【文徒】2015年(平成27)8月25日(第3巻160号・通巻605号)

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1)【記事】ラグビー平尾剛「怒り」のツイートが日本テレビに炸裂!
2)【記事】村上ファンドと出版業界
3)【記事】天狼院書店が表参道、福岡に進出
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】ラグビー平尾剛「怒り」のツイートが日本テレビに炸裂!

ラグビー日本代表のの平尾剛ツイッターで怒った!
「友人に教えてもらい、来月行われるラグビーW杯イングランド大会の日テレの公式サイトにアクセスしました。そこにはルール説明のための動画がアップされていて、見終わったあと目が点に。ラグビーを馬鹿にするにもほどがある作りに、憤りを通り越して落胆の域にまで達しています」
https://twitter.com/rao_rug/status/635303257884065794
9月に開催されるラグビーW杯イングランド大会を紹介する日本テレビの公式ホームページ。平尾が問題にしたのは、ここにアップされた「セクシー☆ラグビールール」というタイトルの動画だ。タイトル通り、女性タレント8人にタンクトップとショートパンツというセクシーな格好でラグビーのルールを解説するのだが、何故か、女性のバストやヒップが執拗に強調されていた。
この動画を見て「酷い」と感じたのは平尾だけではなかったことだろう。ラグビーファンでなくとも、この動画を見れば「やり過ぎ」だと感じるはずだ。平尾はツイッターに投稿をつづけた。
「協会が許可したのかどうかは定かではありません。許可していたのなら言語道断であるし、与り知らなかったとすればすぐにでも削除するよう要請すべきです。とにかく、こういうかたちでラグビーをPRするのはやめていただきたい。ラグビーに関わる者として、すぐにでも動画を削除するように求めます」
https://twitter.com/rao_rug/status/635303561887289344
日本テレビラグビーを軽く見ているのだろうか。バラエティ番組のノリでラグビーのワールドカップを捉えているとしか思えないような動画である。実際、バラエティー番組「人気者になろう!」と組んで製作されたそうだ。怒りと同時に平尾が落胆しているという気持ちがよくわかる。
ラグビー関係者の皆さんはどう考えておられるのでしょうか。僕は、これまで打ち込んできたラグビーを鼻で笑われ、唾を吐きかけられたような気持ちになっています。けっして看過することはできません」
https://twitter.com/rao_rug/status/635305294516482048
そして、平尾は次のように呼びかけた。
「日本代表選手はもちろん、各国から訪れる代表選手に対しても失礼極まりないことです。ラグビーそのものの価値はわれわれで守らなければなりません。同じような思いを持たれた方はぜひ声をあげていただきたいと思います」
https://twitter.com/rao_rug/status/635305329299820544
こうした声に押されて日本テレビは、この動画を削除する。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/08/24/kiji/K20150824010995240.html
平尾は次のようにツイートした。
「例の映像が削除されました。ともに声をあげてくださった皆様、ありがとうございました。これを機に、難解なルールの説明を含めてラグビーの認知を高めるために、もっと努力していきます。ちなみにルールについては、トップリーグ各チームのサイトでも説明していますので、ぜひそちらを参考に!」
https://twitter.com/rao_rug/status/635369356403208192

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2)【記事】村上ファンドと出版業界

村上世彰の「村上ファンド」が復活だ。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150822-OYT1T50072.html
村上は出版業界とも係わりが深い。「電子書籍コンソーシアム」の通産省サイドの担当者は村上であった。
https://books.google.co.jp/books?id=0WjFUFbMAYYC&pg=PA61&lpg=PA61&dq=%E6%9D%91%E4%B8%8A%E4%B8%96%E5%BD%B0%E3%80%80%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%80%80%E9%80%9A%E7%94%A3%E7%9C%81&source=bl&ots=EoN7QeSK3T&sig=g6j1J3Z0qZ_mGw1kGWp5b9S4sRs&hl=ja&sa=X&ved=0CB0Q6AEwAGoVChMI0M658tK-xwIV4-WmCh0uwQqF
ゼィープラスというネジの製造会社から出版社に変身した会社に、華々しく出版事業を展開をさせていたのも村上ファンドであった。その後、社名変更してセブンシーズホールディングスとなった。
現在、セブンシーズホールディングスは男性ファッション誌「オーシャンズ」には関与しているものの事業の中心は債権回収と地方タクシー向けカード決済システムである。
http://www.sshd.co.jp/
むろん、今も村上との関係は深い。
「大株主には昨年、アコーディア・ゴルフ株主総会でゴルフ場を400億円以上売却し、配当を含め200億円以上の株主還元を実施させた事で物言う株主として市場の注目を集めた旧村上ファンドの運用責任者が代表を務める投資会社『レノ』だけで無く、『村上世彰氏』も名を連ねているのは注目せざるを得ない」
http://info.finance.yahoo.co.jp/kabuyoso/article/detail/20150623-00022862-minkabuy-stocks-5096

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3)【記事】天狼院書店が表参道、福岡に進出

表参道の「STYLE TOKYO friends' home」に「天狼院STYLE表参道」が出店する。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-08-21/styletokyo-omotesando/
TSIホールディングスの子会社スタイル・デプトが手がける「STYLE TOKYO friends' home」はフォトグラファーのシトウレイがアーティスティックディレクターつとめる。
シトウレイは天狼院書店の常連であったという。三浦崇典は「天狼院STYLE」について次のように書いている。
「このブランドは『自分のSTYLEを見つけることができる書店』というコンセプトで、様々な業態や他書店さんとコラボして出すときのために用意していたとっておきのものでした」
http://tenro-in.com/tsushin/13714
池袋の天狼院書店「東京天狼院」は大改装を経て8/22(土)にリニューアルオープンした。
http://tenro-in.com/tsushin/13731
9月26日には天狼院書店「福岡天狼院」がオープンする。
http://tenro-in.com/tsushin/13496

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4)【本日の一行情報】

主婦の友社の女性ファッション誌「Ray」10月号の半年ぶり、4回目となるカバーガールは専属モデルで乃木坂46白石麻衣だ。白石は良いよなあ、オレの好みだ。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/8524/

◎閉店したリブロ池袋のOBにして、現在、ジュンク堂書店池袋本店副店長の田口久美子が「週刊朝日」で次のように語っている。
「書店は低い利益率による経営を大型店化で何とか補い続け、小さな店舗は潰れていきました。でも、それが今では本が売れないのとネット書店の繁栄とで、もはや大規模店も潰れそうになっているんですね。今回のリブロ池袋本店の閉店も、そうした一連の流れの延長線上にあると捉えています」
http://dot.asahi.com/wa/2015082000030.html?page=1

講談社のビューティ誌「VOCE」10月号のカバーガールは同誌の新ビューティミューズに就任した元AKB48大島優子だ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000736.000001719.html

日本郵便は、女性管理者に特化した研修を星野リゾート集英社ブランド事業部と共同で開発し、実施したという。
http://zuuonline.com/archives/78152
集英社のブランド事業部がどういう係り方をしたかは知らない。ただ、ブランド事業部を生んだのは集英社の雑誌文化であったことは間違いなかろう。「紙」だけではなく、いろいろなところに「雑誌」の出番はあるということだ。「いろいろなところ」を限定的に考えてはならないのである。

佐野研二郎の「全仕事」が検証されそうな勢いである。カメラグランプリのロゴが「イラスト無料ネット」からの「パクリ」であった可能性が指摘されている。フリー素材ではあっても利用規約に「商標、ロゴマークとしての利用は禁止」とある。
http://hosyusokuhou.jp/archives/45182160.html

上西小百合に「連帯を求めて孤立を恐れず」というフレーズは使って欲しくなかった。双葉社の「小百合」。
http://www.47news.jp/topics/prwire/2015/08/268290.html
一般的には「連帯を求めて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが、力尽くさずして挫けることを拒否する」という東大安田講堂の落書が有名だけれど、もともと「連帯を求めて孤立を恐れず」は谷川雁である。「大衆に向っては断乎たる知識人であり、知識人に対しては鋭い大衆である」も谷川雁。弊社の基本方針である「読者に向っては断乎たる編集者であり、編集者に対しては鋭い読者である」は谷川を踏まえている。

永六輔がパーソナリティーを務めるTBSラジオ「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(毎週土曜 前8:30)が、9月26日放送をもって約24年半の歴史に終止符を打つ。
http://www.oricon.co.jp/news/2057995/full/

小学館ノンフィクション大賞を受賞した森健の「小倉昌男 祈りと経営」は、ヤマト運輸の元社長にして、「宅急便」の生みの親だが、小倉が「なぜ障害者福祉に私財を投じたのか」という謎に迫っているそうだ。次のような一文を目にすると俄然、関心が湧いてくる。
「小倉が遺した約四百の俳句とともに、その半生を追った」
小倉は俳句をやっていたのか!
http://www.news-postseven.com/archives/20150822_344602.html

◎「少年サンデー」の市原武法編集長の言う通り。船頭が多いとロクなことがない。
「そもそも決定の場に人が多いと、結論は角が取れて丸くなりますから、決定する人数は少ない方がいいんです」
http://mantan-web.jp/2015/08/23/20150822dog00m200031000c.html

◎実写版「進撃の巨人」がアメリカでも公開される。
http://www.crank-in.net/movie/news/38458

講談社の「ハツキス」は「『コトコトくどかれ飯』へのツイッター上でのお問い合わせに関する編集部の見解とお知らせ 」を発表した。<「ハツキス」で連載中の『コトコトくどかれ飯』(田所コウ氏)が、「ぐるなび みんなのごはん」(Web)で連載中の『女くどき飯』(峰なゆか氏)と類似しているのではとの、ツイッター上でのお問い合わせにつきまして、編集部の見解をお答えさせていただきます。
『コトコトくどかれ飯』は、フィクションの淡い男女の恋模様を描いたラブストーリーであり、『女くどき飯』と類似した内容ではないと考えています。タイトルにつきましては、類似した点があるとのご意見をいただいております。連載タイトルを決める際に、『女くどき飯』との言葉の類似点について、編集部も作者の田所先生も気づきませんでした。そのご指摘は真摯に受け止め、今後のこの作品のタイトルにつきましては田所先生と協議してまいります。
田所先生からは、本件とは関係なく連載を辞退したいとの申し出を受けております。峰先生からは「タイトルを変更した上で、連載を続けていただきたいと希望しています」とのお話をいただいております。田所先生とは、連載継続に向けて、今後も協議してまいります。
ツイッター上での峰先生からのご指摘を受けた直後から、社内では慎重に協議を重ねてまいりました。その結果、編集部の見解の発表が遅くなりましたことを、お詫び申し上げます>
http://kisscomic.com/hatsukiss/news/150821.html
ネットで起きた問題を解決するにあたって雑誌の速度で考えてはならないと私は考えている。

◎「楽天アプリ市場」のサービスが開始されたが、アプリスタイルは公式マガジン「楽天アプリスタイル」を創刊した。
https://twitter.com/appli_style/status/634640712357707777

◎劇場版アニメ「ONE PIECE FILM 2016」が満を持して製作されることになった。
http://mantan-web.jp/2015/08/23/20150822dog00m200027000c.html

下重暁子の「家族という病」(幻冬舎新書)が50万部を超えるベストセラーとなっている。
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/08/23/52381/
「週プレNEWS」は、この記事も良かった。
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/08/24/52443/

◎第37回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)でサミュエル・フラーが特集される。「ベートーヴェン通りの死んだ鳩」は日本初公開だそうだ。
http://pff.jp/37th/tokyo/#fuller
マーチン・スコセッシの序文が美しい「映画は戦場だ!」(筑摩書房)は在庫切れかあ。サミュエル・フラーニコラス・レイを見ずしてアメリカ映画を語ることなかれ、である。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480871664/

◎「天地明察」などで知られる小説家の沖方丁が別居中の妻に対するDV容疑で逮捕されていた。沖は容疑を否定しているらしい。
http://www.sankei.com/affairs/news/150824/afr1508240017-n1.html
http://towubukata.blogspot.jp/2015/08/httpswww.html

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5)【深夜の誌人語録】

あれこれ言い訳を用意する暇があるのであれば、次の一手を提案せよ。