【文徒】2014年(平成26)7月11日(第2巻129号・通巻331号)

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1)【記事】無神経「フリー&イージー」が編集者を募集しているぞ!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】無神経「フリー&イージー」が編集者を募集しているぞ!

驚くべきことに「フリー&イージー」が編集者と広告営業マンを堂々と募集している。私には、こういう無神経が信じられない。
http://www.east-com.co.jp/topics20131101.html
記事捏造問題で編集者をクビにしたこともあって、後釜を探している?社長兼編集長の小野里稔は「求む、近未来のMR.フリー&イージー」なる文章を書いているのだが、記事捏造問題など、すっかり忘れてしまったかのようである。このなかで次のように書いている。
「ところが我々のクリエイティブとファッションは、見える人には明快に見えるが見えない人にはまったく見えないという厄介な代物でもある。さらに初期段階では見えていたものの、クリエイティブの変化やファッションの進化により、途中から見失ってしまう者がいることも事実だ。が、見失う理由は至ってシンプルだ。我々が推進するクリエイティブを元来理解していなかったか、もしくは勉強不足によって進化して行くクリエイティブに付いて行けなくなったかの、どちらかのケースがほとんどだ。この世界に於けるクリエィティブの停滞とは、即ち媒体やブランドの危機を意味するのである」
クリエイティブがどうした、ファッションがどうしたと、がなりたてる前に「フリー&イージー」がジャーナリズムを欠如していることを猛省すべきなのである。「フリー&イージー」はクリエイティブとかファッションという言葉に酔っぱらってしまっていたから、今回のような事件を引き起こしたのではないのか。
小野里よ!キミたちがジャーナリズムを見失った理由は至ってシンプルだ。もともとジャーナリズムを理解していなかったことに加え、勉強不足によって「フリー&イージー」はジャーナリズムを喪失してしまったのである。この世界におけるジャーナリズムの欠如とは、即ち媒体やブランドの危機を意味するのである。ちなみに私は「クリエイティブ」という言葉を頻繁に使う編集者もどきを頭から信用しないことにしている。

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2)【本日の一行情報】

◎「Nemuki+コミックス」の全員プレゼント企画で応募券の宛先を明記していなかった朝日新聞出版である。
http://publications.asahi.com/news/430.shtml

◎「ミレニアル世代」という言葉は、これから頻出しそうだな。既存メディアよりも、デジタルメディアに慣れ親しんでいる1980年代から2000年代に生まれたAlways Onの世代ということだが、日本で言えばバブル崩壊後に生まれた世代が典型的な「ミレニアル世代」ということになろう。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140707/569362/?ST=system

◎山岡朝子編集長は「すてきな奥さん」編集長の肩書に徹底的にこだわる決意のようだ。
http://ameblo.jp/suteoku06/entry-11890738903.html

◎中津十三が「世界最大発行部数」の読売新聞について「国の公式見解とまではいかなくても、官製発表モノが1面トップを飾ることが実に多い」と指摘している。読売新聞よりも産経新聞だし、朝日新聞よりも東京新聞である。日本の民主主義は産経新聞東京新聞の幅に収まるものだと私は考えている。
http://blogos.com/article/90153/

◎オプトがTwitterの利用実態を調査。アカウントを持っている人のうち、49%が「ほぼ毎日」利用していることがわかった。
http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2341

◎学研の「月刊ムー」が神宮前に公式ショップをオープンした。
「お店は明治神宮から流れ出た「氣」の通り道に面しています。商品からのエネルギーに満ちあふれた空間は入るだけでも元気をもらえるパワースポット」
http://www.mushop.info/

マガシークとミューズコーは共同で、マガシークが運営するアウトレット通販サイト「OUTLET PEAK」内に、「BAILA」(集英社)などで活躍する福田亜矢子など有名スタイリストの提案による、アウトレット商品を使ったコーディネート商品を販売するキュレーションコンテンツ「OUTLETPEAK × MUSE & Co. Limited Store」を開設した。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140709/prl1407091008014-n1.htm

◎ぽっちゃり+ポジティブ=ぽちゃティブ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/550114.html
オレの腹もぽちゃティブかな。

◎ 「漫画 on Web」が現行のサービスを10月30日をもって打ち切り、11月1日に新サイトを立ち上げる。「eBook USER」は次のように書いている。
「リニューアル後は、Web雑誌『漫画 on Web』を創刊(2015年春を予定)し、雑誌を電子書店で販売することで参加作家に売り上げの還元を行ったり、電子書店への作品の取次を行う『電書バト』といったサービスを提供するとしている」
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1407/09/news125.html

◎米アマゾンがアシェットの作家に電子書籍の全売上高を提供するとメールを出したそうだ。作家にアメを与えて版元を揺さぶるということだ。作家と版元の間に亀裂が生じればシメたものというアマゾンの判断なのだろう。アマゾンとアシェットの「対立」はどういう形で決着がつくのだろうか。これは日本の出版業界にとって「対岸の火事」ではあるまい。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1407/09/news046.html
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304188504580018112711444090
アマゾンの寡占は危険だということを全世界の出版社は認識する必要がある。とはいえ、私が電子書籍を買うのはアマゾンからであって楽天Koboではないんだよなあ。

リクルート・ホールディングスが東証上場を遂に申請した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014070900936

◎光源治晴、宇瑠虎太郎、天空海翔馬(あくあ・しょうま)。これ力士のしこ名なんだって。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB07004_X00C14A7000000/
護慈羅強志なんていう、しこ名はどうだろう?

◎「ベネッセコーポレーション」は、「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」など同社が手がける通信教育サービスを利用している子どもや保護者の名前や住所などの個人情報が、約760万件が外部に流出したことを公表した。これは過去最悪の流出である。しかも個人情報の流出は最大2070万件まで増える可能性があるという。不正アクセスではなく、「内部者の関与」を推定しているというが、通信教育講座で無敵を誇ったベネッセが坂道を転がり始める第一歩となるのやもしれない。「CNET Japan」は次のように書いている。
「…個人情報の漏えいにつながる不正アクセスは確認されていないとし、グループ社員以外の内部者の関与を推定しているという」
http://japan.cnet.com/news/society/35050618/
http://www.asahi.com/articles/ASG795T8VG79ULFA027.html

◎「妖怪ウォッチ オフィシャル攻略ガイド」(小学館)が50万部を突破。小学館はなつやすみに照準をあわせ怒濤の「妖怪ウァッチ」攻勢に出る。「イラストストーリー妖怪ウォッチ」「知育ちがいさがし100 妖怪ウォッチ」「妖怪ウォッチ おはなしえほん ジパニャンとうじょうのまき」「妖怪ウォッチ」第4巻といったラインナップである。
http://mantan-web.jp/2014/07/10/20140709dog00m200059000c.html
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091591944

実業之日本社が5月に創刊した海外旅行ガイドブックの新シリーズ「ブルーガイド・ポシェ」は、「軽い!持ちやすい!!コンパクト!!!」をコンセプトにしており、かばんやポケットに入れて持ち歩けるよう、18.2センチメートル×117センチメートルのポケットサイズにするとともに、ページ数も160ページ以内に抑えていることが特徴だ。
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=62401

◎読売新聞がこう書いている。
「全国の書店数が、5月1日現在で1万3943店となったことが、『ブックストア全ガイド』を発行する東京都内の出版社アルメディアの調査で分かった。
集計を始めた2000年の2万1654店に比べると、実に約3分の2。特に昨年同期比だと298店減と、1日1店近くが姿を消している計算になる」
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20140613-OYT8T50220.html

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3)【深夜の誌人語録】

仕事の酒は殺して飲むもの。飲むなら酔うなが鉄則である。