【文徒】2017年(平成29)年9月8日(第5巻170号・通巻1099号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「週刊文春」のスクープと文藝春秋の謝罪
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「週刊文春」のスクープと文藝春秋の謝罪

週刊文春」の「動く中吊り」。「肉食のジャンヌダルク」って言い方が私は気に入っている。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/8563
https://www.youtube.com/watch?v=ZJ6AhnlAOUk&feature=youtu.be
産経は、こう書いている。
民進党山尾志桜里政調会長(43)と既婚の男性弁護士(34)との不倫疑惑を、7日発売の週刊文春が報じることが分かった。前原誠司代表は新執行部で山尾氏の幹事長就任を内定していたが、不倫疑惑が報じられることが明らかになり、起用を断念した一因になったとみられる」
http://www.sankei.com/politics/news/170906/plt1709060041-n1.html
山尾の不倫をチクッたのは誰かということに考えをめぐらすならば、私などは民進党、終わったと思ってしまうクチである。
彼女が独身時代にゴマブックスから出した「アニーの100日受験物語―私は、コツコツ勉強する優等生ではなかった」は1万3499円で取引されている!
https://www.amazon.co.jp/dp/4341016512/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_PCaSzbX3H6Q4D
あっ!私はまだ「週刊文春」を買っていなかった…。このまま買わずに終わってしまう読者は案外多いのかもしれない。
ところで「週刊文春」を擁する文藝春秋の松井清人社長は9月5日、新潮社を訪れ、新潮社に対して謝罪の文書を手渡していたそうだ。「NHK NEWS WEB」によれば、「文書では『中吊り広告を長期にわたり借り受けていたことを認め、社としておわびいたします』としたうえで、『不適切な取扱いと指摘されてもしかたのない行為であったことを認め、今後、このようなことがないよう徹底いたします』と記」されているそうだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170907/k10011130061000.html
毎日新聞は次のように謝罪の内容を説明している。
「謝罪文は『長期にわたり借り受けていたことを認め、社としておわびする』としたうえで、広告によって同時期に発売される新潮にも同内容の記事が掲載されることを知りつつ、『(発売前にネット上で文春だけの)独自スクープであるかのごとく速報を流した事例があった』とし、この点も謝罪した」
https://mainichi.jp/articles/20170907/k00/00m/040/169000c
朝日新聞は「当初は『情報を不正に、あるいは不法に入手した事実は一切ない』としていたが、一転して謝罪した」と書いている。つまり、言外に「不正に、あるいは不法」ということを認めたという印象を与えている。
http://www.asahi.com/articles/ASK973FZTK97UTIL002.html
毎日新聞は、こうも書いている。
文芸春秋は6日、毎日新聞の取材に対し『不適切だったのでおわびした』とのコメントを出した。しかし『広告を端緒に後追い取材をしたり、原稿を書き換えたりしたことがあったか』との質問には、広報担当者が明確に答えず『(広告入手も含め)取材の一環であり情報戦』とだけ話した。さらに『法に触れたわけではないので不正ではないが、倫理的には不適切なのでおわびした』と説明した」
つまり、「不正」「不法」ではなかったが、「不適切」であったから謝罪したというのが文藝春秋からすればの見解であり、朝日新聞の記事は同社からすれば「無理解」であろうし、悪意に満ちているということになるはずだ。
「不正」「不法」「不適切」いずれも定義はそれぞれの立場によるものだろが、司法的判断が絶対でもない。

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2)【本日の一行情報】

◎ともに「週刊少年ジャンプ」(集英社)を母胎として生まれたマンガの映画化であったが、「実写『銀魂』が公開後30日で興行収入31億円と好調な記録を出す一方、実写『ジョジョ』は公開初週の土日2日間で興行収入1億6600万円(映画.com)という成績で、その後は国内映画の動員数ランキングから姿を消してしまっ」たそうだ。サダタローの「マンガの実写映画化、とある漫画家が思うこと」で知った。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1709/06/news013.html
ワンコンテンツマルチユースにおいて「マルチユース」の総てが大成功するわけではないのである。

乃木坂46高山一実と「伝説の相場師」と呼ばれた奥山泰全(マネーパートナーズ社長)による「お金がずっと増え続ける 投資のメソッド――アイドルのわたしでも。」がPHP研究所から発売された。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/life/release/detail/00045030.html
PHP研究所AKB48内山奈月を起用して南野森との組み合わせで「憲法主義――条文には書かれていない本質」を刊行したことがある。
https://www.php.co.jp/kenposyugi/
内山はAKB48を昨年卒業しているのだが、憲法がらみでは未だに声がかかるようである。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kenpou70/interview.html

◎「おじさんメモリアル」の刊行を記念して鈴木涼美が銀座のバーで一日ママになるイベントが開催される。
https://nikkan-spa.jp/1390128
鈴木は小説を書けばよいんだよ。

徳間書店から1994年に刊行された金辰明の「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」は北朝鮮と韓国が同盟を組み、北朝鮮の核ミサイルを日本に向けてから日本に宣戦布告するという近未来SF小説だった。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/25019

◎「週刊少年ジャンプ」で連載中の「ONEPIECE」などのマンガの画像を発売前にインターネットのサイトに載せて「逮捕されるまでの3年近くで、閲覧による広告収入を少なくとも3億500万円得ていた」(NHK)というから驚きだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170906/k10011129301000.html

◎「LINEマンガ」で連載中の無料連載作品をLINE上で読むことができる新サービス「LINE版 LINEマンガ」が公開された。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1859

◎LINEはドイツで現地の大手メディアグループProSiebenSat.1(プロジーベンザット1)デジタルと協力して、LIVE動画配信サービス「LINE LIVE」をローンチした。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1857
日経によれば「主力の対話アプリは欧州では普及していないが、成長が著しい動画関連サービスを軸に欧州市場への参入を本格化する」ということのようだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ05HW6_V00C17A9TI1000/

サントリースピリッツ「明日のレモンサワー」で内村光良出川哲朗がCM初共演。二人は映画専門学校時代からの友人だそうだ。植木等の無責任男のリメークなんだけれど、非常に完成度の高いCMである。
https://www.youtube.com/watch?v=ov4JGspQlaE
http://spotlight-media.jp/article/454072722526205852

◎マンガの主戦場となるのはスマホであると私も考えている。
https://ddnavi.com/news/398275/a/

小学館が運営する「しごとなでしこ総研」の「働く女性1万人白書」では、「プライベート重視派」が75%を超えるという結果になったが、これを踏まえてエーザイのコンシューマーhhc事業部と「しごとなでしこ総研」がさらに踏み込んだ調査を実施したところ、「平日は仕事を一生懸命がんばり、休日もいろんな体験をして全力で楽しみたい」という回答が約半数を占める結果となったそうだ。
https://www.atpress.ne.jp/news/137283

◎東京でも「沖縄県産本フェア」を開催できないものか。「県産本」という言い方がステキでしょ。
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-568971.html
ちょっと古い記事だが、これも参照して欲しい。
http://www.mishimaga.com/special02/067.html
http://www.mishimaga.com/special02/068.html
これが「電柱通りにある沖縄の出版社」ボーダーインクのホームページ。
http://www.borderink.com/
私はボーダーインクを版元とする渡辺豪の「私たちの教室からは米軍基地が見えます  普天間第二小学校文集『そてつ』からのメッセージ」を持っている。
http://www.borderink.com/?p=2636
「内地の歩き方 沖縄から県外に行くあなたが 知っておきたい23のオキテ」なんていう本も刊行している。
http://www.borderink.com/?p=18740
南山舎は日本最南端の出版社である。
http://jaima.net/modules/guide6/content/index.php?id=1
ニライ社の「初心者のための琉歌入門」は5000円とちょっと高いが内容によっては買いたい。ニライ社は「私のひめゆり戦記」(宮良 ルリ)や「首里城を救った男 阪谷良之進・柳田菊造の軌跡」(野々村孝)の版元として知られている。ニライ社は「沖縄県産本の正道を歩むような書籍をじっくりと出してきた出版社」だそうである。
http://ryuqspecial.ti-da.net/e2480685.html
沖縄県産本ネットワークの加盟社は次の通りだ。
http://okinawakensanbon.ti-da.net/c87708.html

◎確かに「本はTSUTAYAAmazonではなく本屋で買うもの」という固定観念は田舎では通用しない。
https://togetter.com/li/1147916

◎米トイザラスは経営難に陥っている。
https://this.kiji.is/278257643047421437
アマゾンにやられたのだと思う。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/06/toys-r-us_a_23199623/

◎元文科事務次官前川喜平氏独白『NHKや読売新聞には同情する』」を「日経ビジネスオンラインが掲載している。
「読売新聞の社会部長も、心の底から、あの解説を書いたのかどうかは分かりません。組織の中で仕事をしている以上、しょうがないというところもあると思うんです。私だって、心にもないことを国会で答弁したことはありますから」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090600730/?P=1

◎「ダイヤモンドオンライン」に掲載された「神社本庁で不可解な不動産取引、刑事告訴も飛び出す大騒動勃発」。これは良記事だ。
http://diamond.jp/articles/-/132516

◎光文社の女性誌「VERY」は、「世界一、おいしいご飯が炊ける」ことを目指して愛知ドビーが開発した究極の炊飯器「バーミキュラ ライスポット」とコラボしてInstagramアカウント「Cooking VERY」を開設した。
「Cooking VERY」は、「バーミキュラ ライスポットのある生活」をコンセプトとし、滝沢眞規子優木まおみらチームVERYの9人がライスポットを使った料理や食卓を彩るキッチンツールなどを投稿するInstagramアカウントである。
https://www.instagram.com/cooking_very/
https://www.atpress.ne.jp/news/137307
愛知ドビーとのコラボをメインとしながらも、調味料やアルコール飲料など、スポット的なコラボでも良いから複数のクライアントを巻き込むというアプローチは考えられないものか。

集英社はレモネードのインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「INFLUENCER ONE」を活用しているそうだ。集英社の田中恵取締役の発言。
「具体的には、これまで読者ブログなどでお付き合いのある読者の方や、読者コミュニティの中から参加する意思のある方に、各雑誌のインフルエンサーとして登録いただき、集英社からのみ案件をお願いする仕組みとなっています」
https://markezine.jp/article/detail/26969

バンダイナムコエンターテインメントは、「週刊少年ジャンプ展」開催を記念して、ジャンプ関連ゲームのセールを9月20日まで開催している。
https://www.famitsu.com/news/201709/07141299.html

内閣官房総理大臣官邸報道室長から東京新聞で官邸キャップをつとめる政治部長に送られて来た文章がツイッターで暴露されている。
https://twitter.com/shigeshi711/status/905423143619067906
ここで槍玉にあがったのは既報の通り望月衣塑子記者である。しかし、望月記者ひとりで驚いてはなるまい。東京新聞には、まだまだ名物記者がいる。「ジャスミンの残り香―『アラブの春』が変えたもの」で開高健ノンフィクション賞を獲得している田原牧も筋金入りの猛者のひとりだ。何しろ田原は集英社新書「人間の居場所」で成田空港が開港した78年から83年までの5年余も三里塚に通いつづけ、三里塚を学舎と位置付けているのだ。「人間の居場所」には、こんなくだりもある。
「『社会の敵』と喧伝され、一見、市民社会からは遠くに見えるアウトローの窮状は、一人の市民の生きにくさに直結している」
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0891-b/
「人間の居場所」には伊藤清美の「銀河系」についても一章が割かれている。ちなみに私は映画女優になる以前の伊藤清美と共演したことがある。

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3)【深夜の誌人語録】

遅れてはならないが、急ぎ過ぎても駄目である。