【文徒】2016年(平成28)5月20日(第4巻92号・通巻779号)

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1)【記事】光文社 「女性自身」+「FLASH」コンビの逆襲!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】光文社 「女性自身」+「FLASH」コンビの逆襲!

「時代の正体」で気骨あるところを見せてくれている神奈川新聞のウエブサイト「カナコロ」は、光文社の「女性自身」との提携を開始した。
http://www.kanaloco.jp/article/173136
地方紙のウエブサイトと女性誌のコラボは双方にとって有益なはずだ。
「JJ」の読者モデルでもあった片山さつきが「FLASH」5月31号の記事を添付するとともに次のようにツイートしている。
「多くの方から何故舛添氏と結婚して何故別れたのかいつ頃の事かご質問があったので、27年前離婚を報じた週刊宝石の後継flash誌にお答えした今日発売の記事添付します。去年亡くなった父が今回の顛末を見たら何というかなと思います」
https://twitter.com/katayama_s/status/732459166204198915
ネットでは「女性自身」が配信している。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160518-00010002-jisin-pol
「清原とシャブ?疑惑の巨人OB広澤克実を直撃『記憶が飛ぶほど飲んだが…』」も「FLASH」発「女性自身」経由「ヤフー」だ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160519-00010004-jisin-ent
今号の「FLASH」は「セブン&アイ『不透明取引』と『女社長』」なんて記事も掲載している。表紙やホームページには、このタイトルは記載されていないんだけれど、編集がなかなか頑張っているのが伝わって来る。
「女性自身」も「FLASH」も侮れない。
そうそう、これも「女性自身」の話題だ。桜沢エリカは同誌で「スタアの時代」を連載しているが、「追憶のワルツ」編が3巻同時に単行本化された。これが良いのよ。桜沢にとって初の長編である。しかも映像化向きなのである。
「連載を始めるにあたり、最初は女性週刊誌らしいドロドロした恋愛ものがいいのかな、というお話をしていたんです。でもせっかくなので『女性自身』らしさを入れたいと思い、お話を伺っていたら、80歳前後で現役の記者の方が3人もいると知って。なかなか珍しいことだなと、そこからイメージがふくらんで、企画が動き出しました」
https://goo.gl/A7XRYJ

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2)【本日の一行情報】

◎5月19日付東京新聞が「こちら特報部」で電通を俎上に上せている。題して「東京五輪招致疑惑に名 電通の実力」。
「今回の不正疑惑でも、日本のほとんどのメディアは当初、電通の名前を出していなかった。ネット上では『広告収入への影響を懸念してタブー視しているのでは』などと不信感が広がった。
ジャーナリストの田原総一朗氏は『日本のメディアは弱体化が進んでいる。電通の名前を出すことさえ手控えたのは、電通からの直接の影響力というよりは、新聞社、テレビ局内の上層部への遠慮からだろう。記者は自己規制などせずに、事実をしっかり報じるべきだ』と訴える」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016051902000161.html
記者のサラリーマン根性が日本のジャーナリズムを不自由にしている。

長澤まさみ北川景子武井咲フェイスブッククラウド型データ保管サービス「iCloud」に不正ログインしたっていうけれど、そんなに簡単に不正ログインって、できちゃうものなの?こういう犯罪は、これから増えるのだろうな。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016051800426&g=soc

◎日販は、子育て・介護などのライフイベントによりフルタイム勤務が難しい従業員の就労を支援するため、「短時間勤務制度」を4月1日より拡充した。
http://www.nippan.co.jp/news/worklife_20160517/

◎リッチメディアが運営するヘアスナップSNSアプリ「HAIR」と小学館の美容誌「美的」が共同で開催するヘアスタイルコンテストが、ファッションと美容の専門誌「WWD Beauty 」 5月12月号に掲載されたそうだ。
http://www.rich.co.jp/news/2016051801

◎学研は、「“熱中できるマナビ”をすべてのご家庭に!」というコンセプトもと、27月に学習クラウドサービス「学研ゼミ」の提供を開始する。「学研ゼミ」で提供される無学年式教科学習教材「ワンダードリル」では、NTT東日本の学習プラットフォーム「ひかりクラウド スマートスタディ」を活用するそうだ。
「学研ゼミ」はコンテンツ群を増強し、2016年中に、「塾」「学校」等向けにもサービスの提供も開始する予定でいる。これにより、「塾」「学校」等は学研の豊富なコンテンツをタブレットやPCなどマルチデバイスで利用可能となる。
http://ghd.gakken.co.jp/news/hd/201605/20160517.html

◎学研プラスが配信している「GetNavi web」が、ローンチ後53日で300万PVを達成した。「GetNavi web」は「SmartNews」「Facebookナビ」「Citrus」「東洋経済オンライン」「ハフィントンポスト」とも提携している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000662.000002535.html

ジャストシステム「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年4月度)」によれば、10代のフェイスブック利用率が、1年で45%から27%へと大幅減少した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000173.000007597.html

JTBパブリッシングが1月25日にリリースした「るるぶ京都 '16〜'17」の電子版の表紙で金閣寺の写真がジャニタレと同じように「シルエット加工」されている!一方、ライバルの「まっぷる京都 '17」(昭文社)電子版では、金閣寺の写真が「シルエット加工」されることなく掲載されている。「J CASTニュース」は、次のように書いている。
「…本件と直接の関係は不明ながら、出版社と京都の寺社をめぐる興味深い慣習が指摘されている。話題の新書『京都ぎらい』(著者・井上章一朝日新書)の中で触れられた『志納金』だ。志納金とは、1枚につき数万円、といった形で出版社が寺社に納める『写真掲載料』。
井上さんは、あくまで『噂』に過ぎない、とことわりながらも、志納金の額は寺との付き合い方によって値下げされる場合もある、観光客に人気の高い『金銀苔石』(金閣寺銀閣寺・西芳寺龍安寺の総称)に1枚20万円ほどの利用料が支払われている。支払いを拒否すれば写真が掲載できない、といった『実情」を明かしている」
http://www.j-cast.com/2016/05/18267111.html

◎グラングレスが運営する月額制ファッションレンタルサービス「Rcawaii」(アールカワイイ)」は、「小悪魔ageha」(ダナリーデラックス)とのコラボイベントを5月21日(土)に六本木のESPRIT TOKYOで開催する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000016773.html

松本光司のマンガ「彼岸島」(講談社)が「彼岸島 デラックス」として実写映画化され、10月15日(土)より全国公開される。
http://www.cinemacafe.net/article/2016/05/18/40513.html

◎「ニューズウィーク日本版」で「ベストセラーからアメリカを読む」を連載する渡辺由佳里は「出版不況でもたくましいインディーズ出版社の生き残り術」で次のように書いている。
「小規模のインディーズ出版社にとって、書店への販売流通の確保は大きな難問となる。良い作品を作っても、書店に置いてもらえなければ読者には届かない。そこで、シカゴ・レビュー・プレスは、1987年にインディペンデント・パブリッシング・グループ(IPG)という取次業者を買い取り、系列会社にした。IPGは、シカゴ・レビュー・プレスの作品だけでなく、ほかのインディーズ出版社のマーケティングやセールス、ネット戦略も取り扱っている」
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2016/05/post-21_1.php

◎燃料データ測定でスズキにも「不正」が発覚したが、マンガ「ばくおん!!」の凜が「みんなこれからも最高のメーカー スズキ選べ スズキを買えーっ!!!」と絶叫しているコマが話題になっている。
http://yusaani.com/l-ha/t-ha/bakuon/2016/05/18/323406/

◎「Business Journal」の「紀伊國屋書店、売上減地獄か…ジュンク堂、赤字常態化でも異常な大型店出店連発の危うさ」は、次のように書いている。
「1650坪のジュンク堂書店新宿店が閉店した時、大量の返品が小零細出版社を襲った。1245坪の紀伊國屋書店新宿南店が閉店する時も、同様の影響が予想される。そして、大型店の大閉鎖の波が襲来すれば、数多くの小零細出版社が連鎖倒産するのは間違いない」
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15142_5.html

大日本印刷大日本印刷グループの書店およびトゥ・ディファクトが共同で運営するハイブリッド型書店サービス「honto」は、シリーズ累計25万部を突破した真保裕一の「行こう!」シリーズの最新作「遊園地に行こう!」(講談社)の刊行を記念し、真保のトークイベントを6月24日(金)にドットDNPで開催する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000009424.html

◎現在、時代の最も最前線に立つ女性ファッション誌が「LARME」(徳間書店)であることに異論はあるまい。少なくとも私はそう認識している。中郡暖菜編集長はギャルを「マジョリティーな存在ではなくアウトサイダーで、クラスに30人いても一握りの人しかギャルにならない。ギャルは常に少数派」と定義している。さすがである。
http://mdpr.jp/news/detail/1585583
少数派やニッチに立脚することなしに雑誌は生き残れないのだと私は考えている。その結果として、マスになるからこそ、雑誌は街の風景を変えられたのである。

◎旺文社が「入試問題のPDF保管に係わる著作権法上の不備について」を発表した。
「弊社では、各教育機関より入試問題をご提供いただき、関連する参考書や問題集等を出版しております。二次利用の際にはしかるべき権利処理を行った上で適正に利用しております。その際、過年度の入試問題については、大量の紙の入試問題を安定的に保存する目的で、PDF化し保管、元の紙の入試問題を破棄するという運用をしていました。このPDF保管に関しては、入試問題に含まれる著作権者に対して、許諾申請などの手続きはしておりませんでした。
この原本を破棄しPDFデータを保存するという『媒体変換』の行為が、著作権法上の複製権に抵触する恐れがあることから、本件PDFデータを削除し、このような保管の方法を改めることとしました。著作権者・教育機関並びに各関係者の皆様に謹んでお詫び申し上げます」
旺文社は、このPDFデータを商売に使っていたわけではないようだ。
「1.各教育機関よりご提供いただいた入試問題の原本は、弊社内の施錠できる倉庫にて、編集過程における原典照会や許諾申請のための利用に欠かせない資料として保管しておりますが、経年劣化への備えと格納する倉庫スペースなどの関係で、PDF形式によるデータ保管を順次行っておりました。その際、紙の原本は年度ごとに全て破棄していることから、紙の代替物という認識でおりましたが、複製権の侵害になるという点について弊社の認識に不備があったと言わざるをえません。
2. 弊社では、入試問題を収集する際、紙の書籍の他に、電子辞書・電子書籍、入試データの蓄積、公衆送信による通信指導などにも利用する旨を明確に伝えた上で、問題を受領しております。一部の教育機関からは、二次利用の際には別途の許諾を求める場合がありますが、それらはいわゆる商業的な利用に関するものであると認識しており、PDFデータでの保管について別途許諾申請はしていませんでした」
http://www.obunsha.co.jp/news_release/425.html
https://www.bengo4.com/houmu/17/1263/n_4662/

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツがこの夏の読書にお薦めの5冊をブログで発表したが、おいおい、「競争力」(講談社)が入っているじゃないか。
BuzzFeed News」によればゲイツは、こう評しているそうだ。
「最初に訪れた30年ほど前から、日本びいきだ。なぜ、1980年代に絶大な力を持っていた日本企業は韓国や中国のライバルに負けたのか。復活できるのか。それらが、2013年に亡くなった経済学者・良一氏とその息子・浩史氏の対話の中心だ。浩史氏の提言に完全に賛成するわけではないが、いいアイデアがたくさんある。素晴らしい国の将来をよく見通している」
https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/summer-readings-by-gates?utm_term=.qnmeMqnrBv#.iaBO60zd24
この担当編集者は、そろそろニューヨークから帰って来るはずだ。

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3)【深夜の誌人語録】

自分自身には吝嗇であっても、他人に吝嗇であってはならない。