【文徒】2017年(平成29)年3月29日(第5巻58号・通巻987号)

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1)【記事】「メンズクラブ」編集長がハースト婦人画報社を退社
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「メンズクラブ」編集長がハースト婦人画報社を退社

客 ハースト婦人画報社は、デジタルシフトを成功させた出版社だと君は位置づけていたよね。
主 オレが位置づけるも何も、本社の意向がそうだろうからね。ハースト婦人画報社は、婦人画報社という名前がついていても、本社をニューヨークに持つ出版社の日本支社にほかならないわけさ。経営方針から、人事に至るまで向こうの考え方に左右されるということでもある。
客 このところハースト婦人画報社の人事が何かと話題になっている。役員参謀室室長の斉賀明宏が退社するだけではなく…。
主「メンズクラブ」編集長として名前を馳せた戸賀敬城も4月30日付で退社することになった。
客 戸賀は「Esquire The Big Black Book」編集長も兼ねていた。
主 後任が代表取締役社長をつとめるイブ ヴゴンだというのには驚いた。ヴゴン社長が「メンズクラブ」「Esquire The Big Black Book」の編集長をつとめるわけよ。まあ、戸賀は退職しても、ハースト婦人画報社のメンズ・メディア ブランド・アンバサダーをつとめるそうだ。
客 ケンカ別れじゃないんだよね。
主 ケンカ別れではないのだろうけれど、現状に不満がなければ、こうした人事は起こらないよ。ハースト婦人画報社、もしくはハースト本社が不満を抱いていたのか、戸賀がハースト婦人画報社に不満を抱いていたのかは知らないけどさ。ハースト本社からすればハースト婦人画報社の現状にまだまだ不満なのは間違いないんじゃないのかな。特にデジタル戦略に関しては、日本支社は遅れているという認識だと思うよ。
客 それにしても戸賀って文章が下手ですよね。ブログなんて読めたものじゃない。「トガブロ。」(http://ameblo.jp/togablo/)っていうんだけれど、知性の欠片も感じられない。
主 まあコンデナストが擁する「GQジャパン」のスズキ編集長が「知」の塊みたいな御仁だから、「バカ」が目立っちゃうんだよな。いずれにしてもハースト婦人画報社の「動き」は要注意であることは間違いあるまい。

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2)【本日の一行情報】

◎第2回スターツ出版文庫大賞が募集を開始した。ひとり何作品でもエントリー可能だし、テーマに沿っていれば既存作品でも可という条件は、従来の文学賞ではなかったのではないか。「野いちご」は月間アクセス数6億PV、「Berry’s cafe」は月間アクセス数2.5億PVというのだから凄い。
https://no-ichigo.jp/info/show/id/337

◎ベネッセの「進研ゼミ」が運営する小学・中学・高校講座の会員向けサービス「電子図書館まなびライブラリー」の登録利用者が55万人を突破した。小学生が43.5万人を占めるそうだ。小学生の電子書籍利用者の3分の1が利用し、小学生に最も使われている電子書籍サービスということになるようだ。プラットフォーム・ビジネスである。ベネッセによる「子どもナレッジ」である。
電子書籍を提供している出版社は岩崎書店岩波書店、学研プラス、KADOKAWA講談社フレーベル館文藝春秋ポプラ社という8社だ。また、動画はディスカバリー・ジャパン、東映が提供し、ニュースは共同通信イメージズが提供している。
http://www.benesse.co.jp/zemi/ml/?s_oid=ml_bg_top__00076
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000567.000000120.html
小学館は、この領域には進出しないのだろうか。

◎「かいけつゾロリ」シリーズ30周年を記念した「かいけつゾロリぴあ」を発売する。人気があるのは子どもだけではないということだ。
http://www.j-cast.com/trend/2017/03/27293043.html
かいけつゾロリ」シリーズはポプラ社から生まれたベストセラー児童書。コミカライズもされ、テレビアニメ化、映画化、ゲーム化もされた。
http://www.poplar.co.jp/zorori/

朝日新聞の8年前のスクープでは北朝鮮金正恩とマレーシアで殺害された異母兄の金正男は面識があるかのように報じていたが、最近では2人に面識はなかったと報じているそうだ。むろん、産経の指摘である。
産経新聞社は今月21日、少なくとも正恩氏と正男氏との面識の有無について矛盾する2つの記事について、どちらが正しいか朝日新聞社広報部に問い合わせた。
同広報部は24日、『2つの記事は、それぞれの記者が信頼する取材相手からの情報に基づいて執筆いたしました』とファクスで返答した。しかし、記事の正誤について言及しなかった」
http://www.sankei.com/world/news/170327/wor1703270031-n1.html
朝日新聞社も「官僚組織」なんだよなあ。

◎米アマゾンがドローン配達の公開実験に成功した。
https://japan.cnet.com/article/35098750/

◎「週刊少年ジャンプ」の創刊50周年を記念して、集英社が開催する「週刊少年ジャンプ展」の第1弾「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊〜1980年代、伝説のはじまり」の会期が決まった。7月18日から10月15日まで東京・森アーツセンターギャラリーで開かれる。創刊から1980年代の連載作までがフィーチャーされる。
http://natalie.mu/comic/news/226079

◎「私小説」ならぬ「私ノンフィクション」ということになるのだろう。鈴木信平の「男であれず、女になれない」は「自分自身を取材したノンフィクション」として小学館ノンフィクション大賞に応募された作品だ。この内容がこの方法を選択させたのだと思う。鈴木信平はブックリスタ勤務だそうだ。
https://ddnavi.com/news/362655/a/

ハースト婦人画報社が運営するオンライン・セレクトショップ「エル・ショップ」は、3月28日(火)より「ドゥーズィエム クラス」と「エーピー ストゥディオ」のポップアップショップを展開している。
http://www.dreamnews.jp/press/0000149792/

講談社の「月刊少年シリウス」で連載されている「妖怪アパートの幽雅な日常」がテレビアニメ化され、7月より放送される。
http://www.oricon.co.jp/news/2088107/full/

南阿蘇鉄道は4月15日(土)から8月31日(木)まで小学館で活躍する漫画家・原作者117名が描いた応援イラストを乗せたラッピング列車「がんばれクマモト! マンガよせがきトレイン」を走らせる。
http://www.mt-torokko.com/syougakukan/

◎えきたゆきこの「マコの宝物」が現代企画室から刊行される。児童文学者の清水眞砂子が絶賛している。話題にはなるのは間違いあるまい。
「本名 浴田由紀子。1950年山口県長門市に生まれる。北里大学卒業。臨床検査技師となる。74年、東アジア反日武装戦線大地の牙に参加。75年、逮捕。77年、日本赤軍ダッカ・ハイジャック闘争で超法規的に釈放されアラブへ。95年、ルーマニアで拘束され日本に強制送還、服役。2017年3月、20年の刑期を終え出所」
https://www.amazon.co.jp/dp/4773817038/ref=cm_sw_r_fa_api_MA20ybM514HRC
現代企画室の代表取締役は直島ベネッセハウス福武美術館財団常務理事、大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクターをつとめる北川フラムである。
http://www.jca.apc.org/gendai/contents/about.php
伊達政保が朝倉喬司を追悼する文章のなかで次のように書いている。
「オイラが朝倉さんと出会ったのは昭和46年、平岡正明氏を介して渋谷にあったテック(専務はあの谷川雁)での闘争に関わった時だった。当時平岡氏は朝倉さん、石飛仁氏らと共に花岡事件の調査を行っていた。朝倉さんはテック闘争も支援しており、そこで三里塚救対会議で知り合いだった浴田由紀子さん、斉藤和君、北川フラム氏らと出会うことになった」
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_description.php?shinbunno=2996&syosekino=3359

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3)【深夜の誌人語録】

臆病であることを隠さず、臆病から自信を育むのだ。過信は無謀につながるということを忘れてはなるまい。