【文徒】2014年(平成26)3月20日(第2巻52号・通巻254号)

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1)【記事】ガイドブックでできて女性誌でできないこと!
2)【記事】「週刊少年ジャンプ」がニコニコと組んだMADコンテスト
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.3.20 Shuppanjin

1)【記事】ガイドブックでできて女性誌でできないこと!

昭文社の国内旅行ガイドブックシリーズ「まっぷる」は、無料で電子版がついてくるサービスを開始。
http://www.mapple.co.jp/
私はこうした挑戦を全面的に支持する。
「3月12日発売の「まっぷる 鎌倉 江の島'15」など今後発売する国内エリア版ガイドブックが、同社の無料アプリ「マップルリンク」のバージョンアップに伴い、この「電子書籍まるごと機能」に対応する。さらに、過去一年間に発売した国内エリア版「まっぷる」約100点についても、同機能を全対応するという。旅行ガイドブックのジャンルで、本を購入したすべての消費者に電子版を全面開放するのは、業界初となる」
http://www.mylifenews.net/resort/2014/03/post-98.html
それにしても、ガイドブックにできて、何故に女性ファッション誌ではできないのだろうか、あるいはやろうと思わないのか。
紙とデジタル版のダブル使いは間違いなく、女性ファッション誌の広告媒体としての可能性に新たな地平を切り拓くものだと考える編集者、広告マンはいないのか。じっくりと読むための紙版、ショッピングに欠かせないデジタル版が二つ揃って初めて読者に奉仕することになると女性ファッション誌関係者は考えないのだろうか。
昔のままでは滅びるだけだということを滅んでから気がついても遅いだろうに!

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2)【記事】「週刊少年ジャンプ」がニコニコと組んだMADコンテスト

週刊少年ジャンプ」は連載中の「食戟のソーマ」と「ワールドトリガー」を素材にした静止画MADコンテストをniconicoとのコラボで昨年12月に実施した。MADとは「自分の好きな作品を素材に、音楽などを組み合わせて再構成する」作品群を言うが、これについて担当編集者の服部ジャン=バティスト哲は次のように語っている。
「編集部の中でも、MAD作品が上げられれば上げられるほど、『人気が出てきたな!』という感じになります。今回の企画で少し懸念していたのは、ネットだからということで罵詈雑言の類が集まるんじゃないか、というものでしたが、そういう類のコメントもほとんどありませんでした」
「実は、単行本の発行部数ではソーマの方が多いんです。普通に考えれば単行本の部数と応募数は比例しそうなものですが、それが逆転しているのも、作品に新しい可能性を感じられる結果でした」
「相手はジャンプという看板を持った仕事に関われたことになる一方、僕らは、今回はいい方が相手でしたからよかったですが、そうでなかったときのことを考えると少し怖いですね。僕らの看板も、そこまでのリスクを取るほどチープなものかと自問するきっかけになりました」
同じく担当編集者の中路靖二郎も次のように語っている。
「2次審査からはデータなどの素材を提供し、1次については、今回のキャンペーンに限り、自身で購入した漫画やジャンプをスキャンするなどしてご応募ください、という形で取り組みました。無料で3話公開している電子版のデータなども提供しましたね。不安がなかったわけではないのですが、愛があれば大丈夫だろうと」
「これまでのようにジャンプ本誌や、書店さんの店頭広告だけを頼るのではなく、それこそ、ネットで若い人の人気を集めるドワンゴさんと協力したり、MADが盛り上がっているのであればそこに乗っかって知ってもらう場をどんどん広げていきたいと思います」
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1403/17/news040_2.html

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3)【本日の一行情報】

◎3月16日に秋葉原UDXベルサール秋葉原で開催された「電撃文庫」(KADOKAWA)のイベント「ゲームの電撃 感謝祭2014&電撃文庫 春の祭典2014」は約7万人を動員した。
http://mantan-web.jp/2014/03/17/20140317dog00m200052000c.html
雑誌にしてもそうだが、「動員するメディア」として磨きをかける必要がある。それはイベントを読者サービスや販促プロモーションのツールであるという旧来の位置づけをきっぱりと捨てて、イベント自体の収益化をはかる必要があるということだ。イベントもまた出版物や雑誌の一部であり、商品にほかならないのである。イベントをコストに貶めてはなるまい。イベントとして利益を確保し、なおかつ読者サービスとして評価され、販促にも結びつく。

内閣府政府広報警察庁消費者庁財務省文部科学省厚生労働省などが行う薬物乱用防止広報のキャンペーンで、「カイジ」「アカギ」などで知られるマンガ家・福本伸行を起用し、新聞や雑誌でオリジナルイラストによる広報を展開する。政府広報サイトでは福本のオリジナル短編マンガがアップされる。
http://www.rbbtoday.com/article/2014/03/17/117948.html

◎ロイターによれば自衛隊の広報活動が「軟派路線」に急傾斜しているのだそうだ。
東日本大震災の救助活動への高い評価を追い風に、親しみやすさをさらにアピールし、防衛予算などへの理解を広げようという狙いだ。しかし、大衆文化でソフトにくるむ宣伝手法には、軍隊という自衛隊本来の姿が正確に伝わらない、と冷ややかな反応も少なくない」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0M723A20140317

◎バトルゲーム「進撃の巨人 自由への咆哮」攻略サイト。「進撃の巨人」ブームはまだまだ続く。
http://app.famitsu.com/20140317_325672/#gunosy

◎「Booklap Web Magazine」というウエブサイトがある。
http://booklap.com/blog/

電通はオウンドメディアコンサルティングのトライベック・ストラテジーと業務提携し、企業オウンドメディアの価値を総合的に評価できる「ウェブロイヤリティ総合診断サービス」を共同で提供開始した。
http://www.dentsu.co.jp/news/pdf/info-2014031801278.pdf

国境なき記者団は「インターネットの敵」最新版を発表。アメリカやイギリスも初登場!
http://12mars.rsf.org/2014-en/#slide2

文部科学省の研究機関である国立教育政策研究所が発注する「全国学力調査」の問題用紙の印刷は何故か凸版印刷共同印刷に集中しているのだそうだ。
http://www.asahi.com/articles/ASG3K5VF8G3KUTIL047.html
これを酷いと思わない感性を私は信用しない。

幻冬舎と投稿サイトのpixivによる「幻冬舎小説新人賞」。大賞作品には賞金30万円と幻冬舎文庫でのデビューが約束される。
http://www.pixiv.net/novel/contest/gentosha.php?mode=&order=date_d

集英社のアプリ「マーガレットBOOKストア!」で3月17日から神尾葉子花より男子」の一日一話ずつの無料配信が3月30日まで行われる。
http://natalie.mu/comic/news/112243

◎「アンアン」や「女性自身」で活躍する少年アヤの「尼のような子」が祥伝社から刊行された。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/17/264/

◎「電撃文庫」の「デュラララ!!」が再びテレビアニメ化される。
http://dengekionline.com/elem/000/000/821/821216/

講談社は「ダイヤのA」(寺嶋裕二)のコミックス第40巻が発売され、累計部数が2000万部を突破したことから、ウエブの「高校野球ドットコム×週刊少年マガジン ダイヤのA特設応援サイト」をリニューアルオープンし、電子版コミックスの1〜4巻を4月3日まで無料で公開している。
http://www.sankei-kansai.com/press/post.php?basename=000000359.000001719.html

講談社野間省伸社長がトーハンに相談役として復帰。
http://www.shinbunka.co.jp/news2014/03/140318-01.htm

ブルームバーグによればデジタル広告配信システムを開発・販売するカウリは、来春にも東京証券取引所に上場することを検討しているという。カウリはソーシャルメディアポータルサイトの広告枠売買のプラットフォームを手掛けている。
「同社は09年2月に設立。設立時は従業員8人だったが、現在では42人を数える。今後、数カ月で約60人まで増員する計画だ。同社は日本において、デジタル広告配信の先駆けとなり、現在では広告配信規模を月間約160億インプレッション(表示回数)にまで拡大。国内の広告配信の総規模は同800億〜1000億インプレッションと言われている」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N2KFEP6JTSEH01.html
こうした時代の速度に伴走する覚悟が雑誌社にも問われている。

フロムワンが運営する「サッカーキング」が「サッカーフリークの書店員によるブックレビュー」を開始するにあたって、サッカー好きの書店員を募集している。
http://www.soccer-king.jp/sk_blog/article/175875.html

◎「ラーメン新聞」編集長のベストラーメンは「くるまやラーメン」のネギ味噌ラーメンだというが、「くるまやラーメン」って知らなかった。
http://www.news-postseven.com/archives/20140318_244160.html
どこにあるんだろう?足立区に行けば食べられるのか!
http://www.kurumayaramen.co.jp/shoplist.files/kantou.htm

紗栄子が「sweet」(宝島社)の顔になる。
http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=6629

◎「美的.com」(小学館)はPR TIMES経由のプレスリリース掲載を、2014年3月31日をもってやめることになった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000408.000000112.html

◎LINE@は、店舗やブランドが月額5250円からの低価格でLINEを商用利用できるサービスであり、大企業向けの「公式アカウント」の廉価版だが、新たに企業がLINEユーザーと双方向にやりとりできる「LINE@お店トーク」と、LINE内にお店専用の情報ページを持てる「LINE@お店ページ」という二つの機能を加えた。
http://aplista.iza.ne.jp/f-iphone/156294

フェイスブックに風俗広告が登場してしまったそうだ。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/207/207794/

システム開発のクレスコは、電子書籍出版社ゴマブックスの株式105,000株を取得し、保有比率を9.4%から16.3%へ引き上げる。ゴマブックスは旺盛な電子書籍の出版活動を繰り広げているが、「2014年1月期売上高2億5,900万円、営業利益4,900万円」程度の小さな会社である。
http://www.cresco.co.jp/news/newsr/2014/140317_corp.pdf

サントリー東日本大震災復興支援が総額100億円を超えた。サントリーのこういうところが私は好きだ。「漁業支援では、漁船の取得費用の補助を進めており、1万隻分に達した」そうだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140318/bsc1403181545005-n1.htm

◎「EXILE」のボーカルのATSUSHIは「ぴったんこカン・カン」で「神保町食肉センター」を推薦していた。ランチの食べ放題は長蛇の列だが、私もここの肉が好きである。小社から徒歩2分。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/18/486/

◎警視庁全職員アンケートで選んだ十大事件。(1)オウム真理教事件(2)東日本大震災(3)あさま山荘事件(4)三億円事件(5)大喪の礼/即位の礼大嘗祭(6)オウム真理教事件特別手配3人の逮捕(7)世田谷一家殺害事件(8)秋葉原無差別殺傷事件(9)西南の役(10)八王子スーパー強盗殺人事件
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no3/welcome/140year.htm

◎第3回ジュノンガールズコンテストの締め切りは3月17日であったが、東京会場のみ4月14日まで追加募集を行うことになった。
http://mantan-web.jp/2014/03/18/20140318dog00m200023000c.html

◎「大人のおしゃれ手帖」(宝島社)は創刊一週間で完売店が続出し、書店での実売率が80%を超えた。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000005069.html

◎さわや書店イオンタウン釜石店がオープン。釜石市には2店舗目の出店となる。書籍・雑誌165坪、文具18坪の183坪。
http://sc.aeontown.co.jp/kamaishi/accessory/sawaya.html

紀伊國屋書店新宿本店で米澤穂信のおすすめ本フェア「米澤屋書店」が開催されている。
http://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20140316181330.html

◎これは便利だ。米Pocketは、Webコンテンツを「あとで読む」用に保存できるアプリ「Pocket」の日本語版を遂にリリースした。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1403/19/news078.html

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は「Tポイントレディスゴルフトーナメント」を主催。若木ゴルフ倶楽部は武雄市にあり、武雄市図書館はCCCが運営している。とても分かりやすい話である。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga_sports.0.2648331.article.html

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4)【深夜の誌人語録】

自由を謳歌するためにも自由に甘えてはならないのである。