【文徒】2015年(平成27)4月3日(第3巻63号・通巻508号)

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1)【記事】雑誌と組むカタログギフトのリンベル
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2015.4.3 Shuppanjin

1)【記事】雑誌と組むカタログギフトのリンベル

リンベルと小学館は、カタログギフト「サライの贈り物×RING BELL」に5万円コースを加えた。既存4コース(5千円、1万円、2万円、3万円)と合わせ全5コースのラインナップとなる。
http://www.ringbell.co.jp/pdf/serai2015.pdf
また、マガジンハウスとは、「コロカル商店」につづき、日本郵政を窓口とする通信販売事業「クロワッサンの贈りもの_RING BELL」を開始した。昨年8月、リンベルは日本郵便の子会社である株式会社郵便局物販サービスとの資本・業務提携したが、これにより郵便局としては初の「出版社と共同で開発した通信販売カタログ」の取扱いとなったわけである。
http://www.ringbell.co.jp/pdf/croissant.pdf
リンベルはハースト婦人画報社の「婦人画報」とも組んでいる。
http://www.ringbell.co.jp/pdf/fgcg030.pdf
雑誌ばかりではなく、地方新聞とも組んでいる。
http://www.47club.jp/contents3/ringbellx47.html
リンベルが創業したのは1987年7月。ブライダルギフトの企画開発・販売会社として設立された。代表取締役社長の東海林秀典は自社サイトにおいて
次のように述べている。
「商品を選んで贈るのではなく、贈られた方が商品を選べるギフトスタイル。この逆転の発想こそ、リンベルの出発点でした。リンベルは1987年7月、ブライダルギフトの企画開発・販売会社として設立。限られた商品ジャンル、持ち帰りの不便さといった、当時の婚礼引出物が抱えていた問題点を、「贈られた方が選べる」カタログギフトシステムを開発することで解決しました。
以来リンベルは、この画期的なギフトシステムをさまざまな視点から検証し、その価値を高めてまいりました。例えばカタログに掲載する商品を世界の一流ブランド商品や高級グルメ商品に特化することで、百貨店で商品を選んでいただくかのような満足感を実現するほか、贈る方の心を伝える多彩な付帯サービスの開発、きめ細かなアフターフォローなど、日々お客様に喜んでいただくための創意工夫を繰り返しています。
カタログギフトのパイオニア企業として、革新的なクリエイティビティを発揮し続ける。リンベルはそのスピリッツを原動力に、トップシェアを誇るブライダルギフト市場はもちろん、弔事返礼品、お中元・お歳暮といった他のギフト市場においても、『カタログギフト文化の創造』を目指し歩み続けます」
http://www.ringbell.co.jp/company/company/index.htm
出版社とコラボレートしたカタログギフトを販売開始したのは2011年のこと。

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2)【本日の一行情報】

柳美里が多重債務経験者だったとは驚きだ。柳の「貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記」が刊行された。タイトルも悪くないし、柳にとって久しぶりのヒットとなるか。昔から純文学には貧乏がつきまとう。
http://www.nikkansports.com/general/news/1455105.html

毎日新聞から出版部門が独立して毎日新聞出版が発足した。文庫も新書もなくて大丈夫なのだろうか。「百数十人の仲間たち」(同社の従業員=社員は約100名)を支えるには安定的な収入源を確保しなければならないが、「サンデー毎日」にしても、その役割は果たせまい。
http://mainichibooks.com/
http://mainichibooks.com/information/sunday-mainichi/2015/04/01/post-2.html

高橋源一郎「動物記」+「デビュー作を書くための超『小説』教室」刊行記念トークイベント「『世界』は『小説』でできている!?」が4月22日(水)にジュンク堂書店の池袋本店で開催される。
http://www.kawade.co.jp/news/2015/04/5-2.html

集英社の女性漫画雑誌「クッキー」(奇数月26日発売)が、3月26日(木)発売の5月号より、毎号電子版の配信を開始した。集英社の少女・女性マンガ誌で、増刊等をのぞく本誌の電子版配信は初めてのことだ。
http://www.dreamnews.jp/press/0000109240/

KADOKAWAは「電撃屋」のサイトをリニューアルし、4月1日 (水)よりグランドオープンした。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20150401_h3p9c.pdf

小学館は、女性誌6誌の合同企画として、元気できれいな働く女性"しごとなでしこ"を応援するスペシャルプロジェクトをスタートさせた。
CanCam」「AneCan」「Oggi」「Domani」「美的」「Precious」の6誌と、小学館の女性向け総合情報サイト「Woman Insight」が連携し、20代〜50代の女性をターゲットに、ファッション、ビューティ、ライフスタイルに関するコンテンツやイベント情報を発信する特設サイト「しごとなでしこ」を開設した。
4月1日、2日には、サンケイリビング新聞社が発行するタブロイド紙シティリビング」のスペシャル版フリーマガジン「Oggi&Domani×シティリビング」を東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸のオフィスで働く女性40万人に無料で配布した。9月と11月にも配布を予定しているそうだ。
また、7月30日には、「CanCam」「AneCan」「Oggi」「Domani」の4誌と「シティリビング」によるファッションショー、トークショーグランドプリンスホテル新高輪で開催予定。イベントには働く女性2500人を招待する。10月ごろには、「美的」が厳選した逸品を集めたポップストアを表参道に開店するという。
http://shigotonadeshiko.jp/about/

◎アップランドが提供するiOSandroidアプリ「ぎゃるる」が、累計180万ダウンロードを突破した。MAU60万、月間インプレッション数8億。
「ぎゃるる」は日本最大級の若者向けポータルアプリとして、2015年度中に様々な新機能のリリースを予定しているが、その第一弾としてファッションコーデ投稿機能をもった「ぎゃるるSTYLE」をリリースした。
「ぎゃるる」は出会いアプリとして有名で、援交に利用されたりしていて芳しくない評判も多い。
http://www.appland.co.jp/service/gyaruru2/
http://www.appland.co.jp/

実業之日本社のトップ人事。村山秀夫社長は退任。増田義和が代表取締役会長兼社長をつとめる。
http://www.j-n.co.jp/company.html

◎やっぱり康芳夫って凄いよな。オレの好きなジジェクを「今一番最先端をいくコミュニスト」だと評価している。康芳夫メールマガジンを出している。
http://www.mag2.com/p/news/11310

サイバーエージェントテレビ朝日は、スマートデバイス向け動画配信事業会社とニュースチャンネル事業会社の2社を共同設立すると発表した。
「本基本合意による新会社(1)株式会社AbemaTV(アベマティーヴィー)は、スマートデバイス向けネイティブアプリとして、様々なジャンルの専門チャンネルを有するサブスクリプション型(定額制)動画配信プラットフォーム『Abema』の開発・運営を行い、あらゆるジャンルのコンテンツプロバイダや、地上波・CS放送局などとの提携を通じて、多チャンネルを有する動画配信プラットフォーム事業を展開します。
新会社(2)は、動画配信プラットフォーム『Abema』上で展開するチャンネル第1弾として、ニュース専門チャンネルを運営いたします。当社が保有するスマートフォンサービスの運営実績および潤沢な開発リソースと、テレビ朝日保有する報道取材や番組制作におけるノウハウを活用した企画制作を行い、新しいニュースコンテンツを提供してまいります」
https://www.cyberagent.co.jp/news/group_press/id=10259?season=2015&category=app
総ての既存メディアがインターネットに雪崩れ込むのは間違いない。

リクルートホールディングスは、投資子会社である合同会社RSPファンド6号を通じ、クラウドを活用したソーシャルメディア管理サービスを提供するSprinklr, Inc.およびSprinklr Japanに出資。
Sprinklr, Inc.は、16種以上のソーシャルメディアを対象に、投稿からソーシャルリスニングまで、19種のあらゆるソーシャルメディア管理機能を企業が利用できるツール「Sprinklr」を提供している。企業はソーシャルメディアを活用した販促やリスク管理といった業務を「Sprinklr」で行うことで、ソーシャルメディアを顧客接点の主要チャネルとして活用できるそうだ。
http://www.recruit.jp/news_data/release/2015/0331_15723.html

◎LINEの新社長に就任した出澤剛が「東洋経済オンライン」のインタビューに応じているが、次のような発言が目にとまった。
「LINEを次のステージに引き上げるのが新経営体制の役割。1つ目は、海外のユーザーをもっと増やし、トップシェアの国を増やしていくこと。2つ目は、『ライフ』をテーマにプラットフォーム化を進めている」
http://toyokeizai.net/articles/-/64712
これも「ライフ」をテーマにプラットフォーム化なのだろう。フードデリバリーアプリ「LINE WOW」(iPhone対応/登録無料)(渋谷区・港区一部限定)のアップデートを行い、150店舗以上の飲食店のフードメニューを注文から即時配達する「今すぐ配達」と、ユーザーの買い物代行サービス「おねがいWOW」の提供を開始した。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/971

NTTぷららは、電子書籍サービス「ひかりTVブック」において、約350冊の雑誌が好きなだけ楽しめる定額制の雑誌読み放題サービスを開始した。月額432円(税込)。この雑誌読み放題サービスは、オプティムとの業務提携により提供が実現したものだ。
http://www.nttplala.com/information/2015/4/20150401.html

ファミマガ製作委員会(近代美術、コミチャン、ヒューマンアカデミー那覇校)は、沖縄ファミリーマートと連携し、沖縄県マンガ雑誌ファミマガ」を3月27日(金)より、「沖縄ebooks(http://okinawa-ebook.wook.jp/)」をはじめとした主な電子書店で配信している。
https://www.value-press.com/pressrelease/139741

◎「CanCam」の付録の「ピカチュウ顔ポーチ」がネットで「ピカチュウ」が死んでいると話題になっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/9954355/

旭屋書店が運営する本と本屋の動画投稿サイト「本TUBE」と読者モデル4,000名以上の登録数を誇るポータルサイト「DokumoCafe」(ドクモカフェ)は、読者モデルならぬ読書モデルをプロデュースするそうだ。
http://hon-tube.com/event_info_5.php?in=01
http://www.hon-tube.com/top.php
http://dokumocafe.jp/

大日本印刷とモール型クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」を運営するワンモアは、出版社などに向けて、クラウドファンディングを活用した、本や出版物関連のオリジナルグッズ、イベントなど幅広いコンテンツの制作・企画支援サービスを始める。
http://www.dnp.co.jp/news/10108852_2482.html

講談社集英社小学館白泉社の4社は今日から、史上初となる合同少女まんがフェアをスタートさせた。しかもウエブでも、書店でも展開する。ウエブでは4月3日〜6月5日まで10週にわたりさまざまなアンケートの結果を発表し、その度に人気作を1巻無料で配信する。そして、アンケートにランクインした作品の中から「国民的少女まんが100作品」を決定し、6月下旬に発表する。
書店では全国の約3000店舗で「この少女マンガがくる!2015」を開催。対象コミックスの帯のQRコードを読み込むと、オリジナルスタンプ画像がダウンロードできるというし、店頭でノベルティも用意する。スタンプはコミックス1冊に付き各作品2種類、計16種を用意するそうだ。
http://bookstore.yahoo.co.jp/promo/special/100sen.html
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1504/02/news029.html

◎フライングラインの電子書籍サービス「YONDEMILL shortshort」(ヨンデミル・ショートショート)は、5分から60分以内で読める作品ばかり700タイトル以上を集めている。5分から10分、20分、30分、40分、50分、60分という読書時間の選択肢があり、「ビジネス」「小説エッセイ」「コミック」など7つのジャンルからも選択する。
https://ss.yondemill.jp/
http://www.flyingline.co.jp/
フライングアイの代表取締役社長の鐘ヶ江弘章が次のように語っている記事を発見した。
「私の家では祖父、父と代々、新聞の出版広告を専門に扱う会社を経営してきました。そのような家で育っていることから、自ずとこの分野に興味を持ったということもあるでしょう。また、既にある父の会社の基盤を活用させてもらうとともに、私の方ではITによる新しいサービスを開発し、互いに協力し合いながら事業を展開することが可能になります」
http://www.jonetu-ceo.com/2014/06/21501/
「新聞の出版広告を専門に扱う会社」とは、とうこう・あい(旧社名:東弘通信社)である。
http://www.toko-ai.com/company/

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3)【深夜の誌人語録】

私たちの直面する問題の解答は書物のなかに既に存在している。