【文徒】2018年(平成30)11月22日(第6巻220号・通巻1394号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】日産カルロス・ゴーン会長逮捕の舞台裏
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.11.22 Shuppanjin

1)【記事】日産カルロス・ゴーン会長逮捕の舞台裏

11月19日に日産のゴーン会長を金融商品取引法の疑いで逮捕する見通しであると朝日新聞は号外を打った。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20181119-00104719/
11月20日午前12時9分、「AFPBB News」は「日産のゴーン会長逮捕、報酬過少申告疑い 取締役会に解職提案へ」を掲載した。
日産自動車Nissan Motor)は19日、カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)会長が報酬の過少申告などの金融不正行為に及んだとして逮捕されたことを明らかにし、同氏の解職を提案する方針を発表した」
http://www.afpbb.com/articles/-/3198313
11月20日午後3時33分、「AFPBB News」は「自動車業界きっての『コストキラー』 カルロス・ゴーン容疑者の栄光と挫折」を掲載した。
「仏政府は2016年にもルノー株主総会で、54%の株主らと共に725万ユーロという同昨年の報酬額に断固として反対していた。この投票結果はルノーの取締役会で覆されたが、当時、仏経済相だったエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)現大統領が立法措置による介入も辞さないと脅しをかけたことにより、ゴーン容疑者は後に報酬削減を受け入れた」
http://www.afpbb.com/articles/-/3198439
11月20日午後6時5分、「AFPBB News」は「ゴーン容疑者、仏国内で不正の証拠なしと仏政府 ルノー20日に取締役会」を掲載した。
「報酬を過少申告した疑いで逮捕された日産自動車Nissan Motor)のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)容疑者について、フランス政府は20日、同国内でゴーン容疑者が脱税などの不正を働いた証拠は見つからなかったと明らかにした」
ルメール経済相はさらに、ゴーン容疑者は『事実上、もはやグループを率いる立場にはない』と述べ、『暫定的な指揮体制』の構築を求めた」
http://www.afpbb.com/articles/-/3198473
11月21日午前4時47分、「AFPBB News」は「ルノーもゴーン容疑者解任へ 『日産・三菱との連合強化』強調」を掲載した。
「仏関係筋がAFPに明かしたところによると、ルノーはゴーン容疑者をCEO職から解任し、権限をナンバー2のティエリー・ボロレ氏と筆頭独立取締役に移譲する方針だという」
http://www.afpbb.com/articles/-/3198519
11月21日午前7時38分、「AFPBB News」は「ルノー、ゴーンCEOの解任見送り COOが暫定トップに」を掲載した。
日産自動車三菱自動車の会長と仏ルノー最高経営責任者(CEO)を兼務するカルロス・ゴーン容疑者が日本で逮捕された問題で、ルノー20日、ゴーン容疑者のCEO留任を発表した」
http://www.afpbb.com/articles/-/3198528
朝日新聞の藤えりかのツイート。
「容疑者となったカルロス・ゴーン、日産・ルノー三菱自動車三社連合からさらに踏み込み、日産とルノーを数カ月内にも合併統合させる計画を進め、これに反対する日産役員が阻止を模索し動いていたとFT報道。だとすると日産が法人としても立件されるリスクを見越してなお捜査協力したのも合点がいく」
https://twitter.com/erika_asahi/status/1065021830904274944
https://www.ft.com/content/2bd83b12-ecbe-11e8-89c8-d36339d835c0
一方、日本経済新聞編集委員論説委員である太田泰彦のツイート。
「保身といったら厳し過ぎですが、有価証券報告書の虚偽記載は全ての取締役の責任。問題発覚後の修羅場をどう乗り切るかを西川CEOはじめ経営陣は必死に考えたのだと思います。本来であれば刑事ではなく社内のガバナンスの仕組みでゴーン氏らを追求すべき問題でした。日産はそれができなかった」
https://twitter.com/nikkei_yasuota/status/1065026075489488896
池田信夫のツイート。
「フランス政府がゴーン会長の任期を2022年まで延長したあと、彼が経営統合に動き出したことが、今回の『反乱』の背景にあるようだ。証拠は有報に記載されているので、やろうと思えばいつでもできた」
https://twitter.com/ikedanob/status/1065074175105097728
元朝日新聞記者・山田厚のツイート。
「カルロスゴーンが、役員報酬を過少申告というが有価証券報告書はゴーンが勝手に作れない。決算を報告書にまとめ提出するのは日産の取締役会だ。ゴーン独裁を強調する西川社長の会見に違和感!」
「ゴーンの言い分釈明も聞かず社内調査をまとめ検察の捜査に協力する。取締役会も開かず誰の権限でやったのか?初めからゴーンを狙ったのでは?」
https://twitter.com/Yamaatsu2311/status/1064723327736893440
https://twitter.com/Yamaatsu2311/status/1064752174880645120
立石泰則のツイート。
「天国から地獄へ。日産のゴーン会長、一夜で『ゴーン容疑者』に代わり、次々と出るわ出るわ、批判とスキャンダル。あれほど名経営者として褒めちぎった経済メディアを始めとするマスコミの掌返しの見事さに感動すら覚える。ゴーン流と彼の経営を高評価したメディアの自己批判を、一度聞きたいものだ」
https://twitter.com/yasunori10514/status/1065080173660270592
舛添要一のツイート。
「ゴーン逮捕は世界に衝撃を与えたが、日本のメディアも、ワイドショーを含めてゴーン一色。外国人労働者受入拡大も新米閣僚のことも憲法改正も日露交渉も、皆忘れてしまう。ジャーナリズムの怖さだ。海外で調達したゴーン用の住宅の映像よりも、フランス政府の狙いにこそもっと焦点を当ててほしい」
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1065034710496141313
朝日新聞デジタルの「『日産社員の声』と紹介、社員じゃなかった NHK訂正」はこう書いている。
「NHKは20日、夜の報道番組『NHKニュース7』内で、前日の同番組で日産自動車の社員として紹介した人は、別の会社に勤める人だったとして訂正した」
https://www.asahi.com/articles/ASLCN6KBRLCNUCLV011.html
木村正人が「Yahoo!ニュース 個人」に「日産のクーデター?救世主ゴーン氏逮捕『私的流用が判明』日本で外国人経営者は成功しないというジンクス」を寄稿している。
「ゴーン氏は経営危機に陥った日産の救世主。『1000万台クラブ』入りを果たした仏ルノー・日産・三菱アライアンス(連合)の要であり、電気自動車(EV)の強力な推進役として知られます
ルノー筆頭株主であるフランス政府が求めるルノーと日産の経営統合はこれで消えてなくなる可能性があります。
英国の欧州連合EU)離脱でも、ゴーン氏はできるだけ摩擦のない新たな英・EU関係を求めていました。英国への厳しい対応を求めるフランスのエマニュエル・マクロン大統領をなだめるキーパーソンが1人いなくなりました」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20181119-00104740/
大前研一は「週刊ポスト」6月1日号で日産とルノー経営統合ついて論じていた。
「日産・ルノー連合の行方は、日本とフランスの政治的・外交的な問題も含んでいる。今のところ日本政府は何も対策を講じていないように見えるが、みすみす日産と三菱をフランスに売り渡すようなことは、絶対に避けるべきである」
https://blogos.com/article/298874/?axis&p=1&fbclid=IwAR1S2O8M8HKXBYfMvbv1zujOpda9A5AdpeQ9UYdje5Ujfp2Yu9bD662eenM
「今がルノーの呪縛から逃れる絶好の機会」だとしても、しかし、である。「東洋経済ONLINE」の「日産に追放された『辣腕経営者』ゴーンの功罪」によれば・・・。
「しかし、仏政府は日産を逃がしたくはない。日産と仏政府の摩擦も起こるだろう。雇用や税収で大きな影響がある基幹産業といえる日本の自動車メーカーの外資支配が強まる流れを、これまで無策で見過ごしてきた経済産業省も今回は黙ってはいないだろう。今後、ゴーン不在の日産ルノーの提携の行方は、日仏両政府も入った交渉になる可能性がある」
https://toyokeizai.net/articles/-/250620
日刊スポーツ11月20日付「ゴーン余波、日産自動車がテレビCMを一部自粛へ」は書いている。
日産自動車によると、自粛しているのは、スポンサー契約をしている特定の番組でなく、時間帯で出稿を指定する「スポットCM」で、ニュース番組というジャンルに限るという」
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201811200000485.html

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2)【本日の一行情報】

◎「PRESIDENT Online」で元木昌彦は「視聴者を騙した"イッテQ"は続けるべきか」を発表し、「日本テレビ世界の果てまでイッテQ!問題はヤラセではない。捏造である」と指摘したうえで次のように述べている。
「私は、バラエティにヤラセ的な演出があっても、それで見ている人たちが楽しんでいるなら、目くじらを立てる必要はないと考える
だが、ないものをデッチ上げ、視聴者を騙す捏造はあってはならない。今回は度を越しているといわざるを得ない」
「私がいた出版社でも同じだったが、権力どころか先輩や上司たちの理不尽な要求にも逆らえないヒラメ社員ばかりが増えている。
日テレの大久保社長が、会見で今回の不祥事を『ヤラセ』と明言しなかったのは、そうした社内の惨状が外に知られることを恐れてのことだと、私は忖度している」
https://president.jp/articles/-/26771

資生堂は、ブランドの「グローバルアンバサダー」に大坂なおみを起用する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3796973020112018XQH000/

◎「産経ニュース」の11月20日付「取材先のセクハラ、申告あれば改善 政府が通知」は次のように書いている。
「内閣広報室や復興庁広報班などは19日、首相官邸記者クラブ対し、女性記者が取材先からのセクハラ被害に遭った場合、申告すれば取材環境の改善を図ると通知した」
https://www.sankei.com/politics/news/181120/plt1811200003-n1.html

◎「鶴見俊輔伝」(新潮社)刊行記念トークイベント 井上章一×黒川創「知られざる鶴見さん」が12月3日に恵社一乗寺店COTTAGEで開催される。行きたいなあ。
http://www.cottage-keibunsha.com/events/20181203/?fbclid=IwAR1o4zTriglWxgeOllkgi_bXB_Qznb2eudp5Qs8M8Rs4qH3O6YI4g8yukoQ

静岡新聞が11月21日付で「春華堂が書籍型クッキー 瀬戸内寂聴さんと共同開発」を掲載している。
「菓子製造販売の春華堂浜松市中区山崎貴裕社長)は20日、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さん、秘書の瀬尾まなほさんと共同開発した菓子『しあわせクッキー』の予約受け付けを開始した。2人の共著『命の限り、笑って生きたい』(光社)の発売に合わせた企画商品で、パッケージを書籍型にして一部書店でも販売する予定だ」
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/568413.html

◎11月20日をもって岩波新書が創刊80年を迎えた。
https://www.iwanami.co.jp/news/n27427.html

電通は、"人"基点の統合マーケティングフレームワーク「People Driven Marketing」の強化に向けて、テレビ広告、インターネット広告、OOH広告の統合マーケティングプラットフォーム「STADIA」の機能を拡張し、「ラジオ広告」をも統合するツールを開発し運用を開始した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018121-1120.pdf

KADOKAWA講談社集英社小学館という大手出版 4 社と出版デジタル機構W3C(Web技術の標準化を推進する組織)の東アジアホストである慶應義塾大学 SFC 研究所と共同で設置した出版の未来を考える研究団体「アドバンスト・パブリッシング・ラボ」(APL、村井純理事長)は漫画の海賊版対策やネット流通について研究する勉強会を発足した。
https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ja/press_file/20181121_apl.pdf

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3)【人事】白泉社 11月21日付役員人事

代表取締役会長  鳥嶋和彦 (新任)

代表取締役社長  菅原弘    全社統轄 (新任) 

常務取締役    馬場建輔   管理部門(総務部・経理部・編集総務部) 営業部門(販売部・宣伝部・制作部・コンテンツビジネ ス部)担当 

取締役      堀内丸恵

取締役      八巻健史    総務部・経理部・編集総務部担当 兼 総務部部長 

取締役      島田 明    第2編集部・コンテンツビジネス部担当 兼 第2編集部部長 

取締役(新任)  高木靖    デジタル事業部・キャラクタープロデュース部担当 兼 デジタル事業部・キャラクタープロデュース部部長  

取締役(新任)  白岡真紀    第1・3編集部担当     

取締役(新任)  小見山康司   販売部・宣伝部・制作部担当 兼 販売部部長 

役員待遇(新任) 柳沢 仁    宣伝部・出版部・MOE編集部担当  兼 宣伝部・MOE編集部部長 兼 宣伝部広報課課長 

監査役      木川真希子

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3)【深夜の誌人語録】

相手の立場を尊重することが自分を理解してもらう第一歩である。