【文徒】2015年(平成27)3月19日(第3巻52号・通巻497号)

1)【記事】「週刊女性」が芸能誌のツイートにジャニーズの圧力を示唆
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「週刊女性」が芸能誌のツイートにジャニーズの圧力を示唆

「明星」(集英社)、「WiNK UP」(ワニブックス)、「duet」(ホーム社)、「POTATO」(学研)、「ポポロ」(麻布台出版社)の各誌はツイッターに同じ内容の警告文を投稿している。
「最近、雑誌に掲載されている写真および文章を、写真撮影やスキャン等を行ない、許諾なくツイッターで公開する行為が目立っております。これらの行為は著作権、肖像権等を侵害するものであり、場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償を請求される可能性があります。くれぐれもご注意ください」
http://news.livedoor.com/article/detail/9895387/
主婦と生活社の「週刊女性」は、吉田豪のツイートを紹介しながら、「男性アイドル誌の警告ツイートはジャニーズからの命令?」と暗にジャニーズ事務所の関与があるかのような記事を書いている。
http://www.jprime.jp/tv_net/sns/9974/
このような記事を書く「週刊女性」だが、芸能誌JUNON」を擁する主婦と生活社にとっても決して他人事ではあるまい。そういうことを主婦と生活社の経営トップ遠藤大介会長は承知しているのだろうか。それとも遠藤は敢えて集英社などにケンカを売っているのだろうか。

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2)【本日の一行情報】

セレクトショップの「ネペンテス」は、代表の鈴木大器自らが編集長をつとめファッション&カルチャー誌「THE GARMENT DISTRICT JOURNAL」(ザ ガーメント ディストリクト ジャーナル)を創刊した。年2回刊で価格は2800円。ネペンテス直営店で販売するそうだ。オウンドメディアの時代はネットの世界だけにはとどまらないようだ。昔のPR誌じゃないよ、これ。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-03-16/nepenthes-ny/

◎「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦が自らの創作術を明かす「荒木飛呂彦の漫画術」が集英社新書から刊行される。新書で「マンガ」を切り口にするのは集英社の得意技である。
http://www.araki-jojo.com/865/

白夜書房がやってくれた。「大瀧詠一 Writing & Talking」を刊行。税込で4,860円とちと値が張るが、これは絶対に買いだ。同志よ!書店に急げ!
http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=4527&gname=shoseki_musictalent

◎「月刊コミックジーン」(KADOKAWA)とイラスト投稿サイト「pixiv」が展開している無料Webコミック誌「ジーピクシブ」から、5月27日(水)よりコミックス刊行開始となる。これを記念して、書店POP用イラストを募集するコンテストを実施中。
http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/40391/

アサツー ディ・ケイで「ADK若者プロジェクト」のプロジェクトリーダー藤本耕平が光文社新書から「つくし世代 『新しい若者』の価値観を読む」を刊行した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000008039.html

小学館が5月25日に創刊する新ブックレーベル「P+D BOOKS」(ピープラスディーブックス)は、名作でありながら、絶版などの理由で現在入手困難となっている昭和文学をB6判のペーパーバック書籍と電子書籍で同時に、同価格で発売・発信する。
創刊ラインナップは松本清張山中鹿之助」、澁澤龍彦「サド復活」、丹羽文雄親鸞 第1巻」、栗本薫「魔界水滸伝1」、「魔界水滸伝2」、立原正秋「剣ヶ崎・白い罌粟」、中上健次「鳳仙花」、水上勉「秋夜」、山口瞳「居酒屋兆治」、吉行淳之介 「焔の中」、北杜夫 「どくとるマンボウ追想記」、遠藤周作「おバカさん」、笹沢左保「天を突く石像」、小島政二郎 「小説 葛飾北斎」、城山三郎「一歩の距離:小説予科練」、三遊亭圓生「浮き世に言い忘れたこと」。
価格はペーパーバック、デジタルとも各390円〜650円(税別)。
かつて「昭和文学全集」を刊行した小学館ならではの企画だ。
http://www.shogakukan.co.jp/st/files/20150316.pdf
澁澤龍彦の「サド復活」と城山三郎の「一歩の距離:小説予科練」は買うつもりである。

講談社は、100パーセント出資による講談社学芸クリエイトを設立した。人文系の出版物を扱う編集プロダクションである。代表取締役に就任したのは学芸局局長の林邉光慶。
http://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/20150317create.pdf

フジ・メディア・ホールディングス伊藤忠商事は、共同で設立したエフ・アイ・メディア企画を通じて、タイでのビジネスを展開する。フジ傘下の通販大手「ディノス・セシール」が販売するアパレル商品や雑貨などをタイのTVショッピングや店舗で販売するほか、ECサイトの開設も進めているそうだ。
http://www.fujimediahd.co.jp/pdf/20150316.pdf

◎中川郁子議員の路チュー不倫と川崎中1殺害事件の18歳主犯の実名報道で「週刊新潮」が「日刊サイゾー」によれば完売したという。少年の実名報道で売れるのは「週刊新潮」の読者がネットとは縁遠い年寄りたちだからだろう。
http://www.cyzo.com/2015/03/post_21055.html

◎「オレンジページ」とコープデリがコラボレーションした「おかず&おやつのヒント集」は生協組合員のアイデアをベースにしたレシピ本だそうだ。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、長野、新潟という1都8県の書店、コンビニエンスストアなどで販売する。しかし、ベタな編集だ。これは「オレンジページ」のセンスなのか、コープのセンスなのか。
http://www.coopnet.jp/topics/news/2015/012506.php

◎「@DIME」によれば、使えない部下の特徴は「何を言っているのか、わからない」「直属の上司も使えない上司である」「『自己責任』の意味を勘違いしている」「簡単なミスを繰り返す」だそうだ。
http://dime.jp/genre/181617/
これ、使えない上司にも当てはまるんじゃないの。

◎画家の金子國義が死去。「女性セブン」に連載されていた甘糟りり子の小説「エストロゲン」に挿絵を描いていた。角川文庫のバタイユ作品の表紙も金子の仕事である。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/03/17/kuniyoshi-kaneko_n_6883308.html

筑摩書房が編集と営業の社員募集をしている。
http://www.chikumashobo.co.jp/company/recruit.jsp

◎書店・出版社大交流会「もっとBOOKMAN2015in岡山」が岡山コンベンションセンター1Fイベントホールで6月16日(火)に開催される。
https://www.facebook.com/honya.trip?sk=app_404280516294361
http://kghanbai.up.seesaa.net/image/BOOKMANE38381E383A9E382B7.pdf
書店紹介サイト「本屋さんTRIP」を運営するKG情報という会社の企画のようだ。
http://www.kg-net.co.jp/guide/corporate/?_ga=1.43232997.1560120090.1426656240

◎金沢大学の学生を対象にした同大生協のアンケート調査。読売新聞は次のように書いている。
「1日平均の読書時間(電子書籍含む)について問うと、『0分』と回答した学生は全体の53・1%で、前回調査の49・7%を上回った。学部別でみると、文系学部では46・4%、理系学部では59・8%、医薬系学部では59・7%がそれぞれ『0分』だった」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150318-OYT1T50035.html
これを単純に活字離れと理解してはなるまい。ネットの閲覧について丁寧に調査する必要があるはずだ。

広島県庄原市の「ウィー東城店」の佐藤友則店長による500円サービス。農文協の「季刊地域」の記事だ。
「…ちょっとしたことは500円(ワンコイン)で請け負うことにした。お客がコピー機の使い方で困っていたら手伝うし、赤ちゃんを抱っこしたお母さんが本を選んでいたら代わりに抱っこする。子ども連れのお客が本を選んでいる間は、佐藤店長が手品で子どもの遊び相手になってあげる。
(中略)
佐藤店長がそんな気配りも心がけるのは、これだけ便利になっている世の中、お客が求めるものに応えるには本の品揃えだけじゃなく、他の何かが必要だと考えているから」
http://kikanchiiki.net/contents/?p=2255

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3)【深夜の誌人語録】

その人を信用するとは、その人を好きだということである。