【文徒】2014年(平成26)3月27日(第2巻56号・通巻258号)

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1)【記事】幻冬舎エデュケーションをご存知ですか?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】幻冬舎エデュケーションをご存知ですか?

幻冬舎エデュケーションもまた幻冬舎の子会社である。2005年1月に設立され、事業を開始したのは2008年7月末だという。この3年半に及ぶ空白が何を意味するのか私には理解不能である。幻冬舎だけを見ていると分からないが、グループとして見れば幻冬舎は出版を噛ませながら実に様々な事業に手を出している。幻冬舎エデュケーションにしても「東大脳さんすうドリル図形編」「京大・東大式頭がよくなる天才脳パズル」などの出版物を刊行しているし、教育関連の玩具や教材にも手を出している。「どうぶつしょうぎ」シリーズは累計50万個に及ぶヒット商品となっているようだ。
http://www.gentosha-edu.co.jp/
幻冬舎エデュケーションが関与するのは、こうした仕事だけではない。幼児教育実践研究所「こぐま会」と業務提携し、幼児教育の新ブランド「100てんキッズ」を共同で立ち上げ運営している。
http://www.kogumakai.co.jp/news/387.html
更に「こぐま会」と乳幼児親子教室「ベビーバック」のEdiQが組んで展開しようと目論んでいるIQ(知能指数)140以上を保証する託児型知能教育機関TOE(ティーオーイー)アカデミー」にも関与する。1〜2歳児の場合で月額11万7500円(100時間利用)、3〜6歳児で月額20万4000円(200時間利用)。
http://news.ameba.jp/20140324-99/
幻冬舎の場合、関連子会社のビジネスのほうが儲かるようになるのではあるまいか。そのビジネスの内容は相当エグイにしてもだ。見城徹吉本隆明から一体何を学んだのだろうか。私には理解不能である。この40年間にわたって「転位のための十篇」を週に一回は読み返すという見城徹である。
http://ameblo.jp/torukenjo/entry-11607913324.html

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2)【本日の一行情報】

集英社の専務取締役鳥嶋和彦の言う通りだ。
「…現状の海賊版問題について、鳥嶋さんは『海賊版を販売している業者には腹が立つが、それを見ている人には怒っていない』と言及。むしろ正規版をファンがいる地域に届けることが業界の責任であると説明した」
AnimeJapan 2014のビジネスセミナー会場で開催された「マンガ・アニメ海賊版対策カンファレンス」の一コマである。
「マンガとアニメという業界を横断した海賊版対策「Manga-Anime Guardians Project」が発表された。これはマンガやアニメのコンテンツを正規版で購入してもらうための業界を横断した取り組みであり、具体的には「Manga-Anime Here」という正規版が楽しめるリンク集サイトを今年の夏に向けてオープンする予定だ」
http://yukan-news.ameba.jp/20140324-150/

小学館集英社杯第39回小学生将棋名人戦なんていうのがあるのか。不勉強にも知らなかった。
http://www.shogi.or.jp/topics/2014/03/39-8.html

ゴールドウインの 「エレッセ」は、2014年シーズンも、「週刊少年マガジン」連載中のテニス漫画「BabySteps」(講談社)とのタイアップを継続し、新商品の販売を4月上旬より開始する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000007414.html

◎「楽天でんわ」専用アプリのダウンロード数が3月20日に累計50万ダウンロードを突破した。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/25/094/

◎第三回ラノベ好き書店員大賞は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」(GA文庫)に決定。
http://syotenin.ranobe.net/
GA文庫」を刊行しているのはSBクリエイティブソフトバンク系の出版社である。
http://www.sbcr.jp/

◎嬉しいことに信愛書店が絶賛されている。
「田舎暮らしの日常はTSUTAYAの雑誌と売れ筋本で事足りる。でも、たまにはジュンク堂信愛書店に行きたい。『多様性』もしくは『センス』を提供して商売が成り立つところが都会の数少ない素晴らしさだと思う」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/toyoomiya/20140325-00033884/

◎第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞羽海野チカの「3月のライオン」(白泉社)に決定。
http://www.asahi.com/articles/ASG3N4CDXG3NUCVL00N.html

◎「LaLa」5月号(白泉社)の附録が良い。「夏目友人帳」に登場するニャンコ先生のシャーペンと消しゴムだ。マンガのキャラクターを生かした折りたたみ傘の応募者全員サービスも実施している。
http://natalie.mu/comic/news/112809

◎「産前駆け込みランチ」での褒められファッションには今尾朝子編集長の思いが反映されていたのではないだろうか。
http://www.cyzowoman.com/2014/03/post_11715.html

◎消費税増税の影響は軽微だとする報道のつづく日本経済新聞に対する植草一秀の指摘は傾聴に値するものがある。
日本経済新聞は、かつては参考になる新聞だったが、2003年ころを境に、ほとんど信頼を置けない新聞に堕落してしまった。この新聞社でトップ交代があり、小泉政権と極めて近い人物が経トップに就任以来、著しい偏向を示すようになった。現在もその延長上にあり、ほとんど『御用新聞』の状況に陥っている。したがって、論評については傾聴に値しない」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-7ce6.html

◎「HUgE」が5月号からリニューアルしている。今号から電子版も刊行するという。
http://www.fashionsnap.com/news/2014-03-25/huge-renewal/
ファッション誌に対する私見を述べておこうと思う。
私はファッション誌であればあるほどファッションではない部分(クルマやデザイン家電、インテリア、トラベル、グルーミングだとかいった部分を指すものではない)が問われていると考えている。ジャーナリズムを武器としているか、文学を武器としているか、アカデミズムを武器としているかなのである。「HUgE」を擁する講談社はジャーナリズムにおいても、文学においても、アカデミズムにおいても突出した存在であるということを忘れてはならないはずだ。例えば「LEON」がジャーナリズムや文学を武器にできるだろうか。否!である。講談社のみならず、小学館集英社にも言い得ることだが、総合出版社にとってファッション誌ほど実は知性の問われるジャンルは他にないのである。
バカの一つ覚えのようにブランドにペコペコするのが本来の仕事ではないはずである。例えば森栄喜をカメラマンとして起用してしまうような「いたずら」を仕掛けることがファッション誌の編集者には問われているのである。言うまでもなく「いたずら」を支えるのが知性なのである。

◎映画「アナと雪の女王」が大ヒットしている。
http://www.cinematoday.jp/page/N0061705?utm_source=gunosy&utm_medium=feed&utm_campaign=xchg

◎「進撃の巨人」のスピンオフ三作をズラリと並べた「月刊少年シリウス」5月号。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140325-00000075-nataliec-ent

◎イオンが2011年から進めてきた中期経営計画では4つのシフトを掲げていた。即ち、デジタルシフト、アジアシフト、大都市シフト、シニアシフトである。出版社にも問われていることだ。
http://www.sbbit.jp/article/cont1/27711

◎「ヨドバシ.com」が出版物も扱い始めた。サイトデザインもアマゾンにそっくりだ。アマゾンに対抗するつもりなのだろうけれど。
http://news.livedoor.com/article/detail/8663497/

大日本印刷は、「秀英体」をモリサワクラウドフォントサービス「TypeSquare」にライセンス提供開始。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1403/25/news080.html

凸版印刷バンダイナムコグループのVIBEはアンドロイドスマホ向けに「中吊りアプリ」を配信、このアプリを通じて雑誌記事のバラ売りを開始する。一本最低50円からの販売で内容により価格は異なる。光文社「FLASH」、主婦と生活社週刊女性」、扶桑社「週刊SPA!」、東洋経済新報社週刊東洋経済」、毎日新聞社サンデー毎日」「週刊エコノミスト」、日本スポーツ企画出版社「週刊サッカーダイジェスト」、ハースト婦人画報社「MEN'S CLUB」など12社14誌からスタートする。
http://www.toppan.co.jp/news/2014/03/newsrelease140326_1.html

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3)【深夜の誌人語録】

決断しきれないのであれば、少し時間をおくことも大切だ。意図的に寝かせることによって新たな切り口なり、視点なりが生まれることもある。