【文徒】2018年(平成30)10月23日(第6巻198号・通巻1372号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「1968年」から50年が経った…
2)【本日の一行情報】
3)【人事】双葉社 10月17日付
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.10.23 Shuppanjin

1)【記事】「1968年」から50年が経った…

今年は明治維新150年であるが、1968年から数えて50年が経つことになる。「1968年革命」という言い方もあるように世界的に変革のうねりが巻き起こったのが1968年であった。それだけに今年は1968年を意識した出版物が数多く刊行されている
それこそ年初に岩波新書から、東大全共闘議長として1968年を駆け抜けた山本義隆の「近代日本一五〇年」が刊行されたのを皮切りにして、1968年に対する様々なアプローチが繰り広げられた。
https://www.iwanami.co.jp/book/b341727.html
筑摩書房四方田犬彦を編者にして「1968 化」「1968 学」「1968 漫画」という全3巻を刊行した。
http://www.chikumashobo.co.jp/special/1968/
彩流社は三橋俊明の「全共闘、1968年の愉快な叛乱」や三橋編で「日大闘争と全共闘運動」を刊行している。石黒健治の写真集「青春 1968」も彩流社である。
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2478-5.html
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2477-8.html
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2453-2.html
日大全共闘で言えば、白順社も眞武善行の「日大全共闘1968叛乱のクロニクル」を刊行している。
http://hakujunsha.com/books.html
写真集で言えばKADOKAWAが角川ソフィア庫に渡辺眸の「フォトドキュメント東大全共闘1968‐1969」を収めている
https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000251/
KADOKAWAで言うと、岩本晃市郎の「ROCK DECADE TIME MACHINE 1967-1976 ロック黄金時代のアルバム・ガイド」も1968ものと言えよう。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321710000158/
鈴木道彦といえば集英社プルーストの「失われた時を求めて」(全13巻)を個人で完訳したことで知られるフランス学者だが、「私の1968年」は前年の羽田闘争を起点にして、金嬉老事件パリの現地で経験した五月革命など1968年に起こった事件をめぐり、まさに情況の只中で紡ぎ出された章を一冊にまとめている
http://jungetsusha.com/publications.html
岩波書店から刊行された楊海英の「『知識青年』の1968年――中国の辺境と化大革命」や中川右介朝日新書「1968年」は、編集者の立場からすれば変化球勝負を挑んだのかもしれない。回収となってしまったが外山恒一の「全共闘以後」(イーストプレス)も、1968年を抜きにしては存在しない一冊であると思う。
https://www.iwanami.co.jp/book/b371339.html
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20348
http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=3047
講談社からは山本直樹連合赤軍事件の全貌を描く「レッド最終章 あさま山荘の10日間」が刊行され、この大河マンガは遂に完結することになった。この漫画が描いているのは1969年から1972年になるのだが、「レッド」は当時、社会の変革を夢見た若者たちが生き急いで、時代の熱気が冷めやらぬうちに1968年を「総括」した結果、現出した切なくも無惨な異形の風景を正面から描き出している。
http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000312527
一般的には「機動戦士ガンダム」の作家として知られている安彦良和が言志舎からの「革命とサブカル 『あの時代』と『いま』をつなぐ議論の旅」が刊行するという。安彦は、ここで元弘大全共闘連合赤軍の青砥幹夫、元弘大全共闘連合赤軍植垣康博らと「あの時代」と「今」をつなぐ対話を試みているようだ。まだ、書店には並んでいないが、私としては刊行を楽しみにしている一冊である。
https://s-pn.jp/archives/2809
安彦は講談社の「アフタヌーン」で「乾と巽―ザバイカル戦記―」の連載を開始している。
「命を削って、漫画を描いている。だから、毒にも薬にもならないものでいい、というのではさみしいなと思って、漫画に向かっています」
https://comic-days.com/blog/entry/interview/yasuhiko3
ところで、現在、千葉市美術館で企画展「1968年 激動の時代の芸術」が開催されている。磯崎新赤瀬川原平、高松次郎、0次元、横尾忠則宇野亜喜良寺山修司唐十郎、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー、土方巽林静一森山大道、関根伸夫という名前が飛び交う企画展は編集者にとっては必見のものであろう
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0919/0919.html
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0919/0919list.pdf

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2)【本日の一行情報】

◎「乃木坂46写真集 乃木撮 VOL.01」(講談社)の累計発行部数が31万部を突破。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201810180000563.html

大阪府知事日本維新の会代表、大阪市長を経て、現在は弁護士、タレントとして活躍する橋下徹と、「報道ステーション」などニュース番組でのコメンテーターとしてお馴染みの憲法学者 木村草太による対談本 「憲法問答」(徳間書店)は買おう。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000016935.html

◎今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(京都大高等研究院特別教授)の著書「遺伝子が語る生命像」は初版が1986年。のちに「ゲノムが語る生命像」と改題し、今回の研究についても盛り込まれた改訂新版を出したが、初版から数えること三十余年が経ち、講談社ブルーバックス編集部の担当者も現在、四代目を数えるそうだ。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194761

◎「東京ウォーカー」(KADOKAWA)が10月20日発売の11月号から大幅リニューアルされ、「東京は、一人でも楽しい。」をコンセプトに、シングル(独身)向け雑誌となった。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/18/news112.html

ソフトバンクグループのビューンは、「LINE@」や「LINE公式アカウント」を活用する店舗・企業向けに、読み放題サービス「ビューン@」の提供を11月1日より開始すると発表した。
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1148571.html

美智子皇后が自身の少女時代の読書経験を振り返った講演録「橋をかける」が、ベトナム語に翻訳され、同国で出版された。
https://jp.reuters.com/article/idJP2018101801002036

◎「#SHIFT」が「広告・マスコミ業界の平均年収ランキング 2位は博報堂 1位は……」を掲載。これによれば1位は電通で824万円、2位博報堂(794万円)、3位はベネッセコーポレーション(715万円)、4位はアマゾンジャパン(692万円)、5位はリクルートホールディングス(620万円)、6位はサイバーエージェント(595万円)、7位は大日本印刷(518万円)、8位はJ:COM(499万円)、9位は凸版印刷(484万円)、10位はドワンゴ(421万円)。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/19/news102.html
テレビ、出版、新聞が入れば、当然、これとは違ったランキングになる。

◎トゥ・ディファクトが運営する電子コミック配信サイト「まんがこっち スマートフォン版」(http://chch.jp/)において、ハイブリッド型総合書店「honto」(https://honto.jp/)」とのID連携を10月18日(木)から開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000353.000011577.html

電通電通デジタルは、エモーションテック社と連携し、企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを指標化したNPS(Net Promoter Score)データと、顧客の感情・行動データを融合させることで、顧客体験指標を基点にした独自のCRM戦略支援サービスを開発し、同サービスの提供を開始した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018104-1018.pdf

日本マクドナルドは、好評 のハッピーセットの新プログラム「ほんのハッピーセット」の第3弾として、絵本作家「かとーゆーこ」のオリジナル描き下ろし絵本「ふしぎのもり」と、「小学館の図鑑NEO」をもとに編集したミニ図鑑「魚/うみのさかな」を10月19日(金)から期間限定で登場させた。
http://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2018/1012b/

小学館西城秀樹の妻・木本美紀による「蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年」を発売する。
https://www.news-postseven.com/archives/20181019_784882.html

村田沙耶香芥川賞受賞作「コンビニ人間」(藝春秋)の重版が決定し、累計発行部数が102万5000部となった!英語(アメリカ、イギリス)、フランス語、ドイツ語、中国語(簡体字繁体字)など9ヶ国・地域で翻訳出版されている。
https://www.rbbtoday.com/article/2018/10/19/164522.html

◎「小説家になろう」から生まれ、現在、双葉社のモンスターより刊行中の神埼黒音による小説「魔王様、リトライ!」のTVアニメ化が決まった。
https://animeanime.jp/article/2018/10/19/40900.html

◎ミシェル・オバマの回想録は集英社から刊行される。
https://globe.asahi.com/article/11889206

竹書房は9月7日にリリースした渡井亘の「恋愛感情のまるでない幼馴染漫画」第1巻電子書籍版において、マンガ画像が見づらくなる症状が発生している。この問題は、電子書籍では閲覧環境(パソコン、スマートホン、タブレット)の表示サイズにより、画像が自動的に縮小・拡大されるが、本作品の画像が主に縮小されて表示される際に、つぶれ、荒れ、が発生しやすい処理が含まれていたことに起因するという。
竹書房は問題解消のため電子データ制作会社と協議し、より自然に表現される処理を施した上で電子書籍版を再制作して、各販売サイトにて新規データの配信を開始するそうだ。
https://www.value-press.com/pressrelease/209957

◎宝島社の女性ファッション誌「リンネル」12月号の付録は「ムーミン柄」のポーチ5点セットだ。これは売れるだろう。
https://youpouch.com/2018/10/20/535677/

◎「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の「ランウェイで笑って」(猪ノ谷言葉)と、インスタグラマーのファッションドリーマーDがコラボしたファッションショーが、10月20日に東京・SHIBUYA109で開催された。
https://www.oricon.co.jp/news/2121825/full/

◎「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の春場ねぎの「五等分の花嫁」がテレビアニメ化され、2019年1月より放映される。
https://www.hochi.co.jp/entertainment/20181019-OHT1T50119.html

◎Nagisaは、マンガアプリ「マンガZERO」の青年誌レーベル「ジヘン」で連載中の「GATO -ゼロイチの戦場-」(須本壮一)において、朝日新聞出版と協業し、10月19日より単行本第1巻の販売を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000031822.html

講談社と豊国印刷が、本造りの裏側を描いた安藤祐介の小説「本のエンドロール」の世界を体感できる工場見学を11月1日に開催する。初めて知ったが11月1日は「本の日」なんだそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001907.000001719.html
昨年、書店新風会が11月1日を「本の日」に制定すると勝手に発表したのであった。
https://dokushojin.com/article.html?i=2280

◎産経ニュースは10月20日付で「『ミスター新潮』松田宏さんお別れの会に270人 毒舌で人たらし 櫻井よしこさん『愛に満ちた、だましのテクニック』」を掲載している。櫻井は「新潮45」の休刊にもふれ、「新潮社には元気でいてほしい。今の世の中は、建前の価値観に振り回されるヘナヘナが多すぎる。松田さんなら『アホちゃうか』とおっしゃると思う。骨太のジャーナリズムと本当に光る学を」と語ったそうだ。
https://www.sankei.com/life/news/181020/lif1810200026-n1.html

◎「花とゆめ」(白泉社)で連載中の大河ロマン「暁のヨナ」のコミックス28巻とファンブックが11月20日に「花とゆめ」24号とともに発売される。「花とゆめ」24号の付録は舞台「暁のヨナ~緋色の宿命編~」(11月15日~25日公演)のビジュアルブックである。
https://www.oricon.co.jp/news/2121788/full/

◎「ぴあアイドルフェスタ~Halloween PARTY~」が、10月27日(土)に大阪・十三のLIVEハウスGABUにて2部制で開催される。
http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201810180003

◎「LINE」上でゲームが楽しめるゲームサービス「LINE QUICK GAME」のユーザー数が、300万人を突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001280.000001594.html

◎ 通信講座を手がける学社は、ボールペン習字講座の広告漫画「日ペンの美子ちゃん」を単行本化し、12月12日に一迅社から発売する。毎日新聞が次のように書いている。
「デジタル化に伴い受講者が減り、先代の5代目はホームページのワンカットのイラストに使われる程度だったが、6代目への交代や登場作品がネットで注目されるとともに受講者が増加。復活ぶりが話題になっていた。このため、複数の出版社やツイッターのフォロワーから単行本化を求める声があったという。単行本には、これまでに公式ツイッターで発表されてきた90以上の作品に加え、描き下ろし作品を収録する予定」
https://mainichi.jp/articles/20181018/k00/00e/040/292000c

◎日本外国特派員協会が「有楽町電気ビル」から「丸の内二重橋ル」に移転する。42年ぶりのことだそうだ。マガジンハウスの木滑良久と、ここで良く飲んだなあ。鮨屋も良かったよね。
https://www.asahi.com/articles/ASLB8432GLB8UTFK119.html

◎著作の「積木くずし 親と子の二百日戦争」は300万のミリオンセラーとなった。著者穂積隆信が亡くなった。「積木くずし 親と子の二百日戦争」の版元がどこか分かりますか?桐原書店なんですよね。
https://www.asahi.com/articles/ASLBN2WF2LBNUCVL001.html

KADOKAWAのマンガ「生理ちゃん」(小山健)はウェブメディア「オモコロ」で連載され評判となり、現在累計900万PVを超えている。ウェブから単行本へというパターンが増えているのは間違いない。
https://jisin.jp/life/health/1673401/

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3)【人事】双葉社 10月17日付

戸塚源久
代表取締役社長

岩崎初美(昇任)
専務取締役(総務局長・財務経理担当)

川庄篤史(昇任)
常務取締役(営業局長・営業、宣伝、販売管理担当)

梓沢雅治(昇任)
常務取締役(総務局長・総務労務担当兼営業局長・製作担当)

庄盛克也
取締役(メディア事業局長・経営戦略担当)

島野浩二
取締役(編集局長・第一、第二、第三編集部担当)

箕浦克史(新任)
取締役(ライツ事業局長兼編集局長・第四編集部担当)

※常務取締役 大澤紀寛は総務顧問に就任
※取締役 稲垣潔は退任


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4)【深夜の誌人語録】

待つ時間とは考える時間である。