【文徒】2015年(平成27)9月3日(第3巻167号・通巻612号)

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1)【記事】ツイッター検証!佐野研二郎問題をどう考えるか
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
4)【人事】講談社9月1日付人事異動

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1)【記事】ツイッター検証!佐野研二郎問題をどう考えるか

佐野研二郎問題。ツイッターで色々な意見を拾ってみることにした。
東浩紀「佐野氏の問題。いまでもエンブレム自体は盗作ではなかったと思うね。ただ選考過程が不透明なのはたしかだし、佐野氏の作品が全体的にオリジナリティにかけるのもたしかだし、デザインの素材でネットの画像をコピペしまくりだったのもたしかなようで、これだとエンブレムは撤回せざるをえないでしょう」
「今回の事件で、ぼくは、あらためてネットの暇人は怖いということ、そして、素材のコピペ云々以前に、デザイン業界は発想力の点でここまで衰退していたのだということ、その2つを痛感した。個人的には後者のほうがびっくりしている」
https://twitter.com/hazuma/status/638640083906641920
https://twitter.com/hazuma/status/638641163608584193
千葉雅也「いよいよインターネットがひどいことになってる感じだ、この頃。政治的な動きが盛り上がったのもネットのおかげではあるから、『つながり』の作用は良くも悪くも出る。しかしもう、ネットで何かを主張しようという気にならなくなってきたな、残念ながら。ゆるいやりとりと宣伝だけでいいのだろう」
「日本のインターネットにおける匿名のポピュリズムが、ネットの接続性や検索性で得た力の難点はいろいろあるが、いよいよネットが「なんかトクしてそうなヤツ引きずり下ろし大喜利空間」に本格的になったのだ、というのは、一つの嘆きとして大きい」
https://twitter.com/masayachiba/status/638738203084611584
https://twitter.com/masayachiba/status/638741035737198592
横尾忠則「落選作にいくらいいのがあっても、何かに似ていれば採用はされない。それだけでなく盗作問題にもならない。採用作に関しての真偽は応募者より、むしろ審査員の問題だ」
https://twitter.com/tadanoriyokoo/status/629158408936009728
佐々木俊尚「私は個人としていまも佐野研二郎さんを全面的に支持しています。この事態に負けないでほしい」
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/638728725190676480
森岡正博「早稲田大は小保方事件でダメージを受けた。そこから立ち直るまでにかなりの時間を要するだろう。今回、多摩美大も似たようなことになるかもしれない」
佐野研二郎氏の羽田空港のエンブレム展開例で、内輪の検討のためのもので本来なら外に出すものではなかった、こういうことはデザイン業界ではよくあるとされているが、内輪の検討会だけのためのものなのに、わざわざコピーライト部分を切り取って消すというのは私は理解できない」
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/638736024038830081
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/639000869455839232
矢作俊彦「これはもう尋常じゃないな。このデザイナーだけでなく、選んだ方も、つっぱり続けるJOCも、もはや恥知らずを通り越して病気の領域。文脈をたどると、コンペそのものが出来レース、この男を当選させる何らかの力学が働いていたような気がしてならない」
「昨日、佐野研二郎佐野眞一ってどういう関係なのと訊かれて答えに窮した。佐野研二郎って佐野眞一と何か関係あるの?と聞かれたら答えようもあったんだが」
https://twitter.com/orverstrand/status/638499874288209920
https://twitter.com/orverstrand/status/638844818961993728
茂木健一郎東京五輪エンブレムの使用中止の判断、妥当だと思います。承知エンブレムを含む、みんなが魅力を感じる代案をできるだけ早く。そして、佐野氏や、その事務所はそっとしておいて差し上げるのが良いと私は考えます。素敵な五輪の準備をする事がいちばんなのですから」
東京オリンピックのエンブレムの件は、撤回で、振り出しに戻った。私は招致エンブレムがいいと思う。ところで、『一般国民』理解できないといった発言を見るにつれ、ますます強い印象を持つのが、日本の『エスタブリッシュメント』の世間からの『ずれ』である」
「さまざまな方にお会いした時に、ツイッターフェイスブックなどのインターネットのあれこれを空気のように吸っている方と、そうでない方の間には、感覚において明らかな『ずれ』があるように感じる。今回の組織委員会の発言などを聞いていると、後者なんだなあとつくづく感じる」
https://twitter.com/kenichiromogi/status/638586309053820928
https://twitter.com/kenichiromogi/status/638821223808438272
https://twitter.com/kenichiromogi/status/638821631146614784
小池一夫東京五輪のエンブレムの使用中止が決まったが、僕がとても気になるのは、佐野氏へのバッシングが異常にエスカレートしていることだ。彼は、既に社会的制裁を受けている。彼に非があったとしても、無制限に人を叩くなと思う。水に落ちた犬を棒で叩くような風潮が僕は本当に嫌だ」
https://twitter.com/koikekazuo/status/638645147165548544
竹田圭吾「五輪エンブレム。ネットのマスによるリサーチで剽窃の事実と信頼性・正統性の欠如が明かされたのはSTAP細胞のケースと共通しているが、核心的な反証が提示されないことで理系な決着がついたSTAPの場合に対し、状況証拠だけに基づく撤回という文系的な幕引きに。なんかすっきりしない」
https://twitter.com/KeigoTakeda/status/638708193460260864
津田大介「まあでも今回の件をきっかけに、もう少しTPPの著作権侵害非親告罪化についてフォーカスが当たってくれればいいなと思います」
https://twitter.com/tsuda/status/638613178465693696
舛添要一「私が、8月2日にツイートして警告したように、商標権と著作権とは異なる。佐野氏も組織委員会も、その点についての認識が十分ではなかったようだ。法律家の意見も聞くべきだ。エンブレムの決定権は私にはないが、私の一ヶ月前の警告が活かされていれば、もっと早く結論を出せていたかもしれない」
「佐野氏作成エンブレムの取り下げが決定。後味の悪い話だ。新国立競技場と同様、責任の所在が不明確、情報公開が不十分という問題が背景にある。ロゴを決めるのはIOC組織委員会。東京都には何の権限もない。今日、調整会議が開かれたが、私がこの問題に関する議論によばれたのは今回が初めてだ」
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/638736301974355969
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/638728409066041344
俵万智「あのエンブレム、私は素敵と思っていた。でも『一般国民』には、計り知れないようなところまで、きっちりするのがプロではないかとも思う」
https://twitter.com/tawara_machi/status/638731374787080193
モーリー・ロバートソン「五輪エンブレムに絡んでパクリ、トレースの習いがクローズアップされておりますが、クラブ・ミュージックの業界では世界的に当たり前なプラクティスです。ただし、何をパクったのかさえ分からないほどに、みんなかっこよくやっている。やられた方も公式に追加認定するような完成度で」
https://twitter.com/gjmorley/status/638607829553680384
宮沢章夫「五輪エンブレムにしろ、新国立競技場にしろ、このごたごたは、単なる偶然ではないな。なにか構造的な歪みだろ。オリンピックってやつのね」
https://twitter.com/aki_u_ench/status/638578994061770752
八代嘉美「五輪エンブレム問題。使用例写真での無断流用って本質的な問題じゃないよね。この段階でもなおエンブレム自体が「盗用でない」と主張するなら取り下げなきゃええがや。あいまいな結論でも取り下げりゃ許されるだろうって、結局去年の理研や早稲田と一緒だがね」
https://twitter.com/Yashiro_Y/status/638873387482284032

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2)【本日の一行情報】

電通とネットコンシェルジェは、Eコマース・ブランディング領域で連携し、企業が運営するオンラインストアブランディングするサービス「eコマース・ブランディング」の提供を開始した。「eコマース・ブランディング」は、3000店舗以上のオンラインストアと100名超の各界著名人が参加し、13万人の登録会員に情報発信をすることができるショッピングSNS「#Cart」と、標準的なECシステムにデータと施策の一元管理を可能にするコントロール機能を搭載した電通独自のECプラットフォーム「DECIDETM」を掛け合わせたサービスだという。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0831-004136.html
https://cart.st/
http://cart.st/corp/pressroom/2015/08/dentsu/

電通ゼンリンデータコム、レスキューナウの3社は、地域住民向け緊急・災害情報を一元化しワンストップで提供する地方自治体向けサービス「危機情報ナビ」を共同で開発し、今秋から提供を開始する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0901-004137.html

◎大阪に本社を置くファーストブランドは、地元の新聞社、テレビ局および電通関西支社と共同で企画する、小規模事業者・フリーランスのネット集客・SEO対策の支援サービス「マイベストプロ」(http://mbp-japan.com/) を全国で提供開始する。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201508313124/
http://www.firstbrand.co.jp/

スターツ出版は地域密着メディアの「アエルデ」をそれまでのタブロイド判からA4判ヨコ型中綴じにリニューアルした。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000685.000000607.html

小学館集英社小学館集英社プロダクションが共同出資するViz Mediaは、「週刊少年ジャンプ」のアメリカ版であるデジタルマンガ雑誌「Weekly Shonen Jump」を米国のAmazonとcomiXologyで配信を開始した。
http://www.animeanime.biz/archives/21612

中川淳一郎が「広告業界の徒弟制度とスタークリエイター優遇制度」を指摘している。「NEWSポストセブンちゃんねる」にも注目しておこう。
http://www.news-postseven.com/archives/20150901_347435.html?PAGE=1#container
http://ch.nicovideo.jp/postseven

学研教育出版の10代女性向けファッション誌「ピチレモン」が、10月31日発売の12月号をもって休刊することになった。創刊30周年を迎えたばかりだった。学研教育出版学研パブリッシング学研マーケティングが学研プラスに統合されるが、学研の雑誌は休刊ラッシュとなるのではないか。
http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015090101001946.html

百田尚樹新潮新書「大放言」が発売2週間足らずで5刷17万部に到達した。
http://www.shinchosha.co.jp/news/blog/2015/08/31.html
おっと正確ではなかった。百田は次のようにツイートしている。
「『大放言』(新潮新書)、本日6刷りが決定。これで20万部の大台に乗りました。読者の皆さんのおかげです!ありがとうがざいますm(__)m」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/638685221508923392
おいおい50万部売れたら大阪市長選に出馬するかもしれないぞ。
「炎上覚悟で売れないと思っていた『大放言』(新潮新書)が予想に反して売れ行き好調。めちゃくちゃ嬉しい。50万部売れたら、今年の大阪市長選に出ようかな^^」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/636378326517444608

◎日販は、アニメ映画「NARUTO-ナルト-」を題材とした「第1回NARUTO-ナルト-検定」を、12月13日(日)に東京・大阪で開催する。
http://www.nippan.co.jp/news/kentei_naruto_20150831/

◎テレビアニメ「赤髪の白雪姫」第2クールの放映は2016年1月からスタートする。2016年1月5日には、白泉社から原作の単行本第15巻が発売されるが、オリジナルアニメDVDがついた限定版も通常版に加えて発売されるのも話題だ。
http://www.hakusensha.co.jp/akagami/
http://animeanime.jp/article/2015/09/01/24735.html

田中善一郎によればニューヨークタイムズのニュースレターが好調のようだ。
「この半年間で総ユーザー数(無料の購読者数)が14%も増え、またいくつかのニュースレターでは開封率が70%を超えている。企業ニュースレターの開封率が、MailChimpの調査によると20%前後といわれているだけに、NYタイムズのメールサービスの人気の高さが際立っている」
http://www.huffingtonpost.jp/zenichiro-tanaka/ny-newsletter_b_8068102.html

電子書籍販売を騙った詐欺サイトが跋扈しているようである。講談社は次のように注意を呼びかけている。
「平素は弊社書籍をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
最近、弊社と取引のないサイトにおいて、電子書籍の販売を騙ったフィッシング詐欺の危険性が指摘されています。インターネット上で電子書籍をご購入される場合にはご注意ください。
コミックプラス(公式HP)にて、販売中の電子書店を明示しております。ご確認のうえ、怪しいサイトでの電子書籍のご購入にはくれぐれもご注意ください」
http://comic-sp.kodansha.co.jp/news_articles/20150717_02.html
みすず書房も次のような文章を発表している。
みすず書房刊行書の電子書籍を販売していると偽る不審なウェブサイトが見つかっています。ご注意下さい。
著作権者に無断で違法に電子書籍化した、いわゆる海賊版を取り扱っている可能性もありますが、おそらくそれ以上に考えられるのは、もしもダウンロードしようとしてもじつは書籍の電子ファイルすら存在しない、詐欺目的のサイトであることです。
たとえば法外な代金や、登録料・退会費用・会費などの課金、あるいはクレジットカード情報などの詐取を目的としている可能性が高いと考えられます」
http://www.msz.co.jp/misuzu/warning_ebook/
出版業界をあげてユーザーを守らなければなるまい。

毎日新聞出版は、ライトノベルレーベル「μNOVEL」(ミューノベル)を10月27日に創刊する。
http://mantan-web.jp/2015/09/01/20150901dog00m200015000c.html

◎黒江S介のマンガ「サムライせんせい」がTVドラマ化される。この作品はWebマンガサイト「pixivコミック」で連載され、単行本はリブレ出版から刊行されている。
https://gunosy.com/articles/aXv3T

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3)【深夜の誌人語録】

二者択一しか許されないのであれば、私は偽善よりも偽悪を選ぶ。

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4)【人事】講談社9月1日付人事異動

吉田 昌平
新: デジタル・国際ビジネス局次長兼ライツ・メディアビジネス局次長
旧: 第四事業局次長兼ヤングマガジン編集長

栗田 宏俊
新:第四事業局ヤングマガジン編集長
旧:第四事業局イブニング編集長

穴倉 立哉
新:第四事業局モーニング編集長
旧:第四事業局アフタヌーン編集長

金井 暁
新:第四事業局アフタヌーン編集長
旧:第四事業局アフタヌーン編集次長

三浦 敏宏
新:第四事業局イブニング編集長
旧:第四事業局ヤングマガジン編集次長

丸山 紀子
新:第二事業局女性誌編集部担当部長(部長待遇)(おとなスタイル編集長)
旧:第二事業戦略部担当部長(部長待遇)

島田 英二郎
新:第四事業局ヤングマガジン担当部長(部長待遇)
旧:第四事業局モーニング編集長