【文徒】2014年(平成26)6月20日(第2巻114号・通巻316号)

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1)【記事】電子書籍書店の個性化が始まる
2)【記事】「平凡社ライブラリー」のツイートが最高と大評判
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.6.20 Shuppanjin

1)【記事】電子書籍書店の個性化が始まる

パピレスは書籍を章や記事ごとに分冊して配信するサービス「パピレスプラス」を開始した。ワンパートごとに目安として読了時間が表示され、ワンパート10円でリリースしている。ビジネス書とか実用書を中心にラインナップを広げていくという。
http://www.papy.co.jp/info/index.php?page=/release/140619.htm
一方、BookLiveは閲覧可能時間を48時間に限定し、その代わり価格を安くして提供する「2daysサービス」を開始した。中心価格は199円で、マンガ、文芸書、ビジネス書、ライトノベル、雑誌、写真集など約4000冊が対象で、順次点数を拡大していくそうだ。また48時間を過ぎてから7日間=168時間をアップグレード購入可能期間として、通常版を通常版よりも安い価格で提供する。
http://booklive.jp/page/index/guide/two-days
市場がそれほど大きくないにもかかわらず、早や乱立気味の電子書籍書店にあって、生き残るためには、その電子書籍書店ならではの個性が求められているのは間違いない。痒いところに手が届くサービスを展開することでアマゾンや楽天Koboに対抗するしかない、というわけである。投稿サイトと連携する電子書籍書店があっても良いような気がする。

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2)【記事】「平凡社ライブラリー」のツイートが最高と大評判

100RTで「ゲイ短編小説集」の重版を検討するというツイートを発信し、見事その10倍のRT数を獲得し、重版を決定させたことが話題になったばかりの「平凡社ライブラリー」のツイートがまたまた話題になっている。今回、ツイートで取り上げたのは新潮社から刊行された角田光代の「平凡」である。
「(聞こえますか…いま…私は…書店員様の…心に…直接…話し掛けて…います…角田光代さんの新刊『平凡』の…版元は…平凡社ではあ…りません…「売行き好調…平積み用20冊…注文!」といったFAXが…最近…平凡社に…送られて…きます…本当に…羨ま…違っ…『平凡』の…版元は…新潮社様…です)」
「(もちろんノ角田光代さんの『平凡』のノご注文ノFAXノはノ送信元のノ書店様にノ返信ノしておりますノ『平凡』のノ新潮社様HP紹介文_ノ「つい想像してしまう。もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって--。」ノあなたのノもう一つのノ人生ノをノ描くノ短編集ノぉノ面白そうノ)」
http://burusoku-vip.com/archives/1723233.html
角田光代も反応している!
「わははすみません!平凡社さんのおらの本は『銀の鍵』ですよ」
https://twitter.com/Kakutamitsuyo

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3)【本日の一行情報】

幻冬舎サッカー日本代表ゴールキーパー川島永嗣監修の英語学習アプリ「川島永嗣監修サッカー英語ドリル初級篇」をリリースした。1レッスン約3分、計約150分の音声が付いた40のレッスンからなり、価格は900円。
http://ict-enews.net/2014/06/18gentosha/
世界文化社川島永嗣の「本当に『英語を話したい』キミへ」を刊行している。こちらの価格は1365円。紙よりアプリのほうが安い。

電通デジタル・ホールディングス(DDH)は11月初旬に、傘下の主要3社(サイバー・コミュニケーションズ電通レイザーフィッシュ、DAサーチ&リンク)とともにADKの入居していた「築地松竹ビル」に移転する。ADKは6月に虎ノ門ヒルズに移転した。
http://www.advertimes.com/20140617/article160915/

博報堂、大広、読売広告社の5月単体売上高。博報堂は伸び、大広と読売広告社が前年割れ。読売広告社が特に悪い。
http://www.google.co.jp/url?q=https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/ir/pdf/%25E3%2580%2590%25E5%258D%259A%25E5%25A0%25B1%25E5%25A0%2582DY%25E3%2580%25912014%25E5%25B9%25B45%25E6%259C%2588%25E5%25BA%25A6%25E6%259C%2588%25E6%25AC%25A1.pdf&sa=U&ei=HzWhU96YOYqwuASh74LIDw&ved=0CBQQFjAA&sig2=kG3DPfHRKK0CMlcCGwqsog&usg=AFQjCNFfU_Up3aU497CDCzb0EnDXj_mk7g

◎7月1日に光文社は「Martミセスパーティ」を開催する。
http://mart-magazine.com/CGI/blog/pickup_comment_list.cgi?blog_seq=3082

◎黒石狂児に薦められて読んだのだが、なべおさみの「やくざと芸能と 私の愛した日本人」(イースト・プレス)が昭和裏面史として腰を抜かすほど面白い。何よりも驚かされたのは、なべの中学時代の恩師が沖浦和光であったこと。当時、沖浦は野球部の監督として、なべたちを東京都大会準優勝にまで導いたというから驚きである。
http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=2077
文藝春秋や新潮社から刊行されていても少しも不思議ではない一冊である。

◎元マガジンハウスの清水和彦が今や江戸川大学メディアコミュニケーション学部の教授なのか!
http://mrs.living.jp/tama/event_leisure/article/1566063

◎「すてきな奥さん」は休刊し、「CHANTO」が創刊され、山岡朝子の肩書も変わったのだが、彼女のブログのタイトルは相変わらず「『すてきな奥さん』編集長・ヤオオカのブチぜいたくな日々」のままである。
http://ameblo.jp/suteoku06/entry-11879780123.html

講談社ラノベ作家の幾谷正のツイートが話題になっている。
http://togetter.com/li/681618
http://anond.hatelabo.jp/20140618154651

有田芳生が「ニューズウィーク日本版」の深田政彦を「オウムよりも統一協会よりも悪質な者」と批判している。有田は深田の「『反差別』という差別が暴走する」という記事を問題にしている。有田によれば深田は「文藝春秋在籍時、台湾取材で情報源を守ることなく記事にしたトラブル記者」なのだそうだ。
http://togetter.com/li/681332
http://matome.naver.jp/odai/2140296949143245901?&page=1

◎「アルジャーノンに花束を」のダニエル・キイスが亡くなった。「24人のビリー・ミリガン」(早川書房)の強烈な印象が私には残っている。
http://www.asahi.com/articles/ASG6L3F23G6LUHBI00K.html

◎私も買った。「週刊ダイヤモンド」6月21日号。特集は「自衛隊と軍事ビジネスの秘密」。経済誌が軍事ビジネスに正面から取り組むのは初めてのことだろう。
http://diamond.jp/articles/-/54780

◎凄いことになってきた。「LINEユーザーのアカウントを何者かが乗っ取られ、振り込め詐欺のような被害にあったという報告が相次いでいる」そうだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/17/news155.html
niconicoに端を発したとおぼしき「大騒動」。とんでもない事件や事故に発展しなければ良いのだが。

◎「広告ジャーナル」の広告ジャーナル社が東京地裁から破産開始決定を受けた。同社よりも遙かに小規模な弊社にとって他人事ではないニュースだ。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20140618_02.html?s=rss
私は亡くなった斎藤社長から広告のイロハを学んだ。

有隣堂はアマゾンに出荷停止した緑風出版晩成書房水声社を支援するためのフェアを25日から実施する。本店を含め10店舗で開催する。
http://www.asahi.com/articles/ASG6L5FXVG6LUCVL00T.html

◎そうか、そうか、レオン・ラッセルマディ・ウォーターズをこのように位置づけるのか、中山康樹講談社新書「ロックの歴史」は。
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2882701
中山とは別の「ロックの歴史」を紡ぎ出すことも可能であろう。

KADOKAWAは8月15〜17日に東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット86」の出展に先立ち、角川書店公式ECサイト「KORDER.com」にて販売グッズの事前受注を初めて実施することになった。
http://anime.excite.co.jp/news/rid_E1403072517128/

◎既に5巻まで刊行されている水沢夢ライトノベル俺、ツインテールになります。」(小学館 ガガガ文庫)がアニメ化され、TBS、BS・TBSで放送される。
http://www.animate.tv/news/details.php?id=1403095743&p=1

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4)【深夜の誌人語録】

一歩足を前に踏み出すことを躊躇する者は最低の臆病者だ。一歩だけで良いのだ、前へ。