【文徒】2016年(平成28)10月20日(第4巻196号・通巻883号)

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1)【記事】「Kindle Paperwhite 32GBマンガモデル」は買いか!
2)【記事】2017 年 1 月に WEBメディア「文春オンライン」創刊
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「Kindle Paperwhite 32GBマンガモデル」は買いか!

アマゾンは日本限定で「Kindle Paperwhite 32GBマンガモデル」を発売する。マンガモデルでは書籍の保存領域が約10倍程度になるそうだ。キャンペーン広告付きWi-Fiモデルの価格は1万6280円(税込)。プライム会員は4000円引で買える。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1025242.html
朝日新聞によれば「キンドルで漫画を読む需要が高い日本市場向けの特別仕様で、顧客の要望を受けて日本法人が米国の本社に掛け合って実現した」という。
http://www.asahi.com/articles/ASJBL3TBKJBLULFA009.html
従来のキンドルは容量が4GB。コミックスだと数十冊しか保存できなかった。32GBでは700冊程度が保存可能となる。ページをめくる動作を従来比で3割ほど高速化している。また1秒間に7ページの速さで読み飛ばせる
http://www.sankeibiz.jp/business/news/161019/bsd1610190500001-n1.htm
東洋経済ONLINE」は、こう評価している。
「マンガを電子書籍で、しかも、紙のようなタッチで思う存分読みたい、というユーザーにとって、マンガモデルは魅力的な端末かもしれない。はたしてマンガファンを取り込めるのか。日本における同機種の成否は、今後のキンドルの世界戦略にも影響を及ぼすことになりそうだ」
http://toyokeizai.net/articles/-/140772

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2)【記事】2017 年 1 月に WEBメディア「文春オンライン」創刊

文藝春秋は、2017 年 1 月に WEBメディア「文春オンライン」の運用を開始することを決定した。
「文春オンライン」は“世の中の「ほんとう」がわかります”をコンセプトにしたオリジナル WEB メディア。文藝春秋のこれまでのコンテンツ力をいかして「週刊文春」や「文藝春秋」のコンテンツを掲載するとともに、WEB オリジナル記事をそれ以上に充実させるという。
「文春オンライン」は「話題を作る注目記事」と「シェアされる優良記事」の両輪でコンテンツを展開し、30〜40 代のアクティブなビジネスパーソンに読まれる WEBメディアを志向する。
文藝春秋は、「週刊文春 WEB」「文藝春秋 WEB」「本の話 WEB」「CREAWEB」「NumberWeb」という5 つの WEB メディアを運用してきたが、「週刊文春 WEB」「文藝春秋 WEB」「本の話 WEB」の 3 つの WEB は、「文春オンライン」に統合する予定だそうだ。

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3)【本日の一行情報】

◎10月29日(土)午後三時より、東京堂書店で「知られざる出版『裏面』史 元木昌彦インタヴューズ」の刊行を記念して元木昌彦VS坪内祐三トークイベント「出版『裏面』史」のそのまた「裏面」に迫る!」を開催する。参加費は500円。当日は神保町ブックフェスティバルでもある。
「出版に不況はないと言われ、出版が輝いていた時代−−。それは拳骨の知性をもって新たな試みに挑み、精神の拳骨をもって周囲の軋轢と戦ってきた編集者や記者たちによって切り拓かれた時代でもあった。元『週刊現代』編集長、元『フライデー』編集長の元木昌彦によって聞き出され、まとめられた本書にすら載せられなかったウラのウラに文壇内幕エッセイ『酒中日記』で知られる坪内祐三の『博覧強記』が切り込む!!」
http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=12456
予約はしましたか?

塩崎恭久厚生労働相は、電通子会社の電通北海道(札幌市)、電通東日本(東京・港)、電通西日本(大阪市)、電通九州(福岡市)、電通沖縄(那覇市)の5社を立ち入り調査する考えを明らかにした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H4Q_Y6A011C1CC0000/
こんなツイートを発見した。
「素朴な疑問だが、ブラック企業を『告発』する新聞社は大丈夫なのか?年間十数回の休刊日を除くと日曜日の夕刊がないだけで、毎日朝夕刊を発行している。大事件でも起きたら24時間勤務が続く。『告発』だけじゃなくて新聞社ではこのようにワークライフバランスを保っているとか提案出来ないの?」
https://twitter.com/HenryTOYOTAJr/status/788205793967386624

◎渡辺朗典編集長による「『小学一年生』は無くならないのか? 編集長から皆さまへ」。思いのこもった良い文章である。
https://sho1.jp/4254

真鶴町は地方創生加速化交付金で採択された「『美しの町・真鶴』創生事業ー文化・芸術・創作の力−」事業を2016年4月より準備を進め、同事業に関するプロジェクトサイトを10月17日(月)にマガジンハウスが運営する『コロカル』(「ローカル・地域」をテーマにしたWebマガジン)内に特設ページとして設けられた。
http://colocal.jp/fea-manazuru/

講談社は、ユーザーローカルの協力を得て、森博嗣の小説「すべてがFになる」の主人公である犀川創平の発言や心の声をAIに学習させたbotを制作した。Twitter上でユーザーがキャラクターAIと会話できるそうだ。森博嗣の話題作「Wシリーズ」の新刊キャンペーンとして11月15日(火)まで実施される。
https://iotnews.jp/archives/35855

◎「ついに『ジョジョ』も…漫画実写化“乱造”のワケ」で映画批評家前田有一は次のように書いている。
「人気漫画ともなれば累計発行部数が1000万冊単位であることも珍しくない。それだけのコア層の口コミと、収益への貢献が期待できる。
特に大きいのは、宣伝費を節約しつつ、効果的に宣伝できるという側面だ。宣伝費を負担するのが製作委員会なのか配給会社なのかは作品によるが、どちらにせよ人気の漫画なら、放っておいてもマスコミとファンが勝手に実写化のことを宣伝してくれるからだ」
http://www.yomiuri.co.jp/entame/ichiran/20161017-OYT8T50049.html?page_no=1

よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、Kindle ダイレクト・パブリッシング、STORYS.JP、MediBang!をパートナーにして「原作開発プロジェクト」を立ち上げ、11月から「小説部門」「ノンフィクション部門」「マンガ部門」の3部門でコンテストを開催していくと発表した。コンテスト受賞作品は書籍化してAmazonで独占販売するなど、映像化も視野に入れたメディア展開が行われる。
http://hatenanews.com/articles/201610/24051

オークローンマーケティングが運営するECサイト「STORICO」で小学館の女性ファッション誌「Oggi」の守屋美穂編集長がモデルの林田岬優がおしゃれな着こなしのポイントを動画で紹介している。
https://www.storico.jp/b/pc/LookBookDetail.html?mthd=goLookBookDetail&id=an160838&sc=OLM
BE-PAL」の大澤竜二編集長も登場している。
https://www.storico.jp/b/pc/LookBookDetail.html?mthd=goLookBookDetail&id=a7160949&sc=OLM

◎店頭キャンペーンは昔からオレンジページの得意とするところだ。
http://orangepage.cocolog-nifty.com/orange/2016/10/post-3737.html

中央公論新社は男性ファッション誌「マリ・クレール・スタイル・ムッシュ」を10月20日に創刊する。「マリ・クレール」の男性版は世界初とのこと。読売新聞販売店を通じ、購読者の一部に届けるとともに210円(税込み)で東京メトロ銀座線の主要駅売店で販売する。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/mcs/style/20161018-OYT8T50020.html

◎「神楽坂映画祭2016『新潮社から生まれた名作映画たち』」が飯田橋ギンレイホールで開催される。
http://natalie.mu/eiga/news/205198
http://www.ginreihall.com/schedule/schedule_161022.html

城山三郎賞辺見庸「増補版 1★9★3★7」(河出書房新社)と北野慶「亡国記」(現代書館)に決定した。
http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/kensyou/shiroyama/

◎メディアドゥは書籍の要約サービスを手がけるフライヤーを完全子会社化した。
http://www.mediado.jp/corporate/1370/

星海社新書の「10年大盛りメシが食える漫画家入門 ふりかけ付き!」(樹崎聖)が面白かった。
「どんな努力をしてもこの人とは合わないと思ったら、その編集者と作品を作るのは諦めることをおススメします」
http://seikaisha.co.jp/information/2016/09/12-post-oomori.html
どこの出版社でも良いから「ジャーナリスト入門」を新書で出してくれないだろうか。

凸版印刷は、国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」で、LINEとSMEパートナーとして業務提携した。これにより「LINE」のユーザーへ情報配信ができるサービス「LINE@」と連携し、小売流通企業のチラシをはじめとした買い物情報を「LINE@」でも配信可能とした。
http://www.toppan.co.jp/news/2016/10/newsrelease161019.html

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4)【深夜の誌人語録】

敵が疲労困憊するまで攻めさせるだけ攻めさせておくという「攻め方」もある。