【文徒】2014年(平成26)11月17日(第2巻216号・通巻418号)

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1)【記事】アマゾン、YouTubeに動きあり
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】アマゾン、YouTubeに動きあり

米アマゾンはアシェット社と、書籍および電子書籍の販売で数年契約を結ぶ。アシェット社が電子書籍の価格設定権を死守した。ロイターは、こう書いている。
「アマゾンはアシェット出版物の一部の販売を停止していたが、アシェット社のすべての作品の販売を即時再開し、販促も強化する」
アマゾンとアシェットの対立に7ヶ月ぶりに終止符が打たれた。日本の出版社にしてもアマゾンのユーザーファーストの速度に唖然としているばかりではなく、言うべきことは言っていかないと、アマゾンに植民地化されかねないということを忘れてはなるまい。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX2D520141113
こちらは日本のアマゾンの話。Amazon で注文したユーザーは、注文時の画面で商品の受取場所として、新たにヤマト運輸の営業所の約3000ヶ所を選択できるようになった。即日受け取りも可能だ。
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h26/h26_58_01news.html
YouTubeが有料の音楽配信サービスを開始する。「JBプレス」で小久保重信は次のように書いている。
「サービス名は先に報じられていたのと同じ「ユーチューブ・ミュージック・キー(YouTube Music Key)」。月額10ドルほどの料金を払うと、音楽ビデオなどのコンテンツを無制限で利用できるようになる。現在のサービスにあるような広告が一切表示されないのが特徴だ」
「米メディアによると、ユーチューブがこの新サービスで狙っているのは、サブスクリプション(定期課金)事業モデルの確立。これにより同社は、新たな収益源を確保するとともに、レコード会社の懸念を払拭したい考えだという」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42210

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2)【本日の一行情報】

武蔵小山にあるブックカフェ「Heimat Cafe」が集英社文庫の「つるかめ助産院」をオススメしている。2012年6月26日に刊行された文庫である。
http://getnews.jp/archives/699038
「Heimat Cafe」は古書店だが、売れ筋に振り回されざるを得ない新刊書店に比べて、古書業界には「目利き」というべき優れた読み手がゴロゴロと存在する。新刊書店が品揃えに「個性」を出そうと思うのであれば、古書店の「オススメ」を参考にする手は有効だと思う。一定の広さを有する新刊書店であれば、新刊の棚を一本ほど、古書店の目利きに品揃えを任せてみるという手法を試してみても良いのではないだろうか。
http://www.heimat-cafe.com/

集英社の少女マンガ誌「別冊マーガレット」に連載中の「俺物語!!」のテレビアニメが決定した。
http://animeanime.jp/article/2014/11/13/20831.html

共同通信社から刊行されていたオーディオ専門誌「AUDIO BASIC」は2012年に休刊していたが、その精神はウエブに継承されていたということでもあろう。「Gaudio」がそうなのだが、「AUDIO BASIC」のキラーコンテンツであったオリジナル録音で制作していた附録CDの名録音のひとつがハイレゾ音源で蘇ることになった。
http://www.pc-audio-fan.com/regular/g-audio-web-editroom/20141112_68102/
紙の雑誌は休刊しても、アプリやウエブサイトとしては存続させるという選択があっても良いのではなかろうか。

◎「Business Journal」が朝日新聞の新たな誤報疑惑を報じている。「誤った新聞記事内容で名誉を傷つけられたとして、神奈川県川崎市社会福祉法人ひまわりの会と千葉新也理事長が、朝日に計3300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を7月5日東京地裁に起こした」のだそうだ。
http://biz-journal.jp/2014/11/post_7335.html

◎百田本強し!「殉愛」(幻冬舎)が11/17付オリコン週間“本”ランキングBOOK(総合)部門でトップに立った。
http://www.oricon.co.jp/news/2044481/full/

◎NHN PlayArtが運営するマンガサイト「comico」から生まれた「ReLIFE」が紙化されヒットしていた。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20141111/1061245/?ST=trnmobile&n_cid=nbptrn_gns
マンガやラノベに限らずデジタルから紙へというケースは増えることだろう。

◎Language×「オトナミューズ」コラボiPhoneケース。2800円也。
http://store.tkj.jp/shopdetail/000000000737/

◎エバーノートのフィル・リービンの発言だ。
「エバーノートが日経にコンテンツの協業に関して投げかけたのは今年の2月。より先進的なサービスを作る情報収集のため、日経電子版のサービスチームの3人がシリコンバレーを訪問した際に話をしたのが始まりだ。そこから具体的な議論が始まったのは約1カ月後で、日経側の対応の早さに驚いた」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141112/273756/?rt=nocnt

◎日販は、兵庫県、ギャガなどの協力のもと、全国のHonya Club加盟221書店で「本を買って、ロケ地の兵庫に行こう!55(ゴーゴー)キャンペーン!」を開催している。
このキャンペーンは、メリケンパークや旧平賀邸(川西市郷土館内)等、兵庫県内でオールロケを行った映画「繕い裁つ人」の公開(2015年1月31日)を記念し、兵庫県への観光誘致・PRを目的に企画されたもの。映画の原作漫画「繕い裁つ人」(講談社)の他、兵庫県に関連する書籍を集めた「兵庫県ゆかりの書籍コーナー」をキャンペーン開催書店に設置するとともに、兵庫が誇る「五つ星ひょうご」選定賞品が当たるプレゼント企画を実施する。
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/Cdpress000102869.html
日販と講談社の関係は非常に良好なようだ。

ジャストシステムの調査によれば5割近くがLINEを生活の一部と考えていて、LINEを毎日起動する人は7割。
http://news.mynavi.jp/news/2014/11/13/069/

◎「同志社裏EVE」は同志社大学政策学部の多田ゼミと、KADOKAWAの「関西ウォーカー」、そして我らがツブヤ大学共催で行うイベントだ。
http://dmm-news.com/article/897775/

ドワンゴは11月13日、映像制作やゲーム、アニメ、声優などクリエイティブ分野に特化した専門学校を運営するバンタンの全株式を取得し、完全子会社化することになった。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1411/13/news143.html

サントリー学芸賞が決定。何と講談社の圧勝。芸術・文学部門で互盛央「言語起源論の系譜」、社会・風俗部門で小川和也「儒学殺人事件-堀田正俊徳川綱吉」、通崎睦美「木琴デイズ-平岡養一『天衣無縫の音楽人生』」の3作品が獲得した。岩波書店筑摩書房はゼロであった。
http://mainichi.jp/select/news/20141113k0000m040044000c.html

◎55万部を突破した「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(KADOKAWA)が映画化される。映画化によって売り伸ばしをはかる。
http://www.cinematoday.jp/page/N0068130

トーハンが運営するオンライン書店e-hon」(http://www.e-hon.ne.jp)は、ブクログが運営する日本最大級のブックレビューコミュニティ「ブクログ」(http://booklog.jp)と連携し、「町の本屋さん応援企画」を実施している。ら12月5日までの期間、ブクログサイト上で「町の本屋さん応援企画〜わたしが本屋さんを好きな理由宣言!」を実施し、11月27日まで、ブクログユーザーから、twitterを使って町の本屋さんを利用する理由や応援メッセージを募集。トーハンブクログスタッフの選考によりベスト10を決定し、11月28日にブクログサイト上で発表する。
http://www.dreamnews.jp/press/0000102915/

大日本印刷が運営する「honto」とDNPグループの書店およびトゥ・ディファクトは共同で、同社がメディアサポーターとして参画する、TOKYO FMの「子宮頸がん」の予防啓発プロジェクト「Hellosmile」のプレミアムイベント「honto×Hellosmile cafe公開収録トークショー」を11月29日にコミュニケーションプラザ ドットDNPにて開催する。
http://www.work-master.net/201405484
http://japan.cnet.com/news/business/35056576/

◎通販新聞が集英社の「ミラベラオム」を紹介している。「ミラベラ」は昨年8月にジュピターショップチャンネルから事業を譲渡されたものだが、そのメンズ版が「ミラベラオム」である。
集英社では10月8日に同サイトをプレオープンし、話題性の高い商品を企画して会員獲得につなげる。スタンダードなアイテムとしては、空間プロデューサーの中原慎一郎氏を中心としたクリエイター集団「コジーコープ」がメード・イン・ジャパンの産地にこだわり、デザインや着心地を追求したベーシックな商品を開発。雑誌「ウオモ」12月号に特集ページを設けた。第1弾ではウールTシャツを販売するが、今後はスウェットなど約10アイテムを順次、開発する計画だ」
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2014/11/post-2020.html

楽天が台湾でオンライン書店楽天書城」をオープンした。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1411/14/news038.html

◎2014年小学館DIME」トレンド大賞は「妖怪ウォッチ」に決定。
http://dime.jp/genre/165942/

文藝春秋は隔月刊の小説誌「別冊文藝春秋」について紙での出版をやめて電子版に完全移行することを決めた。これは文藝春秋に限ってのことではないかもしれない。文芸誌の部数を考えれば、紙をやめて電子版のみにしたほうが、出版社の経営を楽にすることは間違いない。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20141113-OYT1T50115.html

電通10月度単体売上高。雑誌が前年比104.9%。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2014102-1112.pdf

電通は、12月5〜7日にシンガポールで開催される日本ポップカルチャーのイベント「アニメフェスティバルアジア シンガポール2014」に、昨年に引き続き出資する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2014/1114-003878.html

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3)【深夜の誌人語録】

考えなければ駄目だが、考えすぎては機を逸することになる。