【文徒】2014年(平成26)10月14日(第2巻193号・通巻395号)

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1)【記事】未来があるのはLINE?KADOKAWA・DWANGO
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】未来があるのはLINE?KADOKAWA・DWANGO

マンガのグローバル戦略では講談社小学館、メディアドゥと組んだLINEはグリーと共同してEpic Voyageを設立。サイバー・エージェントとも11月4日に新会社を設立する。ともにLINE向けゲームの開発会社である。
また9月に設立した100億円規模のゲームファンド「LINE GAME Global Gateway」を通じて、知的対戦ゲーム「Brain Wars」を提供するトランスリミットに出資した。
更に音楽配信ではソニー・ミュージックエンタテインメントとエイベックス・デジタルと新会社を設立する。森川亮社長は「いまは新しいチャレンジをして、これを確実に安定的な収益につなげることの方が新規株式公開(IPO)よりも重要だ」と語っているそうだ。
まだ、あるぞ。みずほ銀行三井住友銀行と連携し、決済サービス「LINE Pay(ライン・ペイ)」を年内に始めるという。
http://jp.techcrunch.com/2014/10/09/line-cyberagent-gree-brainwars/
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1410/09/news149.html
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HY0LC20141009
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220141010bjam.html
LINEはプラットフォームとしての機能を充実することによって、人々の生活に欠かせないライフラインとしての相貌を見せ始めているのかもしれない。
http://dime.jp/genre/161088/
http://sp.oshiete.goo.ne.jp/club/view/4de9a112d6e29e896b62136b6225b322/
私はKADOKAWA・DWANGOにないダイナミズムをLINEに感じてしまう。LINEに比べればKADOKAWA・DWANGOは古臭く見えてしまうのだ。私も大塚英志同様にKADOKAWADWANGO経営統合シナジー効果があるとは思えない。とはいえ、大塚が指摘する「角川歴彦の思いつきで始まった新しいプロジェクトはだいたい5年以内には収束しているから、5年後にはたぶんこの二つの会社は離婚しているか、もしくは二つそろって沈没しているか」という未来図を共有しようとは思わない。川上量生にしても、角川歴彦にしても更なる経営統合を志向するしかないのではないだろうか。何だってありの「膨張戦略」をもってしか生き残れないということだ。相手がCCCでも良いわけだし、新聞社やテレビ局に吸収合併されるという結末もあるのかもしれない。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/100700079/?ST=management&P=1

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2)【本日の一行情報】

実業之日本社の大人のためのストリートファッション誌「GRIND」は7月売りと1月売りがない。年10回刊。出版社は刊行形態に関して、もっと柔軟に考えるべき段階を迎えていると私は思っている。年5回刊だってあっても良いし、ある一定の期間だけ月刊にするとか。
http://www.j-n.co.jp/magazine_list/?mgenre=74

◎ パソコンからモバイルへの急速なシフトに対応しない限り、デジタルメディアに明日はない。問題はパソコンのディスプレイ広告に比べモバイル広告は単価が安かったことだ。当たり前だが1PV=0.01円ではビジネスとして成立しまい。確かに1PV=1円は必要だが、それには、それだけの効果があることを証明しなければなるまいし、現状ではそんな効果はあり得まい。スマホを舞台にした広告のイノベーションが求められているということだ。
http://mainichi.jp/feature/news/20141009mog00m020004000c.html

◎第14回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」が決まった。公共奉仕部門がNNNドキュメント14「自衛隊の闇 〜不正を暴いた現役自衛官〜」、草の根民主主義部門が「希望って何ですか 〜貧困の中の子ども〜」(下野新聞社編集局「子どもの希望」取材班)、文化貢献部門が「首里城への坂道 〜鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像」(与那原恵)。
http://www.waseda.jp/jp/global/guide/award/award08.html
文藝春秋副社長で、広告を担当していた新井信が選考委員の一人である。

◎「ハイキュー」はコミックスも、ノベライズもともに売れている。集英社の「週刊少年ジャンプ」の底力をここでも見せつけてくれる。
http://www.oricon.co.jp/news/2043098/full/

ノーベル物理学賞に決まった中村修司の自伝ともいえる「考える力、やり抜く力 私の方法」の版元は三笠書房。3万部の増刷を決めたという。刊行は2001年か。版元は笑いが止まらないよな。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20141009-1379410.html

祥伝社はフィールコミックスでB6サイズの新レーベル「FCswing」を立ち上げた。
http://www.shodensha.co.jp/fc_swing/

◎「itLOVE」は「ViVi」の増刊として刊行されたが、当然、定期刊化を狙っていることだろう。10月11日に発売された2nd issueは「寄生獣」のミギーステッカーが付録だ。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1410/09/news078.html

◎ゼビオグループは、総合ウェルネスブランド「VANAPH(ヴァナフ)」と講談社女性誌FRaU」がコラボする「ヨガウェア」を発売した。
http://www.vanaph.com/wear/index.html#abc
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000241.000004149.html

◎ アマゾンがマンハッタンでリアル店舗を出店するらしい。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11713596470002413933104580204783042628958
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HY2DK20141009

◎「おさわり探偵なめこ栽培キット」は2011年に発表され、シリーズ累計3500万ダウンロードを達成した大人気アプリゲームだが、 KADOKAWAは、なめこ公式サイト「なめこぱらだいす」で大人気連載中のなめこ4コマを「なめこタイムDX 4コマ集なめよん」として刊行した。
http://jbpress.ismedia.jp/ud/pressrelease/54363601b31ac96784000006

学研パブリッシングは、トンデモ雑誌「ムー」電子版の配信を開始した。電子版は総力特集、2色刷り特集など紙版の一部の記事を掲載した「Lite版」で価格も税別370円。紙版は定価824円。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1410/10/news031.html

集英社はメンズデザイナー通販サイト「mirabella homme(ミラベラ オム)」のティザーサイトをオープンした。本オープンは来年1月中旬。
http://www.j-cast.com/trend/2014/10/09218035.html

集英社の月刊マンガ誌「ジャンプ改」が休刊。
http://mantan-web.jp/2014/10/10/20141009dog00m200060000c.html

乃木坂46松村沙友理の不倫相手の実名や写真が晒されてしまう時代になってしまった。
http://honcore.2chblog.jp/archives/1011075964.html

愛媛新聞によればトーハン参加の「明屋書店愛媛県松山市)は9日、音楽ソフト販売のイケヤ(浜松市)の書籍、マルチメディア商品などの販売事業を譲り受け、11月1日以降、静岡県内の『イケヤ文楽館』4店舗の営業を引き継ぐと発表した」。
「イケヤは1910年創業。静岡県内などに22店舗を展開し、CD、書籍販売のほか、飲食店を経営。2014年5月期の売上高は42億円で、このうち、書店の売り上げは約3割を占める」
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20141010/news20141010441.html

◎大人の実用マガジン「ダイヤモンドQ」の創刊準備1号が刊行された。田中久夫編集長は、こう語っている。
「QにはQuest for Quality of life(生活の質の追求)という意味も込めていて、扱うテーマもミドル・シニア層が個人の生活において高い関心を持っている分野が中心になります。具体的には健康、医療、介護、相続、資産運用、金融商品、教育、趣味、娯楽など。来年4月の本創刊を予定していて、今年度は10月、12月、来年2月に3つの創刊準備号を出します」
http://www.diamond.co.jp/go/q/

日本経済新聞社日経BP社は、健康情報サイト「日経Gooday(グッデイ)」( http://gooday.nikkei.co.jp/ )を立ち上げた。
http://www.nikkei.com/topic/20141010.html

朝日新聞社は9日、「従軍慰安婦」を巡る過去の報道を検証する第三者委員会の初会合を開催。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11394903.html

◎「MMR極秘マガジン」が無料メールマガジンとして創刊される。
http://www.mag2.com/collabo/mmr/

◎「Tokyo graffiti」と「HR」を刊行するグラフィティの代表取締役であり、編集長でもある鈴木俊二が次のように語っている。示唆的なんだよなあ。
「雑誌中心でなんて何年も前から思っていません。会社全体のビジネス規模でいうと、雑誌の売り上げは半分以下。今後も雑誌は作り続けますが会社のメインではないですし、インターネットのコンテンツを提供していきたいと考えています」
http://www.fashionsnap.com/inside/graffiti-suzuki-interview/index.php

◎「朝日新聞は『許されるべき』だと思う?」の問いに「思わない」が85%を超えている。
http://diamond.jp/articles/-/60356/votes

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3)【深夜の誌人語録】

焦りは動きを鈍らせるし、焦りは伝播するものだ。