【文徒】2017年(平成29)10月13日(第5巻193号・通巻1122号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】楽天NBAとパートナーシップ契約を締結
2)【記事】確信犯「週刊文春」について
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】楽天NBAとパートナーシップ契約を締結

楽天NBAは、複数年のパートナーシップ契約を締結し、楽天が日本国内におけるNBAの独占的な放映・配信パートナーおよびグローバルにおけるマーケティングパートナーとなった。
これにより今シーズン中に楽天は、インターネットでNBAの試合を視聴できる購読型サービス「NBA LEAGUE PASS」を国内の楽天会員に限定して提供開始する。
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2017/1010_02.html?year=2017&month=10&category=corp%20ec
楽天プロ野球楽天イーグルスJリーグヴィッセル神戸FCを擁し、リーガ・エスパニョーラバルセロナとのパートナーシップを締結し、先日はNBAディフェンディングチャンピオンであるゴールデンステイト・ウォリアーズとのパートナーシップを締結していた。まさにスポーツにのめり込んでいるといって良いだろう。
NBA JAPAN」の公式サイト見れば、楽天三木谷浩史会長が次のように述べていることがわかる。
「なぜ楽天が世界中のスポーツに力を注ぐのか。それは楽天が、人々や社会をエンパワーメントするという想いを大切に、今まで事業と成長や発展に努力してきたということかと思っております。
スポーツには、人や社会を元気にする力があります。スポーツには、立場や、また国・国境を越える力があると思っております。感動を分かち合い、そして心を勇気付けたりする、そういう不思議な力があるという風に思っております」
http://www.nba.co.jp/nba/rakutens-hiroshi-mikitani-press-conference/9cahj13suumm1r9dkd97i1yr1?platform=hootsuite
むろん、本質は「ECのミカタ」が書いているように「楽天市場へはもちろんのこと、格安スマホなどのサービスへ新規ユーザーを横断的に送客できるような仕組みづくり」にほかなるまい。
https://www.ecnomikata.com/ecnews/16114/
「通販通信」の「楽天、NBAの国内独占配信権を獲得…会員向けに視聴サービス開始」は次のように書いている。
「また、楽天は今回のパートナーシップにより、楽天市場をはじめ米キャッシュバックサイトの『Ebates』など、国内外のEコマースサイト内にNBAの公式グッズを販売する特設ページ『NBA ZONE』、および各チームのグッズを販売するページを開設できるようになった。
他にも、楽天グループのインスタント・メッセージ・プラットフォーム『Rakuten Viber』が、NBAと所属チームの『オフィシャルプラットフォーム』となり、9億を超えるユーザーにNBAのコンテンツを届けることが可能になっている」
http://ascii.jp/elem/000/001/566/1566682/
NBAと複数年のパートナーシップ契約を結ぶには、どのくらいのマネーが必要となるのだろうか。日刊スポーツが次のように書いていた。
「金額など詳細は明らかにされなかったが、米紙USAトゥデー(電子版)は総額2億2500万ドル(約248億円)以上の規模と報じた」(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/sports/news/201710110000259.html

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2)【記事】確信犯「週刊文春」について

こういうところは「週刊新潮」に真似できないんじゃないのかなあ。ゲスの極み乙女。とミュージックビデオでコラボしている。サンダーバードを模した制服姿のメンバーが文藝春秋から出てくるところを「週刊文春」の記者に囲まれるという映像を使っているのだ。
日刊ゲンダイ」は次のように書いている。
「川谷と週刊文春の因縁は、昨年1月のベッキー(33)との不倫報道に端を発し約2年。ベッキー謝罪会見後の2人のLINE会話の流出にとどまらず、同年9月には新恋人・ほのかりん(21)との飲酒デートも報じられ、バンド活動休止にまで追いやられた宿敵。MVのリリースに際し、川谷は『表現にはこれくらいのジョークがなきゃ。文春さん、協力ありがとうございます笑』とコメント。すっかりウィンウィンの関係に」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/215326
コラボに至る経緯は「rockinon.com」が次のように書いている。
「コラボレーションが実現した経緯は、9月20日に公開されたMV『あなたには負けない(Short ver.)』を観た週刊文春の記者が、映像内で『週間人春』という週刊文春を模した雑誌のCGが使用されているのを発見し、ゲスの極み乙女。が所属するワーナーミュージックへMVに関しての取材をオファー。その取材の現場で、週刊文春側より「MV撮影に協力出来ることがあれば協力致します」という提案を受け、週刊文春の発行元である文藝春秋本社ビルでの撮影が決定したという」
https://rockinon.com/news/detail/168093
これがそのミュージックビデオ。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=thAtSosYjFU
作詞家の及川眠子がこんなツイートをしている。
「あーだこーだと世間は言うだろうが、結局どんなにつらいことも汚れたこともすべてネタとして自分の中で消化して、マイナスをプラスに代えていける力、それを才能と呼ぶのだよ」
https://twitter.com/oikawaneko/status/917621476538277888
いずれにしても「週刊文春」は基本的にノリの良い、雰囲気の明るい雑誌なのである。だからといって「週刊新潮」には「週刊文春」のようになってもらいたくない。群れることのない暗さが「週刊新潮」の持ち味なのだから。
週刊文春」の「美しすぎる弁護士とテレ朝プロデューサーの『セクハラ騒動』」もネットで話題になっている。記事で「プロデューサーX氏」は誰なのかというわけだ。記事に「X氏は『報道ステーション』などの番組で長くディレクターを務め、今年4月から『サンステ』のプロデューサーに昇格」と書かれていることから、浦本勲ではないのかと騒がれているわけである。「週刊文春」がワザと実名をあげなかった確信犯だとすれば、大したものである。
http://bunshun.jp/articles/-/4480
https://socialnews.rakuten.co.jp/link/1441646
http://sagahonoka-yogini-50.blog.so-net.ne.jp/2017-10-12

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3)【本日の一行情報】

◎「マガジン航」は10月28日(土)に「文学とテクノロジーとシンギュラリティ〜三島賞作家・上田岳弘さん公開インタビュー」をTORANOMON BOOK PARADISEの会場で開催する。上田は小説家であると同時にIT会社の役員でもある。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/016rtyz5wzvw.html
https://magazine-k.jp/2017/10/03/editors-note-25/

◎「週刊現代」の「TBSがテレ朝を視聴率で逆転!その『全内幕』」に掲載された今年1月2日から9月10日までのビデオリサーチによる民放各局の平均視聴率。
全日 ①日本テレビ 8.2% ②テレビ朝日 7.3% ③TBS 6.2% ④フジテレビ 5.7%
ゴールデン帯(19時−22時)①日本テレビ 12.3% ②TBS 9.8% ③テレビ朝日 9.6% ④フジテレビ 7.9%
プライム帯(19時−23時)①日本テレビ 12.0% ②テレビ朝日 9.9% ③TBS 9.7 ④フジテレビ 7.7%
いやあフジテレビの凋落は明らかである。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53037

◎10月2日(月)から10月15日(日)にかけて、アプリ「本屋さんアプリ 〜本屋へGO!〜」とプロ野球広島東洋カープがコラボした「本屋さんへ行こう!!」企画の第1弾が実施されている。「本屋さんアプリ」をダウンロードして「廣文館」「フタバ図書」の対象店舗に行くと、人気漫画家が描き下ろした“イラストスタンプ”と“スマホ用壁紙”が日替わりでもらえるというものだ。
https://ddnavi.com/news/405794/a/

◎「Kindle Oasis」の新モデルは従来型よりも一回り大きいマンガ仕様だ。防水機能を備えているためお風呂でマンガを読める。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/101100331/?rt=nocnt

◎米雑誌大手タイムは、経営改善に向けて社名誌「タイム」の発行部数を約3割削減する。また、「スポーツ・イラストレーテッド」の発行回数を今年の38から来年は27にするなど、主要雑誌の発行頻度を減らすことになった。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/154625
ディアビジネスを支えるのはデジタルであり、紙がそれを補完するというあり方に舵を切ったわけである。われらが老兵は紙にデジタル以上の価値を見出す「逆立ち」がお得意のようだが、それでは未来に対する責任を果たしたことにはなるまい。

蓮如賞が今野勉の「宮沢賢治の真実 修羅を生きた詩人」(新潮社)に決まった。
https://mainichi.jp/articles/20171011/k00/00m/040/098000c
宮沢賢治浄土真宗を捨てて日蓮宗系の、田中智学によって創設された国柱会の信者となるんだよね。「世界最終戦論」の石原莞爾国柱会である。

◎「TECH WAVE」におけるLINE上級執行役員田端信太郎の発言。耳の痛い話である。
「…デジタルになって枠の供給独占がなくなったため、マージンビジネスとして、上流層を囲いさえすれば良い、というモデルは成立しなくなりました。
そうなると良くも悪くもフィーで、ビジネスを成り立たせるしかありませんよね。
ですが、フィー制について、広告業界は、医者や弁護士のみたいに資格ライセンスがあるわけではありませんから、そもそもなんでこの人にお金を払うのだっけ?ということになります。
そうなると、1、尊敬されるか、2、信頼されるか、3、いやなことを引き受けてくれるか、この3つくらいしかないわけです。
『3、いやなことを引き受けてくれるか』のように、めんどうくさい事を引き受けますビジネスはなかなか成り立ちません。広告業界では、特に総合代理店の上位企業が、世の中平均より人件費が安ければいいですけど、明らかに平均より高いわけですから。
そうなると、個人として『1、尊敬されるか』『2、信頼されるか』しか選択肢はなくなります。このような状況に、もっと緊張感を持ったほうがいいと思います」
http://techwave.jp/archives/line-mr-tabata-interview-about-digital-marketing-01.html

電通ウェブ広告価値の毀損を最小化するため、電通が提供するプライベート・マーケット・プレイス(電通PMP)において、インテグラル・アド・サイエンス社(IAS)が提供する計測ツールとボット検知機能、またMomentum社(モメンタム社)が提供するブロッキング機能(ボットを検知し、ボットに対する広告配信を予防する機能)の利用に関する包括契約を両社と結び、無償提供を開始する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017113-1010.pdf

◎これは悪い決断ではないと思う。可能性の中心で考えるのであれば、こうするしかないのである。講談社は「『FRaU』を、定期刊行から月刊誌の枠にとらわれない『オプティマム』(最適・最善)なメディア形態へと移行」する。また女性向けライフスタイル誌「おとなスタイル」も2018年3月以降、季刊誌から随時刊行に変更する。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171011-00010002-fashions-life
https://mainichi.jp/articles/20171012/ddn/041/020/012000c

GUCCIの付録が話題となった小学館の女性ファッション誌「Oggi」11月号が重版となった。重版分は10月20日(金)に書店に入荷予定だそうだ。
https://cancam.jp/archives/496308

◎デジタルマーケティングコンサルティング会社であるルグランと小学館は、ルグランが独自に企画開発したファッションテックサービス「TNQL」(テンキュール)を小学館の女性メディア総合サイト「しごとなでしこ」上で展開することに合意した。「TNQL」は「気象情報にもとづき毎日のコーディネートをイラストで提案する」サービスである。
https://digitalpr.jp/r/23990

◎「全国図書館大会 東京大会」の分科会で文藝春秋の松井清人社長が「どうか文庫の貸し出しをやめてください」と訴えた。
「出版文化を共に支えてくださる公共図書館にお願いします。どうか文庫の貸し出しをやめてください。それによって文庫の売上げが大幅に回復するなどとは思っていません。図書館では文庫は扱っていない,それなら本屋で買うしかない,文庫くらいは自分で買おう。そんな空気が醸成されていくことが何より重要なのです」
http://jla-conf.info/103th_tokyo/app/webroot/img/103_section21.pdf
http://www.sankei.com/life/news/171012/lif1710120020-n1.html

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4)【深夜の誌人語録】

知性にも運動神経が必要だ。