【文徒】2014年(平成26)3月26日(第2巻55号・通巻257号)

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1)【記事】「全国書店員が選んだおすすめコミック2014」と日販の組織改定
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「全国書店員が選んだおすすめコミック2014」と日販の組織改定

「全国書店員が選んだおすすめコミック2014」。1位「坂本ですが?」(KADOKAWA) 2位「亜人」(講談社) 3位「食戟のソーマ」(集英社) 4位「七つの大罪」(講談社) 5位「ワンパンマン」(集英社) 6位「ホリミヤ」(スクウェア・エニックス) 7位「ハニー」(集英社) 8位「喰う寝るふたり住むふたり」(徳間書店) 9位「日々蝶々」(集英社) 10位「ワカコ酒」(徳間書店) 11位「文豪ストレイドッグス」(KADOKAWA) 12位「DAYS」(講談社) 13位「湯神くんには友達がいない」(小学館) 14位「PとJK」(講談社) 15位「ティファニーで朝食を」(新潮社)。
集英社講談社が4作品ずつランクインしているが、小学館の作品はひとつのみ。1位を取ったKADOKAWAが2作品、徳間書店も2作品をランクインさせている。秋田書店白泉社がゼロというのも気にかかる。
http://www.honyaclub.com/shop/pages/osusume_comic2014.aspx
日販は雑誌部コミック課を流通改革推進グループに移管して、コミックチームと改称する。
「売り方・品揃え・成長性などにポテンシャルを持つコミックについて専門部署を設け、販売企画・仕入・商品調達責任を一元化する。 また、現在、書籍扱い・雑誌扱いと区分されている窓口も一本化し、書店の売り場に密着した戦略・施策の提案に取り組んでいく」
http://www.nippan.co.jp/news/2014/0324.html
松岡洋右の口吻を真似するわけではないが、マンガは大手出版社にとっての「生命線」である。マンガを唯一の「生命線」にしてはならないと私は考えているのだよ。

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2)【本日の一行情報】

◎マガジンハウスで「Hanako」の創刊編集長をつとめた椎根和が「銀座Hanako物語 バブルを駆けた雑誌の2000日」(紀伊國屋書店)を刊行した。良いも悪いも椎根は甘糟章とは違った意味でインテリなのである。
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/140318/ecf1403181614000-n1.htm

◎マガジンハウスの「クウネル」5月号が「召しませ 御利益」と題して食べ物の名前を持つ社寺を特集しているが、取り上げられた生姜神社の神主さんが自らのブログで紹介している。
http://ameblo.jp/hajikamijinja/entry-11802432104.html

◎「韓流ぴあ」がリニューアルした。
http://ure.pia.co.jp/articles/-/21601

◎小説に特化した定額読み放題サービス「yomel.jp」のエムティーアイが運営するスマホ向けマンガ配信サービス「comic.jp」は月額300円〜月額5000円のコースを用意し、完結済みの作品を毎月何点かを全巻無料で配信するサービスを展開している。3月26日から無料になるのは桜沢エリカの「天使」(全4巻)や「恋空」(全10巻)など。電子書籍書店も電子書籍をただ並べているだけでは、経営が成り立たなくなる時代を迎えている。網羅性で勝負できるのはアマゾンと楽天だけではないのか。だとすれば、他の数多ある電子書籍書店は個性を明確に打ち出してエッジを利かせないことには、いずれ市場から退場を迫られることになるだろう。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1403/24/news001.html

小学館の携帯電話向けマンガサイト「モバMAN」にて配信され、総ダウンロード数4000万を突破している本名ワコウノ・ゾ・キ・ア・ナ」が実写映画化されることになった。
http://natalie.mu/comic/news/112776
モバMAN」は読みたいマンガを1ファイル単位で購入できる男性コミックショップであり、毎月第1、第3金曜日に更新される。「モバMAN」はプラットフォーム性をもっと強化すれば良いのにな、と思う。
http://comics.shogakukan.co.jp/comic_shogakukan/mm/

加藤直樹の「九月、東京の路上で」を書店で買った。サブタイトルは「1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」。加藤の「90年前の路上を訪ね」、「今に続く残響を聞き取る」作業に私は圧倒された。こういう本を売ってやろうという「街の書店」はないものか。この本で「ころから」という版元を初めて知った。TRANSVIEWが取引代行をしている。
http://d.hatena.ne.jp/kaxima/20140225

集英社女性誌「non-no」はファッションショー「non コレ 2014」を23日、TOKYO DOME CITY HALL(文京区)で開催した。イベントは2回制で合計5000人の読者が招待された。
http://kirei.mainichi.jp/kireinews/news/20140323dog00m100028000c.html
スターダストプロモーション所属の「ばっさー」こと本田翼がカワユイ。
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/03/23/0006802674.shtml

◎そりゃあ名古屋地区では20%を超えるだろうよ。トヨタ自動車をモデルにした「LEADERS リーダーズ」の視聴率。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014032490114925.html
トヨタ自動車75年史」はネットで読むことができる。
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/index.html

◎毎日と産経が苦戦を強いられているのは今に始まったことではないだけに、この二紙は大変だろうな。やはり強いのは朝日新聞
「同社は6000億円近い総資産を持っているのですが、このうち半分以上が純資産となっており、借金は実質的にゼロという超優良企業です。また2000億円近い金額を運用に回しており、ここからの収益もあります。築地の東京本社に加え、有楽町マリオン、大阪の中之島フェスティバルタワーなど、収益性の高い優良不動産を多数保有しています(築地は自己使用のみ)。過去からの利益蓄積がいかに大きかったのかが分かります」
http://thepage.jp/detail/20140324-00000006-wordleaf?page=1

紀伊國屋ビルが竣工50周年を迎える。四階で「新宿とともに50年 紀伊國屋ビルあの日あの時」が開催されている。他にも色々な企画が予定されている。大島渚が描いた「新宿泥棒日記」の紀伊國屋書店は本当に美しかった。私は平積みが今でも嫌いだ。
http://www.kinokuniya.co.jp/c/kinokuniya_building_50th/

◎シャープはローソンの約1万1000店舗とファミリーマートの約1万店舗のマルチコピー機SNS写真などを簡単に印刷できる「コンテンツプリントサービス」の機能を拡充する。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/24/389/

◎海の向こうでは自分の顔をセロテープでぐるぐる巻きにした「セロテープ・セルフィーズ」がフェイスブックで流行り始めたそうだ。雑誌のグラビアでも使える「遊び」だ。
http://www.terrafor.net/news_sfFTkCmLMW.html?right123

◎「SENSE」のファッションイベントにゲスト出演したホリエモンもどうやら私と同じ考え方をしているようだ。
「雑誌にイベントの招待券を付けてみるというのは、ビジネス的に十分ありうる話だ。もともと最先端の技術や、世界を変えようとしている人たちに注目している、私のサイト「ホリエモンドットコム」がベースとなる雑誌なら、そこで対談した人たちを全員呼んでトークイベントをやってもいい」
http://dot.asahi.com/wa/2014031900080.html

電通パブリックリレーションズの社内に設立された企業広報戦略研究所が広報力調査の結果を発表した。業種別ランキングで1位となったのは「電力・ガス」であった。その広報力は原発再稼働に向けていかんなく発揮されることだろう!「記者の考え方や意見を独自人脈・ルートで把握」しているんだそうだ。2位は「金融・証券・保険」、3位「食料品」、4位「電機機器」の順位となる。広報力調査といっても、消費者のための広報力調査ではないに違いない。ワーストで言うと1位「不動産」、2位「建設」、3位「サービス業」となる。
http://www.dentsu-pr.co.jp/releasestopics/news_releases/20140318.html

有斐閣は「六法全書平成26版」(本体12000円)の購入者に昭和32年版から平成26年版までの電子版六法全書を無料で閲覧できるサービスをはじめた。書籍にできて雑誌にできないはずないのだが…。
http://www.yuhikaku.co.jp/six_laws/detail/9784641104747

◎「ベビーシッター事件」で繰り広げられた「鈴木宗男VS乙武洋匡」論戦が話題となっている。
http://blogos.com/article/82956/?p=1

◎料理ブロガー本が流行する理由。
「…料理本の編集者たちは料理ブロガーという素人料理人をつかった本を出すことにしたのです。ブロガーたちは、自身で写真もとれるのでまず撮影代がかかりません。ギャラもほぼゼロででてくれる人も。半分以下の経費で本が出せる割に、人気ブロガーには主婦たちのファンが多くいるためある程度部数がはけるのです」
http://wotopi.jp/archives/2869

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3)【深夜の誌人語録】

小さなことに全力を尽くさない者に大きな仕事などできるはずがないのである。