【文徒】2016年(平成28)6月6日(第4巻103号・通巻790号)

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1)【記事】アマゾンのジェフ・ベゾスが「Gawker」 を擁護
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】アマゾンのジェフ・ベゾスが「Gawker」 を擁護

これがアメリカのニュースサイト「Gawker」 。
http://gawker.com/
アントニオ猪木と名勝負を繰り広げた元プロレスラーのハルク・ホーガンが、「Gawker」に自身のセックスシーンを撮影した動画を 公開されたことで同社を訴えていた裁判をピーター・ティール が訴訟費用を援助したという。ピーター・ティールはPaypalの共同創業者として知られている。一審では「Gawker」が負けた。
「この裁判では既に一審で、Gawkerに対して1億4000万ドルの賠償判決が言い渡され、Gawker側は控訴を行っていた。
Gawkerには、1億4000万ドルの賠償金支払い能力はないものとみられており、仮にこの判決が確定した場合には、Gawkerは廃業に追い込まれる恐れも生じている」
http://business.newsln.jp/news/201605270719590000.html
この件についてアマゾンのジェフ・ベゾスはピーター・ティールに批判的である。「ハフィントンポスト」の「『メディアへの復讐は無意味』Amazonジェフ・ベゾス氏、ハルク・ホーガンさん訴訟について警告」は、次のように書いている。
「ベゾス氏は、ティール氏個人またはある特定の話に向けて言っているわけではないと強調しながら、『有名人として、自分自身についての気に入らない話に対する最高の防御は、鈍感になることだ』と付け加えた。『批判に耐えられないのなら、何か新しいことや面白いことはしないでほしい』と、ベゾス氏は語った」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/02/jeff-bezos-warns-that-revenge_n_10251956.html
実際、ベゾスは「Gawker」 に批判されつづけているそうだ。「Forbes JAPAN」は、次のように書いている。
「皮肉にも、ゴーカー・メディアはベゾス自身やアマゾンに批判的な記事をこれまでに数多く掲載している。特にアマゾンの従業員の待遇が劣悪だとして、長年に渡ってアマゾンを糾弾してきた。ベゾスは、アマゾンのような大企業が批判の対象になるのは当たり前のことだと述べ、自社に対する批判も甘んじて受ける姿勢を示した」
http://forbesjapan.com/articles/detail/12362

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2)【本日の一行情報】

◎「美ST ONLINE」が次のような文章を発表した。
「昨日5月31日夜22時ごろより、第7回国民的美魔女コンテスト応募ページへのアクセスが集中し、サーバーがダウンしてしまう事態が発生しました。
これによりインターネットでのご応募ができなかった方々には大変ご迷惑をおかけしましたことをここにお詫びいたします。
つきましては6月3日(金)24時まで応募期間を延長させていただくこととしましたので、再度下記URLよりご応募いただきますようお願い申し上げます。
なお応募はインターネットのみとし、郵送での応募は締め切らせていただいておりますので、ご容赦ください」
http://be-story.jp/articles/-/4687
「美ST」が国民的であるかどうかは別にして、コンテストはシャレではなくて国民的になっちゃったのかもしれない。

◎第53回ギャラクシー賞テレビ部門大賞は報道ステーション「特集 ノーベル賞経済学者が見た日本」「特集 独ワイマール憲法の“教訓”」(テレビ朝日 2016年3月17日、18日放送)に決定した。ニュース番組では初の受賞となる。
http://www.houkon.jp/galaxy/53rd.html

徳間書店から「ノッキンオン・ロックドドア」を刊行し、重版が決まった青崎有吾と佐々木敦トークイベントが6月7日(火)にHMV & BOOKS TOKYO 6Fイベントスペースで開かれる。
http://www.tokuma.jp/knockingon/
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000016935.html

壇蜜の小説デビュー作「光ラズノナヨ竹」が、電子書籍として6月10日(金)に緊急配信されることになった。発売から一週間に限り、一部の電子書店では特別価格100円(税込)でリリースされる。「光ラズノナヨ竹」は400字詰の原稿用紙で約30枚の短編だ。
http://actresspress.com/danmitsu-book2016/

博報堂DYグループのLGBT総合研究所が実施した調査によれば、LGBTに該当する人は約5.9%(レズビアン:1.70%、ゲイ:1.94%、バイセクシャル:1.74%、トランスジェンダー:0.47%)だった。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2016/05/HDYnews0601.pdf

王将フードサービスは、主婦層を中心とする新規顧客獲得のため、6月6日から7月4日まで、クックパッド上での生餃子を使ったレシピコンテストを実施する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000011353.html

ブルームバーグ「広告会社は顧客を犠牲に私腹肥やした、3日に米報告書公表−関係者 」は次のように結ばれている。
「デジタル・マーケティングへのシフトが進む中、広告代理店は広告主と広告媒体とを結ぶ仲介人としての役割が脅かされている 」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-02/O860PK6KLVRJ01

◎新恭(あらた・きょう)の「五輪とFIFA、『ふたつの裏金』に絡む電通のキーマン」。
http://www.mag2.com/p/news/205868
新は全国紙の社会部記者だったという。
http://shopworld.cocolog-nifty.com/about.html

◎「Ranzuki 」(ぶんか社)を卒業した「ちぃぽぽ 」こと吉木千沙都 が「S Cawaii!」 (主婦の友社)に電撃加入。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000551.000002372.html
タイ人モデルのメタル も登場。外国人モデルの起用は「S Cawaii!」史上初のこととなる。

小学館は、萩尾望都の「ポーの一族」40年ぶりの新作「春の夢」が掲載された「月刊フラワーズ」7月号の緊急重版と、電子書籍版の配信 を決めた。
https://netatopi.jp/article/1003162.html

◎「C CHANNEL 」は、ECサイト「MOCOMICHI HAYAMI キッチングッズ レシピ」をオープンし、速水もこみちがプロデュースしたキッチンブランド“MOCOMICHI HAYAMI”の販売を開始する 。
https://www.facebook.com/mocorecipe.shop

アメリカの新聞大手トリビューン・パブリッシング は、「トリビューン・オンライン・コンテンツ」の略称だという 「トランク」に社名変更。日経によれば「傘下の新聞やウェブサイトのコンテンツを一括管理し、人工知能(AI)や機械学習を活用して読者一人ひとりにあった記事配信を目指す 」。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN03H27_T00C16A6000000/

◎学研プラスの「ムー」とトートバッグ専門ブランド「ROOTOTE」とのコラボ商品「月刊ムー×ROOTOTE トールPrinted in Japan」が販売を開始した。
http://www.j-cast.com/trend/2016/06/03268554.html

トーハンは2016年3月期決算を発表。売上高は前期比98.5%の4737億円。書籍の売上高は 前期比101.2%の1845.44億円、雑誌の売上高は前期比94.6%の1702.9億円 。
http://www.tohan.jp/news/upload_pdf/69_kessan_siryou.pdf
日経によれば記者会見で川上浩明専務は「今後も雑誌は厳しく、配送分野で他社と協力していかなければいけない」と語ったそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HNV_T00C16A6TI5000/
6月29日付で松本俊之上席執行役員(経営戦略部門担当 兼 取引部門担当) が常務取締役に昇任する。中村勉取締役(情報戦略本部副本部長、情報システム部長) が上席執行役員に。
http://www.tohan.jp/news/upload_pdf/20160603sinninyakuin.pdf

◎ニュース閲覧アプリ「SmartNews」は、文藝春秋が運営する「CREA WEB」のチャンネルを開設 した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000007945.html

インプレスグループで電子出版事業を手がけるインプレスR&D の井芹昌信 社長は次世代型出版メソッド「NextPublishing」を使った「熊本地震体験記 -震度7とはどういう地震なのか?」を刊行。 井芹は熊本の益城町の実家で震度7の「本震」に遭遇し、避難所生活も経験したそうだ。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000001216.000005875&g=prt
http://nextpublishing.jp/book/7813.html

河出書房新社は「帰ってきたヒトラー 」を映画化にあわせ、文庫化したが、文庫化1ヶ月で日本での累計発行部数(単行本含む)が17万部を突破するヒットとなった。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000037.000012754&g=prt

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者となって運営する宮城県多賀城市立図書館 は中古本を大量購入していた。「Business Journal」が厳しく追及している。
多賀城市立図書館の選書リストをみて驚くのは、第1回〜第3回、第5回の一部で選書した1万3000冊が『中古本』である点だ 」
「中古品での蔵書購入を認めると、極端なことを言えば、業者が単価1円で仕入れてきた定価1000円の品を、新品と同じように1000円で自治体に売ることもできてしまう。つまり、税金の使途がとんでもなく不透明になるおそれがある。そのため、公共図書館では、中古の本を買うことはしないのだ」
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15246.html
「『東京の図書館をもっとよくする会』代表の大澤正雄氏は、『もともと、図書館として必要な本はひと通り揃っていた多賀城市立図書館が、移転にあたって5年以上も前に発行された古い本を何千冊も追加購入する意味がわからない』と不思議がる」
「また池沢氏は、『図書館で中古本を買うことは、不正行為の温床となる可能性が高い』と指摘する。つまり、多賀城市は不正行為の土壌を育ててしまったおそれがあるのだ」
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15283.html
多賀城市教育委員会に提出された選書リストの冊数は、合計3万5000冊。そのうち、少なくとも1万3000冊が『中古』と明記されている。そのリストから、市場価値が極端に低い中古本を購入していたことが明らかになった。昨年、多賀城市と同じくカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者となって運営する佐賀県武雄市図書館と同様に、『不適切な選書問題』が再び起きていたのだ」
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15360.html

学研ホールディングスは、人気VOCALOID曲の替え歌で学べるCD付きの中学生向け学習参考書「MUSIC STUDY PROJECT ボカロで覚える 中学歴史」「同理科」(各税込1728円)の累計発行部数が、発売1カ月で10万部を突破。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/03/news147.html

◎「カードキャプターさくら」が「なかよし」(講談社)7月号で16年ぶりに「クリアカード編」 の連載が開始され、新アニメプロジェクトも始動。
http://kai-you.net/article/29578

朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」に、講談社ブルーバックスが誇る数学著者陣が大集結 したんだって!
http://bluebacks.kodansha.co.jp/news/2016/6/2.html

◎「週刊文春」の新谷学編集長は「WWDジャパン」 にも登場している。今年になってから出ずっぱりである。
〈「実は1990年に伝説の一冊を作った。それが『石原裕次郎加山雄三』を取り上げた、スポーツ誌とは思えない大特集。当時の編集長が石原裕次郎の大ファンで、私は裕次郎以上に若大将シリーズに出ていた加山雄三が好きだった。編集長と酒の席でその話をしていたら大いに盛り上がって、『スクリーンのなかでスポーツが輝いていた!』と無理矢理こじつけて作ることになった。夢のように楽しい日々だった」と意外な過去を明かす〉
https://www.wwdjapan.com/focus/column/editor-in-chief/2016-06-04/16152

◎「朝日ジャーナル リベラルへの最終指令」 が6月27日に発売される。田原総一朗花田紀凱の対談が企画されている。目玉は加藤シゲアキ 。かつての硬派もジャニーズ事務所頼りとは情けなくない?
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000088.000004702.html

◎宝島社は、6月8日(水)よりジェイアール京都伊勢丹の5階特設会場にて、宝島社が保有する北欧発のライフスタイルブランド「kippis」(キッピス)の期間限定ショップをオープンする。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000383.000005069.html

読売新聞グループ本社渡邉恒雄代表取締役主筆について「THE PAGE」は次のように指摘している。
「渡邉主筆は、1979年に取締役論説委員長に就任し、現在の読売新聞の論調をつくってきた。新しく読売新聞グループ本社の社長に就任した山口寿一氏は、1979年に入社した。いまや、社員のほとんどがかつての『庶民的なリベラル』だったころの論調を知らない 」
https://thepage.jp/detail/20160603-00000003-wordleaf?page=1
山口社長が「ポスト渡邉恒雄」を担うことになるのは間違いあるまい。

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3)【深夜の誌人語録】

正直であるからといって総てが許されるわけではない。