【文徒】2018年(平成30)6月26日(第6巻117号・通巻1291号)

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1)【記事】川上量生海賊版サイト問題関連で「横断型のプラットフォームを作るべき」と主張
2)【本日の一行情報】
3)【人事】扶桑社 6月20日付役員人事
4)【人事】NHK出版 6月20日付役員人事および同22日付人事異動
5)【人事】MERY 7月1日付社長人事

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1)【記事】川上量生海賊版サイト問題関連で「横断型のプラットフォームを作るべき」と主張(岩本太郎)

海賊版サイト問題では「まずブロッキングありき」論を唱えてきた川上量生が、反対論者も含めた有識者らと共に公開の場での議論に臨むということで注目されていたニコニコ生放送の「激論 どうなる、海賊版サイト対策のこれから」が22日夜に配信された。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv313681156
川上は番組終了後には集まった報道陣からの囲み取材に応じた。
漫画村が見られなくなってから電子書籍の売り上げに変化は生じたのか」との『ねとらぼ』からの取材に対しては「それはもう増えましたね」と即答したが、具体的な数字については現状では「ほぼ伝聞に近い形です。申し訳ない」と、まだ出せる段階にないと回答。
先の政府方針に対して逸早く歓迎する声明を公表した「出版広報センター」のメンバーでもある弁護士の村瀬拓男(新潮社出身)も「増えたのは増えたんですよ」「漫画村閉鎖がどれくらい寄与したかの判断はもう少し時間を見て分析してみないと何とも言えない」「(例年5月連休に行われる電子書籍キャンペーンが一段落した後の)6月いっぱいまで見てみないと、というのが今のところの業界内での認識です」と補足したという。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/23/news029.html
番組で川上は「(権利者側は)相当努力している、しかも理不尽な努力をさせられている」と発言。村瀬も「警察に相談はしているが、警察は一度動き出すと、そこを摘発のターゲットにしていることを知られたくない。(権利者側は)数カ月の間、他のことは何もやらないでくれ、と言われてしまう」など、苦境に追い込まれた出版社側による止むに止まれずの対応が今回のケースであるとの側面を強調。
一方で出版業界横断型での読み放題サービスの可能性について、番組の中で次のような見解が川上などから披露されていた。
《川上氏は「強い出版社は、自分が(漫画配信の)プラットフォーマーになりたいもの。そこの調整が難しい。結局は市場競争で一つ(のサービス)になっていくのが通常だ」としつつも、「これを強制的に一つにするのは社会主義的な話で、ちょっと違うんじゃないか」とも語った。(略)川上氏も「経済合理性からいっても、横断型のプラットフォームをつくるべき」と強調した》
https://www.businessinsider.jp/post-169996
番組中で行われていたニコ生視聴者向けのアンケートでは、ブロッキングの実施を「支持する」と答えたユーザーが53%に上ったという。川上の意見に好意的なユーザーも多かったらしく、「漫画村が消えて電子書籍の売り上げが増えた」との発言に対してはさっそく「朗報」とするまとめサイトも立つなど、ネット民の反応はもっぱらそこに集中したようだ。
http://ideal2ch.livedoor.biz/archives/76656761.html
他方、こうした議論が進む傍らで違法サイトをめぐってはなおも新手の問題が次々に持ち上がってきているようだ。上記の『ねとらぼ』は「違法同人誌サイト」の問題について、かつてそこに参加していたという人物からの情報提供をもとにレポートしている。ネット通販の「駿河屋」で大量購入した同人誌を裁断→スキャンのうえデータ化したコンテンツをアップロードするもので、従来から同人誌は「それ自体が著作権を侵害している」とグレーゾーン的な存在だったため「これなら訴えられない」と目を付けた格好だ。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/30/news002.html
今後「業界横断」の取り組みが進むことになったとしても、抜け穴を突いて出てくる存在を根絶するところまで持っていくのは容易ではなかろう。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎ただし海賊版サイト問題にも関連しつつ電子書籍の分野では、既にこのジャンルで活躍しているクリエイターたちから大手も含めた出版社側に対して「こうしてはどうか」といった提案が突き上げるかの如くどしどし上がっているようだ。『月刊!スピリッツ』で「映像研には手を出すな!」を連載中の大童澄瞳による以下のような連弾ツイートも話題になっている模様。
《「電子版と紙版の販売日ずらしたところで、書店にも出版社にも作者にもなんの意味もない。むしろ悪い影響しかない。」と、ワシは小学館の中でいつも言っています。》
《ワシの主張は「そもそも電子書籍を買う人間はもはや紙媒体の読者層とは別れている。電子版を遅れて出したところで、痺れを切らし 先行する紙媒体を買う電書派の総数は 紙媒体全体の売り上げからすると無視できるレベルの数であって、電書読者に発売日の油断やミスを誘う事で起きるマイナス効果が大きい》
https://twitter.com/dennou319/status/1007947714288541696
https://twitter.com/dennou319/status/1007949844185427968
http://getnews.jp/archives/2055787
http://www.cyzo.com/2018/06/post_167004_entry.html

日本電子出版協会(JEPA)は同協会の著作権委員会が実施した「著作権に関するアンケート」の調査結果を21日に発表。「書籍・雑誌を電子化しない/できない理由」で一番多かった回答の1位は「権利処理の手間」(58件)。また「売上やコストの問題」を挙げた回答もほぼ同数の56件あったそうだ。
http://www.jepa.or.jp/pressrelease/20180621/
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/21/news117.html

岡田斗司夫はニコ生の番組『岡田斗司夫ゼミ』の17日放送回で視聴者からの「なぜ、電子書籍は紙の書籍と同じ値段なのか?」との問いに対して以下のように答えたそうだ。かなり乱暴だが、こうした声がネットユーザーから上がってトーク番組のネタになるご時世ではある。
《間違いなく、3分の1くらいの値段には出来るんです。でも、そうすると、紙の本の値段が今の3倍になっちゃうんですよ。こういうジレンマがあるんですね。でも、(略)電子書籍が3分の1の値段になると、紙の本は3倍になる。ここで、ほぼ10倍の差がついちゃうんですね。
するとどうなるのかというと、ほぼ確実に、日本中の書店が潰れる。つまり、「なぜ電子書籍は安くならないのか?」という話を始めると、「日本中の本屋さんが潰れるけど、それで大丈夫ですか?」という話に行き着くんです。》
《だいたいの人は、こういう話をすると「いや、だったらもう、それでいいよ」って言うんです。(略)他にも、「俺の近所では、本屋なんてとっくに潰れてるから、何も考えることがない」とか、「俺は紙の本もAmazonで買ってるから、どっちにしろ近所の書店は潰れるよ」とか、いろんな意見があると思うんですけども》
http://originalnews.nico/107949

有斐閣が自社で発行する『判例百選』などの著作物から違法にコピーされネット上に掲載されるなどの著作権法違反の事例を16日に自社の公式サイトで公表。中には《大学教授が自身が作成したレジュメと1冊丸ごとコピーした「判例百選」を綴じ込み、「製本代がかかったから」と生協で有償販売した事例もあった》とか。
http://www.yuhikaku.co.jp/static/copyright_infringement.html
https://www.bengo4.com/internet/n_8070/

幻冬舎ブロックチェーン・仮想通貨などをテーマとした専門サイト「あたらしい経済」を22日に立ち上げた。今後はメディア内で通用する独自コイン(トークン)も発行し、原稿料の支払いや読者への特典にも用いたりする考えだという。
https://www.neweconomy.jp/
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q4SFTL6QULFA01G.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000391.000007254.html

少年画報社が月刊コミック誌ヤングキングBULL』を8月4日に創刊。同誌および『ヤングキング』本誌の公式Twitterアカウントで創刊に向けての情報を逐一発信中だ。
https://twitter.com/YKBULL/status/1010035660294479872
https://twitter.com/YK_henshubu
https://natalie.mu/comic/news/288046

小学館集英社プロダクション法務省山口県美祢市・ヤフーとの連携により、官民協働で運営されている刑事施設「美祢社会復帰促進センター」で実施される「再犯防止・地方創生」のための事業に取り組むことになった。
具体的には「ネットストアの開設・運営」のために必要な専門知識(eコマースなど)やスキルを、実践的なプログラムを通じて学べるようにするなどの項目が盛り込まれているという。
http://www.shopro.co.jp/images/news/news17.pdf
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2018/06/22a/
https://www.zaikei.co.jp/article/20180623/449540.html

◎今月10日に休館した都内・高田馬場の雑誌専門図書館「六月社」の代表・橋本凌一に『週プレNews』が取材。何と閉館直前になって《某有名企業が雑誌を資料として引き取りたいと名乗り出てくれました》とのことだ。
http://wpb.shueisha.co.jp/2018/06/22/106508/

NHKテキスト『きょうの料理』(NHK出版発行)が5月で創刊60周年。NHKでの番組放送開始(1957年)の翌年の創刊だった。テキスト編集長の草場道子に『女性セブン』が7月5日号でインタビューしている。
https://www.nhk-book.co.jp/list/textcategory-06461.html
https://www.news-postseven.com/archives/20180623_704164.html

麻生太郎副総理兼財務相が24日に新潟県新発田市で行った講演中、昨年秋の衆院選で30代前半までの若い有権者層で自民党の得票率が高かったことに関連して「10代、20代、30代前半、一番新聞を読まない世代だ。新聞読まない人たちは全部、自民党(支持)だ。新聞取るのに協力しない方がいいよ」と発言。読売新聞は《安倍内閣に批判的な新聞への不満を示したものだ》、産経新聞は《安倍晋三政権への批判が目立つ新聞報道への不満を漏らした発言とみられる》などとこれを報道。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180624-OYT1T50071.html
https://www.sankei.com/politics/news/180624/plt1806240012-n1.html

共同通信大阪支社の社会部記者が、加計問題に関連して5月末に同学園幹部と愛媛県幹部が面会した非公開の会議室内にICレコーダーを置く「不適切な取材」をしたとされる一件で、『週刊ポスト』が6月29日号で当の30代社会部記者・A氏に直撃インタビュー。20代の女性記者に「隠し録りを指示した」として懲戒処分を受けたA記者だが、取材に対しては「指示をしておらず、会社にもそれは認められた」などと証言している。
https://www.news-postseven.com/archives/20180618_700444.html

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3)【人事】扶桑社 6月20日付役員人事

秋尾 弘史
新:常務取締役(経営管理局・第一編集局・第二編集局・第三編集局・第四編集局・第五編集局・広告局業務担当)
旧:取締役 広告局(業務担当)・経営管理局・第二編集局・第四編集局担当

杉山 茂樹
新:取締役(経営管理局・販売局担当)
旧:執行役員 経営管理局担当

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4)【人事】NHK出版 6月20日付役員人事および同22日付人事異動

〈6月20日付〉
小林 毅
新:専務取締役 マーケティング局長
旧:常務取締役 マーケティング局長

橋本 隆
新:専務取締役 編集局長
旧:常務取締役 編集局 副局長

田中 伸一
新:取締役 マーケティング局 副局長
旧:上席執行役員 マーケティング局 副局長

土井 成紀
新:取締役 経営企画室長
旧:上席執行役員

大加 章雅
新:取締役 編集局 副局長
旧:執行役員 編集局 放送・学芸図書部長

佐藤 一幸
新:上席執行役員
旧:執行役員 経営企画室 経営計画部長

萩 光男
新:上席執行役員
旧:執行役員 マーケティング局 広告・クロスメディア部 部長

舘谷 徹
新:上席執行役員
旧:執行役員 デジタルセンター長

猪狩 暢子
新:執行役員
旧:編集局放送・学芸図書編集部 EP

小林 玉樹
新:執行役員
旧:マーケティングマーケティング管理部 部長

藤川 英彦
新:執行役員
旧:日本放送協会 経理局長

〈6月22日付〉
田中 洋
新:マーケティング局 広告・クロスメディア部 部長
旧:マーケティング局 セールス・プロモーション部 シニアマネージャー

塚本 孝治
新:マーケティング局 セールス・プロモーション部 専任部長
旧:マーケティング局 広告・クロスメディア部 担当部長

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5)【人事】MERY 7月1日付社長人事

山岸 博
新:取締役会長
旧:代表取締役社長

大西 豊
新:代表取締役社長
旧:取締役副社長