【文徒】2018年(平成30)11月28日(第6巻223号・通巻1397号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】日産報道で朝日新聞が敗れる可能性
2)【本日の一行情報】
3)【お詫び】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.11.28 Shuppanjin

1)【記事】日産報道で朝日新聞が敗れる可能性

Yahoo!ニュース 個人」が掲載した郷原信郎の「ゴーン氏事件についての“衝撃の事実”~“隠蔽役員報酬”は支払われていなかった」あたりから、テレビのワイドショーに漂う空気も変わって来た。
「しかし、今回の事件の逮捕容疑の『虚偽記載』の内容が、本当に、『退任後の支払の約束』の程度の話で、現実の支払ではなかったのだとすると、有価証券報告書に記載義務があるのかどうか、犯罪と言えるかどうかも、極めて微妙なことになる。
そのレベルの事実に過ぎなかったのだとすれば、これまで、マスコミが大騒ぎしてきて報じてきた『カルロス・ゴーン事件』は、“砂上の楼閣”のようなものだったことになる」
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20181125-00105394/
郷原は更に「ゴーン氏事件 検察を見放し始めた読売、なおもしがみつく朝日」を「Yahoo!ニュース 個人」に発表した。この記事で郷原は「号外」まで配った朝日新聞に対して次のように忠告している。
「今回の事件では、羽田空港でのゴーン氏逮捕を映像付きで速報するなど、まさに『従軍記者』さながらの活躍をしてきた朝日新聞であるだけに、特捜部と一連托生であり、なおも検察にしがみつきたいという気持ちも理解できないではない。しかし、そもそも、朝日は、最初から50億円虚偽記載が『退任後報酬』であり、まだ支払われていないことを知らされていたのであろうか。それを知らされないまま、ここまで検察に寄り添って報道してきたのであれば、そろそろ、『騙された』ということを自覚した方が良いのではなろうか」
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20181127-00105589/
朝日新聞は、この件で「か」報道を連発している。江川紹子のツイートが鋭い。
「ここ連日の朝日新聞。毎日毎日、日産ゴーン氏ネタで、疑問を表す助詞『か』を必要とする段階の情報ばかりを1面トップに持ってくる。リクルート事件の頃とは、読者の意識は変わってきていると思うのだが……。朝日と特捜検察の関係は変わらず、『か』」
https://twitter.com/amneris84/status/1067224685551599616
朝日は検察に踊らされているのだろうか。江川はこうもツイートしている。
「検察は、人々が知るべきと考える情報は、一部メディアに、しかも断片を小出しにして書かせるんじゃなくて、自らちゃんと発表してもらいたい」
https://twitter.com/amneris84/status/1066894549585281027
同じ朝日資本でも「AERAdot.」は我が道を行く。「古賀茂明『ゴーン、ルノー“悪人説”は菅官房長官経産省、メディアにも好都合』」を掲載している。古賀は次のように指摘している。
「…日本の多くの国民は、ゴーン氏が悪者で、日産は被害者だと信じているかもしれない。さらに、ゴーン氏はフランス政府とルノーの手先だというイメージが作られつつある。
しかし、本来は、悪者はゴーン氏と日産であって、少なくともルノーは何も悪いことはしていないということは、しっかり認識しておかなければならない」
https://dot.asahi.com/dot/2018112500007.html?page=1
カルロス・ゴーンは米系大手法律事務所「ポール・ワイス・リフキンド・ウォートン・アンド・ギャリソン」と契約したそうだ。もっとも弁護人は、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が務めるようだ。東京地検特捜部長としてライブドア事件小沢一郎の陸山会事件を指揮した人物である。
https://jp.reuters.com/article/idJP2018112701001072

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2)【本日の一行情報】

◎今年のミス東大は「東大美女図鑑」の編集長だ。
https://nikkan-spa.jp/1529178
「東大美女図鑑」は1500円也。
http://stems-ut.jp/utsweetheart/

◎「日経ウーマンオンライン」に朝日新聞出身で、現在は「ビジネス インサイダー ジャパン」統括編集長をつとめる浜田敬子が登場。浜田のみならず朝日新聞記者にとって甲子園は一人前になるための通過儀礼なのだろう。
「朝日では入社2年目で高校野球を担当することが多いのですが、連載のテーマを何にするか、今日の試合のハイライトはどの選手について書くか。すべて自分で決めて責任を負う。その経験は大変だったけど、少し仕事の面白さを知ることになりました」
https://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/011700165/112100020/?ref=top-kanban
甲子園ナショナリズムに疑問を抱いてしまうようなヤワな輩では朝日新聞記者は務まらないのである。

◎「Business Journal」の「『イッテQ!』、ヤラセ発覚でも打ち切りを免れた“知られざる理由”」は「ライバル出版社関係者」の証言を掲載しているが、次のような部分は重要である。
「「『春』は2年前の“ベッキー・ゲス不倫”報道を皮切りに、宮崎謙介議員の不倫疑惑などスクープを連発。徹底した取材が読者の支持を得ました。しかし、その風向きが変わったのが、今年1月小室哲哉の不倫報道でした。これも完璧なスクープだったのですが、小室が引退を表明すると風向きが一変。『小室さんが、かわいそう』という論調が強まり、逆に『春』がバッシングされるようになってしまったのです」
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25658.html

講談社は、会社紹介動画として、雲田はるこによる人気マンガ原作のアニメ「昭和元禄落語心中」の本編カットを使用したオリジナルアニメ動画を、11月26日(月)に公開した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001954.000001719.html
https://kodansha.saiyo.jp/2020/

◎「出版人・広告人」の執筆陣の一角を担う高崎俊夫産経新聞川本三郎の「あの映画に、この鉄道」(キネマ旬報社)を書評している。
https://www.sankei.com/life/news/181125/lif1811250029-n1.html
川本三郎は「映画批評」でデビューするんだよね。むろん、朝日新聞を辞めてからの話だ。

◎まずは「とは」検索。「鮫島事件とは」とググッてみましょう。ピクシブ百科事典」にはこうある。
「『伝説の『鮫島スレ』について語ろう』という2ちゃんねるのスレッドを発端とした架空の事件」
https://dic.pixiv.net/a/%E9%AE%AB%E5%B3%B6%E4%BA%8B%E4%BB%B6
NHK平成ネット史(仮)」のツイート。
「期待されてる方もおられるようですが、 #平成ネット史 とは言っても、さすがに地上波で鮫島事件を扱うことは出来ません。ご容赦ください」
https://twitter.com/nhk_nethistory/status/1066301102352556032
「平成ネット史(仮)」のツイートが面白い。

◎「VOGUE JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)による「VOGUE JAPAN Women of the Year 2018」はあいみょん、森星、松本穂香中村アン野木亜紀子梶芽衣子を選び、「Rising Star of the Year」に青木明子を選んだ。中村アンは学生時代にインターンに応募していたのね。
https://www.fashionsnap.com/article/2018-11-26/vogue-womenoftheyear-2018/
http://www.vogue.co.jp/woty/winners/

楽天Kobo「2018年 年間電子書籍総合ランキング」が発表された。1位は「キングダム」(集英社)、2位は「進撃の巨人 attack on titan」(講談社)、3位は「ONE PIECE モノクロ版」(集英社)、4位「HUNTER×HUNTER モノクロ版」(集英社)、5位「ゴールデンカムイ」(集英社)、6位「僕のヒーローアカデミア」(集英社)、7位「七つの大罪(講談社)、8位「転生したらスライムだった件」(講談社)、9位「ハイキュー!!」(集英社)、10位「ちはやふる」(講談社)。
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2018/1126_01.html?year=2018&month=11&category=ec

◎「麻雀企業対抗戦」で講談社が優勝した!
https://www.nikkansports.com/amusement/jong/news/201811260000415.html

◎ベルナルト・ベルトルッチが亡くなった。「暗殺のオペラ」「暗殺の森」「ラスト・タンゴ・イン・パリ」「シェルタリング・スカイ」が好きだった。「暗殺のオペラ」はロードショーにはかからず、STチェーンで二本立ての公開となった。四作品とも撮影監督はヴィットリオ・ストラーロがつとめている。「暗殺のオペラ」の原作はボルヘスだ。私は「1900」や「ラストエンペラーを買わない。南無妙法蓮華経
http://cinefil.tokyo/_ct/17231334?fbclid=IwAR0pAcwdNMSB0g8_f0vc8n09HA0Hkfwr9DMFnZ_EIlhA7KtR2NqI0QtrDDw
私は日比谷スカラ座で公開されたベルトルッチの「ラストタンゴ・イン・パリ」で画家のほうのフランシス・ベーコンとサックスのガトー・バルビエリを知った。阿部和重のツイート。
「最悪だ。無念というほかない。このひとはほんとうに天才だと思っていた。『ラストタンゴ・イン・パリはこれまで観たなかで最も好きな映画です」
https://twitter.com/abekazushige/status/1067025242831249408

ニコラス・ローグが亡くなった。デヴィッド・ボウイ主演の「地球に落ちて来た男」が好きだった。タルコフスキーの「惑星ソラリス」が傑作であるように「地球に落ちて来た男」も傑作であった。出版化的に言えばトリュフォーの「華氏451の撮影監督をつとめたのはニコラス・ローグである。
https://www.barks.jp/news/?id=1000162132
来年はクリムト展が開催されるそうだが、ローグの「ジェラシー」クリムトを引用している。この映画の主演はアート・ガーファンクル。田亀源五郎のツイート。
「うわあっ、ニコラス・ローグの訃報が…享年90なら決して早いというわけではないが、それでも監督作品が大好きだっただけに、これはショックだ…合掌」
ニコラス・ローグの監督作品、『地球に落ちて来た男』や『美しき冒険旅行』も好きだけれど、やはり自分にとっては『ジェラシー』と『赤い影』がツートップ。特に『ジェラシー』かな。繰り返しや時間をジャンプするカットの積み重ねから生まれる目眩く陶酔感。あれがたまらなかった」
https://twitter.com/tagagen/status/1066336441809035265
https://twitter.com/tagagen/status/1066338606443188225

◎エイリム、トライエース集英社の3社が共同で展開する合同プロジェクト「MIST GEARS」は、iOS/Android用アプリゲーム「MIST GEARS」の配信を開始した。
http://dengekionline.com/elem/000/001/840/1840184/

主婦の友社は「神田明神」とコラボした「神田明神開運道中福財布」を11月21日に発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000865.000002372.html

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3)【お詫び】

11月27日配信1396号の記事2「トーハンの2018年度中間決算」におきまして、記事ソースURLを欠落しておりました。以下を再掲してお詫び申し上げます。
http://www.tohan.jp/news/upload_pdf/72h_kessan_shiryou.pdf

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4)【深夜の誌人語録】

前を見るような柄ではないにしても、後ろは振り向かないことにしている。