【文徒】2017年(平成29)年3月3日(第5巻41号・通巻970号)

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1)【記事】トーハンが系列下「あおい書店」の店舗再編を発表
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】トーハンが系列下「あおい書店」の店舗再編を発表(岩本太郎)

トーハンが1日、系列のあおい書店(本社・東京都中野区)の店舗を4月1日付で再編すると発表した。中野本店のほか川崎駅前・六本木・高田馬場・横浜・西院(京都)の6店舗をブックファーストに、渋谷南口・四谷三丁目・池尻大橋・春日の都内4店舗をスーパーブックスに、愛知県内の7店舗(西尾・上里・豊川・西春大日・半田・土井・六名)と可児(岐阜)・富士(静岡)の計9店舗をらくだに統合する。
http://www.tohan.jp/news/20170301_928.html
トーハンは昨年10月、100%子会社で中間持株会社のブックス・トキワを通じてあおい書店(同年9月1日付で名古屋のあおい書店から分割により設立)の発行済み全株式を取得しており、現在の19店舗(東京・愛知・神奈川・京都・岐阜・静岡)はそれに伴い運営もそちらに移行した。なお、横浜の上大岡店は上記に含まれていないため、今回の再編とは無関係である。
再編の理由についてトーハンの広報室に問い合わせたところ「メディア特性や店舗特性に応じて再編し、運営の効率化と売上の最大化を目指すことが主です」(加藤真由美広報室長)とのことだった。なお、一部で既報の通り屋号についてはブックファーストは順次変更。スーパーブックスとらくだは「あおい書店」のまま営業を続けるという。
蛇足ながら私(岩本)の自宅最寄りの中野本店に2日の昼に行ったところ、特に今回の件に関する掲示もなく、店の風景は普段通りだった。ここはかつて東急ストアの日用品雑貨売場だった場所で、後にあおい書店が1〜2Fに900坪という面積で出店。中野ブロードウェイ明屋書店とともに、今や中小書店が絶滅してしまった中野駅界隈で書籍を買おうと思ったらここしかないという存在になっている。
https://www.instagram.com/p/BRHs7uwFZyn/?taken-by=taroimo0424
「あおい書店」の公式サイトでも2日までの時点で特にこの件での発表などはない。1月20日の新大府店と五反田店の閉店が残されているのが目を引く程度だ。各店がTwitter上に設けている公式アカウントを確かめてみたが、翌日の時点で触れているところは見当たらなかった。
http://aoishoten.co.jp/
ただ、Twitter上では1日の夜あたりから「あおい書店がなくなってしまうのか?」といった一般ユーザーによるツイートが散見されるようになった。特に今回の件とは無関係な上大岡店については、トーハンによる上記の発表に名前がないことから、すわ「閉店か?」と驚いた向きも少なからずいた模様だ。
《ちょっとまってえええ 上大岡の店が入ってないんだけど、あそこしめちゃうの?あそこなくなると私困るんだけど;;;》
https://twitter.com/siberi_a/status/837150310074179585
《リストにあおい書店上大岡店の統合先がない。ということは…閉店してしまうのかな(/_;)》
https://twitter.com/maya_ko/status/836949976957644802
このあたりは「あおい書店」としての説明が必要なところかもしれない。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

大阪屋栗田の書籍少額取引サービス「Foyer」の担当者を招いたトークイベント「誰もでも本屋さんになれる 〜少額取引サービスFoyer(ホワイエ)ってなに?〜」が、3月18日に京都市上京区の書店「Montag Booksellers」で開催される。フィルムアート社で働きながら同書店を運営し、最近Foyerを導入したという宮迫憲彦と、「いまどきの本屋のつくり方講座」などで講師を務めるYUY BOOKSの小野友資が聞き手を務めるそうだ。
http://montagbooksellers.com/news/foyer
http://www.osakaya.co.jp/newsrelease/index

茨城県の土浦・つくば市を中心に発行されてきた常陽新聞が3月31日限りで本紙・電子版ともに休刊。2013年8月に休刊した旧常陽新聞の題号と従業員を、コンサルティング会社の社長が出資する会社で引き継ぐ形でタブロイド判の発行が週6日(日曜以外)続けられてきたものの、購読者が伸び悩み、抜本的な経営改善策を見出すのは困難との結論に達したという。
https://t.co/6f39BjJ1Vc
http://mainichi.jp/articles/20170301/k00/00e/040/287000c
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1360306/

◎『ワセダクロニクル』が「買われた記事」シリーズ第4弾を2日付で掲載。編集部が送った質問状に対して、共同通信社が遂に記事での指摘を認める「おわび」を送ってきたそうだ。
http://www.wasedachronicle.org/articles/buying-articles/4/

佐藤秀峰が経営する事務所「有限会社佐藤漫画製作所」は昨年、「紙の書籍なし、電子書籍関連ビジネスのみ」で大幅な黒字化を達成したそうだ。昨年の売上は約2億9000万円。《純利益が8700万円出たので、前年までの4000万円の赤字を取り返して、プラス4700万円お釣りが来た感じですね》とのこと。
http://ascii.jp/elem/000/001/436/1436928/

青林堂をめぐるパワハラ訴訟で、原告の同社社員が公表した、社長や役員から受けたとされるパワハラの模様を記録した音声データの起こしを、産経新聞が「ニュースの真相」でかなり詳しく報じている。
http://www.sankei.com/premium/news/170302/prm1703020001-n1.html

フジ・メディア・ホールディングス傘下のジープラス・メディアテレビが外国人向けに日本の情報を発信するサイトとして運営している「Gaijin Pot」には今や月刊のPV数が約300万、月間ユーザー数が約55万人もいるという。担当する編集者は全員外国人で、米国・英国・スウェーデンなど、国籍別では14カ国に及ぶそうだ。
https://gaijinpot.com/ja/
http://toyokeizai.net/articles/-/160500

◎一方、小学館のライフスタイル局が運営する中国人向けインバウンドWEBメディア『微日伴(ウェイリューバン)』(英・日名:『J life-pal(ジェイライフパル)』)は今年1月28日から2月27日までの直近1ヵ月間に250万pvを突破したそうだ。
http://www.jlife-pal.cn/
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000020.000013640&g=prt

KADOKAWAはマレーシアで訪日旅行者向けに日本の最新情報などを紹介する季刊誌『ジャパンウォーカー・マレーシア』を創刊。部数は英語版、マレーシア版ともに3万部で、英語版はシンガポールでも発行する。昨年1年間に日本を訪れた観光客はマレーシア・シンガポールからそれぞれ40万人近くにまで増えているそうだ。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20170301_e3yzv.pdf
http://www.newsclip.be/article/2017/03/02/32309.html

講談社小学館集英社KADOKAWAアニメイトの合弁によるジャパンマンガアライアンス(JMA)が昨年2月にバンコクにオープンした“タイ版アニメイト”「JMA バンコク店」の売上額は想定以上で、初年度から黒字化する見込みだという。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2665219

◎『saita』が3月7日発売の4月号からリニューアル。非婚者の増加や専業主婦の減少といった時流を受けて、25〜49歳を主要ターゲットとした「脱ママ」路線に編集方針を転換するという。新編集長の若杉美奈子が『withnews』のインタビューに応じた。
http://withne.ws/2lPMml7

◎佐賀と長崎の2県が協力して制作するというフリーマガジン『SとN』が3月に発刊されたことを記念して、制作スタッフによるトークイベントが3月17日に大阪市中央区の「スタンダードブックストア」(大阪市中央区)、18日に京都市中京区の丸善京都本店でそれぞれ開催される。
https://www.facebook.com/events/674679576071200/
https://honto.jp/store/news/detail_041000021140.html?shgcd=HB300
https://www.daily.co.jp/leisure/kansai/2017/02/28/0009956065.shtml

紀伊國屋書店は研究者向けに洋書電子書籍の販売を開始した。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/company/pressrelease/20170301130038.html
https://hon.jp/news/1.0/0/10944

◎「相棒採用」と銘打ったADKの新卒社員採用では今年、社員111人のLINE BOTを公開し、志望者が現場の社員と対話しながら現場の日々の様子を知ることができるという「BUDDY BOTs」という新たなサービスが導入された。
http://adk-recruit.jp/
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000006.000012394&g=prt

◎新潟三越新潟伊勢丹を運営する新潟三越伊勢丹が新潟博報堂と業務提携すると発表。企画販売や広告制作などを通じて地域ブランド商品の開発を共同で進めるという。
http://www.niigata.hakuhodo.co.jp/pdf/20170227.pdf
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13438930X20C17A2L21000/

文化放送博報堂DYメディアパートナーズファミマ・ドット・コムの3社が共同で、文化放送インターネットラジオ「超!A&G+」の番組「徳井青空のまぁるくなぁれ!」の放送終了直後から、番組の内容をそのまま書き起こした文章をファミリーマート(全国1万8100店)店内のマルチコピー機で購入できるという「ラジオプリント」サービスの提供を3月から開始した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/service/20170228_17184.html
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1488277278

◎インターネットを通じてテレビ放送をストリーミング視聴できる定額サービス「YouTube TV」を、Googleが2月28日(現地時間)にアメリカで発表した。既存のCATV局や単体のテレビ・レコーダーを駆逐しかねないサービスとも言われているようだが、はたして日本にはどんな形でやってこようとしているのだろうか。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1703/01/news080.html
http://japanese.engadget.com/2017/03/01/youtube-youtube-tv-35/
http://gigazine.net/news/20170301-youtube-tv/

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3)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

客人から素敵な土産話を引き出すのは、もてなしの楽しい茶飲み話だ。