また、近年は「忘れられる権利」の訴えも一部で認められるようになりました。
ただし、ネット報道であっても、例外として政治家や幹部公務員など公的な立場の人、有名人の事件・事故については実名で報じる場合があります。また、多くの犠牲者がでるなど社会に甚大な影響を及ぼすような殺人や連続強姦、放火、子どもが巻き込まれるような重大事件では、実名で報道することがあります。
こうしたネット上の特性を踏まえ、事件・事故の報道は匿名を原則とし、容疑者の顔写真も掲載してきませんでした。》
https://www.okinawatimes.co.jp/common/otp/docs/Press_explanation.pdf
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5)【本日の一行情報】
◎久しぶりに箕輪厚介の話題だ。箕輪が駅で買った本は集英社新書「人新世の『資本論』」であった。こう呟いている。
《これ、何気なく駅でいま買ったんだけどサッカー部の後輩の斎藤じゃない?》
https://twitter.com/minowanowa/status/1327519001715511301
「人新世の『資本論』」の著者は斎藤幸平だけれど・・・。箕輪が更に呟く。
《絶対に齊藤だ》
https://twitter.com/minowanowa/status/1327519715028156427
箕輪は斎藤幸平に確認する。
《ちがかったらすみません。斎藤だよね?》
https://twitter.com/minowanowa/status/1327519959572856833
斎藤幸平がリツイート。
《斎藤さんだぞ!(もう先輩に認知されてると思ってましたw)》
https://twitter.com/koheisaito0131/status/1327520786014322689
斎藤が《お買い上げありがとうございます!!》と呟いたのに対し、箕輪が応じる。さすが箕輪だ。
《俺が今言いたかったことを全部代弁してくれてる。まだ読んでないけど》https://twitter.com/minowanowa/status/1327521151107571713
白井聡や松岡正剛の帯に書かれた惹句を写メしながら箕輪がツイートしている。
《すごいな斎藤。めっちゃ褒められてる。育てた甲斐があったわ》
https://twitter.com/minowanowa/status/1327521478980505600
箕輪厚介、天才編集者を自称しているが、相当に鈍感な編集者である。
◎中村虎之介のツイート。亡くなった坂田 藤十郎の孫にあたる。
《祖父はいつも楽屋で周りの人たちに感謝の気持ちを忘れませんでした。
お客様、一緒に舞台に立つ俳優、後輩、お弟子さん、幕内の全ての人にいつも目を見て"ありがとう"を伝えていました。
僕の目から見た最も尊敬する祖父の姿です。そんな祖父の孫に生まれたことを誇りに思います。今までありがとう。》
https://twitter.com/starfishtora18/status/1327605153998938112
◎社民党が分裂。「インビジブル」(文藝春秋)の坂上泉が次のようにツイートしている。
《深夜に今更ですが、戦後55年体制の双璧として確たる奇跡を残してきたはずの日本社会党の系譜が、こうして縮退して消滅するというのは、戦後史をかじってきた者としては思うところが幾ばくかありますね。好き嫌いではなく、時代の趨勢について思いを馳せざるを得ない。》
《この手の話に好きとか嫌いとか色々なご意見が飛んできがちなんですが、そういう次元ではなく、彼らがいかなる時代的要請のもとに誕生し、いかなる役割を果たし、そしていかなる弊害を抱えていかなる限界にぶち当たった末に現下の趨勢となったのか、についてに興味があるのですよね私は》
https://twitter.com/calpistime/status/1327681412007223297
https://twitter.com/calpistime/status/1327682854130642945
◎東京新聞は11月14日付で「朝鮮人虐殺語り継ぐ 元中学教師が証言集の普及版出版 歴史否定が活発化『若い人に読んでほしい』」(五味洋治)を掲載している。
《九十七年前の九月一日に起きた関東大震災での朝鮮人虐殺を知ってほしいと四年前に出版された証言集に、価格を三分の一以下に抑えた普及版ができた。著者は「若い人たちに証言を読んでほしい」と期待している。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/68353?rct=national
西崎雅夫による「関東大震災 朝鮮人虐殺の記録 東京地区別1100の証言」(現代書館)がそうだ。大変な労作である。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5886-0.htm
◎宝島社のモノ情報誌「MonoMax」(モノマックス)12月号はアウトドアブランド「マーモット」の3ポケットショルダーバッグが付録の通常号と、同じ「マーモット」のキルティングマフラーを付録にしたセブンイレブン、セブンネットショッピング限定発売の増刊号を2種同時発売している。宝島社は、この方法をすっかり定着させてしまった。
https://books.j-cast.com/topics/2020/11/12013570.html
宝島社は、紙の雑誌にさしてこだわりがないのである。値崩れのしないモノを書店やコンビニの雑誌売り場で販売するビジネスを確立したのである。
宝島社はスマートフォンゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」のエコバッグをマルチメディア本「Disney ツイステッドワンダーランド ECO BAG BOOK」「Disney ツイステッドワンダーランド CUP COFFEE TUMBLER」として、2021年1月1日(金)に、セブンイレブン店舗とセブンネットショッピング限定で発売する。
https://www.crank-in.net/trend/item/82933/1
https://www.crank-in.net/trend/item/82938/1
◎「鬼滅の刃」が第1位から陥落した。代わって1位となったのは「ハイキュー!!」の最終45巻である。そう版元に変動はないのである。「ハイキュー!!」もまた集英社。11月2日~8日の週間コミックランキングでベスト20のうち集英社以外の作品でランキングされているのは、13位のスクウェア・エニックス「黒執事」と16位の小学館「アオアシ」だけである。ベスト30に拡大しても、集英社の作品が26点も入っている。23位と26位が小学館の「BLUE GIANT」なんだよなあ。
https://hon-hikidashi.jp/more/117903/
◎博報堂・大広・読売広告社の10月度単体売上高。博報堂は新聞とインターネットが前年同月を超えたが、雑誌はマイナス33.6%となった。大広は新聞だけが前年同月を超えた。雑誌はマイナス54.9%。読売広告社はインターネットが前年同月を超えた。雑誌はマイナス68.8%。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1903469/00.pdf
◎博報堂DYホールディングスの2021年3月期の連結業績予想は売上高は15%減の1兆2470億円、純利益が前期比71%減の130億円になる見通しであることを発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1903453/00.pdf
◎日本経済新聞は11月11日付で「芥川賞作家の町屋良平、初の連作短編集」(中野稔)を掲載している。河出書房新社から「ふたりでちょうど200%」を刊行した町屋良平は、人間の一断面を小説で描くにあたってグラデーションとして表現したいと語っている。
《「小説は人間のある一断面を描くことになるが、できればそれをグラデーションとして表現したいと考えている。ずっと過程にあるものとして。私が運動や身体表現にひかれるのはそのためかもしれません」と町屋は話す。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65641760Z21C20A0BE0P00/
町屋はボクシング小説「1R1分34秒」で芥川賞を受賞した。町屋は、こんなツイートも投稿している。
《尾崎世界観「母影」(新潮12月号) 最高にすごかった。この作家の文章はずっとそうだが文に宿る五感の精度が並外れており、それでいて端整で、読者としての私の身体にこもる記憶が刺激をうけて呼び覚まされふるえる。なにか特徴が見つけやすいようではないのにこんなに「感じ」のある文章は稀な気がする》
https://twitter.com/cori_uno/status/1325122891940204547
これも町屋のツイート。
《鬼滅をようやく観て泣 おれは鬼になりたいのだが……》
https://twitter.com/cori_uno/status/1325455541569683460
これは「河出書房新社 文藝」のツイート。
《町屋良平さん初の連作小説集『ふたりでちょうど200%』が先週末より発売です。男子同士の友情を、ままならない体を、丁寧に、切実に、かつユーモアたっぷりに描いた新文学。ぜひお手にとってみてください。装幀は飛ぶ教室の森敬太さん@dioramabooks 、装画は一乗ひかる@ichijo_hikaru_さんです。》
https://twitter.com/Kawade_bungei/status/1326146359351652352
これ「生まれ変わっても友達同士になるふたりの友情のおはなし」(一乗ひかる)なんだよね。「異世界ファンタジー」というやつだ。
https://twitter.com/ichijo_hikaru_/status/1326470756012707840
◎鬼滅、鬼滅、鬼滅、どこに行っても、誰と会っても、話題に出て来るのが「鬼滅の刃」。毎日新聞は11月12日付で「#全集中!『鬼滅の刃』考 誰が『鬼』になるかわからない時代、メガヒットは生まれた 精神科医・片田珠美さん」(大野友嘉子)を掲載している。片田は次のように指摘している。
《私が2013年に出した「他人を攻撃せずにいられない人」が多くの読者に受け入れられたのも、周囲から知らぬ間に攻撃され、心を病む人が多いという事情があったのだと思います。いつ誰が鬼になるか分からない、自分も攻撃されるかもしれない。そういった不安を抱える人が非常に多いという印象を受けました。だからこそ「鬼滅の刃」は多くの人の共感を呼び、ヒットしたのだと思います。》
《彼女が鬼になり切れないのは兄との絆のおかげだし、炭治郎が鬼に対しても思いやりを持てるのは、禰豆子とのつながりがあるからです。また、亡くなったお母さんや弟たちとの結びつきの強さ、優しい関係が、二人にとって歯止めになっているのだと思います。
「鬼滅」は、人間が鬼になり切れないそうした部分を丁寧に描いている。そこに、この作品が圧倒的多数に支持される理由があるのではないでしょうか。》
https://mainichi.jp/articles/20201111/k00/00m/040/127000c
◎朝日新聞の「好書好日」は11月12日付で「KADOKAWAの『ところざわサクラタウン』は新名所になるか? 本だらけの中核施設『角川武蔵野ミュージアム』をのぞいてみた」を掲載している。
《ショップやホテルのみならず、神社まで詰め込んだ「ところざわサクラタウン」。その中にある「角川武蔵野ミュージアム」には、妖怪、本、アート、珍品が集まる雑多さ。純文学から街ブラ本(Walkerシリーズ)、ライトノベルまで、軽々とジャンルを飛び越えるKADOKAWAらしいとは思いましたが、結局のところ「ここが何をする場所か?」を形容できる答えは、最後まで見つかりませんでした。
でも、それこそが「角川武蔵野ミュージアム」が意図するところなのかもしれません。何だかわからないこそ知ってみる。展示を通して生まれた疑問を図書で調べる。建物を動き回り楽しみながら知的欲求と向き合うことを、この場所は多くの人に提示してくれるかもしれません。》
https://book.asahi.com/article/13914040
どうも私は行く気になれない。そそられないのだ。「本」ということに限っていえば、ここよりも神保町のほうが遥かに魅力的だと思うなあ。神保町にはバーもあるし、ラーメン屋も豊富だし、カレーも旨いし、何よりも人が楽しい。平日の昼間から共産同叛旗派の大将だった神津陽とオレが二人して飲んだくれているという光景は「ところざわサクラタウン」にはあるまい。神津が「神津陽 未刊行論考集」(JCA出版)を上梓したお祝いを金曜日はしていたのさ。
http://www.mosakusha.com/newitems/2020/10/post_6210.html
ちなみに「週刊現代」の編集長は神津の教え子である。
◎「週刊文春」が特派記者を募集している。待遇は月給330.000円~か。自分の年齢を悔やむ。こういう求人情報を見ると募集したくなっちゃうんだよね。
https://bunshun.jp/articles/-/41444
◎また平井文夫か。学術会議任命拒否事件に際してフジテレビの「バイキングMORE」で「会員OBは日本学士院会員になり、死ぬまで250万円の年金をもらえる。そういうルールになっている」と言い放った、あの平井文夫が今度は米大統領選挙でもやってくれました。毎日新聞は11月13日付で「ファクトチェック ペンシルベニアでの『バイデン氏当確取り下げ』 フジ解説委員が誤情報を記事化」を掲載している。
《バイデン前副大統領が当選確実となった米大統領選挙に関し、米国の主要政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)が「激戦州ペンシルベニア州でのバイデン氏の当選確実を取り消した」との誤情報が日本語圏のSNSなどでも広く拡散したが、これをフジテレビ報道局の平井文夫上席解説委員が11日、フジテレビのウェブサイトに執筆した記事で紹介。いったん訂正した上で、記事そのものを削除していた。》
https://mainichi.jp/articles/20201112/k00/00m/040/319000c
朝日新聞デジタルも11月12日付で「フジ平井解説委員、コラムで誤情報を引用 半日後に削除」(杉浦幹治)を掲載している。
《この誤情報は、トランプ大統領の顧問弁護士のジュリアーニ元ニューヨーク市長らが日本時間の10日午前にツイートして広まった。日本でもまとめサイトなどを通じて拡散した。
ジュリアーニ氏がツイートした直後、RCP経営トップのトム・ベバン氏は自身のツイッターで「誤りだ。我々はペンシルベニアで(バイデン氏の)勝利を宣言しておらず、何も変更していない」と否定。日本でもジュリアーニ氏らの誤りを指摘する声が相次いだ。
平井氏のコラムはベバン氏がツイートした翌日の11日昼過ぎに配信されたが、同日夕方になって末尾に「訂正」を追記。RCPについて触れた部分は「ジュリアーニ元市長のツイートをもとに書いたもの」で「(RCPは)もともとペンシルベニア州でバイデンの当確を出していなかった」として削除された。フジテレビによると、12日午前0時にコラム自体を削除したという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNCD5QBTNCDUTIL002.html
一か月の間に二度にもわたって「デマ」を垂れ流しておいても、なおフジテレビは平井を上席解説委員として起用しつづけるのだろうか。池内恵がこんなツイートを投稿している。
《平井文夫というフジテレビの幹部、学術会議の時もデマ流していたけど、政府の規制で電波独占するまさに既得権益のダメな勢力を、菅さんは取り締まらないのかな。できないなら所詮その程度なのだろう。》
https://twitter.com/chutoislam/status/1326523104550481921
◎電通グループの2020年度第3四半期累計期間(2020年1月1日~9月30日、以下(「第3四半期累計」)の連結決算が確定した。収益は9.4%減の6763億円。営業利益は半減し、185億円。ただし当期利益は「海外子会社の買収に伴うコストが削減できる見通しとなったことが寄与し」(SankeiBiz)、前年同期の2倍超の102億円。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4324/ir_material_for_fiscal_ym10/89366/00.pdf
https://www.sankeibiz.jp/business/news/201112/bsd2011120735005-n1.htm
◎集英社は「週プレNEWS」で連載していた津島隆太の漫画「セックス依存症になりました。」が「グランドジャンプ」に移籍した。私がこの漫画の存在を知ったのは「文春オンライン」が11月12日付で「漫画家・津島隆太さんインタビュー」として「“布団を叩く音もセックスの音かと…” 『セックス依存症』と診断されるまでの”ヤバい日々”」「浮気や不倫がやめられない人は『セックス依存症を疑って』 経験者からのガチな“警告”」を発表し、更には1話目を公開したことによる。
https://bunshun.jp/articles/-/41225
https://bunshun.jp/articles/-/41228
https://bunshun.jp/articles/-/41233
「セックス依存症になりました。」の知名度はグンと上がったはずである。津島によれば性依存症治療が広まれば防げたであろう事件は多いようだ。電車内で女子中学生に体液をかけた疑いで小学校教頭が逮捕された事件や中学校の教師が電車内で痴漢行為をしたとして懲戒免職になった事件なども、その可能性が高いと津島はツイッターで指摘している。
https://twitter.com/Tsm_Ryu/status/1325763559872081921
https://twitter.com/Tsm_Ryu/status/1326854916720058368
◎ぶんか社/海王社が運営するスマホ向けコミックサイト「マンガよもんが」で人気の4作品が、小学館が運営する総合ニュースサイト「NEWSポストセブン」の無料マンガコーナー内で11月9日より配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000045783.html
https://www.news-postseven.com/manga
https://www.yomonga.com/
◎名古屋発のエンターテインメント集団「BOYS AND MEN」(通称:ボイメン)の10周年記念写真集が2021年3月に小学館から発売される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000905.000013640.html
「CanCam」の仕事である。女性誌発の書籍が増えるのだろう。