【文徒】2017年(平成29)9月26日(第5巻181号・通巻1110号)

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1)【記事】クラウドワークス「政治系の記事作成。保守系の方限定」依頼が批判を受けて掲載中止
3)【本日の一行情報】

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1)【記事】クラウドワークス「政治系の記事作成。保守系の方限定」依頼が批判を受けて掲載中止(岩本太郎)

クラウドソーシングサービスでは大手のクラウドワークスが先週20日に掲載した「政治系の記事作成。保守系の思想を持っている方限定」とする求人をめぐって炎上騒ぎが沸き起こった。
募集内容は「日本にとって何がベストなのか保守系の立場から書いてください」とのテーマによる記事の作成で、原稿分量およびギャラは1記事につき1800〜4000文字で800円(手数料+税込みで864円)。後述するようにクラウドワークスに掲載された当該の案件は既に削除されているが、同時期にYahoo!に提供された同様の求人案内は、募集が「終了」とされて以降も25日夕方現在、なおも「このお仕事って、どんな内容」として掲載されたままになっている。こんな内容だ。
《政治系の記事作成です。政治にある程度詳しい方がいいです。保守系の思想を持っている方限定というのは、私が保守系だからです。自民党保守系と言われていますが、左派的な政策もかなり行っているので、自民党の意見に必ずしも賛成である必要はないです。批判をしてもいいです。例えば記事の内容として〇憲法9条を改正し、軍隊を保有すること、当然だと思っています。
国際法上も当然の権利として認められていることが憲法では否定されているので、これは絶対に改正すべきです。安倍総理の改正案では緩いです。〇韓国とはもう付き合うべきではない。安倍さんの合意は間違えていた。〇外国人に土地を買わせないようにしないようにしべきだ〇石破さんは首相候補として相応しくない〇共産党の議員に票を入れる人って反日ではないか〇民進党の政策を反対のことを行えば日本は良くなる〇天皇制が絶対に男系であるべきこんな感じで、あなたの考えを記事にしてください。書きたいテーマを提案してください。内容としては民進党とか共産党に与する記事は採用しません。》
https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/rs/detail/1486688827
上記求人案内で[参考記事]として挙げられたブログ「日本の政治」には、《日本には本当のリベラルは存在しない。いるのは反日だけ》《日本国憲法第9条を平和憲法と呼べない理由とは。完全に論破します》などの見出しの記事がずらりと並んでいる。
http://せいじ.jp/
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/hoshu-blog?utm_term=.dr63mVmlK
クラウドワークスは募集開始翌日の21日には「政治系ブログ記事作成案件の掲載中断に関しまして」との告知を公式サイト上に掲載。やはり問い合わせが殺到したようだ。
《当社は政治系ブログ記事作成の案件に関して、
利用規約および仕事依頼ガイドラインに反する案件と判断し、掲載を中断いたしました。
これまでも利用規約に基づいた案件チェックならびに、
ユーザーの皆様からの報告を受けての違反案件対策を進めておりましたが、
皆様からいただいたご意見をもとに解釈を広げ、差別や特定政党に関連する案件の対応を強化致します。
現在類似の違反案件について確認を行っており、
今後も該当した場合は、即座に掲載を中断いたします。》
https://crowdworks.jp/blog/?p=1553
今回の依頼人がどのような人物かは今のところまだ明らかではないようだ。ただ、クラウドワークスによるこの告知や上記の『BuzzFeedNEWS』、以下の「キャリコネニュース」の記事などからすると、この依頼人を含めて少し前からこの種の依頼をクラウドソーシングサービスを通じて行うケースが増えているようだ。昨年のDeNA騒動で浮かび上がったクラウドソーシング経由での原稿依頼がもたらす弊害が、こうした政治記事をめぐっても顕在化したということか。
https://news.careerconnection.jp/?p=40922
https://www.bengo4.com/internet/n_6701/
ちなみにクラウドワークスは同業のもう一つの大手企業であるランサーズとともに、2014年5月には「クラウドソーシング協会」、今年1月には「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」といった業界団体の設立に参加。特に後者は政府が打ち出した「働き方改革」を受けたものらしく、経済産業省も応援。設立時には新聞報道でも取り上げられた。経産省の「雇用関係によらない働き方研究会」にはクラウドワークス、ランサーズの両社の役員が委員として参加している。
https://crowdsourcing.jp/
https://www.freelance-jp.org/
https://mainichi.jp/articles/20170127/k00/00m/040/127000c
http://www.meti.go.jp/press/2016/11/20161117005/20161117005-1.pdf

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

Twitterでのアカウント「永久凍結」に見舞われた菅野完は、発言舞台を移したFacebook上でも何かと悪戦苦闘を続けているようだ。Twitterでは他にもこんな問題投稿が野放しになっているとのことでシェアした記事が、Facebookからも削除されたとして、通告画面をアップのうえ《は?意味わからん…》と22日付で告発している。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=770130716504965&set=a.512471155604257.1073741828.100005241304143&type=3&theater

◎その菅野完のTwitter凍結の件に関して、赤木智弘が「メディアに求められるものは表現の自由を守ることではない」との挑発的な見出しで、「表現の自由を守れ」と主張しつつTwitter社を批判する人々への疑義を提示。もとより、さりとてTwitter側の肩を持っているわけでも当然ない。
《その凍結された人は、別のサービスでの表現は認められているのだから移ればいいし、もし、そうしたサービスの大半でアカウントを凍結されたといしても、最悪自分のサーバーを立てて表現をすればいい。最近はテクノドンじゃなくてフォレスドンじゃなくて、マストドンなんていう個人や企業がサーバーを立てて連結することで実現されているSNSもあるのだから、それらを利用すればいい。(略)とはいえ、ツイッター社の姿勢に問題が無いとは全く思わない。》
《もし、このことを批判するとすれば、それは「公平性が明らかではない」という点を批判するべきではないだろうか?(略)サービスを凍結する理由が明らかでない以上「誰かの顔色を伺って、このアカウントを停止したのではないか」と疑うことは決して批判できないし、理由が明らかではないから、それが100%間違いであるとも言えない。結局、誰にもなぜかがわからないから、陰謀論が飛び交う結果となるのである。
ツイッター社に、アカウントを凍結するなとは言わないが、せめて凍結するならその根拠を明らかにするべきではないかと言いたい。
そして、菅野氏の件に限らず、ツイッター社によるアカウントの凍結を批判する際には、表現の自由という安直かつ、的はずれな表現を使わず、ツイッター社に対しては、凍結理由の開示により、公平な判断がされていることをハッキリと透明化することを求めるべきではないかと僕は考える。 》
http://blogos.com/outline/247864/

◎先の水原希子の炎上騒動の発端となったとされる「日本人じゃないから許して」との発言が実は存在しなかったと、元『2ちゃんねる』管理人の西村博之が19日付のブログ記事「言ってないことを言ったことにする頭の残念な人達」で映像を下に検証・批判している。
http://hiro.asks.jp/98042.html
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/21/hate-tweet-on-kiko-mizuhara_a_23217972/?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

◎創設20周年を迎えた青空文庫が10月に記念シンポジウム(14日・参加費無料)とオフ会(15日・新旧ボランティアや利用者が対象の模様)を企画。現在申し込み受付中だ。
http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1082071.html

ADKアサツー ディ・ケイ)の元社長・多氣田力が9月7日に死去。享年80。通夜・告別式は既に近親者にて行われ、後日「お別れの会」が執り行われるという(日時・場所は未定)。1996年に創業者・稲垣正夫の後任として当時の旭通信社の社長に就任。99年の第一企画との合併(ADK発足)の際の社長でもあった。同社が主要広告主だった三菱自動車を失った後の2001年に退任した。
https://www.adk.jp/12732.html

リクルートホールディングス代表取締役兼CEOの峰岸真澄に『Forbs JAPAN』がインタビュー。かつて「IT化にに乗り遅れた」と評されたリクルートが、「リクナビ」などのネットビジネス主体へと一気に転換しえた背景にある「模倣困難性が高い、真似できない文化」について語っている。
https://forbesjapan.com/articles/detail/17816/1/1/1

大映設立75周年を記念し、京マチ子若尾文子関根恵子など往年の名女優たちが主演した作品をラインナップした「大映女優祭」が12月9日より角川シネマ新宿などで開催される。来年春には「大映男優祭」も開催予定とのこと。
http://cinemakadokawa.jp/daiei75-joyu/
http://www3.cinematopics.com/archives/82211

◎古本でできる犯罪被害者支援“ホンデリング”というのがあるのだそうだ。事故や犯罪の被害者を支援する全国被害者支援ネットワークが、買い取り業者のバリューブックスと共同で2011年から始めた事業で、集まった本やDVDの金額が支援センターへ寄付され、犯罪にあったため引っ越しを余義なくされた人の転居費用や法律相談などに当てられるという。
http://www.nwn.jp/news/170923_hondering/

◎米国では「近々アマゾンがビットコインでの買い物をOKする」という噂が広がっているそうだ。信憑性は薄いとのことだが、噂の背景には20年前にアマゾンが取得したワンクリックのパテントが今月で切れ、マスターカードやアルファベット(グーグルの親会社)が独自のワンクリックサービスを準備中だと言われることもあるらしい。
http://markethack.net/archives/52055892.html
http://markethack.net/archives/52055961.html