【文徒】2017年(平成29)10月18日(第5巻196号・通巻1125号)
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1)【記事】図書館問題で文藝春秋の松井社長にケンカを売ったキンコン西野
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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- 2017.10.18 Shuppanjin
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1)【記事】図書館問題で文藝春秋の松井社長にケンカを売ったキンコン西野
キングコングの西野亮廣が自らのブログで図書館での文庫本の貸し出し中止を求める意見を全国図書館大会で披歴した文藝春秋の松井清人社長にケンカを売った。
「もちろん、文藝春秋さんも、新潮社さんも、戦略や哲学があってのことですから、お好きにされればいいと思います。
ただ、僕は、文藝春秋さんや新潮社さんとは考えが違って、図書館や『本の貸し出し』は、書籍の売り上げに圧倒的に貢献してくれていると考えています。
図書館で借りた本の感想をTwitterで呟く人もいれば、ブログで書評を書いて、最後にAmazonの購入ページを添付してくださる方もいます。
図書館の貸し出しは、書籍の売り上げに直結します。
しかし、このままだと『理想論だ!』『綺麗ごとだ!』と言われそうです。
というわけで、図書館の『貸し出し』が書籍の売り上げに貢献してくれていることを証明する為に、『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~』を全国5500館の図書館に自腹で寄贈することに決めました」
https://lineblog.me/nishino/archives/9303220.html
このブログの内容が拡散することは「革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~」の宣伝になっている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/16/news054.html
https://mainichi.jp/articles/20171015/orc/00m/200/015000c
もし、文春砲が近々、西野絡みのスキャンダルをスクープしたとすれば、果たして「革命のファンファーレ ~現代のお金と広告~」の売行きはどうなるのだろうか。女性スキャンダルは宣伝になってしまうかもしれない。この著書の内容を裏切るようなネタであれば、本は売れなくなるし、図書館の貸し出しも止まるはずだ。
西野は、こんなクラウドファンディングも始めている。
「一人一人がレター(文字)を入れるポット、『レターポット』を持ちます。
プレゼントを贈りたい人は、運営から1文字10円(※ここは、まだ確定ではありません)で、文字を買います。
たとえば、僕があなたの誕生日に『お誕生日おめでとう…』という500文字の手紙を書きます。
500文字なので、『×10円』で、5000円の請求が僕に来て、
支払いが済み次第、あなたのレターポットに500文字(の手紙)が振り込まれます。
あなたは運営に申請を出して、500文字を5000円にしてもいいし、レターポットに貯まっている文字(レター)を使って、被災地に『頑張ってください』という手紙を贈ってもいい。
その手紙の文字が、そのまま被災地支援になるわけです」
https://camp-fire.jp/projects/view/48069
西野は作家というよりも、起業家なのだろう。
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2)【本日の一行情報】
◎池井戸潤原作のTBS系の連続ドラマ「陸王」初回2時間スペシャルの平均視聴率は14.7%。原作は集英社から刊行されている。
https://mantan-web.jp/article/20171016dog00m200000000c.html
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-771619-1&mode=1
https://twitter.com/MARUZENNAGOYA/status/918720944754933760
小説がテレビドラマされるとき、その作品のコミカライズ商品を投下するという方法はあるはずだ。役所広司の連続ドラマ主演は2002年のフジテレビ「盤嶽の一生」以来15年ぶりになるそうだ。
◎平凡社の清田康晃が最初にハッシュタグを付けてツイッターに投稿したことから始まった「#総選挙に役立つ本」が盛り上がっている。毎日新聞も取り上げている。
「ツイッターの動きを知った街の書店には特設コーナーも登場した。福岡市中央区のリブロ福岡天神店は、公示日の10日から『今こそ読みたい! #総選挙に役立つ本』と銘打ったフェアで、ツイートに上がった中から約70冊を並べている。土屋佳裕店長(44)は『投票を前に、参考になる本を見つけてほしい』と言う」
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171016/k00/00e/010/220000c
同志社生協良心館ブック&ショップはマルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」をオススメしていた。「民主主義が独裁に転化する過程を分析」と推薦しているが、その通りである。ジャーナリズムにかかわる者にとっては必読書のひとつである。
https://twitter.com/doshisha_coop_i/status/918784573999161344
◎産経・阿比留瑠比の「戦後メディア史の汚点 『不都合な真実』に蓋 偏向報道『知る権利」阻害』における次のような認識は実は私と全くと言って良いほど同じである。「新聞やテレビなどマスメディアは、本当に事実を伝えているのか。自社の論調や好悪に合わせて極めて恣意的に編集し、大切なことでも『不都合な真実』は無視してはいないか。
メディアは『フェイク(偽物)ニュース』を多発しているのではないか−」
http://www.sankei.com/politics/news/171016/plt1710160003-n1.html
ただ、認識は同じでも、その先がまるで違うんだよね。
毎日新聞の社説「きょうから新聞週間 フェイクは民主制を壊す」を掲げているが、これによれば「フェイクニュースがもたらす害悪」のひとつが「権力者が自分に都合の悪い報道を『フェイク』と決めつけることで、メディアの監視から逃れようとすることだ」となる。
https://mainichi.jp/articles/20171015/ddm/005/070/004000c
産経からすれば毎日はフェイクニュースを多発しているということになるし、毎日からすれば産経は自分に都合の悪い報道を『フェイク』と決めつけることで、メディアの監視から逃れようとする権力者に迎合しているということになるのだろう。まあ、どっちもどっちなんじゃないの。
◎「ハスラー」(Hustler)」を創刊したラリー・フリントが、トランプ大統領の失脚につながるスキャンダル情報の提供者に賞金1000万ドル(約11億円)を贈呈するという内容の全面広告をワシントン・ポストに出稿した。
http://www.afpbb.com/articles/-/3146860?cx_part=latest&cx_position=2
◎日販は、日本で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所と、松岡正剛の編集工学研究所が、本を通じて科学の面白さ・素晴らしさに気づいてもらうことを目的に、子どもに向けて厳選した100冊の本を提案する「科学道100冊ジュニア」の協力企業として、10月6日(金)から2018年3月末まで、全国約500カ所の書店や図書館にて「科学道100冊ジュニア」フェアを開催する。
http://www.nippan.co.jp/news/fair_kagakudo100_junior/
https://kagakudo100.jp/jr
◎フジテレビが「お詫び」を発表した。
「平成29年9月28日(木)に放送した『とんねるずのみなさんのおかげでした30周年記念SP』において、出演者が『保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)』というキャラクターに扮して出演致しました。しかしながら番組の放送に伴い、このキャラクターに関して沢山の抗議を頂戴しました。
番組は、LGBT等性的少数者の方々を揶揄する意図を持って制作はしておりませんでしたが、『ホモ』という言葉は男性同性愛者に対する蔑称であるとのご指摘を頂きました。そのような単語を安易に使用し、男性同性愛者を嘲笑すると誤解されかねない表現をしたことで、性的少数者の方々をはじめ沢山の視聴者の皆様がご不快になったことに関して、深くお詫び致します。またこのキャラクターが長年に渡り与えていた印象、子供たちへの影響、およびLGBT等をとりまく制度改正や社会状況について私共の認識が極めて不十分であったことを深く反省しております。
今回頂戴した様々なお叱りやご意見を真摯に受け止め、多様性(ダイバーシティ)のある社会の実現のために正しい知識を身に着け、より良い番組作りを進めて参りたいと考えております」
http://www.fujitv.co.jp/minasan/
◎伊藤詩織の「Black Box」が発売前に増刷が決まったようだ。有田芳生が次のようにツイートしている。
「山口敬之元TBS記者の所業のおぞましさ。公開された詳細なメールは『権力』そのものの居直りです。さらに警察、病院、ホットラインの無神経さにも唖然とさせられます。発売前に増刷が決まったそうです。多くの読者を得て、現実を変える世論にしましょう」
https://twitter.com/aritayoshifu/status/920156571128098817
◎集英社の2017新刊発表会。私も出席していた。これだけ豪華な顔ぶれを集められるのは、さすが集英社だと思った。「チンギス紀」の北方謙三、「対岸のヴェネツィア」の内田洋子、「黙殺」の畠山理仁、「ブラックティガー」の秋本治、「挑発的ニッポン革命論」のモーリー・ロバートソン、「男と女の理不尽な愉しみ」の林真理子と壇蜜といった具合である。しかし、話題になっているのは秋本治と「ワンピース」なんだよね。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201710160000587.html
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1461823/
https://this.kiji.is/292605066763256929?c=44341039600582657
https://twitter.com/hatakezo/status/919961101994881025
https://twitter.com/hatakezo/status/919903839800532994
◎ビートたけしの純愛小説「アナログ」(新潮社)が、発売から約3週間で10万部を突破したそうだ。
http://news.mynavi.jp/news/2017/10/16/225/
東スポによれば「三冠」を達成したことになる。
「『アナログ』は、発売直後から紀伊国屋書店(新宿本店)やAmazonの小説部門で1位を獲得。さらに、今月14日に発売された新書『バカ論』も翌15日には紀伊国屋書店全店の新書部門で1位に輝いた。
さらに、現在公開中の映画『アウトレイジ 最終章』も先週の公開週には興行成績1位という好スタートを切っている」
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/798421/
◎OLIVE des OLIVEと村田倫子と「mina」(主婦の友社)のコラボ第二弾が10月20日(金)に発売される。
http://asbs.jp/news_detail/6293/
◎小学館のマンガアプリ「マンガワン」で連載中のONEによるサイキック青春グラフティ「モブサイコ100」が、「木ドラ25」で実写ドラマ化され来年1月より放映される。木ドラ25はテレビ東京がNetflixとタッグを組んで発信する木曜深夜ドラマ枠だ。
https://www.cinematoday.jp/news/N0095351
◎「『入社するのが難しい有名企業』トップ200社」の第1位に選ばれたのが集英社。3位「講談社」、6位「日本経済新聞社」、9位「電通」、13位「テレビ東京」、16位「朝日新聞」、19位「テレビ朝日」「TBSテレビ」。小学館は38位であった。読売新聞は46位。
http://toyokeizai.net/articles/-/191813
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3)【深夜の誌人語録】
準備万端は驕りを生む。