【文徒】2016年(平成28)6月1日(第4巻100号・通巻787号)

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1)【記事】「ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲」が回収・絶版へ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲」が回収・絶版へ

5月25日に発売された「ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲」が早や絶版!高須克弥が激怒している。
小学館の偉い人が名古屋の高須グループ本部においでになった。『高須帝国の逆襲に不適切な表現があるので回収します』『書き直しお願いします』僕は吐いた唾は飲まない!。断固拒否。絶版にする!儲けそこねた西原理恵子の怒り顔が目に浮かぶ」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/737223261553975297
「『高須帝国の逆襲』まもなく市場から消滅する。諸君!小学館が書店から回収する前に買いなさい!絶対に貴重品になること請け負いなう」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/737224359836667904
高須のブログによれば、5月30日に小学館の担当編集者から「ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲」に不適切な表現があったと電話があり、担当編集者とともに高須のもとにやってきた「小学館の偉い人」から「表現に不適切な部分があり、回収することに決定しました。書き直しをお願いいたします」と申し出があったが、高須はこれを拒否。絶版を決めたというのだ。
http://ameblo.jp/drtakasu/entry-12165685353.html
百田尚樹がこの件についてツイートしている。
「高須院長の『高須帝国の逆襲』。出版社が回収を決め、高須院長に書き直しを命じたという。作中のある表現に関して過剰反応による自粛だが、これはおかしい!高須院長は書き直しを拒否して、絶版にしたという。男である」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/737268440533073920
「これだけは言っておきたいが、『高須帝国の逆襲』は名作である!この作品が絶版とは、大いなる損失である」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/737269622748020737
もし、高須が「ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲」には版元が指摘するような「不適切な表現」がないというのであれば、単に怒りにまかせた一方的な文章をツイッターやブログに書き散らすのではなく、何が問題とされ、なにゆえそれについて問題はないと考えるのか、そこを高須は説明する必要があるだろう。
いずれにしても、編集段階における書き直し要請であれば、今回の回収・絶版騒動は起きてはいないはずだ。編集サイドに「脇の甘さ」があったことは間違いあるまい。

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2)【本日の一行情報】

◎創業が1903年明治36年)だから、113年の歴史を持ち、伊藤整も出入りしていたという小樽市の工藤書店が閉店することになった。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160529-OYT1T50052.html

◎創刊111周年を迎えるのはハースト婦人画報社の「婦人画報」だ。これを記念して「婦人画報」7月号は、それぞれ表紙の違う全国版と北海道・東北版、札幌版 、中部・関西版、金沢版 、中国・四国・九州・沖縄版、福岡版という6つのエリア限定版を同時発売する。dマガジン限定で各エリア版の特集ページを全てまとめた特別パッケージも配信するそうだ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000008128.html
七冊を同時に販売する書店もある。
http://www.fujingaho.jp/news/node_5181/node_5972

◎日販のグループ会社である積文館書店は、熊本地震被災地支援の一環として、熊本市内の児童養護施設を訪ね、本の贈呈や読み聞かせ、紙芝居などの活動を続けている。熊本日日新聞によれば「これまで5施設を訪問。28日は熊本市中央区の慈愛園子供ホーム(70人)を社員ら6人が訪ね、読み聞かせや紙芝居で、子どもたちを大喜びさせた。児童書200冊、紙芝居、DVD各7点も贈った」そうだ。
https://kumanichi.com/news/local/main/20160530007.xhtml
http://www.nippan.co.jp/news/sekibunkan_20160530/

有隣堂は、従業員が「特におすすめしたい」と思った本をまとめて編集した冊子「私がおすすめする本と仲間たち」を6月1日から、店頭および営業活動先で無料配布する。A5判カラー120ページ。配布部数は5500部。
http://www.nichima.co.jp/news/entry/2581.html

小保方晴子瀬戸内寂聴の対談を目玉とした「婦人公論」(6月14日号)が増刷!小保方は女性受けするタレントであることがSTAP騒動を綴った手記「あの日」(講談社)につづいて証明された格好となった。
「今回の増刷について横山恵子編集長は『今回の記録的な売れ行きは瀬戸内先生と小保方さんの対談が実現した結果。お二人には大変感謝している』と同社編集総務部を通じてコメントしている」
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15296.html

手塚治虫文化賞贈呈式。「鼻紙写楽」の一ノ関圭があいさつで「マンガ家が長距離ランナーなら、編集者はランナーより孤独な伴走者です」と語ったそうだ。嬉しいだろうな、担当編集者は。
http://www.asahi.com/articles/ASJ5W6G40J5WUCVL026.html

◎西田宗千佳は「スマホ動画『Abema TV』がこんなに好調なワケ」(「日経トレンディネット」)で次のように述べている。
「個室テレビ」に取って代わった
「10代にとって、スマホが『第一のメディア』になるなら、そこにテレビ的なコンテンツの露出を図るのは当然である。Abema TVがやろうとしていることは、要はそういうことだ」
「無料配信に若者が集中するということは、広告価値は若者向けに偏る。それを理解したうえで展開する分には問題ないが、自動車や不動産など高価格なものとの相性が悪いのは否めない。お金を使わない・使えない若者層と広告ビジネスの関係をどうするかが、無料動画の大きな課題である」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/052500298/

◎総合広告電通賞に決定したのは、大塚製薬だった。
https://adawards.dentsu.jp/assets/daaDownload/daa69/69list_160530.pdf
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016063-0530.pdf

近畿大学に今年入学した1年生7355人を対象にアンケート調査した結果、LINEの利用率は75.4%、次にツイッターの17.6%、Instagramが0.8%、Facebookはたったの0.4%。
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/4/14890.html
この数字、リアリティあるなあ。

博報堂出身の中川淳一郎だけに鋭い指摘である。
「実際、メディアが電通に遠慮するところはあるだろう。それは、大きな権力を持っているからということ以前に、『身内』だからということが案外大きい。マスコミは身内に甘い面もある」
http://www.news-postseven.com/archives/20160530_416399.html

KADOKAWADeNAは、月刊誌「電撃G'sマガジン」にて連載中の「天華百剣」を、スマホ向けアクションRPG「天華百剣 -斬-」として配信することを決定した。
http://www.prtimes.jp/main/html/rd/p/000002396.000007006.html

◎すごい旅人求人サイト 「SAGOJO」は、5月13日より文禄堂荻窪店内の移動式本屋BOOK ROUTEにて、「働く旅人が選ぶ、働かない旅人の本棚」をテーマに選書フェアを開催中だ。
http://www.sagojo.link/sugoi-labo/show/11

◎「松田聖子が『離婚間近』で週刊文春が徹底マーク中」のほうが「松田聖子が『離婚間近』で週刊実話が徹底マーク中」よりもPVを稼げるのだろう。
http://myjitsu.jp/archives/6658

古舘伊知郎の「報道ステーション」12年間の総括。
「ジャーナルな目線はあまりなかったと、正直に認めます。ただ、テレビという情動のメディアで、反権力、反暴力、反戦争という姿勢は持ち続けようとやってきた。その自負は、あります」
http://www.asahi.com/articles/ASJ5T05Y6J5SUCVL031.html

鳥取県米子市尾高町の今井書店創業社屋が老朽化のため解体される。何と1799(寛政11)年に建てられた。築200年!
https://www.nnn.co.jp/news/160531/20160531042.html

中日新聞5月31日付社説「五輪招致疑惑 臭いものにふたするな」。
「結果として、招致委とディアク氏側との橋渡しをしたのは広告代理店の電通という。BT社と契約を結んだのは、その実績評価を基にしてのことだ。電通は真相解明の鍵を握る存在と言える。
たとえ契約そのものに違法性がなかったとしても、汚職を疑われた以上、東京五輪の価値はすでに深く傷ついた。夢と希望のスポーツの祭典をうたうのなら、誠実かつ謙虚に対応せねばならない」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016053102000104.html

主婦の友社ライトノベルレーベル「ヒーロー文庫」から、「異世界落語 1」が発売された。人気落語家が、現代日本から、様々な種族が住む異世界に、ある日突然「救世主」として召喚され、落語の語りの力で世界を救う物語だそうだ。作者は落研出身の朱雀新吾。監修に柳家喬太郎があたるのも話題だ。「池袋演芸場」「新宿末廣亭」「国立演芸場」などの寄席でも販売するという。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/9673/

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3)【深夜の誌人語録】

問題を先送りすることは未来に対する罪である。