【文徒】2018年(平成30)4月23日(第6巻74号・通巻1248号)

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1)【記事】一筋縄ではいかない海賊版サイト問題
2)【記事】「週刊新潮」が報じた 財務次官セクハラ疑惑を新聞の社説がどう論じたか
3)【記事】 財務次官セクハラ疑惑をこう考える 
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】一筋縄ではいかない海賊版サイト問題

INTERNET Watch」の「海賊版サイトのブロッキングはなぜ無理筋なのか?
反対派の市民団体やISP業界団体が緊急シンポジウム開催」は4月18日にコンテンツ文化研究会の主催で開催された「これからのネットづくりと海賊サイトへのブロッキング要請を考える」の内容を紹介している。
「 なお、シンポジウム中では「『海賊版サイトを擁護するのか』と批判されることがあるが、海賊版対策はおおいにやってもらいたい。我々が問題にしているのは、いきなりブロッキングするという手段だ」といった言葉が複数人から何度も語られた」
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/1117888.html
NHKクローズアップ現代」に出演した赤松健のツイート。
「NHKから帰宅。・・・番組内では『全出版社横断で』『しかも使いやすさで海賊版に勝ち』『更に定額読み放題』の3本柱が実現できれば、海賊版に勝てると申し上げました。しかし実は、もっと画期的な解決法を発表するつもりだったのです。若干誤解が生じやすい案なので、放送では言いませんでしたが」
https://twitter.com/KenAkamatsu/status/986618843794587648
「それは、『出版社と作者が共同で漫画村(のような仕組み)を作り、ただし収益は作者と出版社に正しく分配する』というシステムです。この案に関して、来月以降に実際にある出版社と組んで実証実験を行います。海賊版データを乗っ取り、20年以上に渡るイタチごっこに終止符を打つのが目標です」
https://twitter.com/KenAkamatsu/status/986619033070915584
「NHK NEWS WEB」が「海賊版サイト『漫画村』に “裏広告” 大手企業も」を掲載した。
漫画村のサイトについて、NHKが複数の専門家に解析を依頼したところ、プログラムに仕掛けが施され、表面上、閲覧者にはわからないように、別サイトが同時に立ち上がり、この中に広告が掲載されていたことがわかりました。
掲載されていた広告は、大手銀行や生命保険会社、IT企業やゲーム会社、不動産関連会社などのものでした。漫画村のサイトにアクセスすると、実際には見ていないこうした別サイトの広告が『閲覧された』とカウントされる仕組みで、いわば『裏広告』です」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180418/k10011408791000.html
集英社は4月19日に「出版社の海賊版サイトへの対応に関する誤情報流布について」を発表した。
海賊版サイトへの出版社の対応に関して、誤った情報の流布が見られます。
当社では、悪質な著作権侵害事案に対し、捜査機関と協力して厳正に対応しております。
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」
https://www.shueisha.co.jp/info/180419.html
集英社広報部によると、『出版社は海賊版サイトに対して何もしていないといった情報がネット上に散見されるが、これまで10年にわたり、さまざまな対策を行ってきた』とし、誤解を解くために声明を出したという」(ITmedia NEWS)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1804/20/news089.html
J-CASTニュース 」によれば「作家で個人投資家山本一郎氏が『出版社や権利者が警察に被害届を出していない可能性がある』としてブロッキングへの疑問を表明したのに対し、集英社が名指しを避けつつも『誤情報』とするステートメントを発表。さらにこれを受ける形で、山本氏が『公開質問状』を発表する展開となっている 」とのことだ。
https://www.j-cast.com/2018/04/20326742.html?p=all
山本一郎は「Yahoo!ニュース 個人」に「違法サイト『漫画村』に関する集英社への公開質問状」を掲載している。
「しかしながら、今回のブロッキング関連の議論を見渡しますと、どれも問題を認知してからの要請を各社・各組織でたらい回しにし、被害状況の確認を怠り、海賊版サイトが匿名だからという理由で行うべき処置を行っているようには見えません。今回、名指しされている『漫画村』ほか関連サイトのみならず、日本でサービスを行っている海賊版サイトのかなりの割合が日本を営業の拠点にしており、然るべき調査で対象を早期に特定できるのが実情です。きちんと調査し、相手を特定して、捜査当局に情報を提供し、法的措置を行うことこそが、海賊版対策で求められている業界団体や大手事業者の動きであると考えます。政治家に働きかけて憲法問題を中央突破して通信事業者に法的リスクを負わせながら、実際にはVPNやタコ足サイトの乱立で海賊版対策はザルになるようでは誰も幸せになりません 」
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20180420-00084246/
楠正憲のツイート。
「質問が具体的なので、ちゃんと答えてもらわないと」
https://twitter.com/masanork/status/987352098864955393
当然のことながら、山本の問いかけは集英社に対してのみ投げかけられたものではあるまい。
「日経×TECH」が「海賊版サイト対策へ本当に手を尽くしていたのか、権利者団体に聞く」でコンテンツ海外流通促進機構(CODA)の後藤健郎代表理事にインタビューしているが、「記者の視点」で次のように書いている。
「うがった見方をすれば、政府と出版社は『緊急避難によるサイトブロッキング』という見せ球を示すことで、サイトブロッキングやリーチサイト対策に関する法整備については大筋のコンセンサスを得るという果実を得たと言える。その一方、ISPと権利者団体の信頼関係が失われ、対立構造が生まれてしまったのは大きなマイナスだ」
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00134/042100047/?P=1

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2)【記事】「週刊新潮」が報じた 財務次官セクハラ疑惑を新聞の社説がどう論じたか

毎日新聞が4月14日付で社説「財務次官のセクハラ疑惑 自ら動かない政権の鈍さ」を掲載したのは既報した通りだが、4月18日付で社説「財務省のセクハラ疑惑反論 『名乗り出て』はお門違い 」を掲載した。
「福田氏を聴取したのは部下の官房長だ。公表された内容は、福田氏の一方的な言い分を並べたにすぎない。しかも今後の聴取は、財務省の顧問弁護士が引き継ぐという。セクハラ疑惑は福田氏個人の資質の問題である。組織防衛と混同するのはおかしい 」(4月18日)
https://mainichi.jp/articles/20180414/ddm/005/070/020000c
https://mainichi.jp/articles/20180418/ddm/005/070/036000c
読売新聞が4月20日付で社説「財務次官辞任 問われる人権配慮と報道倫理」を掲載した。
「取材で得た情報は、自社の報道に使うのが大原則だ。データを外部に提供した記者の行為は報道倫理上、許されない。
取材対象者は、記者が属する媒体で報道されるとの前提で応じている。メディアが築いてきた信頼関係が損なわれかねない」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180419-OYT1T50168.html
朝日新聞も4月19日付で社説「財務次官辞任 幕引きにはならない」を掲載したから、三大紙すべてが社説でこの問題を取り上げたことになる。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13457455.html?ref=editorial_backnumber
日経も4月19日付で社説「セクハラ問題で辞任は当然だ」を掲載した。
「今回の次官のセクハラ問題でいちばんつらい思いをしているのは、寝食を忘れて国のための意識を失わず仕事に励んでいる若い官僚たちであり、自殺者まで出した近畿財務局のような額に汗して働いている現場の職員たちだろう」
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO29558380Y8A410C1EA1000/
中日新聞は4月19日付で社説「セクハラ疑惑 辞任で終わらせるな」を掲載し、4月21日付で社説「セクハラ問題 事の本質を共有したい」を掲載。
「世界的にセクハラを告発する運動が広がる中、あまりに感覚がずれている。海外メディアもこの疑惑を報じ始めており、世界に恥をさらしているのである 」(4月19日)
公益通報者保護制度をきちんと確立しなければならない。被害者個人がよく守られなければ、被害者は安心して訴えることができない。問題の本質を共有すべきだ 」(4月21日)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018041902000128.html
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018042102000113.html
4月20日中国新聞は社説「財務次官更迭 セクハラ認識、甘過ぎる」を掲載。
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=426334&comment_sub_id=0&category_id=142
4月18日付北海道新聞は社説「セクハラ疑惑 常識欠く財務省の対応」を掲載。4月19日付でも社説「財務次官辞任 麻生氏の責任は免れぬ」を掲載。
「『女性が輝く社会』を掲げたのは安倍晋三首相である。
その政権下で、女性の人格権の侵害が疑われている。首相はきのう『責任を持って全容を解明し、うみを出し切る』と述べた。言葉だけに終わらせてはならない 」(4月18日)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/181194?rct=c_editorial
4月21日付岩手日報は社説「財務次官の更迭 しっぽ切りはもう限界」を掲載。
週刊新潮が疑惑を報じた直後の今月12日、麻生氏は福田氏を口頭注意で済ませようとした。批判が高まると、セクハラの被害者に名乗り出るよう要請。『福田にも人権がある』と語るなど、世間と懸け離れた『常識』を露呈した」
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/4/21/12680
4月21日付東奥日報は社説「調査手法改め再聴取を/福田次官セクハラ疑惑」を掲載。
http://editorial.x-winz.net/ed-92803
4月20日山形新聞は社説「財務事務次官セクハラ辞任 問われる麻生氏の責任」を掲載。
テレビ朝日は19日に記者会見し、同社の女性社員がセクハラの被害者であると公表した。この女性が、繰り返される福田氏のセクハラ発言から身を守るために会話を録音したが、自社での報道がかなわず、データを週刊誌に提供したことも明らかにした。セクハラ被害を受けた女性を守れなかった同社にも問題はある」
http://yamagata-np.jp/shasetsu/index.php?par1=20180420.inc
4月20日京都新聞は社説「財務次官更迭 麻生氏の責任は重大だ」を掲載。
「福田氏はセクハラを否定し続けており、辞任は『報道後の状況を見ると、次官の職責を果たすことが困難と判断したため』という。だが『録音された声が自分のものか分からない』との説明には首をかしげざるをえない」
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20180420_4.html
4月19日付高知新聞は社説「【セクハラ辞任】麻生氏の責任が問われる」を掲載。
財務省は、週刊誌側がインターネット上で公開した福田氏によるセクハラとされる音声について、声紋鑑定を自らは実施しない方針も示していた。公表されたのは福田氏の部下の官房長らによる一方的な聴取と、そのペーパーだけだった」
https://www.kochinews.co.jp/article/176630/
4月19日付愛媛新聞は社説「財務次官更迭 セクハラ疑惑 政府判断遅すぎた」を掲載。
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201804190019
4月19日付西日本新聞は社説「財務次官辞任 世論見誤り遅きに失した」を掲載した。
麻生太郎財務相も『事実ならアウト』『音声は福田かな』と言ったかと思えば、女性側が名乗り出なければ『どうしようもない』との考えも示していた。一連の支離滅裂な発言は混乱に拍車をかけただけだった」
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/409752/
4月19日付琉球新報は社説「財務次官セクハラ更迭 麻生氏も責任とり辞任を」を掲載。
厚生労働省によると、セクハラ認定は職場だけでなく、取材先や取引先と打ち合わせをするための飲食店なども含まれる。セクハラは個人の尊厳を不当に傷つける行為である。女性が接客する店であれ、セクハラ発言をしたのなら社会的に許されない。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは『(日本では)権力者が性的な違法行為についての主張を真剣に受け止めない』と伝えている。米ワシントンで19日に開幕する20カ国・地域(G20)財務省中央銀行会議に麻生氏が出席する資格はない」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-703459.html
沖縄タイムスは4月15日付で社説「[次官セクハラ疑惑]うやむやは許されない」を掲載、4月19日付で社説「[福田財務次官辞任]麻生氏の責任は免れぬ」を掲載。
「夜遅くに取材関係者と会い、飲む機会が多いからだろう。マスコミで働く女性のセクハラ被害は一般より多いといわれる。不愉快な言葉を投げられても相手との力関係から、声を上げるのをためらうケースも少なくない。
昨年12月、岩手日報社は同紙の女性記者が、岩手県岩泉町長からわいせつ行為を受けたと発表し、厳重抗議した。町長は辞職に追い込まれた。
権力者の理不尽な振る舞いに目をつぶりながら、セクハラ問題を報じるのは説得性を欠く」(4月15日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/237680
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/240292
産経は4月18日付で社説「次官のセクハラ 財務省は醜聞の擁護者か」を掲載し、4月21日付で社説「財務省とセクハラ 徹底調査と迅速な処分を」を掲載。
「連日、次官のものとされる破廉恥な発言や肉声が報じられ、耳をふさぎたい思いの国民も多いはずだ。取材中の女性記者に対する発言の一々は、再現することでさえ、赤面する」(4月18日)
「恥ずかしいばかりの連日の報道にうんざりしている人も多いだろう。例えば、一連の外交に『救出へ向けた最後のチャンス』と期待をかける拉致被害者の家族が、どんな気持ちでニュースを見ているか。報道することが悪いのではない。報道される事実、事象が悪すぎるのだ 」
https://www.sankei.com/column/news/180418/clm1804180001-n1.html
「文春オンライン」が掲載した「福田次官vs.産経新聞 スクープ、否定、更迭までの「攻防」を熟読する」でプチ鹿島が書いている。
「今回の福田次官の「逆襲」について、もっとも激おこぷんぷんだったのが産経新聞である。
実は、産経は16日に1面で『福田財務次官 更迭へ セクハラ疑惑 後任次官を選定』という『スクープ』を放っていた。
ところがそれを報じた日に福田氏が全面否定し、事実上の続投を表明。産経からすれば『スクープ』を否定されたのだ。
この時点で『恥をかかされた産経師匠の明日の紙面は注目だ』と私はひそかに期待、いや注目していたわけだが……。
翌日の産経師匠は私の予想の上をいく大爆発であったのである!
まずは1面で『提訴準備  報道機関に圧力か』(4月17日)」
http://bunshun.jp/articles/-/7095
プチ鹿島は相変わらず冴えている。

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3)【記事】 財務次官セクハラ疑惑をこう考える 

ツイッター上でも財務次官のセクハラ疑惑に関して多くのツイートが投稿され、百花繚乱の様相を呈している。そうしたなかから主だったツイートを拾ってみることにした。
江川紹子神奈川新聞社会部の記者を29歳までつとめていた。
「読売新聞は、テレ朝記者が音声データを週刊新潮に提供したことを問題視したいらしく、こんな表まで載せているが、対立する両者の取材をして、一方に相手方の発言内容を相手方に見せたり提供したケースなど、今回の件とは全く異なり参考にならない事例ばかり並べている」(江川紹子)
https://twitter.com/amneris84/status/986950101871415296
落合洋司は検察官出身の弁護士。
「テレビ局の、多分、20代とか30そこそこくらいの女性記者と財務事務次官では力関係が隔絶している。それを悪用してセクハラを繰り返していた行為は極めて悪質だし懲戒免職ものでは。記者会見で白々しい嘘ついて、世間を欺こうとしたし。満天下に向けて裁判やると言ったんだから、とことんやらないとな」(落合洋司)
https://twitter.com/yjochi/status/986650859315519488
勝部元気は「恋愛氷河期」(扶桑社)の著者だ。
「セクハラ加害者は自分の権力に無自覚と言いましたが、正確には『自覚的に無自覚』です。たとえ若くて美人の女性が相手でもその人が記者でなく財務大臣や米国政府要職なら、おっぱい触らせてと言うでしょうか?権力格差があることを分かった上で都合良く無自覚になる。卑劣極まりない加害者の特性です」(勝部元気)
https://twitter.com/KTB_genki/status/986792424298004480
望月衣塑子は東京新聞の現役記者。
「セクハラ被害を訴えたテレ朝記者の上司は、被害を記者から聞いた際、夜のサシ飲みには『もう行かない方がいい』と助言。記者は暫く行くのを止めていたが、森友の公文書改ざん、財務省の虚偽説明が次々と明らかになる中、取材を進めるため電話に応じ、夜の会合へ。その先で一連のセクハラ被害に遭った」(望月衣塑子)
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/986970154700488709
「福田次官のセクハラ被害を訴えたテレ朝記者の上司は、私が最も尊敬する女性だ。訴えた記者も信頼を寄せている。その上司がなぜ『記事は出せない』と言ったのか。もみ消すためではない。これまでの会社の行動からすれば、逆に潰される可能性が高いと判断したという。日本のマスメディアに共通の課題だ」(望月衣塑子)
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/986969921224458240
田中秀臣は「アイドル評論家兼経済学者」 を自称している。
「福田事務次官(元)のセクハラ疑惑問題で、なんで「テレビ朝日はぎりぎりセーフ」なんだろうか? 組織としてセクハラを握りつぶしたのは財務省ではなく、テレビ朝日なんだが? 福田氏の疑惑は今後、明らかにしていくべきだが、組織の体質を問題にされるのは、テレビ朝日。そして潜在的財務省だ」(田中秀臣)
https://twitter.com/hidetomitanaka/status/987130035348779008
杉田水脈衆議院議員
東京新聞・望月衣塑子記者が最も尊敬する女性とおっしゃるのはテレ朝経済部長の松原文枝氏。過去に報ステで『安倍総理ヒトラー』のレッテル貼りをする番組を作ってギャラクシー賞を受賞しています。夫は朝日新聞編集局長補佐の立松朗氏です。これはなにを意味するのでしょう?」(杉田水脈)
https://twitter.com/miosugita/status/987147891377487872
柴山哲也は「真珠湾の真実 歴史修正主義は何を隠したか」(平凡社新書)や「日本型メディア・システムの崩壊 21世紀ジャーナリズムの進化論 」(柏書房)といった著書を持つ。
「テレ朝の玉川さんが、自社の記者のセクハラをなぜ報道できなかったか、を自己批判的に語っているが、記者が週刊誌に持ちこんたことが問題ではなく、なぜテレ朝は報道できなかったかが問題なのだ。そのような腰抜けジャーナリストに、権力犯罪を暴く力量など期待できるはずはないのは、明白だ
(柴山哲也)
https://twitter.com/shibayama_t/status/987130944464109568
池田信夫NHK出身。
「本人がオフレコ破りと横流しを認めたんだから、即日懲戒解雇。少なくとも報道局長は更迭して、財務省に謝罪するのが当然だ。抗議なんかできる立場じゃない」(池田信夫)
https://twitter.com/ikedanob/status/987127714610991104
百田尚樹は『探偵!ナイトスクープ』のチーフ構成作家である。
「財務次官にセクハラされたというテレ朝社員。精神的に大きなショックを受けたということだが、そんな男と1対1で1年間に数回も食事に行くかね。それって取材?取材なら事前に『録音します』と言ってレコーダーを出すだろう。
セクハラ発言をした次官はバカだが、一種のハニトラのようにも思える」(百田尚樹)
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/986667520676397057
周知のようにテレビでも、ラジオでも、ブログでも取り上げられている。
4月19日、ニッポン放送垣花正あなたとハッピー!」に出演した新潮社の中瀬ゆかり出版部部長はテレビ朝日が記者会見で、記者がセクハラの告発を望んでいたにもかかわらず報じなかった理由を記者への二次被害などを懸念していたという説明に対して、「記者クラブからの締め出しを恐れて逃げたんだと、私はそういう風に取りましたね」 と指摘した。
http://www.sanspo.com/geino/news/20180419/pol18041920310012-n1.html
小林よしのりは自らのブログで「女性記者が糾弾すべきはテレビ朝日」だと書いている。
「女性記者は福田次官のセクハラが嫌なら、行くべきではないし、『組織人として行かざるを得ない』というなら、そんな取材を強要している組織自体が『パワハラ』をやっている。
女性記者が糾弾すべきはテレビ朝日だろう 」
http://www.sanspo.com/geino/news/20180420/geo18042016440031-n1.html
J-CASTニュース」が掲載した「小松アナ『テレ朝の信頼は地に落ちた』 覚悟の『独白』...一方、報ステは『ギリギリセーフ』連呼」によれば、テレビ朝日小松靖アナウンサーは「AbemaPrime」(AbemaTV) で「はっきり言ってテレビ朝日の報道の信頼は地に落ちたといっても過言ではない」 と断言し、次のように述べたという。
テレビ朝日はセクハラの被害者である女性社員を抱える、いわばセクハラの被害者だという構造があるのと同時に、この女性記者を守り切れなかった。この女性記者からすると、福田事務次官テレビ朝日も自分を被害者にした相手なのだ、という構造が成り立ってしまう」
https://www.j-cast.com/2018/04/20326690.html?p=all
テレビ朝日財務省に提出した抗議文「貴省事務次官による当社社員へのセクハラ行為に対する抗議 」は次の通り。
「今般、当社の女性社員から、貴省福田淳一事務次官への複数回の取材において福田氏からセクシャル・ハラスメントを受けたとの申し出がありました。当社として調査をしてまいりましたが、取材の過程で福田氏からわいせつな言葉などセクハラ行為が相当数あったと判断いたしました。女性社員は精神的に大きなショックを受けております。
財務事務次官という社会的に責任の重い立場にある福田氏が、優越的な立場に乗じて行ったセクハラ行為は、当社として到底看過できるものではありません。またこのようなセクハラ行為は正常な取材活動による国民への的確な情報提供を目的とする報道機関全体にとっても由々しきことと考えております。
ここに厳重に抗議するとともに、貴省として徹底的な調査を行い、早急にその結果を公表するよう求めます 」
https://www.asahi.com/articles/ASL4M763XL4MULFA048.html
「PRESIDENT Online 」が掲載した「財務次官にセクハラを許すマスコミの事情」で牧野洋は正論を展開している。
「アクセスジャーナリズムから脱却するには、マスコミ業界全体としてエゴスクープと決別し、本物のスクープを目指せばいい。エゴスクープを新聞協会賞から排除するのは第一歩だ。そうすれば自然にアクセスジャーナリズムへの依存度を下げることができる 」
http://president.jp/articles/-/24984

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4)【本日の一行情報】

◎「NEWSポストセブン」が「堅物官僚から情報を取るべく、各局が送り込む才媛記者」を掲載した。若手の財務官僚によれば、テレビ朝日の進優子記者は女子アナと見紛うような美形、フジテレビの石井梨奈恵記者は上智大学から仏パリ政治学院に留学した経験のある才媛、NHKの山田奈々さんは突っ込んだ取材をする優秀な記者なんだそう。
https://www.news-postseven.com/archives/20180419_668016.html

◎「BuzzFeed News」の「特ダネのためにすり減った私。記者たちの #MeToo」は次のように書いている。
「記者へのセクハラは、警察や政治家など、権力と情報を持った取材先によるものだけではない。事件取材で現場周辺の住民に話を聞いていたときに、名刺を渡しただけの相手から執拗に連絡が来たり、災害取材で性的な言葉を投げかけられたりすることもある。社内や、同業他社の記者たちが集まる記者クラブでも起こりうる」
https://www.buzzfeed.com/jp/akikokobayashi/news-reporter-metoo?utm_term=.wqRVXdkov&sub=0_120902159#.nwjBkwx9N
「Business Insider Japan」の「『女性記者お断り』セクハラ防ぐには女性排除を、という暴論は“新たな差別”を生むだけだ」も読んでおきたい。
「セクハラ・パワハラ対策として管理職の男性に自分より役職が下の女性社員と一対一で食事をしたりお酒を飲んだりしてはいけないと指導しているメディアは複数社ある。普段はできない仕事の相談や上司の成功・失敗談を聞くことができる機会だが、その機会を制限されたことで「不利益を被っている」と感じる女性たちもいる。ある女性記者は、自身の会社にこうした規定があることを知り、強く憤ったと言う」
https://www.businessinsider.jp/post-166129

◎欧米でベストセラーとなったジュディス・ミラーの「西洋骨董鑑定の教科書」がパイ インターナショナルから刊行された。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000380.000012505&g=prt

◎「しらべぇ」によれば光文社の女性ファッション誌「CLASSY」(光文社)の「着回しDiary」の主人公のストーリーが、ツイッターで話題になっている。
「2日前、つき合っていた彼が既婚者で子供がいたことが判明…。本当に勝手だけど、結婚する気でいたよ…。正直全然気持ちが切り替わらない」
そんな彼女は31歳、「お天気お姉さん」。
https://sirabee.com/2018/04/19/20161593063/

◎「VERY」「STORY」の30代〜40代読者に人気があるスタイリストの竹村はま子が「スタイリスト竹村はま子の本当に好きな服」を光文社から刊行する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000021468.html

◎米誌タイムによる「世界で最も影響力のある100人」が発表された。安倍晋三首相とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が選ばれている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018041901370&g=soc

日経BP社の公式ECサイト日経BP書店」は、5月1日(火)より新サイト「日経BP SHOP」に生まれ変わる。
http://ec.nikkeibp.co.jp/QA/renewal/

ジュンク堂書店池袋本店は「じゅえき太郎のゆるふわ昆虫大百科」(実業之日本社)の出版を記念して「昆虫イラスト原画展」を開催する。「じゅえき太郎のゆるふわ昆虫大百科」はマンガ「ゆるふわ昆虫図鑑」の図鑑化という大胆な企画である。
http://honyade.com/?p=63270
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-33766-1

◎日販の「店頭売上前年比調査(3月期)」。前年比を上回っているのは「開発品」だけだ。
http://hon-hikidashi.jp/more/49982/

ジークレストが提供する、女性向けスマホパズルRPG夢王国と眠れる100人の王子様」(夢100)は、4月19日(木)より白泉社が運営する無料マンガアプリ「マンガPark」で、コミカライズの連載を開始 した。
http://www.4gamer.net/games/279/G027961/20180419108/

ユニクロ資生堂がタッグを組んだ。日経は次のように書く。
「お互いの店舗や取扱店で、ユニクロの機能性肌着『エアリズム』や資生堂のメーキャップブランド『マキアージュ』のサンプル品を配布。特設サイトも設け、インナー選びや春夏のメーク術などを紹介する。互いに取りこぼしている新たな女性客の開拓につなげる狙いだ」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29570760Z10C18A4000000/

◎渋谷・スクランブル交差点の大型ビジョンを運営するシブヤテレビジョン、東京急行電鉄東急エージェンシー、パス・コミュニケーションズ、毎日広告社の5社は、初の共同プロジェクトとして、スクランブル交差点にある4つの大型ビジョンを連動させた、60秒のオリジナルショートアニメ「トキノ交差」を、4月20日より放映 している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000004794.html

クックパッドは、生鮮食品や日用品をまとめてお届けするサービス「Amazonフレッシュ」と連携し、クックパッド「プレミアム献立」で使用している食材を簡単に購入できる新機能を、4月16日より提供開始 した。
https://info.cookpad.com/pr/news/press_2018_0419
これによりクックパッドの株価が急伸した。
https://www.47news.jp/economics/news_report/2288212.html

◎エブリーが運営するレシピ動画アプリ「DELISH KITCHEN」も「Amazonフレッシュ」と連携。「DELISH KITCHEN」は、4月16日より、新たな機能「買い物リスト」をiOS版アプリにて公開。さらに、買い物リスト内の食材はボタンひとつでネットスーパーで簡単に購入することができ、その第一弾として、「Amazonフレッシュで注文する」ボタンを追加した。
https://corp.every.tv/news/481

◎アマゾンの プライム会員は全世界で1億人を超えている。
https://www.cnn.co.jp/tech/35118049.html

◎「東洋経済オンライン」が掲載した「アマゾンが広告業界を根底から破壊する必然」におけるイグナイト の笠松良彦社長の発言。
「実は、広告業界全体にとって最大の競合がいるとすれば、それはアマゾンだと思っているんです。あの勢いで取り扱うアイテムをどんどん増やしていったら、広告活動も彼らのプラットフォームの上でかなりの部分が賄われちゃうかもしれない。アマゾンのレコメンド機能が最強のマーケティングになるのかもしれない。だから、アマゾンさんには『あなたがたは広告業界をディスラプト(破壊)するんですよね?』って聞いてみたい。そうとは絶対に言わないでしょうけど、意識せずとも広告業界を良い意味で破壊していくんだと思います」
https://toyokeizai.net/articles/-/217317

◎「週刊ダイヤモンド」の「【RIZAPグループ】売上高3000億円にコミット 借り入れによるM&Aに潜む脆弱さ」は記事を次のように結んでいる。
RIZAPグループの経営は企業再生で成果を出し、株価を上げ、借り入れを行うというサイクルを繰り返している。『買収前には、何が問題で誰がコミットして改革をどのように行うのかを、ある程度見据えている』と瀬戸社長は再生に自信を見せるが、株式市場の低迷など外部の条件を含めて歯車が狂ったとき、財務の脆弱さが問題にならないのか注意が必要だろう」
http://diamond.jp/articles/-/167763

◎日比谷に開店した「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」 という店名には「女性たちにとって“東京の真ん中の小さな別荘(コテージ)”のような存在に」という意味が込められているのだそうだ。
https://www.sankei.com/photo/story/news/180420/sty1804200001-n1.html

小学館が取り組む「地方活性化プロジェクト」の一環として、 同社の女性ファッション誌「CanCam」が恋愛のパワースポットとして大人気の宮崎・青島神社とコラボ し、「ニッポンのハートを見つけよう」キャンペーン を始めた。
4月23日発売の「CanCam」6月号の付録は青島神社監修の「恋みくじ」。青島神社現地では「CanCam」×青島神社コラボのハート型絵馬が登場し、最強のパワースポット「元宮」(もとみや)に向かう小道には「ハートの縁結びトンネル」が期間限定で設置される。
https://gunosy.com/articles/RsCLR

◎「きょうの料理」(NHK出版)が 創刊60周年。
https://ddnavi.com/review/452293/a/

◎アニメ制作会社P.A.WORKS は、電子書籍専門レーベル「P.A.BOOKS」を創刊する。
http://www.pa-works.jp/pabooks/

◎オルトプラスと集英社キャラクタービジネス室は、共同開発中の新作スマホ向けゲーム「シンエンレジスト」の登場キャラクター、及び出演キャストを発表した。集英社キャラクタービジネス室は集英社の書籍・コミックスなど既存コンテンツ発ではない作品作りへの取り組みを目的としており、「シンエンレジスト」が初プロジェクトとなる。
http://www.altplus.co.jp/topics/20180420.html

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5)【深夜の誌人語録】

雨の冷たさも風の強さも家の中にいたのではわかるまい。