【文徒】2020年(令和2)8月14日(第8巻149号・通巻1806号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】新聞社説は香港言論弾圧をどう伝えたか?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】新聞社説は香港言論弾圧をどう伝えたか?

山形新聞は8月13日付で社説「中国、香港の統制本格化 民主派の弾圧をやめよ」を掲載している。
《中国外務省報道官は「香港問題は中国の内政であり、外部勢力の干渉は許さない」との従来の発言を繰り返す。
しかし、香港では蘋果日報が売り切れ、黎氏のメディアグループの株価が大きく上昇するなど無言の支援が広がった。香港の中国化に反対し、自由と民主主義を求める世論は根強い。民主派弾圧により、反中感情はより高まるだろう。》
https://www.yamagata-np.jp/shasetsu/
新潟日報は8月12日付で社説「香港紙への圧力 恐怖政治生み出す国安法」を掲載している。
《民主派に強い影響力を有するメディア人の逮捕は、習近平指導部の強硬姿勢を改めて印象付けたといえる。それだけに、懸念が募る。
蘋果日報によると、黎氏のほかに同氏の長男、次男と、同社メディアグループの幹部4人らが逮捕され、同社のビルが家宅捜索を受けた。
警察が蘋果日報記者の取材資料などを捜索したとして、香港記者協会は報道の自由の破壊だと非難した。
当局にとって目障りなメディアに対する、あからさまな圧力の行使だろう。今の香港で行われているのは「国家安全維持」に名を借りた言論の抑圧、統制強化としか映らない。》
https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20200812561274.html
朝日新聞は8月13日付で社説「香港と国安法 言論弾圧に強い抗議を」を掲載している。
《中国が香港の自由を押しつぶそうとしている。報道を圧し、言論を封じ、批判を許さない取り締まりが強まっている。この露骨な弾圧を、国際社会は看過してはならない。》
https://www.asahi.com/articles/DA3S14585129.html?iref=pc_rensai_long_16_article
産経新聞は8月12日付で主張「周庭氏逮捕 『戦車なき天安門事件』だ」を掲載している。
《これは「戦車なき天安門事件」の始まりである。中国は軍隊によらずとも香港国家安全維持法(国安法)を武器に自由を封殺し、民主派を根絶やしにするつもりだ。
香港の自由を求める欧米や日本に対しても明確な挑戦状を突き付けたに等しい。これを看過してはならない。日本の危機でもある。》
https://www.sankei.com/column/news/200812/clm2008120002-n1.html
讀賣新聞は8月13日付で社説「香港弾圧の強化 国安法で民主派がつぶされる」を掲載している。
《香港が国際金融センターとして発展してきたのは、「一国二制度」による言論の自由や「法の支配」があったからだ。これらが形骸化すれば、外国企業の活動の基盤が崩れ、金融都市の地位は沈下していくだろう。
中国は、香港がその瀬戸際にあることを自覚すべきだ。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200812-OYT1T50326/
信濃毎日新聞は8月12日付で社説「香港の言論弾圧 苛烈さ増す懸念現実に」を掲載している。
《体制に盾つく人々を力でねじ伏せる中国政府の姿勢が一層あらわになっている。香港国家安全維持法(国安法)による弾圧は瞬く間に報道機関に及んだ。
香港紙「蘋果日報」(アップルデイリー)の創業者で民主派の黎智英氏が逮捕された。外国勢力と結託して国家の安全を害することを禁じた国安法29条に違反した疑いがかけられている。具体的な容疑事実は明らかでない。》
《警察は同紙本社を大がかりな態勢で捜索し、段ボール箱数十個分の資料を押収したという。象徴的な人物の身柄を押さえ、報道機関を威圧して体制批判の言論を封じる意図は明白だ。強権によって報道の自由が踏みつけにされたことに強く抗議する。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200812/KT200811ETI090011000.php
高知新聞は8月12日付で社説「【香港民主派逮捕】国際社会として抗議せよ」を掲載している。
《香港記者協会は蘋果日報記者の取材資料を当局が捜索したことに白色テロ(当局による反政府運動の弾圧)が起きつつある」と非難した。報道に携わる各国の民間組織や機関が、こうした状況を注視し、報道の自由が守られているか常に監視していかねばならない。》
https://www.kochinews.co.jp/article/388981/
西日本新聞は8月13日付で社説「香港民主派逮捕 言論の自由を侵す暴挙だ」を掲載している。
《だが、一連の弾圧は香港の活力を奪いかねない。民主派逮捕の根拠となった国安法には外国報道機関への管理を強化するとの規定がある。このため米紙ニューヨーク・タイムズが編集拠点を香港外に移したほか海外IT関連企業の撤退も始まった。》
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/635167/
琉球新報は8月13日付で社説「香港民主派への弾圧 自治の破壊は許されない」を掲載している。
《反政府活動を取り締まる国安法は6章66条から成る。国家分裂やテロ活動、外国勢力との結託による国家安全への危害など4種類の犯罪行為の処罰を規定する。まるで占領政策かと思わせるのが同法の付則にある。他の香港の法律と抵触する場合、香港国家安全維持法が優先すると明記しているのだ。
そもそも法案全ですら、公開されないまま全人代の常務委員会で採決され、間をおかず施行された。
違反者の最高刑は無期懲役という重罰である。罪種と量刑を市民はあらかじめ明確に周知されない。そんな法律が頭越しに、不意打ち的に施行されるとは人権をおろそかに扱うにも程がある。適正手続きを欠いた目に余る立法だ。》
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1173050.html
沖縄タイムスは8月12日付で社説「[香港で民主派逮捕]『言論の自由』封じるな」を掲載している。
《2人の逮捕は、メディアと若者を象徴する人物を狙い撃ちにしたもので、民主化運動を萎縮させ自主規制させることが真の目的だろう。自由や人権、民主主義に関わる問題である。われわれ国際社会は注視し続ける必要がある。》
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/615357

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2)【本日の一行情報】

毎日新聞は8月13日付で坂東賢治の「木語 香港メディア王の覚悟」を掲載している。
《1989年6月、北京の民主化運動が中国軍に鎮圧された天安門事件は中国への返還を控えていた香港に大きな衝撃を与えた。直後民主化支援のTシャツを売り出したのが「ジョルダーノ」だ。今でいうファストファッションブランドのはしりだった。
創業者の黎智英(れいちえい)(ジミー・ライ)氏(71)はこの後、メディア事業に進出する。》
《黎氏は12歳で単身、広東省から香港に密入境した。「童工」と呼ばれた違法な工場労働をしながら、独学で経営や投資、英語などを学んで香港ドリームをつかんだ。リスクを冒しても香港の価値を守ろうとする黎氏の姿勢にはこうした体験が影響しているのだろう。》
https://mainichi.jp/articles/20200813/ddm/002/070/042000c

本田圭佑のツイート。
立正大淞南高校、及びサッカー部の皆さん、コロナ感染に関して謝罪する必要なんてないよ。対策してても感染する確率を0にはできんから。それより熱とか体は大丈夫?今はしっかり食べて休んでな。また治ったら夢に向かって頑張れ。非難してる人だけでなく、心配してる人も沢山いることを忘れんといて。》
https://twitter.com/kskgroup2017/status/1293528779491438592

◎「PRESIDENT Online」は8月11日付で新聞労連中央執行委員長・南彰の「取材先と賭け麻雀『ボーイズクラブ』というメディアのムラ社会の正体」を発表している。
《新聞・通信社は現在、新入社員ベースではほぼ男女半々になっているが、女性管理職は平均6.4%。38社中30社で1割未満。1人もいない社が6社あった。デスクやキャップなど社内で指導・教育的立場にある従業員を含む「広義の管理職」でみても、回答した35社中25社で女性が1割未満にとどまった。テレビ局も、在京・在阪のテレビ局には、報道部門、制作部門、情報制作部門に女性管理職(局長相当)は1人もいなかった。
「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という政府目標にほど遠い状況で、新聞・通信・テレビともに「女性役員ゼロ」の社が多数を占めた。圧倒的に男性優位で意思決定が行われているのである。》
https://president.jp/articles/-/37722
どこからどうみても異様だ。南によれば《体育会系などで顕著に見られる男性同士の緊密な絆でお互いを認め合っている集団を「ボーイズクラブ」という》ようだが、出版業界は「ボーイズクラブ」の典型なのかもしれない。

◎「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」は8 月 12 日付で「TikTok、利用者情報追跡していた グーグル規約に違反か」を掲載している。
《動画共有アプリの「TikTok(ティックトック)」はグーグルの携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」の個人情報保護をすり抜け、何百万もの携帯端末から個別の識別番号を収集していた。これにより、本人に情報収集を拒否する機会を与えることなく、オンラインでユーザーを追跡することが可能になっていた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析で明らかになった。》
https://jp.wsj.com/articles/SB11328581555519374687704586563461979820754

毎日新聞は8月12日付で「戦後75年・表現者たちの夏/2 ソ連にも敗れた日本」を掲載している。「日ソ戦争1945年8月 棄てられた兵士と居留民」(みすず書房)の政治学者・富田武が取り上げられている。富田武は「歴史としての東大闘争 ぼくたちが闘ったわけ」(ちくま新書)や「シベリア抑留―スターリン独裁下、『収容所群島』の実像」(中公新書)などの著書がある。「日本人記者の観た赤いロシア」(岩波書店)も富田だ。
日露戦争と異なり、太平洋戦争末期の1945年8月9日に日本関東軍ソ連軍の間で始まった戦闘は「日ソ戦争」と呼ばれることがない。
「それは日本が先の大戦は米国に負けたのであり、ソ連に敗れたと認めたくないから。多くの犠牲者と捕虜を出し、短期間であれ明らかな戦争だった。日本は中立条約を破って参戦したソ連を非難するが、真珠湾を奇襲しておきながら偉そうなことを言う資格はない」
「触れたくない」敗戦ゆえに分析が立ちおくれていた日ソ戦争の全体像に迫る『日ソ戦争1945年8月 棄てられた兵士と居留民』(みすず書房)を先月中旬に出版した富田武・成蹊大学名誉教授(74)はこう語る。開戦75年に間に合わせようと、構想からわずか半年で原稿を書き上げた。》
https://mainichi.jp/articles/20200812/dde/014/040/008000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=column&cx_mdate=20200812
日本は終戦記念日を8月15日としているが、日本側の死者・将兵約8万、民間人約25万、捕虜約60万を数える日ソ戦争は9月2日までつづいている。
https://www.msz.co.jp/book/detail/08928.html
荻窪の新刊書店・Titleは7月20日ツイッターで取り上げている。
《その期間は短いが、多くの死者と約60万人もの捕虜を出した日ソ戦。戦争末期の混乱の中ソ連軍の戦略と、関東軍の実態を検証。ヤルタ会談からソ連参戦、シベリア抑留にいたる流れを、米ソの思惑含め、現代につながる形で考察する。富田武『日ソ戦争 1945年8月 棄てられた兵士と居留民』(みすず書房)》
https://twitter.com/Title_books/status/1285107189393190912
五木寛之が「PRESIDENT Online」に8月9日付で「662人を日本に帰すため、ソ連兵の性的暴行に耐えた未婚女性15人の苦しみ」を発表している。
《連れて行かれたべニア板張りの「接待場」では、女性たちは布団の上に並んで横たえりました。彼女たちの言葉を借りれば、「辱めを受ける」あいだお互いに手をしっかりと握りあい、泣きながら暴行に耐えたそうです。覚悟していたとはいえ、「助けて、お母さーん、お母さーん」と泣き叫ぶ女性もいました。
暴行の事後処理として、彼女たちは医務室に行き、性病や妊娠を防ぐために薬品を管で体内に注いで洗浄を受けます。彼女たちより年下の女性が、泣きながらその冷たい薬液を注ぐ仕事を手伝ったという証言も残っています。
こうして、何カ月もの過酷な試練に耐えた結果、黒川開拓団は暴の襲撃から守られたのです。ただ15人の中の4人は、性病や発疹チフスにかかり、帰国できないまま命を落としました。集団自決をする開拓団が相次ぐ中で、総員662人の開拓団のうち451人が生きて帰れたのは、まさに彼女たちの犠牲のおかげだったと言っていいでしょう。》
https://president.jp/articles/-/37750

◎「Impress Watch」は8月12日付で「Twitter、リプライ相手を制限できるようになった」を発表している。
Twitterは12日、リプライの相手を制限できる新機能を提供開始した。iOSAndroidアプリ、twitter.com上で利用できる。
ツイートする前に[全員が返信]、[フォローしている人だけが返信]、[@アカウントで指定した人だけが返信]の3種類からリプライ相手を選べるようになる。》
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1270561.html

集英社はデビュー20周年を迎えた伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」を刊行した。
https://www.shueisha.co.jp/gyakusocrates/
「LEE」の公式webサイトは8月3日付で「伊坂幸太郎さんのおすすめ作品は? 集英社女性誌ライター8人の推しはコレ!」を発表している。「LEE」で書評やブックガイド記事を執筆している石井絵里が“推し”ているのは「クジラアタマの王様」。
https://lee.hpplus.jp/column/1691472/area04/

講談社は女優・山本美月を表紙とした特別版「バビロン Ⅰ ―女―」(小説家・野﨑まど)を発売する。このカバービジュアルは、女性ファッション誌「SPRiNG」(宝島社)の連載コーナー「山本美月とアニメのはなし」で、主要人物である曲世愛をイメージして撮影したものだそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002735.000001719.html

東方神起チャンミンInstagramで紹介し、韓国でのベストセラーにとどまらず日本でも光社から刊行されたイ・ギジュの「言葉の品格」は韓国化院が主催し、韓国のエッセーを紹介する書評を応募する第2回「オンライン書評コンテスト」の課題図書に選ばれた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000496.000021468.html

◎「アエラドット」は8月13日付で新聞労連委員長・南彰の「質問に答えない安倍首相を共犯者メディアが守る戦後75年の“報道事変”」を発表している。
《こうした「報道の自由」や「知る権利」の危機において、官邸記者クラブが結束して対抗することを妨げてきた正体を示したのが、8日付の産経抄だ。このコラムに守られるように、9日に行われた長崎市での首相記者会見では、官邸側は事前に準備された幹事社質問の2問に答えただけで打ち切った。まるで戦前の「大本営発表のようだった。》
https://dot.asahi.com/dot/2020081100026.html?page=1

◎「日刊サイゾー」が8月12日付で発表した「週刊誌スクープ大賞」で元木昌彦は次のように書いている。
毎日新聞(8月6日付)は「追加質問をしようとした同社(朝日新聞=筆者注)の記者が首相官邸報道室の職員から右腕をつかまれたとして、報道室に抗議した」と報じている。
ここでおかしいと思うのは、「右腕をつかまれたとして」という表現である。会見には各社の記者もいて、その連中は現場を見ていたはずである。だったらなぜ、「何をやっているんだ」と声を上げなかったのか。「官邸側は否定」(毎日)できるわけはない。
政治記者は権力の走狗だから、官邸に逆らえるわけはないと、したり顔でいう輩がいる。そんな記者を、社はなぜ高い給料を出して飼っておくのか。安倍官邸はけしからんが、それに唯々諾々と従って、国民の知る権利に答えようとしない記者という腑抜けたちのほうが、より始末が悪い。もっと怒れよ、真っ当に。》
https://www.cyzo.com/2020/08/post_249606_entry.html

乃南アサのツイート。
《どんな世界でも、自分の言葉で語れない人は、トップに立たない方がいいということを、私たちは好い加減学んだはずだ。誰のために働いてるのか分からない人もやめた方がいいことも。マニュアル通りの対応しか出来ない学生アルバイトを怒るなら、もっと怒るべき相手がいる。》
https://twitter.com/asanonami/status/1293732246826885121

朝日新聞ヨーロッパ総局長・国末憲人の連投ツイート。ヨーロッパ総局長といっても、食化に対する理解は、この程度のものなのか。
《先週の日英通商協定の協議が大筋合意に失敗したのは、英国がブルーチーズの輸出に固執したからだとFT。確かに大臣まで出て合意に至らなかったのは不自然。英国が無理難題を言い出したからだといわれていたが、チーズだったのか。英国のチーズって特に食べたいとも思わないが。》
《このチーズ「スティルトン」という銘柄らしいが、正直知らなかった。ロックフォールゴルゴンゾーラと並んで「世界3大ブルーチーズ」というらしい。ともかく一度食べてみよう。ロックフォールほどの味わいなら見事だが。しかし、なんでこんな大して金にもならない商品にこだわるのか意味不明。》
《お願いする立場なのに、妙に高飛車。英国は、どうも相当頓珍漢な感覚で交渉に臨んでいるのではと危惧する。通商政策はEU共通なので、英国は長年にわたり貿易交渉に携わらなかった。それが影響しているのか。これでは、EU首席交渉官のバルニエも苦労しているだろう。》
https://twitter.com/KunisueNorito/status/1293312396648427520
https://twitter.com/KunisueNorito/status/1293313771772018688
https://twitter.com/KunisueNorito/status/1293318447141662723
「英国のチーズって特に食べたいとも思わないが」って、イギリス人にケンカを売っているのだろうか。イタリアの「ゴルゴンゾーラ」、フランスの「ロックフォール」、イギリスの「スティルトンをもって世界の三大ブルーチーズということを朝日新聞ヨーロッパ総局長ともあろう御仁が知らないとは!
https://youpouch.com/2017/06/01/436654/
https://fukutomo-pan.com/stilton-review/

清水潔は「遺言―桶川ストーカー殺人事件の深層」(新潮社)のなかで次のように書いている。
《週刊誌記者なぞ警察にしてみれば記者ではない。私が行ったところで何の肩書きもないただのおっさんである。》
https://twitter.com/shimizu_fanbot/status/1293614254864531456
青木俊がこれを引用ツイート。
《「桶川ストーカー殺人事件-遺言」の中の一。本来、ただのおっさん、ただのおばちゃんであるべき報道の記者が、記者クラブ優遇され、政治家や官僚と話し、ハイヤーを乗り回すうちに、特権的な存在になり上がり、結果、忖度で記事を書く毒蛇に変貌する。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1293632506097332224
意識高い系であろうとも毒蛇は毒蛇なのである。

東京新聞は8月13日付で「『鬼滅の刃』完結後も熱冷めず 8千万部突破、質の高い群像劇」を掲載している。
《7月には電子版を含む単行本の累計発行部数が8千万部を突破し、小説版も大ヒット。アニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開も10月に控え、熱は冷めそうにない。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/48711/

◎永井紗耶子の「商う狼―江戸商人 杉本茂十郎―」を読んでみたくなった。
https://www.shinchosha.co.jp/book/352022/
私は谷津矢車の連続ツイートに刺激されたようである。
《『商う狼: 江戸商人 杉本茂十郎』(永井紗耶子 新潮社)読了。寛政の改革天保の改革のはざまの時代、狼と恐れられながら江戸の商いを改革した嫌われ者、杉本茂十郎の生涯を描く。》
《まず、徹底された下調べが作品作りに滲んでおられます。史料や書籍、論を集めて分析し咀嚼した上で作品づくりに生かしておいでです。しかしながら、ストーリーラインがしっかり作ってあるので、特殊な世界を描いているにも拘らずこんがらがることなく、面白く読める。》
《その上で、物語上の趣向も練り上げておられます。
杉本茂十郎の生きた時代に起こった、江戸ファン(落語ファン)なら周知の「あの事件」をストーリーに配置して茂十郎の原動力に仕立てる辺り、実にニクい。》
《茂十郎の人物造形もいい。
本作の茂十郎はまるで尖ったナイフのような人で、共感を得にくい人物造形のはずなのに、どこか色気と可愛げがある(それは茂十郎の直面した「あの事件」に起因するのだけれど)。この辺りの塩梅が実に美味しい。》
《そして本書、江戸期の歴史小説ではあるのですが、経済小説、企業小説としての雰囲気や味わいも深いので、普段そうした小説をお読みのパーソンにもおすすめです。》
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1293539926877691906
~
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1293542789410504705
永井紗耶子はドラマ「半沢直樹」には歌舞伎の魅力が満載していると指摘している。「紡ぐ TSUMUGU : Japan Art & Culture」に永井は「ドラマ『半沢直樹』は歌舞伎のエッセンスがたっぷり!半沢ファンにもおすすめの演目はコレだ」を発表している。
《ドラマでは、ここぞという場面に登場人物の顔が「これでもか!」というほどにズームアップされる。これと同じ効果を持っているのが、歌舞伎における「見得」。舞台上で附つけ打ちの音とともに大きくポーズを決める。その瞬間、観客は固唾かたずをのんでその役者の動きや顔に注目してしまうのだ。》
《敵役である大和田や伊佐山が不敵に笑うその様は本当に憎らしく、「悪役」だと一目でわかる。テレビにおいては「やりすぎ」とさえ思われる大げさな動きや言い回し、顔の表情などは、歌舞伎では「外連味」と言われる。》
https://t.co/sO3SdvIIpy?amp=1

朝日新聞デジタルは8月12日付で「『たとえ白い紙でも買うという思い、心震えた』台湾総統」(台北=西本秀)を掲載している。
《香港警察の捜索を受けた「リンゴ日報」は台湾でも日刊紙を発行している。蔡氏は「香港人が街頭に並んで新聞を買い求め、多くの地域で売り切れになった。たとえ白い紙であっても買うという人々の思いを聞いて心が震えた」と語った。》
https://www.asahi.com/articles/ASN8D5RDXN8DUHBI00Z.html

◎「タウンニュース町田版」は8月13日号で「金森図書館 公認キャラを投票で 開館20周年を盛り上げる」を掲載している。
《金森図書館が7月4日に開館20周年を迎え、現在公認キャラクター投票を開催中だ。「かなもりむじな」「かなもりたろう」「かなもりくじら」、金森図書館に関連付けた個性的なキャラクター3体は、同館の3人の職員がデザインしたもの。来館者が好きなキラクターにシールを貼って投票し、一位になったキャラクターは今後、様ざまな場面で利用される。》
https://www.townnews.co.jp/0304/2020/08/13/538304.html
取材に応じている由良哲次の肩書は奉仕係長だ。

山本一郎は「春オンライン」に8月13日付で「若き人気マンガ原作者が、そのすべてをわいせつ事件で失う件で」を発表している。
《知る限り、今回問題を起こしてしまった松木達哉さんは、物腰柔らかく、穏やかな対人関係を築いていました。知人友人で、彼のことを積極的にアカン奴だという人はいません。むしろナイスガイであって、悪い印象を持つ人は少なかったんじゃないでしょうか。丁寧な仕事をする人物であり、分からなければ周囲にアドバイスを求めたりし、高いクオリティで締め切りもきちんと守る若者でありました。
その一方で、実際には物凄く孤独に敏感で、なんかこう、独特な佇まいでボソッと切れることを言う。その表面の向こう側に、秘めたる、そして煮えたぎる欲情が噴き上がる泉があり、これが対人関係や作品作りにおけるストレスに触れるたび、突飛な行動として表出してしまうのではないかと感じます。》
https://bunshun.jp/articles/-/39670

朝日新聞デジタルは8月12日付で社説「フジ検証報告 疑念尽きぬ粗雑な内容」を掲載している。
《何より驚くのは、木村さんが3月末に自傷行為に及んだと知りながら、そのまま撮影を続けようとしていたことだ。》
《相手は社会経験が浅く、しかも精神的に不安定な状況にあった22歳の若者である。フジ側の対応には重大な落ち度があったと言わざるを得ない。》
《木村さんの母は本人から聞いた話として、共演者に暴力をふるうようスタッフに持ちかけられたと主張している。だがフジは母親から聞き取りをしていない。これも解せない話だ。
《今回フジは第三者機関を設けず、社内の人間を中心に調査にあたった。積極的で適切な証言を得るにはその方が望ましいと考えたというが、この一事をもって不備は明らかだ。報告書には調査責任者の名も記されていない。そんなことで人々が納得すると思っているのだろうか。》
https://www.asahi.com/articles/DA3S14583897.html?iref=pc_rensai_long_16_article

時事通信は8月13日付で「安倍首相の夏休み、中ぶらりん コロナ禍で定まらず」を配信している。
《首相が今年の夏休みのスケジュールをキャンセルしたのはこれで2回目。7月に4連休を利用して山梨県の別荘訪問を計画した際も、小池氏が不要不急の都外への移動自粛を要請したため、諦めるしかなかった。首相周辺は「毎回、小池氏に邪魔されている」と悔しがる。
「批判の集中砲火で疲れている」。首相の近況を周辺はこう明かし、15日の終戦記念日後は例年通り別荘に滞在して、英気を養えないかと気をもんでいる。ただ、「優雅な静養は国民から反発を浴びる」(自民党ベテラン)との声もあり、二の足を踏んでいるのが実情だ。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081200884&g=pol
ジャーナリストを自称している青木美希が引用ツイート。
《感染が拡大し、430件が倒産、4万人以上が仕事を失い、苦しんでいます。
終戦記念日後は例年通り別荘に滞在して、英気を養えないかと気をもんでいる」とのことですが、会見を開き、なぜGoToを続けるのか、どのように感染拡大を防止するか、自らの言葉で説明してください。》
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1293830567843127296
新聞記者・ルポライターを自称している三浦英之も時事通信の記事を引用ツイートしている。
《すごい記事だな。政府が実施する新型コロナの愚策に国民は大混乱なのに、そのトップである首相が帰省できないことを深刻そうに伝える「ニュース」。そもそも首相周辺って誰やねん。昭恵さん?
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1293786008505335808
朝日新聞SF支局長の尾形聡彦が三浦をリツイートしている。
《同感です。時事通信の記事、記者が首相側と一体化し、読者や市民側の視点が全くないことに驚きました。コロナの感染が拡大する危機感の強い状況で、首相は本来は陣頭指揮をとる立場。批判的な視点がないまま、休みをとれずに悔しがる首相周辺の記事を書く記者と、通すデスクがちょっと信じられません》
https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1293864082563461125
青木も三浦も朝日新聞の未だ社員である。
三浦が尾形をリツイートしている。
《まさに権力との一体化。自分達の記事がどのように読まれるのか、普段記者クラブにどっぷり浸かっているから、ライタもデスクも気づけない。署名がないのも原因の一つ。自分の名前をつけて、さすがにこのような記事は書けないもの》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1293870452595494912
同じ朝日新聞でも奥山俊宏は尾形に批判的である。
《「安倍首相の夏休み、中ぶらりん」との時事通信記事。首相周辺の空気が伝わってくる良い原稿なのに、それを伝えることを批判の対象にするのは、情報流通の萎縮を招きかねず、良くないことだと思う。原稿にあれこれなくても、これを読めば多くの人は「周辺」にあきれるだろう。》
https://twitter.com/okuyamatoshi/status/1293890149877559309

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3)【深夜の誌人語録】

痴性を知性と勘違いしていないか自問することが大切である。