【文徒】2018年(平成30)10月31日(第6巻204号・通巻1378号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.10.31 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

未来屋書店 広島段原店が10月31日をもって閉店。
「はじめまして。未来屋書店広島段原店です。オープンして7年目のお店ですが10/31に閉店することとなりました。残り1ヶ月、スタッフみんなで楽しくつぶやいていきます!」
https://twitter.com/ms_danbara/status/1047013898044542976
https://twitter.com/ms_danbara/status/1054861904907165696
「閉店前日…みなさんからのメッセージボード、こんなにたくさんいただきました。1つ1つ見させて頂いてます。本当にありがとうございます!」
https://twitter.com/ms_danbara/status/1057143048730161153
ヴィレッジヴァンガードゆめタウン宇部店が10月28日(日)をもって閉店。ヴィレッジ ヴァンガード 名古屋中央店が来春1月をもって閉店。ヴィレッジヴァンガード相次いで閉店している。ヴィレッジヴァンガードルメール舞多聞店が来春1月16日(水)をもって閉店。ヴィレッジヴァンガードで本が売れた時代もあった。そう過去形で書いたほうが良いだろう。
「【重要なお知らせ】ヴィレッジ ヴァンガード  名古屋中央店は2019年1月某日をもちまして閉店させていただくことになりました。2003年10月オープン以来、約15年の長い間たくさんの方々に愛していただき、感謝しかありません。閉店までの残りの期間も変わらぬ愛を注いでいただけると幸いです」
https://twitter.com/104_vv/status/1050650842372530176
ブックファースト大井町店が10月25日(木)をもって閉店。大井町は一時、書店が林立していた。それが今や…。
https://twitter.com/mori0099/status/1044052044741369856
http://www.book1st.net/img/topic/images/oimachi.jpg
「自分の癒しの場所、ブックファースト大井町店さんが10月25日で閉店していました!?すぐ隣にスタバがあり、落ち着ける本屋だっただけに残念。品揃えも良かったのに」
https://twitter.com/rochi_tsutatan/status/1056398835709181952
「さよならブックファースト大井町店……とってもお世話になりました。カバンまでそこで買ってたのに寂しいです」
https://twitter.com/ch1sa/status/1056482930770362373
「また一つ書店が閉店してしまう。ブックファースト大井町店。大井町駅の東急側にアトレ2ができた時にブックファーストのテナントが入っていて何度も何度も行ったお店。最初はCD屋さんも入っていて、本屋スペースが狭かったのだけども、リニューアルして本屋スペースが広く、大好きな書店でした」
https://akkikkikki.exblog.jp/28755273/

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2)【本日の一行情報】

兵庫県たつの市龍野町の景観形成地区は「播磨の小京都」と呼ばれているらしいが、ここに店舗を構える書店「伏見屋商店」は築約120年の木造2階建てだという。毎日新聞兵庫県版に10月29日付で「『伏見屋商店』築120年 化人育てた風格」を掲載している。
「同店社長の竹内鳳三さん(74)によると、江戸時代に開業し、店舗はかつて水運に使われた揖保川近くに1901年に建てられた。取扱品は紙や油から、ガリ版や楽器にも及んだという。書籍は教育分野に力を入れて販売。学生たちのたまり場となり、たつの市身の詩人・三木露風も立ち読みに来ていたと伝わる。学生アルバイトが寝泊まりする部屋もある」
https://mainichi.jp/articles/20181029/k00/00e/040/162000c

◎アムタスは、電子コミック配信サービス「めちゃコミック」(めちゃコミ)において、集英社の「グランドジャンプ」との協業企画として「グランドジャンプ」増刊号という形で「グランドジャンプめちゃ」を11月28日(水)から隔月刊誌として集英社より発売する。
グランドジャンプめちゃ」の発売と同時に、全ての掲載作品は「めちゃコミック」から独占先行作品として配信する。
https://www.amutus.co.jp/news/info/2018/p181029000000.html

◎「週刊少年ジャンプ」(集英社)のキャラクターが登場するスマホ用ゲーム「ジャンプチ ヒーローズ」のダウンロード数が400万を突破した。ゲーム会社のワンダープラネットが開発し、LINEが配信している。
https://mantan-web.jp/article/20181028dog00m200029000c.html

◎マガジンハウスの「Hanako」は10月より月刊化し、全国誌化した。編集長の田島朗は「ブルータス」に18年間携わって来たキャリアを持つ。日本テレビに登場した田島は「雑誌=紙」だとは思っていないという。「Hanako」は、それで良いと思う。これは全くの私見だが、マガジンハウスの雑誌の場合、あらゆるデジタルシフトを断固として拒否し、「雑誌=紙」であることに固執し、歌舞伎や能のような「伝統」として生き残りを図る雑誌があっても良いのではないだろうか。マガジンハウスは銀座の出版社であるということも忘れてはならないはずだ。
https://magazineworld.jp/hanako/hanako-next-1165/

小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」は10月29日発売48号で、通巻2000号を達成した。創刊から約38年だって!もうそんなに時間が経ってしまったのか。シライ編集長だったんだよなぁ。
https://mainichi.jp/articles/20181028/dyo/00m/200/024000c

小学館の刊行する「学習まんが 少年少女日本の歴史」に10月5日、22巻目となる「平成の30年」が加わっていたのか。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09296666
https://ameblo.jp/acbmekk/entry-12415039783.html
小学館は「学習まんが世界の歴史」の刊行も開始している。何と歴史教科書の山川出版社が編集協力している。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09298301

◎「ムンク展――共鳴する魂の叫び 公式ガイドブック」は朝日新聞出版。
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20489

◎宝島社は、10月29日(月)、企業広告として、樹木希林一家が孫まで勢揃いする「あとは、じぶんで考えてよ。」を朝日新聞樹木希林が舌を出している「サヨナラ、地球さん。」を読売新聞に、同時掲載した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000758.000005069.html
https://withnews.jp/article/f0181030001qq000000000000000W00o10101qq000018230A
話題になる広告、社会性のある広告、雑誌も挑戦したら、どうよ!

◎メディアコンサルタントの境治が「Yahoo!ニュース 個人」に「春砲の落日~テレビは春・新潮を急激に取り上げ消費した~」を発表した。
春のスクープが不発を続けている。
あれほど毎週のように春砲が放たれ、テレビが一斉にそれを報じていたのに、いったいどうしたことだろう。単純な話だと私は思う。春はテレビに飽きられたのだ。“春砲”とはもう呼ばれなくなっている」
https://news.yahoo.co.jp/byline/sakaiosamu/20181029-00101734/
「週刊春」が自前でテレビ局でも持つ…というアプローチはあると思う。そう「春TV」だ。LINEなり、YouTubeなり、サイバーエージェントなりと組めば無理な話ではないように思う。週刊誌が生き残るには、やれることは総てやってみるしかないのである。

◎「角川スニーカー庫30周年感謝祭」が11月4日(日)にベルサール秋葉原にて開催される。これに伴いJR秋葉原駅改札内中二階コンコースで、1号限りで復刊するライトノベル雑誌「ザ・スニーカーLEGEND」の大型ポスターも1週間のみ掲出する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005147.000007006.html

トーハンは、メディコム・トイと企画協力し、「ベアブリック 幕末コレクション」シリーズ全6種をトーハン独占販売のMVPブランド商品として10月末発売の「西郷隆盛」、「沖田総司」から12月まで全6種を発売する。ベアブリックとは全高約7cmのクマ型ブロックタイプフィギュアだ。
http://www.tohan.jp/news/20181029_1294.html

毎日新聞が10月28日付で社説「読書週間スタート 本がある豊かさ感じたい」を掲載している。
「日本は空襲で多くの書籍や貴重な資料を焼失した。読書週間は終戦の2年後、読書による平和な化国家の創造を願って始まった。あらためて、その思いに立ち返るべきだ」
https://mainichi.jp/articles/20181028/ddm/005/070/016000c
信濃毎日新聞が10月28日付で社説「あすへのとびら 読書週間 良い本をなくさぬために」を掲載している。こちらは「新潮45騒動にも触れている。
「『新潮45』の一連の論は擁護する余地のない粗雑で乱暴な内容だった。社会的少数者をおとしめる“ヘイト記事”の一種と言っていいだろう。
本来なら、どんな判断で掲載したのか次の号で説明してから休刊にすべきだった。そうすれば雑誌メディアとして最低限の役割を果たすことができたはずだ。説明抜きの休刊は読者に対する責任放棄と言われても仕方ない。
書店にはいま中国や韓国への反感をぶちまけたような本が平積みになっている。当事者なら店に入るのも嫌になるだろう。
最近は安倍晋三政権を持ち上げる本も加わって、書店が劣悪な政治宣伝の場になったかの様相だ。『ホッと一息』できる本が隅に追いやられている」
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181028/KT181027ETI090003000.php

小川榮太郎ツイッターで嘆いている。
「【逃げてはいけない】10月26日発売のHanadaで私は独占手記と松浦大悟氏との対談を発表した。ところがネットでの批判が皆無に近い。一月前、新潮45の発売当日からツィッターで大炎上し、私を人非人、私の書いた章を便所の落書きと罵った多数の人達は、どこに行ったのか?」
https://twitter.com/ogawaeitaro/status/1057068507941097472
ムー大陸」が連続ツイートしている。
「つーか小川榮太郎君は既に思いっきり逃げを打っているなあ。
『新潮藝系の編集者らは署名を集めて『新潮45』廃刊を社長に迫り、藝系著者らと連携して、彼らから版権引き上げを含む恫喝を繰り返させた、と私は仄聞する。これは暴力である』
これじゃ新潮社長が被害者だといわんばかりじゃん」
「つまり、小川榮太郎氏の中では、新潮社長の佐藤隆信氏はほぼほぼ免責されてるわけやね。この理屈なら、新潮社という大きな屋台そのものに喧嘩売る必要はなく、ただ矢野編集長やら左翼やら朝日新聞やらを毒づいていればよいと。
なんつー犬根性かしらね」
「自分の表現媒体を奪った新潮社長の経営判断(それも超ズサンなやつ)には目をつぶり、ひたすら左翼叩きに邁進する小川榮太郎。つまりジャイアンに殴られたのに、お前がぶっただろうとのび太につっかかるスネ夫じゃん。これ。ホシュってこういうもんなんですか?月刊Hanadaさん」
https://twitter.com/ONahiQY9cR1sy7Z/status/1057251288147099649
https://twitter.com/ONahiQY9cR1sy7Z/status/1057251295973670913
https://twitter.com/ONahiQY9cR1sy7Z/status/1057251297332609025
「慶応塾生新聞」が「《今さら聞けないニュースの前提》「新潮45」 杉田衆議院議員による寄稿問題」を掲載している。
「休刊をしたからといって、この問題が終わったとは言えない。また同じような問題が繰り返される可能性も否定できない。今回出版社は、検証をしないまま、突如休刊を決めた。どうして報道被害発生したのか、メディアとして検証し報じることが求められるよ」
http://www.jukushin.com/archives/34028

神戸新聞が10月30日付で社説「海賊版サイト/『遮断ありき』に懸念増す」を掲載している。
ブロッキングを実施するには、誰がどのサイトを閲覧しようとしているかをプロバイダーが把握する必要がある。だが、そうした情報を基に利用者のネット接続を強制的に遮断する行為は、憲法が保障する『通信の秘密』に反する恐れが指摘されており、通信事業者や法律家が強く反対している。
監視対象が拡大されれば、憲法が定める『表現の自由』を損なうと懸念する声もある」
「広告を止めることで海賊版サイトが閉鎖された例がある。閲覧しようとする利用者に警告を表示する仕組みづくりなど、まずは強制遮断以外のあらゆる手だてを検討すべきだろう」
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201810/0011774381.shtml
「商業出版」か「表現の自由」かという選択が出版社には突きつけられたのかもしれない。

山本一郎は「Yahoo!ニュース 個人」に「憲法違反『ブロッキング議論』を誘発した、クールジャパン機構を巡る官民の癒着構造」を発表している。
「・・・林いづみ氏が社外取締役を務めていたクールジャパン機構は、その海外展開に際し、カドカワ川上量生氏の傘下にある出版子会社KADOKAWAの海外教育事業に4.5億円の出資をする利害関係者であったことは指摘せざるを得ません。いわば、カドカワグループの海外事業の経営や進出に直接コミットする法人の社外取締役が林いづみ氏だったわけです」
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20181030-00102319/

◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」が「SAPIO不定期刊に。先鋭化する右派雑誌現場の意外な“事情”」を掲載している。ワックの出版局長の次のようなコメントが耳に残った。
「当時、小川さんご本人から『僕は花田さんの方に書くからWiLLさんにはもう書きません』と言われました。それなのに社長宛てに小川氏に関するコメントの取材依頼があったからああいうツイートをしただけです。『新潮45』は最新の発行部数が1万6800部でしょう? 経営的に見れば、雑誌をやめるいいきっかけをもらったという感じでしょうね」
https://www.businessinsider.jp/post-178294

フェリシモは10月19日より順次、全国書店・コンビニ、Amazonにて、「フェリシモの雑貨2018-'19年秋冬号」「Couturier 2018-'19年秋冬号」「フェリシモの着心地がいい服。 Sunny clouds WINTER 2018-2019新カタログ」「フェリシモの服 2018-'19年冬号」という4誌の発売を開始した。また、今回より電子書籍版の発売もスタートさせた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001100.000012759.html

◎ヤフーの川邊健太郎社長に「週刊東洋経済プラス」がインタビューしている。次のような発言は、とても重要だ。
「先般の北海道地震では、全道に及ぶ停電で道民の人はテレビを見られなかった。そんな中、テレビ局の知り合いから「うちでは届けられない情報をヤフーでどんどん伝えてほしい」と連絡をもらった。少なからぬ道民の皆さんが、ヤフーを見て「電気が全然ダメらしい」「スマホの節電はこうするのか」と情報を集めていったはずだ
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/19159
「向こう側」の人々に情報を発信するのが報道(=ジャーナリズム)だと思ったら大間違いである。報道とは「こちら側」の人々に対するサービスなのである。

アサツーディ・ケイはライブではなくオリジナルの360°動画を制作し、日本で初めてTwitterで広告キャンペーンを展開する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000004328.html

講談社の「現代ビジネス」が「3600万部漫画『キングダム』が『ビジネス書』に生まれ変わった理由」を掲載している。「今、一番売れてる、ビジネス書。」のコピーのもと新宿駅、渋谷駅、東京駅、池袋駅、新橋駅の5駅にマンガ「キングダム」(集英社)の巨大広告が出現したが、このキャンペーンを手掛けたのは2017年に博報堂から独立した三浦崇宏の「The Breakthrough Company GO」。コピーは「カラス」の牧野圭太で、牧野もまた博報堂出身である。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58187

ラグビー日本代表集英社の「週刊少年ジャンプ」から生まれたキン肉マン」がコラボ。ラグビー日本代表のユニフォームに身を包んだ「キン肉マン」のポスターが新宿をジャックした。
https://j-town.net/tokyo/news/localnews/267233.html

◎ハースト婦人画報の女性ファッション誌「ELLE」12月号の付録は「ジェラート ピケ」のタンクトップ。
https://beauty.biglobe.ne.jp/news/fashion/mic_181030_5826881788/

◎C ChannelはCOO(最高執行責任者)として渡邉康司を招いた。渡邉は1990年に入社した読売広告社を皮切りに仏ピュブリシス・グループ傘下の英ゼニス・オプティメディア(中国・北京オフィス)、英WPP傘下のグループエム・ジャパンなど広告業界渡り歩いた。2009年にはグループエム・ジャパンの代表取締役に就任している。渡邉康司をCOOに招聘した理由を森川亮CEO最高経営責任者)は「日経ビジネスONLINE」で次のように述べている。
「メディアのビジネスは広告が非常に大事で、人脈も知識も求められます。長期的に伸ばすには専門性が必要です。
私自身は、広告の事業を手掛けたことがありません。C Channelを次のステージに引き上げるためには経営経験がある方に加わってほしかった。そういった理由で、今回、渡邉さんにCOO就任を打診したわけです」
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/102900890/

◎日本交通は、オーディオブックの制作・配信を行うオトバンクと共同で、読書週間(10月27日から11月11日)に合わせて、10月29日(月)から11月11日(日)までの期間限定で、車内にいながらオーディオブックで本が読めるタクシー「本のない図書館タクシー」を特別運行する。
http://www.nihon-kotsu.co.jp/about/release/181026.html

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3)【深夜の誌人語録】

交渉とは筋を曲げずに妥協することである。