【文徒】2021年(令和3)2月26日(第9巻36号・通巻1933号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】内閣広報官・山田真貴子が国会に登場!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【お知らせ】 
----------------------------------------2021.2.26 Shuppanjin

1)【記事】内閣広報官・山田真貴子が国会に登場!

やはり内閣広報官・山田真貴子に注目が集まっている。朝日新聞ジタルは2月24日付で「『異例の抜擢』『女性初』歴任 7万円接待の山田広報官」(相原亮)を掲載している。
《山田氏は早大卒で、1984年に旧郵政省に入った。東北新社ら接待を受けた谷脇康彦・総務審議官とは同期だ。若手の頃に英国へ留学するなど、国際畑の役職が多かったが、「得意分野に偏らない、オールマイティーな人」(同省関係者)という。
2004年に世田谷区の助役に出向し、3年後には副区長になった。当時、総務省から東京23区の要職に就く人事は異例だったという。
山田氏が一躍有名になったのは13年11月。安倍政権で、女性として初めて首相秘書官に抜擢された。当時の総務省幹部は「全くの予想外だった」と振り返る。山田氏は直前に経済産業省へ出向していたことから、同省出身で、安倍晋三氏の側近、今井尚哉・政務秘書官(当時)が推したのではないかとの見方もあった。
約2年後に総務省へ戻ると、他省庁出身の首相秘書官と同様、「出世街道」を歩む。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP2S64K4P2SUTFK00L.html
山田は東大ではなく私立の早大早大といっても政経学部ではなく、法学部の卒業ということを踏まえながら、日刊ゲンダイが2月24日付で掲載した「山田真貴子氏は“ジジ殺し” 内閣広報官の評判と夜の流儀」の次のような一を噛みしめたい。
《私大出身、しかも女性でありながら異例の出世をしてきたのは、総務省を牛耳る菅首相の寵愛を一身に受けてきたからだ。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/285603
朝日新聞デジタルが2月24日付で掲載した「接待問題の山田氏、処遇は 『辞めたら省幹部全員を…』」(相原亮、小泉浩樹)には、こんな記述がある。
《政府関係者によると、山田氏が会食したのは東京・虎ノ門のホテルのフランス料理店。山田氏は総務省の調査に対し、7万円超という金額について、それほど高額ではなかったはず、などと不満を示したという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP2S6JBJP2SULFA004.html
本人は和食レストランと言っているのだけれど。「さざんか」あたりじゃないの。これは私が年に一度行くステーキ屋のメニュー。今度、「ONE PIECE」とコラボするようだが、ここのプライムステーキが2名用で16000円。これでも私などからすると高額である。7万円超を高額とは思わないとは、どういう生活をしているのだろうか
http://wolfgangssteakhouse.jp/menu/pdf/M_dinner.pdf
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000872.000018232.html
朝日新聞デジタルは2月24日付で「菅首相、山田氏続投の考え 『女性広報官として期待』」を掲載している。
《総務審議官当時に7万円超の接待を受けた山田真貴子・内閣広報官については、「深く反省し、おわび申し上げている。やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と述べ、続投させる考えを示した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP2S6TK8P2SUTFK01R.html
この記事を五百旗頭幸男が引用ツイートしている。
《公務員ならばいの一番に身につけたはずの倫理観を捨てた人間に対し「高い倫理観をもって公正に職務を遂行するよう、いっそう精励してもらいたい」と官房長官。「やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と首相。これを末期症状といいます。》
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1364574407453073414
「女性の」とわざわざ言うところが女性蔑視に繋がるということを首相は全く理解していないから困りものである。
2月24日付毎日新聞が掲載している「砂川浩慶・立教大教授 首相長男接待は『そんたく接待』」で、砂川は次のように語っている。
《今回、総務省の幹部がこれだけ頻繁に接待を受けたのは、菅義偉首相の長男の後ろに首相の存在を常に感じていたからだろう。処分を受けた総務省の幹部の多くは、菅首相総務相の頃、政務秘書官だった長男とは面識があったわけで、「そんたく接待」という図式とも言える。》
https://mainichi.jp/articles/20210224/k00/00m/040/274000c
毎日新聞記者でYouTuberの宮原健太は超教育協会にメールで問い合わせたそうである。
菅総理長男による官僚接待問題で、約7万4千円の接待を受けた山田内閣広報官が総務審議官時代に「飲み会を絶対に断らない」と語った動画。今日午前に非公開にされ、制作した超教育協会に理由をメールで問い合わせても未だに返事がない。今さら無かったことにはできないのに。》
https://twitter.com/bunyakenta/status/1364569537098641413
そんな団体に名前を連ねているのが毎日新聞なのである。理事の小川一に直撃すれば良い。
これは「或る中堅記者」のツイート。
《飲み会を断らない人より、しらふでもちゃんと言うべきことが言える人。会社の金で何万円も飲み食いさせてくれる人より、安い居酒屋でも自腹で連れて行ってくれる人を、私は信用しますよ。》
https://twitter.com/chuken_william/status/1364725199325732868
浜田敬子のツイートには説得力がある。
《山田広報官は若者へのメッセージとして「飲み会を断ったことがない」という言葉を送ったという。これがどのぐらい罪深いメッセージかという認識がなかったのだろうか。
私も若い女性たちには「やりたいと思った仕事、プロジェクトがあれば積極的に手を挙げてね」とは言う。》
《だが、「飲み会を断らない」というのは、オンの場で意思を伝えるより、飲み会に出てボーイズクラブに入らなければ仕事やポストは回ってこないということだ。
子育てなどの事情でできない人には、チャンスを諦めろとも聞こえる。》
《山田さんもお子さんがいると聞く。子育てもして、あそこまで上り詰めたからこそできることは、そうした「夜」にチャンスをつかむ慣習をやめることではないか。》
https://twitter.com/hamakoto/status/1364770496143781889
https://twitter.com/hamakoto/status/1364770497649549313
https://twitter.com/hamakoto/status/1364770499176194049
畠山理仁の願いは叶わないのかもしれない。
《山田真貴子内閣広報官、「責任を痛感」しながらも首相記者会見の司会を続けるのだろうか。会見の主催者である内閣記者会は司会役を取り返してほしい。》
https://twitter.com/hatakezo/status/1364567844197863429
朝日新聞デジタルは2月25日付で「山田広報官、陳謝し続投を表明『女性の目線踏まえ…』」を掲載している。
菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から2019年に7万円超の接待をされた山田真貴子・内閣広報官は25日、衆院予算委員会に出席し、「今後、職務を続ける中で、自らを改善していきたい」と述べ、広報官を続投する考えを自ら表明した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP2T35KXP2TUTFK007.html
同紙は同日付で「山田広報官、70万円を自主返納へ 7万円接待を受け」も掲載している。
加藤勝信官房長官は25日午前の記者会見で、菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から2019年に7万円超の接待をされた山田真貴子・内閣広報官の自主返納額は、70万5千円であることを明らかにした。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP2T3SV5P2TULFA00B.html
東京新聞労働組合」のツイート。
《内閣記者会は/公務員の風上にも置けない/違法かつ公僕倫理逸脱の内閣広報官から/今後も〝仕切られる〟つもりなのか?/同じ報道で働く者として恥ずかしい。/頼むから やめてくれ。記者側が仕切れ。》
https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1364892066195546115

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2)【本日の一行情報】

◎燃え殻のツイート。
《休職も長くなり過ぎたので、申し訳ないと思って覚悟を決めて職場に顔を出した。上司に好き勝手やらせてもらったことへの感謝をまず伝えた。壁みた?と言われたので、何のことかと思ったら、休憩スペースの壁に、自分が出た雑誌の記事や新聞のインタビュー、連載記事が貼ってあった。ただただ嬉しかった》
https://twitter.com/Pirate_Radio_/status/1364696086527414276

小学館から3月1日に発売される「小学一年生」4月号の付録はドラえもん おしゃべりめざましどけい」!「コミックナタリー」によれば次のような優れモノだ。
《高さ約15cmの「ドラえもん おしゃべりめざましどけい」は、ドラえもんがアラーム時刻に「おはよう!朝だよ。起きる時間だよ」と起こしてくれ、アラームを止めると「ひとりで起きたの?すごいね」または「ちゃんと起きてえらいなぁ」と褒めてくれる時計。「頭」「鼻」「右手」「左手」部分にはそれぞれセンサーが搭載されており、タッチすると「大丈夫。ぼくが応援しているよ」「早口言葉だよ。赤タケコプター、青タケコプター、黄タケコプター。はい!」「ひゃひゃひゃ くすぐったいよ~」「元気にあいさつすると、いいことあるかも」など、さまざまな言葉をおしゃべりする。》
https://natalie.mu/comic/news/417411
「小学一年生」を定期購読すると、えんぴつを削るとLEDライトが光る鉛筆削りも貰える。
https://www.fujisan.co.jp/product/1184/next/

資生堂はイタリア発のメイクアップブランド「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ」のオンラインマガジン「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ プレス」を創刊した。ファッション誌「Lula JAPAN」を発行するセレックが企画・編集を手がける。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000034058.html
https://lulamag.jp/about

◎「NEWSポストセブン」が2月23日付で発表した「ノンフィクション作家森功氏が迫るベールに包まれた『伝説の編集人』」は「鬼才 伝説の編集人 齋藤十一」の森功を著者インタビューした「週刊ポスト」2月26日・3月5日号に掲載された記事だ。
《「齋藤さんは編集部で〈パイプ〉と暗に呼ばれていたんですが、特集が6本あると必ず1本はパイプ由来のものがあって、見出しも6本全部彼が決めていた。しかも本人は現場に出るでもなく、指示だけが編集長経由で降りてくるわけです。あの医師は絶対怪しい、調べてみろ、とかね(1968年「和田寿郎心臓移植事件」)。
つまり編集長の上に真の編集長がいて、その天の声で現場が動くという異様といえば異様な体制です。でも、その直感がことごとく当たるんです。〈本来、齋藤さんから出るスクープ記事はありえない〉はずなんですが、それこそ、〈目の付けどころがいいというか〉、本当に謎でした」》
https://www.news-postseven.com/archives/20210223_1636012.html?DETAIL
日刊ゲンダイも川鍋孝がタイトルを総て決めていた。

◎「藝春秋digital」は、3月3日(水)19時より、ウェビナー「『藝』×『藝春秋』 編集長が語り合う『芸編集の世界』」を開催する。
https://bunshun.jp/articles/-/43600

◎スマートニュースの子会社であるスローニュースは2月24日、ノンフィクションに特化したサブスクリプションWebサービス「SlowNews」の提供を開始した。利用料は月額1,650円(税込)の定額制。
書籍は、サービス開始時には、岩波書店KADOKAWA、講談社、光社、東洋経済新報社藝春秋の6社の協力のもと、100冊以上のノンフィクション作品を掲出する。
記事は、The New York TimesやThe Guardianなど海外メディアの調査報道の翻訳記事を収録するが、目玉となるのはオンラインメディアとして初めてピューリッツァー賞を受賞した米国「ProPublica」の記事を世界で2番目、日本で初めて「SlowNews」が提供することになる。また国内ではニュース週刊誌「AERA」(朝日新聞出版)から人物ノンフィクション「現代の肖像」の話題作が配信される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000073405.html

◎七崎良輔の「僕が夫に出会うまで」は藝春秋から2019年5月に刊行されたノンフィクション作品だが、漫画家のつきづきよしによってコミカライズされ、4月下旬に単行本として発売が決まった。
https://bunshun.jp/category/bokugaottonideaumade
https://www.oricon.co.jp/special/55920/
「漫画版日本学全集」をどこか企画しないのかな?

共同通信は2月24日付で「詩人ファーリンゲティさん死去『シティライツ書店』を創業」を配信している。
《同書店はヒッピー化に象徴されるカウンターカルチャーの「聖地」として知られた。自身も詩人として「心のコニーアイランドなど多くの作品を残した。》
https://this.kiji.is/737116809948692480?c=39546741839462401

◎「このミステリーがすごい!」大賞受賞作の新川帆立の「元彼の遺言状」(宝島社)が、発売から1カ月半で3刷18万部を突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001130.000005069.html

小学館は2月26日より配信開始する「色川武大阿佐田哲也子全集」第23巻にて未発表の草稿などを初めて収録する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001038.000013640.html

◎「TVガイド」3月5日号、「TVガイドAlpha EPISODE NN」の表紙をKis-My-Ft2が表紙を飾り、「月刊TVガイド2021年4月号」の表紙はメンバーの玉森裕太が飾る。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001299.000006568.html
雑誌にはジャニーズ中毒が蔓延している。

◎「リアルサウンド」は2月24日付で「『ブックセラーズ』予告編公開 本の未来を語るブックセラーの姿や稀少本のオークションも」を公開している。
《予告編の最後は、Netflixで配信中のマーティン・スコセッシの新作ドキュメンタリーシリーズ『都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-』の主人公でもあるレボウィッツの「本の上にグラスを置いたりしたら、私なら死刑よ!」という歯に衣着せぬ言葉で締め括られている。》
https://realsound.jp/movie/2021/02/post-712493.html
https://www.youtube.com/watch?v=bjFkXmz0nCc&feature=emb_logo
これは見に行かなければならないよね。

◎「AFP BB NEWS」は2月24日付で「ヒラリー氏、国務長官が主人公の政治スリラー執筆 10月発売」を配信している。
《米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官が、カナダのベストセラー作家ルイーズ・ペニー(Louise Penny)氏と、サスペンス・スリラー小説を出版する。発売予定は10月12日。出版元のサイモン&シュスター(Simon & Schuster)とセント・マーチンズ・プレス(St. Martin's Press)が23日、発表した。
両社によると、「State of Terror(原題、ステート・オブ・テラー)」は、一連のテロ攻撃で世界秩序が大混乱に陥る中、政敵の政権で新たに国務長官務めることになった女性の物語だという。》
https://www.afpbb.com/articles/-/3333330
これは読んでみたい。日本版は、どこが刊行するのだろうか。

◎2月25日付毎日新聞が掲載している「#五輪をどうする 開催一本やりでなく柔軟な計画変更可能に 山口香理事の提言」で、山口は次のように語っている。
《海外からの観客を断念し、インバウンド(訪日外国人)の経済効果が薄れても開催するのか。観客は日本人に限り、人数は感染状況によって決定するというような選択肢も示せるだろう。このような具体的な選択肢や開催条件を示した上で、開催を望むのかを国民に問うた方がいい。決断は早ければ早い方がいいし、その方が国際オリンピック委員会IOC)などとの交渉もしやすい。開催ありきで、後から安全・安心の理由付けをする「後出しじゃんけん」ではダメだ。》
https://mainichi.jp/articles/20210224/k00/00m/050/278000c
過程を納得してもらうことが何事においても大切である。

◎「弁護士ドットコムニュース」は2月24日付で「読売新聞を『押し紙』で提訴、元販売店主が1億2500万円求める」を公開している。
長崎県佐世保市の元新聞販売店主が、不要な仕入れを強制される押し紙」被害にあったとして、読売新聞西部本社(福岡市中央区)を相手取り、約1億2500万円を求めて、福岡地裁に提訴した。取材に対し、原告側代理人が明かした。提訴は2月22日付。》
https://www.bengo4.com/c_18/n_12552/
新聞販売の現場は怖い!「5階の縦階段」の連ツイも、そうした怖さを教えてくれる。
《新聞屋には全戸台帳という資料がある。顧客リストのことで、名前や住所や連絡先、契約内容がまとめられている。紛失アウトのものだけどこれを外回りで使う。ボクは顧客全員を覚えているから不要だが、外注の営業要は拡張員にもそれを持たせる。》
《あと、増減表というものがあって、今月どの顧客の契約が止まりどの顧客が何件増えるかがリストになっている。当月中に「増減」があれば手書きで加筆するアナログだ。着地見込も電卓。ちなみに現場では粗利とかは不要で、定価でも値引きでも同じ「1件」で考える。》
新聞販売店ではこの「増税」をプラス1にすることが最低目標になるから、販売価格そっちのけで乱売(値引き)となる。顧客の言い値もあるし他の新聞屋の値段もあるからさらにその乱れは激しいわけだ。その増減がマイナスになりそうな時は普通に架空の契約》
《例えば社長の親戚の名前などを使い、0円から500円あたりの契約を作って契約件数を増やす。この数はもちろん正式な契約として数えられる。それでも足りない時は拡張員に頼み込んで短い契約を「置かせる」。この「置き」はその拡張員が身銭で新聞を買うわけで、
《複数の契約分を「置く」こともある。なんかここに書いているだけでもボクは本当に怖い世界だと思ってしまう。契約ってなんなのだ。新聞を実際に読む人は確実に減っているけど、新聞購読者は増えている。マジックです。》
https://twitter.com/10yearhell_bye2/status/1364627256400777218

https://twitter.com/10yearhell_bye2/status/1364627260431503371

清水潔のツイート。説得感があるんだよね。
《冗談ではなく、国民の半分ぐらいが新聞購読をやめて週刊春に切り替えたら、史上最強のメディアが生まれると思うよ。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1364543046495342593
三浦英之が清水をリツイート
《こんなふうに春が1強になるなんて、数年前までは想像もできなかった。なぜこうなったのか、どこで敗北したのか。僕らは(新聞は)しっかり立ち返って考えないと、本当に立脚点を失ってしまう》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1364545185179312140
新聞記者が口角泡を飛ばしながら天下や国家を議論しているときでも雑誌編集者は商売を考えつづけてきた結果、こうなったのである

よしながふみの漫画「大奥」は「MELODY」(白泉社)での16年に亘る連載が終了し、最終19巻が2月26日に発売されたが、これを記念して、コラボカフェ「神保町いちのいちノおふくわけ」(三省堂書店池袋本店・書籍館1階)が3月14日(日)まで開催される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000436.000046848.html

◎宝島社の「smart 」4月号の付録は「村上隆『お花』パンケーキパン」!村上隆まで付録に登場する時代になってしまった。
https://lineblog.me/lujo0525/archives/9441301.html

◎「ボーン・上田記念国際記者賞」は産経新聞副編集長の藤本欣也共同通信外信部次長の芹田晋一郎の2人の記者に決まった。産経新聞は2月24日付で「『ボーン・上田賞』に藤本欣也・産経新聞副編集長ら」を掲載している。
《選考委員会は、藤本記者の受賞理由として、19年10月から20年10月まで香港に長期出張し、「習近平政権による『中国化』政策のなかで民主化を求めて苦闘する香港を取材、迫力のあるルポルタージュを生み出した」と評価した。
また、中国政府が20年6月末に香港国家安全維持法(国安法)を施行した際に執筆した「香港は死んだ」と題する記事は「香港メディアでも取り上げられるなど大きな反響をよんだ」とした。後に国安法で逮捕された香港紙、蘋果(ひんか)日報の創業者、黎智英(れい・ちえい=ジミー・ライ)氏らへの粘り強い取材も評価の対象となった。》
https://www.sankei.com/world/news/210224/wor2102240021-n1.html
共同通信は2月24日付で「ボーン上田賞に芹田、藤本両記者 国際報道で優れた業績」を配信している。
《芹田氏は、2008年に沖縄県尖閣諸島の領海に中国公船が初めて侵入した事件で、当時の公船指揮官をインタビュー。06年から計画していた事実を明らかにした。》
https://this.kiji.is/737195332873011200?c=39546741839462401
産経は興奮していることがわかる。

毎日新聞は2月25日付で「7年間当てられなかったフリーランス記者が見た首相会見と菅政権」(古川宗)を掲載している。ビデオジャーナリストの神保哲生は元AP通信の記者だが、インタビューに答えて次のように語っている。
《日本の大手メディアの記者は無自覚のうちに官僚に取り込まれているようにも感じました。記者クラブの記者は毎朝、自分が働く放送局や新聞社ではなく、担当する省庁に登庁し、役所内の記者クラブで一日の大半を過ごします。そして、役所の幹部からレク(記者向けの説明)を受け、会見に参加していればほとんどの仕事が成立してしまっています。それではいつのまにか官僚と同じような世界観を持ってしまうのも当然のことです。
しかし、官僚が決めたことに影響を受けるのは一般の市民であり、本当に取材しなければいけないのはその現場のはずです。役所に張り付いていれば仕事が成り立つのはおかしいと思いますし、メディアがそんな状態ではいつまでたっても日本は変われないと思います。》
https://mainichi.jp/articles/20210225/k00/00m/010/110000c
官僚に取り込まれていては、「春砲」のようなスクープは放てまい。神保の指摘を正面から受け止めて、自らを変えていかない限り毎日新聞は消えてなくなってしまうのではないだろうか。

◎堀真清の「二・二六事件を読み直す」(みすず書房)を購入。
https://www.msz.co.jp/book/detail/08982/

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3)【深夜の誌人語録】

真実が事実であるとは限らない。

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4)【お知らせ】 

」2000号まで、あと67号。