【文徒】2021年(令和3)1月22日(第9巻13号・通巻1910号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】小説家で医師の知念実希人が新潮ジャーナリズムに激怒する
2)【記事】芥川賞は宇佐見りん「推し、燃ゆ」 直木賞西條奈加「心淋し川」に決定
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2021.1.22 Shuppanjin

1)【記事】小説家で医師の知念実希人が新潮ジャーナリズムに激怒する

それは1月20日のことであった。
「デイリー新潮」は「コロナワクチンを『絶対に打ちたくない』と医師が言うワケ 感染予防効果はなし」を発表している。この記事は「週刊新潮」1月28号に掲載された「感染予防にはならない!『コロナワクチン』知られざる真実」のダイジェストと言ってよいだろう。《世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっている。日本でも来月下旬、医療従事者や高齢者から順に接種が始まる見通しだ。だが「絶対に打ちたくない」という声も、医学界から聞こえてくる……。》
《そもそもワクチンは、感染予防にならないのだという。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01201700/?all=1
(註 現在は閲覧できなくなっている。削除されたのだろうが、その理由はどこにも書かれていない!)
この記事について救急医の木下喬弘が引用ツイートし、次のように批判している。
《これもまたひどい記事。
特にこのタイトルは、誤解を生むとかではなく明確に間違いです。
流石に何らかの規制をかけて欲しいと思ってしまいます。》
https://twitter.com/mph_for_doctors/status/1351848956393828352
ミステリー小説家にして医師の知念実希人を木下をリツイートしている。
《新潮社、マジでいい加減にしてくれ……
医学的に正しいことをモットーとして書いた天久鷹央シリーズを出版している版元が、
こんな医学的なデマを世間に向けて垂れ流すなんて、
極めて極めて遺憾です。
新型コロナの診療に苦んでいる中、必死に天久シリーズの新作を優先して書き上げたっていうのに。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351856836161413120
「藤村(編集者)」が知念を引用ツイートしている。
《知念先生が本気で怒ってらっしゃる。
そして新潮社のあの記事は本当にひどい。》
https://twitter.com/fujimula/status/1351905400036093952
天久鷹央シリーズは見た目が女子高生の天才女医・天久鷹央が所属している天医会総合病院の統括診断部に持ち込まれる事件を解決する医療ミステリーである。知念はツイートをつづける。
《必死に新規レーベルの看板作品を10作も書き上げ、
さらに本屋大賞ノミネート作まで提供し、
新潮45』の直撃食らったときも句言わず、
パンデミックでスケジュールが苦しい中でもなんとか天久シリーズだけは間に合わせようとボロボロになりながら優先的に執筆した版元にこんな仕打ちを受けるとは…》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351860124600598532
知念からすれば「コロナワクチンを『絶対に打ちたくない』と医師が言うワケ 感染予防効果はなし」という記事はコロナに向き合う医師として許せないのだろう。記事では新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦が次のように発言している。
《「メッセンジャーRNAは、本来われわれの体内で短時間で消滅するようになっている。今回のワクチンではその特性を何らかの方法で変え、分解されないようにした。分解されないとすると、注射されたメッセンジャーRNAは体内に半永久的に残るかもしれず、それがどう影響するのか誰にも分かりません」》
知念は、明らかに激怒している。
《mRNAが半永久的に体に残るだぁ?
何らかの方法?
マジでふざけんな……》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351861046592507904
私にしても、また岡田か!とは思ってしまう。岡田は「がん検診」を受けるなと主張している御仁である。こんなツイートも投稿されている。
《タイトルがセンセーショナルな記事は注意が必要です。
そして誰に話を聞いているかも注意しましょう。
岡田先生は医師ですが、がん検診は受けるな!というかなり偏った考え方をしている人です。
おそらく雑誌社はこのタイトルを付けたくて人選した可能性が疑われます。》
https://twitter.com/Lanta_CVS/status/1351882038878547969
講談社の運営する「現代ビジネス」は2012年2月15日付で「岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな」を発表しているのだ。
《ここ数年、「がんの見落とし」に関する裁判が急増しています。患者側は「どうしてくれるんだ!」と激怒して病院を訴えますが、私は、見落とされてかえって良かったかもしれないと思うんです。へたに発見されて激しい治療を受けていたら、もっと苦しい思いをして、寿命を縮めてしまう可能性があるからです。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/31785?imp=0
知念の呟き。
《版権……》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351863743311802368
版権を新潮社から引き上げるということなのだろうか。知念は泣いている。
《怒りと情けなさで涙が出てきた……
今後のことはちょっと考えます。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351864622131736578
知念ファンが反応する。
《知念先生怒りで書くのやめますとかはまじで避けてほしい
版元に問い合わせて記事取り下げてもらうのが無難かと》
https://twitter.com/hixiragi/status/1351865197653229575
これを知念がリツイート
《そんなことはしませんよ。
書かなければ小説家じゃなくなりますから。
ただ、版元は……》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351867066521772032
ファンは読めなくなることを心配している。このツイートもそう。
《知念先生の天久鷹央シリーズ読んで医学部受験のモチベ上げてたみたいなとこあるからシリーズが無くなるとかは嫌だな》
https://twitter.com/l1Ab14DwuC7II3U/status/1351868866549346307
知念がリツイート。覚悟が固まりつつあるようだ。
《お騒がせして誠に申し訳ございません。
天久シリーズは私のライフワークなので、書かなくなるということは絶対にありませんのでご安心ください。
ただ、医療者として、もし出版社が反医学をモットーとするなら、そことお仕事させて頂くことは出来ないとは思ってはいます。
出版社はいっぱいあるし。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351872009186078724
知念が連ツイを発表した。
《お騒がせして申し訳ございません、
天久鷹央シリーズを書かなくなるんじゃないかとご心配を多くの方から頂きましたが、
あの作品は私の大切なライフワークですので、とりあえず私の命が続く限り書いていくつもりです。
その点につきましては、どうぞご安心下さい。》
《ただ、パンデミックにより世界中で200万人以上が命を落としている現状で、
それを早期に終息させる唯一の手段であるワクチンに対し、
明らかに間違った情報を多くの方に向けて発信して不安を煽ることで雑誌等の売り上げを伸ばすのは、
医師でもある立場から、決して許せません。》
《現状でワクチンについての誤情報を大々的に拡散することは、医師である私には反社会行為としか思えません。
残念ながら、もし出版社が明確な意図をもって危険な反ワクチン運動を促進するつもりなら、
小説家としてその社に作品を提供することは、医師としての私の良心が許しません。》
《つきましては、今後、くだんの記事について出版社の意図を聞き
今後も明確に反ワクチン運動を進めて、多くの方の命を危険に晒すつもりなのか否かを伺ってから、
天久シリーズを含む今後の作品をどうするか、しっかり考えたいと思っております。》
《読者の皆様に対しまして、私の個人的な事情から多大なご心配をおかけしましたことに、心からお詫び申し上げます。
ただ、私も一医療者として、また今現在も最前線で新型コロナ感染症と命がけで戦っている仲間の為にも、譲れない一線があることをご理解いただけましたら幸いです。》
《繰り返しますが、絶対に天久シリーズは書き続けますので、何卒ご安心ください。
有効性の高いワクチンの出現により、長く昏いトンネルにもようやく出口が見え始めました。
あと少し、皆様、どうぞ力を合わせてこの難局を乗り切っていきましょう。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351885818617503744
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351886789485608961
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351887861352579072
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351888588665831428
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351889395440238595
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351890149278314498
知念は、何故、ここまでの覚悟を決めたのか。こんなツイートも投稿している。
《だって、現役医師が書いているリアルな医療現場と、正しい医療知識を売りにした医療ミステリーを、
反医学の思想を持つ出版社から出すわけにさすがにいかないでしょ
お互いのためによくないよ。
ちなみに、私は反医学のデマ情報で亡くなった患者さんを、数えきれないほど目の当たりにしています。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351891899905236997
《これは、各出版社の皆様に声を大にしてお伝えしたいんですが、
医学に対するデマ情報は、本当に多くの人の命を奪います。
間接的な殺人行為です。
売り上げがいいからと、容易に手を出していいものではありません
もし出版するなら、他人の命を奪う覚悟と責任をもってやってください。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351892916336095232
《医療者の多くは、誤った医学情報により命を落とす人と、その家族の悲嘆を嫌というほど見ています。
売り上げがいいからと、軽い気持ちで書いた誤った医療の記事で、多くの方が記者の見えないところで不幸のどん底に落ちているんです。
お金のために人を殺し、その家族を不幸にしてよいのでしょうか?
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351894493579022336
「デイリー新潮」はテレビでもお馴染みの東京大学薬学部・池谷裕二教授の次のようなコメントも紹介している。こんな具合に。
《「誤解されている方が多いですが、季節性のインフルエンザなど注射で打つタイプのワクチンは、ウイルスの感染自体を防ぐことはできません。新型コロナウイルスのワクチンも同じで、打ったとしても感染を防ぐ効果はないのです」》
では池谷はワクチンを接種しないのか。NOである。池谷も知念同様に怒っているのだ。
《【印象操作】する記事を書かないように伝えたにもかかわらず、このような取り上げ方をされ遺憾です。私は権利が回ってきたら、その有効性から、すぐにワクチン接種を受けます。》
https://twitter.com/yuji_ikegaya/status/1352025011305910272
池谷と記者とのやり取りは、どういうものだったのか。池谷は次のように説明している。
《【続き その1】取材は電話でした。記事確認のメールより抜粋します(これもある意味で「切り取り」になるのかな?)。多様な意見があることは歓迎すべきことではあるので、記者の名前は明かしません。
《【続き その2】
記者「記事全体をお見せすることは雑誌の決まり上難しく、コメント部分の確認をお願いしたく存じます」
池谷「全体としてやたらと不安を煽るような方向に持っていっているが気がします。これは情報操作に相当します。正しい情報をお伝えいただきますようよろしくお願いします」》
https://twitter.com/yuji_ikegaya/status/1352065875478626304
https://twitter.com/yuji_ikegaya/status/1352066532566736896
NHKチーフ・ディレクターの市川衛のツイート。
《池谷教授がこんな言い方するはずないなあ、と思っていたら、やはり。
新潮のご担当者の皆さんは、何をしたくて伝える職業を選んだのかなあ。と落胆。》
https://twitter.com/mam1kawa/status/1352027396237520896
「デイリー新潮」の記事に限っても、池谷の指摘する「印象操作」は成功しているようだ。どのような引用ツイートがあったかを検索してみればわかる。こんな具合だ。
《やはり … そうだったんだね~
自分は打ちたくないと周りに言っていたのは、間違ってなかった。
https://twitter.com/katuisisuki/status/1351968318681333760
《僕もイヤかな》
https://twitter.com/_nekozo/status/1351860449231323201
《あぶなすぎるぜわくちん
自身の免疫力をあげていく方が大事だす》
https://twitter.com/makehand_world3/status/1351871361182961667
メッセンジャーRNAの入ったファイザーのコロナワクチン、怖いわ!》
https://twitter.com/YasuTDiary/status/1351818526223319042
《#コロナワクチン は効果なし!》
https://twitter.com/taishitsuken/status/1351838412521656320
新潮社から「医薬品クライシス 78兆円市場の激震」を刊行している佐藤健太郎も「デイリー新潮」に批判的だ。
週刊新潮のワクチン記事にはみなさんお怒りのようだな。俺も仕事させてもらってるし、新潮社からはずいぶん本を出させてもらっているから言いたくはないが、この時期にああいう記事を出しますかね。》
https://twitter.com/KentaroSato/status/1351923965036355586
こうした反響を踏まえて、次のように警鐘を鳴らす医師のツイートもある。
《このデイリー新潮の記事、広めたくなかったから言及はしてないけど、間違ってることは間違ってると言っておかないとまずいのでPV上がってるのみて言及せざるを得なくなった。詳説は省くけど記事の核心部分とタイトルが明らかな間違いに満ちています。価値無し。》
https://twitter.com/Strider_11/status/1351896015817719809
医師で作家の津田彷徨も新型コロナウイルスのワクチンを接種するそうだ。
《色々な意見もあるかなと思いますし、それらを否定するつもりはないですが、診療を行なっていく上での僕もワクチンは接種するつもりです。はい。必要とあれば画像もアップしまする。#今後一般の方にワクチンを打つ側になると思うのでその責任として》
https://twitter.com/TT_Clarith/status/1351923508628975616
ラノベ作家の葛西伸哉のツイート。
《すげえ悩ましい話ではあるが「カルトの教義」であろうと「ニセ医学」「反科学」であろうと、現状「言論の自由」として「意見表明」そのものは認めざるを得ない。
ただし医療デマなどをばらまいたメディアが、その影響ゆえにもたらされた「実害の責任」をほとんど問われない現状には改善の余地がある。》
https://twitter.com/kasai_sinya/status/1351897065513631746
ニュース解説者/The HEADLINE編集長・石田健によれば「デイリー新潮」のコロナ関連記事は目に余るそうだ。
《デイリー新潮、コロナ関連記事が本当に目に余りますね…
 医師は「5類指定に」と悲鳴
  尾身会長の病院、患者受け入れに積極的
 コロナはすぐ終息(繰り返し報道)
  医療崩壊は嘘、病院は余裕
  BCGはワクチン代わり
 k値に注目
など、全部盛りという感じです。》
https://twitter.com/ishiken_bot/status/1351857271941132289
知念実希人のツイート。
《最低限、英語で論を読んで、統計を含めてその内容を理解できる人間じゃないと、医療記事なんて書いちゃいけないと思うんですよね……
『○○先生が言っていた』なんていうのは全く意味がありません。
日本に医師は30万人もいるんだから、その中にはおかしな思想をもった人物も含まれてるんだから。》
《『癌もどき』とかなんとかいう、自分でかってに考えたわけの分からない理論を言う医者とかさ。
あれを信じたせいで、初期の十分治療可能な癌なのに、標準治療を拒否して癌死した方、数人は見ています。
おそらく、万単位の人の命を奪ったのでは?》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351908134726455296
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1351908667159793664
ミステリ評論家の千街晶之が呟く。
《医療関係の記事というと、少し前までは、近藤某を持ち上げてい春がヤバかったけど、今は新潮がヤバいことになってるのか。
https://twitter.com/sengaiakiyuki/status/1351888268489498624
明けて1月21日。知念実希人は新潮社に正式に抗議を申し入れたようだ。知念のツイートを見ていこう。
《先日の新型コロナワクチンの虚偽の内容を含んだ危険な記事に対しまして、
本日、新潮社に正式に抗議、および今後の対応のお願いをいたしました。
回答につきましては、新潮社から頂き次第、適宜公開してまいります。
ただ、以下の二つの点だけは先にお伝えしておきます。》
《1、『天久鷹央シリーズ』は今後も作品を刊行し続けます。
ただし、現時点では今後、どの出版社から刊行するかは決まっておりません。
2、新潮社の芸・庫編集部の皆様に大変お世話になっており、悪い感情は全くもっておりません。
皆さん真摯に仕事をして下さっています。
以上です。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352178872800841729
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352186088639483905
知念が新潮社に提示した条件は次のようなものである。
《私は新潮社の芸に対する真摯な姿勢に、心から敬意を持っております。
可能なら、今後も天久シリーズは新潮庫nexから刊行し、新潮庫のラインナップに加えて頂きたいと望んでおります。
歴史ある誇り高き老舗出版社の、良識ある判断を心から期待しております。》
《この記事に対して私は以下の要求を新潮社に出しました。

・記事の正式な撤回
・謝罪の紙面掲載
・専門家の監修を受けたワクチンの正しい特集
これがなされない限り、今後新潮社から天久シリーズを含む新作を刊行いたしません。
(他社で刊行を模索します)》
《②今後ワクチンに関して、当記事のように事実と大きく異なり、科学的な根拠もなく、取材を受けた人物の意図とことなる記事を書いて、公衆衛生を危機に晒さないこと。
これが守られなかった場合、現在新潮社から刊行している私の全作品の版権を引き上げます。》
《新潮社にはデビュー当時から大変お世話になっており、
また新潮庫nex創刊と同時に、天久鷹央シリーズという代表作を刊行し、レーベルともに成長させて頂いたと心から感謝しております。
だからこそ、今回の危険な記事の件にとてもショックを受けました。》
《私は新潮社の芸に対する真摯な姿勢に、心から敬意を持っております。
可能なら、今後も天久シリーズは新潮庫nexから刊行し、新潮庫のラインナップに加えて頂きたいと望んでおります。
歴史ある誇り高き老舗出版社の、良識ある判断を心から期待しております。  
   知念 実希人》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352192210922442754
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352190449214078976
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352193242377248773
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352191707828219905
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352193587874734080
知念にとって、こうした決断をすることは断腸の思いであったに違いない。知念は、こうもツイートしている。
《苦労して生み出し、多くの読者に愛されている天久シリーズを、
今回まるで人質のように扱わなくてはならなかったことは、
小説家として断腸の思いです。
ただ医療崩壊が叫ばれ、公衆衛生が危機に瀕している現状、
多くの方の生命を脅かす記事は見過ごせませんでした。
ご理解頂けましたら幸いです。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352200260571971584
「デイリー新潮」が「コロナワクチンを『絶対に打ちたくない』と医師が言うワケ 感染予防効果はなし」を削除した。よって先に紹介したURLをクリックしても今や記事を閲覧することはできない。これは知念も確認している。
《とりあえず、当該記事が削除されたことを確認いたしました。
新潮社の素早い対応に感謝いたします。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352226896394665990
知念はツイートをつづける。
《くり返しますけど、新潮社の芸出版部、庫出版部の編集の方々は、皆さん素晴らしいプロフェッショナルで、私は心から尊敬しております。
可能な限り、いつもお世話になっている編集者の皆さんにご迷惑をおかけしない着地点に到達したいです。
あと新潮社の校閲部は神です。
マジで超人の集団。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352227541545730048
《とりあえず、先ほど某有名出版社(新潮社ではありません)の方とお話しして、
そちらの社が出している有名週刊誌でも、
科学的根拠のない反ワクチン記事などは書かないというお約束を頂きました。
(あと、今後書く予定の新作の話もしました)
微力ながら、少しずつ出来ることをやって参ります。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352237156891181057
《あと、某雑誌で新型コロナとワクチンについてのインタビューを受けることになりました。
できる限り論等を読んで予習し、科学的に正確な情報提供を心掛けておきます。
ワクチンの副反応のリスクなども包み隠さずお話します。
正確な情報を提供し、判断を仰ぐのがインフォームドコンセントすから。》
https://twitter.com/MIKITO_777/status/1352239580183891969

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2)【記事】芥川賞は宇佐見りん「推し、燃ゆ」 直木賞西條奈加「心淋し川」に決定

芥川賞は宇佐見りんの「推し、燃ゆ」に決まった。
前回、芥川賞の遠野遥が《おめでとう!!》とツイートすれば、宇佐見りんは「ありがとう!!!」とリプライしている。
https://twitter.com/TONOHARUKA/status/1351804888498409474
https://twitter.com/rinrin_usami/status/1351922537085616131
二人とも河出書房新社の第56回藝賞を受賞している。宇佐見りん自身が感謝のツイートを投稿している。
《『推し、燃ゆ』芥川賞を頂きました。頭が追いつかず、読んでくださった方、お世話になった方に何と言えば真の意味で感謝が伝わるのかわかりません。
芥川賞は、45年前に私の推し作家が受賞した憧れの賞です。まだ到底及びませんが、自分が目指すものに向かい精進していきます。 
宇佐見りん》
https://twitter.com/rinrin_usami/status/1351815795035107328
宇佐見の「推し作家」は中上健次にほかならない。中上は1976年に「岬」で芥川賞を受賞している。良いじゃないか、そのセンス。朝日新聞デジタルは1月20日付で「宇佐見さん『若さに振り回されず』 卒論は推し作家」を掲載している。宇佐見の次のような発言からすれば次作が楽しみだ。
《――現在大学2年生。今後どんなことを吸収して、作家になっていきたいか。
学専攻なのですが、いろいろなことに興味があります。宗教学、日本の古典、語りについてなど、調べたいことがある。すごく好きな作家が中上健次。一番尊敬していて、卒論はまだ決まっていませんが、彼について調べて書いていきたいと思います。
――中上は、宇佐見さんの「推し」ということですね。今後書きたいテーマは。
中上でいえば「路地」がテーマになっていて、私の中では、いまのところは家族が大きなテーマになっていると思います。ただ、まだ新人なので、これから広がっていくかも知れません。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1N6Q4DP1NUCVL021.html
河出書房新社 藝」のツイート。
《宇佐見りんさん会見中。以前、宇佐見さんは中上健次がデビューした媒体だから「藝」賞に応募なさった、と仰っていました。藝賞&三島賞受賞作の「かか」は19歳に書いた作品。『十九歳の地図』…!》
https://twitter.com/Kawade_bungei/status/1351828280962236424
河出書房新社で宇佐見りんを担当する矢島緑もツイートしている。
《宇佐見りんさん『推し、燃ゆ』第164回芥川賞を受賞されました。心頭滅却と唱え続けてた日々を終えてほっとして、会見の言葉を聞いて改めて感動しました。年が明けたときあけおめメッセージいっこしか来なかった(しかも宇佐見さんのみ)私のLINEがみんなの言祝ぎで鳴りやまず、本当に感謝です。…》
https://twitter.com/baniyamakishin/status/1351878017249808385
平野啓一郎はZoomで選考会に参加し、「推し、燃ゆ」を字通り推した。
https://twitter.com/hiranok/status/1351889953853108224
豊崎由美が驚いている。
《しかし、宇佐見りんさんは凄いなあ。デビュー作で三島賞を受賞し、2作目で芥川賞を受賞って。本当に凄い。》
https://twitter.com/toyozakishatyou/status/1351804366227816451
これは「少年ジャンプ+」の編集者・林士平のツイート。「推し、燃ゆ」の本質をものの見事に言い当てている。「推し、燃ゆ」は「今」を今の言葉で描いているのだ。
《宇佐見りん先生の『推し、燃ゆ』芥川賞おめでとうございます
昨年、藝の雑誌で読んで、これは「今」を今の言葉で描いた作品だ、と思いました。
デビュー作『かか』も独特な言葉使いが人物の「らしさ」を切り出していて、疾走感も好きだったので、宇佐見先生の受賞とても嬉しい。
次作が楽しみ!!》
https://twitter.com/SHIHEILIN/status/1351870507163926530
尾崎世界観芥川賞の候補だった。
《メンバーと一緒に待ちました!結果は残念だったけれど、またここから頑張ります。応援してくださった皆さん、本当にありがとう
やっぱり小説が好きだ。(もちろん音楽も!!!)》
https://twitter.com/ozakisekaikan/status/1351814361652711426
集英社は「鬼滅の刃」ばかりではないと、今度は直木賞だ。直木賞西條奈加の「心淋し川」に決まったが、「心淋し川」の版元は集英社である。
小説家の水沢秋生がツイートしている。
西條奈加さんが直木賞を受賞したというのが、なんだかうれしい。おめでとうございます。》
https://twitter.com/mizusawaakio/status/1351806479217557504
インビジブル」(藝春秋)が候補だった坂上泉がツイート。
藝春秋で直木賞選考結果を待ちつつ、「へぼ侍」の庫化に向けての打ち合わせをしてきました。西條奈加さんの「心淋し川」が受賞されたとのことで、西條さんおめでとうございます。》
https://twitter.com/calpistime/status/1351812362148298752
「汚れた手をそこで拭かない」が候補だった芦沢央のツイート。
直木賞の結果が出ました。私の『汚れた手をそこで拭かない』は落選となりました。応援してくださった方々、本当にありがとうございました。受賞された西條奈加さん、おめでとうございます。『心淋し川』、とても素敵な作品でした。》
https://twitter.com/AshizawaYou/status/1351824324609536004
ふたば書房の洞本昌哉のツイート。
《『心淋し川』ウラサビシガワと読むんですね!備忘録に記入しておかなきゃ。著者名はサイジョウ ナカ先生。
お問合せの際にも気をつけなきゃ。》
https://twitter.com/booksfutaba/status/1351951802598531073
豊崎由美がこんなことを呟いている。
《初ノミネート作品ばかりの直木賞、わたしは今回は「受賞作なし」でよかったと思う。20年前の直木賞ならそうなったと思う。最近は絶対に受賞作を出すって流れだもんなー。》
https://twitter.com/toyozakishatyou/status/1351805313939238913

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3)【本日の一行情報】

毎日新聞は1月20日付で「コロナ禍で東京オリンピックは開催できるのか 首相の経済回復願望と『五輪ムードない』医療の危機」を掲載している。
《都は患者の病床確保の調整などに追われており、五輪準備の担当職員を所管の保健所に回している。「とても五輪ムードではない。みんな心の中で『五輪は無理』と思っている」と都幹部は深いため息をつく。》
《…東京医大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「五輪の医療体制を組むには準備を始めないと間に合わないが、現状では募集しても必要な数を集めるのは難しいだろう」と口調を険しくする。》
https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/162000c
共同通信は1月20日付で「松井維新代表、五輪延期に言及」を配信している。
《松井氏は「2024年を目指し国際オリンピック委員会IOC)と交渉すべきだ。最悪なのは中止で(大会が)なくなることだ。24年を予定しているパリも準備が厳しくなってきていると思う。4年ずつ後ろ倒しにすべきだ」と市役所で述べた。》
https://this.kiji.is/724515150927003648
共同通信は1月20日付で「下村政調会長、五輪中止論を否定」を配信している。
自民党の下村博政調会長20日の記者会見で、今夏の東京五輪・パラリンピック開催を巡り、浮上している中止論を否定した。「100パーセントないだろう。》
https://this.kiji.is/724604362801496064
自民党は幹事長も中止論を否定している。朝日新聞デジタルは1月20日付で「二階氏、菅首相に質問『総理の地方に対する哲学語って』」を掲載し、東京五輪については次のように書いている。
《二階氏は東京五輪パラリンピックについて、「オリ・パラの成功が、世界中のアスリートの支援につながり、それをみて挑もうとする世界中の子供たちの笑顔と希望になると確信している」と述べ、「開催できるように努力するのは当然のことだ」と述べた。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1N53SNP1NUTFK00K.html
共同通信は1月21日付で「東京五輪、中止より無観客開催を」を配信している。
《2024年パリ五輪組織委員会エスタンゲ会長は20日、今夏東京五輪パラリンピック開催に関し、新型コロナウイルスの流行で「全く何もやらない(中止)よりは無観客(開催)の方が良い」と述べた。》
https://this.kiji.is/724729941931524096?c=39550187727945729

◎そう、句会ができないのである。東京新聞は1月19日付で「<首都圏おもしろランキング>俳句結社 コロナ禍で活動に制約」を掲載している。
《KADOKAWAが昨年暮れ刊行した「俳句年鑑2021年版」によると、結社が発行する俳誌は計五百九十二誌。都道府県別では、東京が百五十六誌で圧倒的に多い。神奈川、埼玉、千葉と一都三県で全体の半分近くを占める。
その多くがコロナ禍で活動を制約された。月刊総合誌「俳句」の石川一郎編集長は「結社のイベントがなくなり、毎号写真付きで紹介していた俳壇ヘッドラインが全く載せられなくなって誌面も大打撃だった。今年も同じ状況が続くのか」と懸念する。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/80701
リモートでも句会はできないことはないのだが、その座に集う人々の息遣いが伝わらないのである。
https://twitter.com/natsugumo_sys/status/1351152850131365895

本屋大賞のノミネート10作が発表された。
伊吹有喜「犬がいた季節」双葉社
青山美智子「お探し物は図書室まで」ポプラ社
宇佐見りん「推し、燃ゆ」河出書房新社
加藤シゲアキ「オルタネート」新潮社
伊坂幸太郎「逆ソクラテス集英社
深緑野分「この本を盗む者は」KADOKAWA
町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」中央公論新社
山本緒「自転しながら公転する」新潮社
伊与原新「八月の銀の雪」新潮社
凪良ゆう「滅びの前のシャングリラ」中央公論新社
https://www.oricon.co.jp/news/2182327/full/
私は伊吹有喜の「犬がいた季節」推しである。それにしても新潮社から三作も候補にあがっている。藝春秋と講談社からはノミネートされていない。

オリコンが配信した「新型コロナワクチン、6割超『受けたくない』
女子高生100人にアンケート」が削除された。毎日新聞も掲載していたが削除している。毎日新聞は自社のツイートでも紹介していた。むろん、このツイートも削除している。「窓際さん」がツイートで、こう毎日新聞に忠告している。
毎日新聞「PV欲しさにオリコンのゆるふわ芸能記事を紹介したつもりが反ワクチンを煽るド直球の記事で、過去のHPVワクチンのことも蒸し返されてめっちゃ叩かれたでござる…」
メディアの信頼性を損ねるので、他社提供の記事を毎日新聞アカウントで呟くのはやめた方が。真面目に働いてる記者が可哀想。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1351911274414796801
「元記者の紀谷理馬」がリプライしている。
《庇を貸して母家を取られるの巻ですね。東洋経済時代の佐々木某