【文徒】2015年(平成27)8月20日(第3巻157号・通巻602号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】峰なゆかの「抗議」に鈍感だった「ハツキス」編集部
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】峰なゆかの「抗議」に鈍感だった「ハツキス」編集部

恋のから騒ぎ」からAV女優に転身し、「超絶品ボディ引退SPECIAL」などの作品を残して引退した峰なゆかだが、今はマンガ家として大活躍している。そんな峰なゆかの「抗議」は、この8月13日のツイートから始まった。
「設定もタイトルもさすがにパクリすぎなのではないだろうか???→ 美味しいものを食しながら口説かれる『コトコトくどかれ飯』ハツキスで開幕 - コミックナタリー http://natalie.mu/comic/news/156814 …」
https://twitter.com/minenayuka/status/631727086453952512
ハツキス」9月号(講談社)で連載がスタートした田所コウの「コトコトくどかれ飯」について「設定」も「タイトル」も「パクリ」だと発言している。次なるツイートで峰が何を問題にしているかが明らかになる。
「実在する店で食事をしながら主人公が男にくどかれる漫画→女くどき飯 実在する店で食事をしながら主人公が男にくどかれる漫画→コトコトくどかれ飯←new! おかしいだろ!!!!!!!!!!!!」
https://twitter.com/minenayuka/status/631729260223311872
「女くどき飯」は峰がぐるなびの「みんなのごはん」に連載しているエッセイ漫画であり、テレビドラマ化もされている。峰は「ハツキス」の編集部に向けてリプライする。
「そちらの雑誌で連載の始まったという田所コウさんの『コトコトくどかれ飯』ですが、コンセプトもタイトルも私の連載している『女くどき飯』をパクリすぎではないでしょうか!? 編集部側のご意見をお聞かせください!!!」
https://twitter.com/minenayuka/status/631746542639038464
これを編集部が無視したのだろう。峰は重ねて、こうリプライ。
「さっきから告知ツイートをしていますけど、なんで私のリプライは無視するんですか!!!? 編集部側のご意見をお聞かせください!!!」
https://twitter.com/minenayuka
峰の怒りは激しさを増してゆく。読みようによっては報復宣言のようなツイートを投稿する。
「もしこのパクリ問題が法的にはどうにもできないもので、なので講談社側でもなんの対処もしませんよという結果になったら、私はコトコトくどかれ飯作者の田所コウさんとハツキス編集部と講談社に法的には問題のない範囲でのいやがらせをしていくことに一生を捧げるしかないのだろうか」
https://twitter.com/minenayuka/status/631757353914765312
「いやがらせ」の内容はこうだ。
「田所コウさんの今後描くすべての漫画とかハツキスで連載してる漫画のコンセプトとタイトルを丸パクしたものを無断で勝手に他誌で連載をするとかカナ!?」
https://twitter.com/minenayuka/status/631757722950635520
峰は怒っていると同時に傷ついてもいるようだ。
「漫画を描いているみんな?! 聞いてくれ!!! 自分の描いた漫画をパクられるというのは、これは、思ってたよりすっごく辛いぞ!? びっくりするほど傷つくぞ!! 私はわりとさっきから涙目だぞ!!!!?」
https://twitter.com/minenayuka/status/631759195067408384
ハツキス」の編集部は、峰の一連のツイートを目にしているのだろうか。この一連のツイートに対しては反響も大きかったようである。しかも、総てが峰に好意的な意見ばかりではなかったのだろう。
「『女くどき飯』と『コトコトくどかれ飯』パクリ問題について『作風が全然違う』とか、『内容が似ている漫画なんていくらでもある』とかいう反論があるのですが、私が最初からずっと問題にしているのは『コンセプトとタイトルのパクリ』であって、作風とかストーリーについては一言も言及してません」
https://twitter.com/minenayuka/status/632596641703268352
やがて「コトコトくどかれ飯」の田所コウからリプライが届く。
「今回の責任は全て私にあり、すでに編集の方にも連載の辞退をお伝えしてあります」
https://twitter.com/okogezusi/status/632443346858852352
峰なゆか先生となゆか先生のファンの皆様にも嫌な思いをさせてしまい 本当にごめんなさい。心からお詫び申し上げます」
https://twitter.com/okogezusi/status/632443528858103809
これに対して峰はこうツイートしている。
「私は私の矜持とか礼儀とか良心とかでもって、『コトコトくどかれ飯』という作品をただ看過することはできませんが、どうしてこんなことになったのかという経緯も分からないままに連載を辞退してもらいたくもありません。 きちんとお話してお互いに良い落としどころを探したいです」
https://twitter.com/minenayuka/status/632598137647923200
しかし、「ハツキス」(=講談社)サイドからはことここに至るも峰への接触はない。何のための編集なんだよ!と私なども思わざるを得ない。峰が次のようにツイートする気持ちはよくわかる。これは8月15日のツイートだ。
「ていうかこの話が始まってからけっこう時間が経ってると思うんですけど、講談社の人からはいまだに何の連絡もなく、なにやってるんですかね? おたくの作家さんが『今回の責任は全て私にあり』とか言ってるんですけど、そんなわけないだろ!!! おまえんとこの会社の責任が半分以上だろ!!!!!!」
https://twitter.com/minenayuka/status/632598316874792960
「ちなみに私は『コトコトくどかれ飯』に関わった編集者に対してはいい加減にしろよと思っていますが、講談社全体に対して悪い印象を持っているわけではありませんので、普通に講談社と仕事したいんでよろしくお願いしますね!? 狂犬かと思ってたけど実際会うとマトモですねってよく言われます!!!」
https://twitter.com/minenayuka/status/632602029366448128
日刊スポーツは8月17日付で、この一件を取り上げている。
「…作者の田所氏を名乗るツイッターアカウントから謝罪を受けたことを明かしたが、15日の時点では講談社からの連絡はないとしており、17日午後8時現在まで、問題が解決したとの報告はされていない」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1524523.html
講談社から峰に連絡があったのは8月18日になってからのことのようだ。
「やっと講談社から連絡がきましたので、近日中に話し合いをしまーす!!!!」
https://twitter.com/minenayuka/status/633600018738352128
日刊スポーツに記事になる前に「ハツキス」編集部は峰なゆかに連絡をとるべきではなかったのだろうか。少なくと田所がリプライする前に、だ。この時系列からすると日刊スボーツに記事が出たので慌てて峰に接触したと受け取られかねまい。

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2)【本日の一行情報】

◎美容業界、医療業界、健康業界に特化した広告代理店だというアライブリンクは、2分で読める大人女子のウェブマガジン「Lamp」(ランプ)をリニューアルオープンした。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000011419.html
これがそう。
http://lamp-web.jp/
これがアライブリンクのホームページ。
http://www.alivelink.jp/
ウェブマガジンの創刊は「紙」に比べてカネがかからないから、どんどんどんどん増殖しそうだ。わがメールマガジン「文徒」もそうだけれど一人でできちゃうしね。

主婦の友社の女性ファッション誌「mina」10月号の付録は、田辺誠一が描く、同誌のオリジナルのキャラクター「みーにゃ」のステッカー。このキャラクターは人気が出そうだ。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/8506/

◎日販が発表した7月の雑誌・書籍・コミック売上動向によると、雑誌・書籍・コミック合計売上は前年同月比1.0%減。雑誌は6.6%減。書籍は2.1%増。コミックは1.1%増。
http://ryutsuu.biz/sales/h081804.html

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks」(フィルマークス)を運営するつみきと業務提携し、CCCグループが展開する全国のTSUTAYA店舗やネット宅配レンタル「TSUTAYA DISCAS」、映像配信「TSUTAYA TV」などのCCCの事業基盤を活用した協業を開始することになった。
http://www.ccc.co.jp/news/2015/20150818_004815.html

電通電通国際情報サービス、btrax,Inc.、インフォバーンの4社は、顧客企業の社内における創発体制の構築から国内外の市場動向調査、創発プラットフォームの設計やデザインの仕様検討、プロトタイピングの評価、さらにはパートナー企業とのマッチングまで、イノベーションの全過程にわたるサポートを行って、企業のイノベーション創発を支援するタスクフォース「DSquad」(ディー・スクアッド)を立ち上げた。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0818-004120.html

電通は、顧客企業からのニーズが高まっているテレビCMとオンラインの動画・ディスプレイ広告の出稿を統合的に最適化するツール「d-holistics(R) Cross Media Planner」(クロスメディア・プランナー)を開発した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0819-004129.html

フランス書院文庫の最大のベストセラーが綺羅光の「女教師・二十三歳」であるとは、嬉しいじゃありませんか!オレは綺羅光のファンである。30万部かぁ。
http://www.news-postseven.com/archives/20150818_341464.html

インフォバーンの関連会社であるメディアジーンが運営する、経済的に自立した世代をターゲットにした「cafeglobe」、ナチュラルでリラックスしたスタイルを好む「MYLOHAS」、20代女子のトレンドリーダー「GLITTY」という女性向け3メディアが統合されることになった。3メディアをあわせると、月間1000万PV、200万UUを超えるそうだ。
http://www.mediagene.co.jp/2015/08/4882.html

◎eBookJapanは、フランスとアメリカにて出版事業を展開しているフランス版マンガ「バンド・デシネ」の出版社であるHumanoids(ユマノイド)社と、日本初の邦訳バンド・デシネの電子書籍をリリースする。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/news/detail/?news_id=27060

◎毎日のように新たな「パクリ疑惑」が指摘されている佐野研二郎だが、今度は東武太田駅北口に建設中の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴマークが槍玉にあがっている。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/18/news107.html
http://rocketnews24.com/2015/08/18/621659/
茂木健一郎フェイスブックに五輪エンブレム問題で投稿したら、安倍昭恵が「いいね」!
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/18/motegi-sanoken-abeakie_n_8006988.html
「1個ミスしたらすべてダメになるんですか? エンブレムの制作過程に何か問題があるのですか?」と佐野の事務所の広報担当にしてカミさんが発言したそうだ。「我々の立場としては応募者。辞退できるのかも分からないし、決定権もない」とも。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150818-OHT1T50119.html
それにしても東京五輪はミソのつき過ぎだ。

◎「週刊文春」がKindleストア(Amazon)で配信を開始した。
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0818/atp_150818_3568312118.html

学研教育出版は、ファッションブランド「CECIL McBEE」(セシルマクビー)デザインの中学生向け参考書、「セシルマクビースタディコレクション」シリーズを発売した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000541.000002535.html

高橋源一郎の「死者と生きる未来」を読んだ。
「もしかしたら、慰霊とは、死者の視線を感じながら、過去ではなく、未来に向って、その未来を想像すること、死者と共に、その未来を作りだそうとすることなのかもしれない。いま、わたしには、そう思えるのである」
http://politas.jp/features/8/article/452

中川淳一郎と嶋浩一郎が対談している。
「8月6日に『NEWSポストセブン』から出した「森進一が28才年下恋人と映画デート 彼女に最初から惹かれた」っていう記事がヤフートップに載ったんすよ。これは「28も年下、39歳OL」という数字の具体性も良かったんだけど、背後にある年の差婚の増加、高齢化社会という流れを象徴してたからだと思うんですよね」
これは中川淳一郎の発言。
「PVの換金とネイティブアドだけでは、現状、紙メディアが一次取材をしているコストは捻出できないと思う。デジタル時代に質の高いニュースをつくるコストをどう捻出するかは大きな問題。それは、ネットニュース媒体だけでなく、アプリなどのプラットフォーマーや広告会社・クライアントも考えなければいけない」
これは嶋浩一郎の発言。
http://www.advertimes.com/20150819/article200759/2/

◎「週刊少年サンデー」の市原武法編集長の次のような発言は頼もしい。
「打ち切りの判断をするというのは当然勇気が必要になると思いますが、僕にとって編集長としての一番の仕事というのは、連載の打ち切りの判断だと思っているので迷いや葛藤はまったくないです。作家さんに打ち切りを宣告するという作業はとても大切なことなので」
http://natalie.mu/comic/pp/sunday02

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3)【深夜の誌人語録】

言葉がすべてでもなければ、行動がすべてでもない。言葉には行動を!行動には言葉を!である。