【文徒】2014年(平成26)12月8日(第2巻230号・通巻432号)

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1)【記事】岩田宏=小笠原豊樹が亡くなった
2)【記事】岸田一郎の女性スキャンダル発覚
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】岩田宏=小笠原豊樹が亡くなった

詩人の岩田宏が死んだ。詩人の岩田宏は、翻訳の小笠原豊樹でもあった。私にとってみればロス・マクドナルドの「さむけ」(早川ミステリ文庫)や「プレヴェール詩集」(マガジンハウス)の翻訳者であった。
http://www.asahi.com/articles/ASGD45D17GD4ULZU00L.html
「団結しろ万国のまよなかの白痴ども きみらのことは誰も詩に書かない なぜかというときみらが詩だからだ 詩なんてものには詩でないことが書いてあるのだ」(「頭脳の戦争」)
http://www.longtail.co.jp/~shoshi-y/cgi-bin/bookinfo.cgi?id=201411907&ids=new&sort_op=3&sold_op=0&ret=./new.html&revflag=1
こういう詩もあった。
「神保町の 交差点の北五百メートル 五十二段の階段を 二十五才の失業者が 思い出の重みにひかれて ゆるゆる降りて行く」
渋さ知らズ」の25周年 演劇公演「十二夜より十三夜 または勝手にしやがれ」の原作はシェイクスピア十二夜で、翻訳は岩田宏だったそうだ。
https://twitter.com/Shibusashirazu/status/540915397344497664
小学館文庫から刊行されたばかりのアンリ・トロワイヤ「仮面の商人」の翻訳も手がけている。
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094060348

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2)【記事】岸田一郎の女性スキャンダル発覚

ちょいワルオヤジ」こと岸田一郎は「ちょい」どころか、本当に「ワルオヤジ」だった。「23歳の美女A子さんが、『東京ガールズコレクションTGC)』出演と引き換えに、岸田氏に肉体関係を無理やりもたされたと、FRIDAYで涙の告発をしたのだ」だそうだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141205-00010001-friday-ent
問題は「美女A子さん」が所属していたプロダクションだ。「FLASH」の次のような記事も読んでおきたい。「写真は10月27日付で警視庁警視総監宛に出された告訴状だ。告訴の趣旨(目的)を恐喝未遂罪とするこの文書の被告訴人にX氏と、都内の物販会社役員・Y氏の名前がある」そうだ。
http://mmtdayon.blog.fc2.com/blog-entry-132.html
枕営業」の存在を外国特派員協会で告発したのはミス・インターナショナルの吉松育美であった。
http://www.asyura2.com/13/hihyo14/msg/273.html
矢口真理の枕営業の一件も話題になったことは記憶に新しい。
http://news.infoseek.co.jp/article/cyzo_20141107_594861
いずれにしても、編集者は出版人であって芸能人ではないはず。男性向け、女性向けを問わず、ファッション誌の編集者は気をつけてもらいたいものである。今も昔も隙を見せたら、つけ込まれるのである。岸田にしても会合で意気投合したからといって、その日のうちに肉体関係を持つなど、勘違いも甚だしいということである。
セブン&アイ出版は、このスキャンダルをどう考えるのだろうか。私であればyanGとの提携を解消する。yanGには講談社がデジタル・ファーストで立ち上げる「FORZA STYLE」の干場義雅も「顧問」として名前を連ねていたと思うが、まさか干場は岸田のような真似をしていないだろうな。

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3)【本日の一行情報】

講談社JTBパブリッシングと手を組み、Webコミックサイト「モアイ」の人気連載であるまずりん「独身OLのすべて」と、週末のおでかけに役立つ情報満載のニュースアプリ「るるぶNEWS」のコラボ企画をスタートさせた。
http://morning.moae.jp/news/1758
るるぶNEWS」は全国各地の楽しいイベントやおでかけのニュースをオリジナル記事で無料提供するスマホアプリである。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000379.000005912.html

◎「プレジデント」で鈴木敏文田原総一郎のインタビューに答えて「みんなが賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する」と語っているが、翻って出版業界は「みんなが賛成すること」ばかりをやっているような気がする。
過去の販売データを振りかざすことが無意味だとは言わないが、それでは時代に対峙できる企画なんて実現できようはずもない。何よりも「みんなが賛成することは、誰もが同じことを始めるため、過当競争に陥り、順に脱落する」のである。
http://president.jp/articles/-/13985
もっとも私は鈴木敏文という経営者を体質的に好きになれないのだけれど。理由はわかっている。鈴木には「知性」が感じられないからだ。

◎扶桑社が書籍「あかんメール」でユーザーの許諾を得ずして、ツイートを無断転載していたことを謝罪した。
http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594071301

健さんや文太兄いが亡くなったこともあり、にわかに「やくざ映画」が注目されるようになった。私も東映に限ってベスト5をあげてみよう。
1位「博奕打ち 総長賭博」(1968 山下耕作
2位「昭和残侠伝 死んで貰います」(1970年 マキノ雅弘
3位「緋牡丹博徒 花札勝負」(1969年 加藤泰
4位「仁義の墓場」(1975 深作欣二
5位「総長の首」(1979 中島貞夫
で、ここが重要なのだが、次点は「馬賊やくざ」(小沢茂弘)だ。舞台は何と満州国である。東映満映の流れをくむ映画会社である。
http://www.news-postseven.com/archives/20141203_289700.html
http://www.news-postseven.com/archives/20141204_289717.html

山口組直系の組長だった男性が、リクルートホールディングスを相手に提起した「株主権を確認する訴訟」。原告はリクルート株を30万株相当、所有しているはずだと訴えている。どういうことなのだろうか?これまで、この問題を取り上げたのは「アサヒ芸能」だけであったように私は記憶している。
http://www.sakurafinancialnews.com/news/6098/20141204_3

吉川弘文館の「歴史手帳」が60年ぶりに全面改訂された。
http://bushoojapan.com/book/2014/12/04/36051

◎「暮らし上手」(エイ出版社)がPinterest公式アカウントを開設。「暮らし上手」ウェブサイトのコンテンツ「今日の晩ごはん」の配信を開始した。
http://www.value-press.com/pressrelease/134984

朝日新聞社が新体制をスタート。何と木村伊量が顧問就任を辞退した。
http://www.asahi.com/articles/ASGD541JGGD5UEHF00F.html
社長に就任した渡辺雅隆は5つの改革方針を発表した。
http://www.bengo4.com/topics/2382/
こういうときに産経は役に立つ。記者会見の内容を詳報している。
http://www.sankei.com/west/news/141205/wst1412050079-n1.html
青木理が「抵抗の拠点から 朝日新聞慰安婦報道』の核心」(講談社)を刊行。
http://www.hanmoto.com/jpokinkan/bd/9784062193436.html

◎「Fujisan.co.jp」は大手出版社の雑誌など約161誌を、最大で最新号と次号の2冊まで無料になる定期購読キャンペーンを12月25日まで実施している。
http://www.fujisan.co.jp/campaign/0yen/

マイクロソフトがバーンズ&ノーブルの電子書籍事業から撤退した。CNETジャパンは次のように書いている。
「B&NとMicrosoftの両社は米国時間12月4日、B&Nが現金6240万ドルとB&N株式270万株で、Microsoft保有するNOOK Media株式を買い取ることを発表した。また、NOOK Mediaをめぐる両社の関係を、契約上の義務、商業的合意、国際的なコンテンツ取得を含むすべてにおいて解消するという」
http://japan.cnet.com/news/business/35057460/?tag=rightMain

ちくま文庫「杏のふむふむ」の解説を村上春樹が書いている。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000008548.html

◎マンガ誌「ITAN」(講談社)で連載されている「昭和元禄落語心中」(雲田はるこ)がテレビアニメ化される。
http://animeanime.jp/article/2014/12/05/21101.html

スマホ小説投稿サイト「E★エブリスタ」を運営するエブリスタは、WEBコミックレーベル「ヤングマガジン海賊版」において、累計3300万部突破した「3×3EYES」の完全描き下ろし新作、2015年1月に映画の全国公開の「摂氏100℃の微熱」、スマホ小説大賞2014受賞作「メンヘラ刑事」などの人気作を、10週連続で新規配信するプロジェクトを開始。
http://www.work-master.net/201408971

インプレスグループで電子出版事業を手がけるインプレスR&Dと京葉流通倉庫は、POD(プリント・オンデマンド)書籍の書店流通事業において協業し、「NextPublishing特約店制度」参加書店を通じて印刷書籍(POD書籍)の流通を開始した。今後、参加書店を拡大することで、全国の書店店頭でPOD書籍を購入できるようにする予定だそうだ。
http://www.impressrd.jp/news/141205/NP

◎「産経新聞に掲載された広告をめぐり、ユダヤ系団体『サイモン・ウィーゼンタール・センター』(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は4日(日本時間5日)、産経新聞社の熊坂隆光社長宛てに抗議文を送付した」
産経新聞が日本及び日本人を貶めてしまった。産経新聞の熊坂隆光社長の責任は重い。広告もまた記事同様に新聞の一部なのである。謝罪が早ければ良いという問題ではない。「広告審査手続きに欠陥があった」というが、どのような欠陥があったのだろうか。これで有耶無耶にするのではなく、読者にも調査内容を公開すべきである。
http://www.sankei.com/world/news/141205/wor1412050043-n1.html
http://mainichi.jp/select/news/20141206k0000m040143000c.html
江川紹子が次のようにツイートしていた。
「相手がしがないフリーライターだと無視するけど、かのサイモン・ウィーゼンタール・センターとなると対応早いわ」
http://matome.naver.jp/odai/2141777146449037301

◎タレントの磯山さやかが「AneCan」(小学館)専属モデルに。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/12/05/kiji/K20141205009401820.html

◎部落解放・人権図書目録刊行会(事務局/トーハン広報室内、会長 高野政司<解放出版社営業部長>)が「部落解放・人権図書目録2015年版 №32」(掲載社数30社、掲載点数約800点)を発行した。
http://www.tohan.jp/whatsnew/news/2015_3/

KADOKAWAはWEB漫画サイト「キトラ」を立ち上げている。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001149.000007006.html

◎アマゾンは「ゆとりの空間 栗原はるみストア」をオープン。、“きょうの料理「保存版 栗原はるみのふたりの週末ごはん」”DVDをアマゾン限定で発売。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000304.000004612.html

KADOKAWAが「ゆびたまマッサージ」を発売。「ゆびたまローラー」で勝負。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001151.000007006.html

◎「文豪ストレイドッグス」(KADOKAWA)第6巻が発売となったことに合わせ、同作に登場するキャラクターと書店(アニメイト紀伊國屋書店くまざわ書店ジュンク堂書店TSUTAYA BOOKS、ブックファースト有隣堂)がポスターでコラボした。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1412/05/news102.html

◎ペンギンのペリカン戦略に注目しておこう。
http://www.ebook2forum.com/members/2014/12/pelican-flies-again-with-digital-interfaces/

◎ぴあは、北京を中心に興行イベント企画制作事業を展開する、北京希肯国際演出有限公司に出資参画し、日本内外の優良コンテンツの中国・東アジア地域への輸出・仲介事業を本格化させる。これにより、同社の正式名称は「北京ぴあ希肯国際文化発展有限公司」に改められる。
http://corporate.pia.jp/news/%E3%80%90%E3%81%B4%E3%81%82%E3%80%91%E3%81%B4%E3%81%82%E5%B8%8C%E8%82%AF%E5%87%BA%E8%B3%87%E5%8F%82%E7%94%BB20141205.pdf

元木昌彦曰く―
「私がここでも何度かいっているが、いまやメディアにとってのタブーは天皇でも創価学会でも電通でもない。作家なのである」
http://www.j-cast.com/tv/2014/12/05222549.html

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4)【深夜の誌人語録】

いつまでも若くありたいのであれば、何でも良いから、疑問を抱きつづけることだ。