【文徒】2017年(平成29)年2月28日(第5巻38号・通巻967号)

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1)【記事】『ワセダクロニクル』に続く、新たなネット・ジャーナリズムの胎動
2)【記事】東京MXが『ニュース女子』検証番組を自ら制作・放送へ
3)【本日の一行情報】
4)【人事】電通デジタル 2月27日内定 社長人事
5)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】『ワセダクロニクル』に続く、新たなネット・ジャーナリズムの胎動(岩本太郎)

相変わらず『ワセダクロニクル』について紹介する記事がネット上でも多いが、先日私が出席した、独立系の映像ジャーナリストたちが集まった会合でも、そうした新たなネットのニュースメディアについての話題で盛り上がった。
例えば『特集-Yahoo!ニュース』だ。以前からYahoo!Japanはポータルサイト運営の傍ら独自ニュースの取材・発信も限定的ながら行ってきたが、昨年の秋以降は「特集」のページのオリジナルコンテンツが充実してきている。上記の会合で聞いた話によれば、近いうちにYahoo!ニュースには、かつて某地方紙でスクープ記事を飛ばした敏腕記者が移籍する一方、映像発信の面でも体制が強化されるという。
http://news.yahoo.co.jp/feature
それ以外でもYahoo!ニュースは以前からエンジニアや編集者の募集を常時実施している。ただ、もともとIT企業が母体ということもあってスタッフの陣容は編集者よりエンジニアのほうが圧倒的に多いと聞く。Yahoo!ニュースはPCにおけるネットニュースの王者だったものの、地位低下がいわれているだけに、近年ではスマホアプリの開発にもかなり力を入れるなどリカバリに努めているようだ。
https://news.yahoo.co.jp/staffblog/info/job_info20151022.html
ちなみに上記の会合でもう一つ話題に上ったネットメディアが『VICE JAPAN』だった。以下を見てもらえばわかる通り、気合の入ったドキュメンタリー映像が満載だ。
http://jp.vice.com/
『VICE』は既に20年以上にわたって世界各地で若者向けに展開してきた。元来はパンクやドラッグなどの話題を扱うフリーペーパーとしてスタートしたのが、現在では音楽やファッションのほか政治や様々な社会問題を扱うデジタルメディアとして海外では絶大なる人気を誇っている。
『VICE JAPAN』は2012年にロックバンド「54-71」のボーカルだった佐藤 Bingo 慎吾が社長、ベースだった川口賢太郎が編集長としてスタートしたが、これまであまりメディアに露出してこなかった。
それが昨年夏、ネットメディア『KAI-YOU』で、佐藤と川口の2人がおそらく初めてではないかというインタビュー取材に応じて、発足時の経緯について語っている。もともとはバンドをやめて音楽レーベルを立ち上げ映像ライセンスなどの活動に取り組んでいた彼らが映画監督のスパイク・ジョーンズに出会い、彼から『VICE』を紹介されたのがきっかけだったという。
2012年に『VICE』がYouTubeと提携するのに合わせて『VICE JAPAN』を立ち上げ、そこからやがて自らもヤクザだドラッグだの取材に足を突っ込んだり、ドキュメンタリーを志す若者たちの受け皿へと発展していった。現在では『AbemaTV』とも組んでいる。
http://kai-you.net/article/30337
インディーズ系のネットメディアが、既存のマスメディアを押しのける勢いで活躍している。「こんなのがあるのか!?」と気がつくことも、これからますます多くなるだろう。
音楽の世界では、インディーズがメジャーに逆転した。「音楽で起きたことは、映像でも、放送でも、新聞・出版でも必ず起きる」は故・浜野保樹の言葉だ。

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2)【記事】東京MXが『ニュース女子』検証番組を自ら制作・放送へ(岩本太郎)

沖縄基地反対運動報道をめぐる問題が依然くすぶり続けている『ニュース女子』について、東京MXテレビの番組審議委員会は20日、事実関係を再取材した番組を今年上半期までに放送するよう書面で同局に対して意見書を提出。これを受け、MXは27日、《番組「ニュース女子」に関する当社見解》 と題した文書を掲載した。
https://mainichi.jp/articles/20170224/k00/00m/040/044000c
http://s.mxtv.jp/company/press/pdf/press2016_930001.pdf
「番組に捏造・虚偽はなかったものの、誤解を招く表現があったことは遺憾であり、外部制作会社が制作したとはいっても当社に放送責任がある。よって追加取材をもとに数か月後に検証番組を制作のうえ放送する」という趣旨だ。『ニュース女子』は制作会社(DHCシアター)が制作した持ち込み番組だが、この検証番組については《同局が独自に制作する》と産経新聞は報じている。
http://www.sankei.com/entertainments/news/170227/ent1702270031-n1.html
一方の『ニュース女子』の公式サイトではこの件については27日夜までの時点で見解などはまだ掲載されていない。
https://www.dhctheater.com/season/23/
なお、中日新聞東京本社は3月1日付で長谷川を論説室論説委員に異動すると発表。同社では「定期異動の一環」と説明している。
http://www.asahi.com/articles/ASK2S6GRMK2SUTIL05S.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24HA9_U7A220C1CR8000/
長谷川も27日夜の時点では自らの異動発表についても含めて新たな見解は発していない。
https://twitter.com/hasegawa24
沖縄では保守系団体「琉球新報沖縄タイムスを正す県民・国民の会」が「『ニュース女子』への言論弾圧許すな」と主張している。
http://www.sankei.com/politics/news/170218/plt1702180010-n1.html
ニュース女子』問題をめぐってMX本社前で抗議運動を定期的に続けているグループは3月19日に文京区内で抗議集会を兼ねたシンポジウムを開催するそうだ。

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3)【本日の一行情報】(岩本太郎)

集英社は『少年ジャンプ』が来年で創刊50周年を迎えることを記念した展覧会「週刊少年ジャンプ展」を3回に分けて開催する。第1弾は「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊〜1980年代、伝説のはじまり」として今年夏に東京で行われる。詳細については今後『少年ジャンプ』本誌と「週刊少年ジャンプ展」公式サイトで随時発表される。
http://shonenjump-ten.com/
http://www.oricon.co.jp/news/2086518/full/?ref_cd=tw_pic

厚木基地所属の米軍FA18戦闘攻撃機が「国防費の予算不足で約6割が稼働できない」などと報じた東京新聞の17日付朝刊記事に対して、横須賀の在日米海軍司令部が「なぜ問い合わせもせず憶測の記事を掲載したのか」とFacebookTwitterの公式アカウントを通じて反論した。
https://twitter.com/CNFJ/status/834580515495804929
https://www.facebook.com/CNFJ.Japanese/posts/1813244435606339
http://www.sankei.com/politics/news/170226/plt1702260004-n1.html
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanaihitofumi/20170225-00068085/

◎傘下で『牛角』や『しゃぶしゃぶ温野菜』などを展開する外食大手企業コロワイドの蔵人金男会長が社内報に掲載した「未だに挨拶の出来ない馬鹿が多すぎる」「生殺与奪の権は、私が握っている」などといった文言を含むコラムが画像ごとTwitterにアップされて炎上。コロワイドの広報室は《弊社グループの社員はもとより、株主様等も株主総会などで耳にされております弊社会長の独特の言い回しで書かれておりますことから、今回はその本来の意図が伝わらず、お騒がせする事態となりましたことを、 深くお詫び申し上げます》とのお詫びを24日付で発表した。
http://getnews.jp/archives/1639636
http://rocketnews24.com/2017/02/24/867576/
http://www.colowide.co.jp/datafile_new/pr_news_pdf_file_148793383651.pdf

◎先に発行された2月号(冬号)より誌面の大幅なリニューアルを行って話題を呼んだ博報堂『広告』の編集長・木原龍太郎(同社シニアPRディレクター)に『T-SITE』がロングインタビュー。新編集長は学生時代に探検部へ所属した「博報堂きっての冒険野郎」であり、編集メンバーには《社内でも屈指の「迷っている奴ら」を集めました》とのこと。
http://top.tsite.jp/news/magazine/i/34420939/?sc_cid=tcore_a99_n_adot_share_fb_34420939

◎宝島社の季刊女性誌『&ROSY』が3月23日発売号から月刊誌化。
https://www.facebook.com/androsy.tkj/posts/371962443186288
http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20170224/Leafhide_beauty_news_g0DU2iRA0E.html

朝日新聞が北海道内で発行する朝刊のうち約7万部の印刷業務を北海道新聞に委託することで、23日に両社間の基本合意が成立した。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12811452.html
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0371859.html

◎北海道では村上春樹の新刊『騎士団長殺し』の発売が他の地区より1日遅い25日以降にずれ込んだ。23日にJR室蘭本線で発生した脱線事故の影響が理由とのこと。同線は函館本線青函トンネル経由で本州の鉄道網と行き来する貨物列車の主要ルートである。
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0223/ym_170223_7719588170.html

◎北海道江別市酪農学園大学が発行してきた月刊誌『酪農ジャーナル』が、酪農家戸数の減少に伴う部数減などを理由に今年3月号限りで休刊。
http://dlvr.it/NSXLxq

◎アマゾンが米検察当局からの殺人事件捜査に絡んだ音声データの提出要求を断った。被害者宅にあった音声操作スピーカー「アマゾン・エコー」に残されたデータについて「音声データは言論の自由の下に保護される対象であり、捜査令状は無効だ」と申し立てたという。
http://www.forbesjapan.com/articles/detail/15341

◎米グーグルがインターネット上のいわゆるヘイトスピーチ(憎悪表現)を検出するAIツールを開発。既にニューヨーク・タイムズや英国のガーディアン、エコノミストなどで試験運用が行われているという。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13312150U7A220C1000000/

◎米国で日本のアニメが見放題のストリーミングサービス「クランチロール」の有料会員数が100万人を突破したそうだ。
http://www.forbesjapan.com/articles/detail/15337/1/1/1

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムDAC)が音声認識技術を活用した広告配信システムを開発のうえ特許を取得した。利用者が視聴中のコンテンツや広告を特定してスマホなどに最適な広告を出せるようになるという。試験提供を経て今夏をメドに本格的に売り出し、年間6億円の売り上げを目指すとのこと。
https://www.dac.co.jp/index.php/press/2017/20170227_patent
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13389830V20C17A2TJC000/

Facebookが数社のパートナー企業を対象に、動画の中に挿入できる広告ブレークのテストを開始した。広告収益のうち55%がビデオを提供する企業に配分される仕組みで、ライブ動画を配信する人、あらかじめ準備した動画をアップする人も視聴数に応じて広告収益をあげられるようになるため、やがてFacebook向けコンテンツを作るクリエイターが増える可能性が期待できるという。
http://jp.techcrunch.com/2017/02/25/20170223facebook-ad-breaks/

経産省が昨27日より原則として庁舎内の全執務室の施錠を開始すると共に「情報管理の徹底のため」取材場所や対応する職員を限定するなどの取材対応の新ルールを策定のうえ職員に通知したと毎日新聞が報じている。
http://mainichi.jp/articles/20170226/ddm/001/010/173000c

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4)【人事】電通デジタル 2月27日内定 社長人事

代表取締役社長COOに現・電通プロモーション・デザイン局局長補の鈴木禎久が内定。3月27日開催予定の同社の株主総会およびその後の取締役会で決定される。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0227-009184.html

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5)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

結果が出てみて初めて「これが目標だったんだ」と発見することも人生には間々ある。