【文徒】2018年(平成30)12月18日(第6巻237号・通巻1411号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「82年生まれ、キム・ジヨン」(筑摩書房)が重版して三刷りに!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】「82年生まれ、キム・ジヨン」(筑摩書房)が重版して三刷りに!

韓国の中央日報が12月14日付日本版に掲載した「韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』日本版、4日で3刷重版『感無量』」は、こう書いている。
「『82年生まれ、キム・ジヨン』の日本版権を持つ出版社の筑摩書房によると、今月8日に出版された同小説は4日目の12日に3刷重版が決定した」
https://japanese.joins.com/article/120/248120.html
この記事は筑摩書房の次のようなツイートを紹介している。
「『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著、12/8の発売から4日目の今日、3刷重版が決定しました。こんなハイスピードの重版なかなかないです。感無量です。いま入手しにくくてすみません。いま急いで刷ってます」
https://twitter.com/ChikumaHenshubu/status/1072850091864518657
「夫のちんぽが入らない」のこだまもツイートしている。
筑摩書房さんから頂いた『82年生まれ、キム・ジヨン』。本の背景を何も知らずに開き、最後までずっと胸が痛いまま読み終えた。女性に生まれたことで家庭、学校、職場で受けてきた抑圧や差別が詰まっていた。男とか女とか関係なく、対立せず、ただ一人の人として尊重されたいだけなのに、それが叶わない」
https://twitter.com/eshi_ko/status/1073985031993843712
書店のタイトルも売る気満々である。
キム・ジヨンはわたしであり、あなたでもある。一人の女性の悩みや苦しみを通し同時代の共感を得たこの小説は、韓国社会のリアルや歴史もあぶりだすものだった。多くの読者と出会ったキム・ジヨンは、今度は日本の読者と出会う。チョ・ナムジュ 斎藤真理子訳『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)」
https://twitter.com/Title_books/status/1072005676308656128
斎藤真理子はチョ・セヒの「こびとが打ち上げた小さなボール」(河出書房新社)の翻訳でも知られている。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207230/
斎藤真理子のツイート。
「『82年生まれ、キム・ジヨン』でよくわかるのは「最も個人的なことは最も社会的なことだ」ということ。それは日本の70年代ウーマン・リブの時代にもはっきり提示されたことでした。
田中美津さんのインタビュー。ちょっと長いけど、読んでみてください、面白いよ
http://www.mammo.tv/interview/archives/no232.html 」
https://twitter.com/marikarikari/status/1074144028441042945
星野智幸がススメている。
「韓国で100万部のベストセラーとなったチョ・ナムジュ著の小説、斎藤真理子訳『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房があさって刊行です。意識にも止められなかったけれど不快で理不尽な、女性への日常の細かな差別が全部、言葉になっているのです。女はむろん男も必読!」
https://twitter.com/hoshinot/status/1070546591881166850
斎藤は、こんなツイートも投稿している。
「『82年生まれ、キム・ジヨン』で初めて韓国の小説を読まれた方。どうぞ『フィフティ・ピープル』や、近年日本で多く紹介されている韓国作家の本を手にとってみてください。私から見たとき、彼女ら彼らの想像力は非常にタフであり、それは好むと好まざるによらず歴史の足腰によって支えられています」
https://twitter.com/marikarikari/status/1072373007459500033
岩波書店で児童書を担当している須藤建もツイート。
「『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んでいたら涙が出てきた.『お母さんは自分の人生を、私のお母さんになったことを後悔しているのだろうか。長いスカートの裾をグッと押さえつけている、小さいけれどずっしりと重い石ころ。キム・ジヨン氏は自分がそんなものになったような気がしてなぜか悲しかった』」
https://twitter.com/ajian1108/status/1072327127838552065

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2)【本日の一行情報】

◎12月15日(土)、12月16日(日)に表参道のSIX HARAJUKU TERRACEにて恒例の「装苑 presents アクセサリー蚤の市」が開催された。
https://asbs.jp/archives/35583

◎「デイリー」が「年末年始にイッキ読みしたい古典学 古典新訳創刊編集長・駒井稔さんに聞いた」を掲載。「光社古典新訳庫」の創刊編集長である駒井稔が「いま、読むべき古典」を5冊紹介している。
(1)「すばらしい新世界オルダス・ハクスリー著、黒原敏行訳 (2)「未来のイヴヴィリエ・ド・リラダン著、高野優訳 (3)「方丈記鴨長明著、蜂飼耳訳 (4)「鼻/外套/査察官」ゴーゴリ著、浦雅春訳 (5)「菊と刀」ベネディクト、角田安正
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181214-00000036-dal-life
オレも5点選んでおこう。
(1)「世界を揺るがした10日間」(ジョン・リード/伊藤真)(2)「ムッシュー・アンチピリンの宣言 ダダ宣言集」(トリスタン・ツァラ塚原史訳)(3)「歎異抄唯円・著/親鸞・述/川村湊訳)(4)「故郷/阿Q正伝」(魯迅/藤井省三訳)(5)「三酔人経綸問答」(中江兆民/鶴ヶ谷真一訳)
さすがに「世界を揺るがした10日間」を読んでいない編集者はいまい。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのCCCカーライフラボは、カーライフを提案するMOOKをプロデュースし、ネコ・パブリッシングから「E magazine」、芸社から「K magazine」、CCCメディアハウスから「V magazine」を刊行した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000300.000000983.html

◎40代の働く女性のためのWEBメディア「OTONA SALONE」(主婦の友社)で人気連載中の浅見悦子編集長による「40代編集長の婚活記」は、2016年8月から毎週更新としてスタートしたところ、自らの婚活体験と恋愛経験を顔出しで赤裸々に語り、数多くの女性ユーザーの共感を得ている。その内容をもとに再編集し、エッセイ風にまとめた「40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活」小学館から刊行された。浅見は元「S Cawaii!」編集長である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000202.000013640.html

◎「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」が2019年4月19日(金)より公開される。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1544673177
何とシリーズ27作目を数える。製作はシンエイ動画テレビ朝日ADK双葉社

双葉社から浅野暁の「1億2000万人の矢沢永吉論」が刊行された。オレたちの世代にとって永ちゃんの歌が「演歌」なんだよね。「演歌」と書いて「ロック」と読むんだけどさ。
https://ddnavi.com/review/507210/a/
オレは矢沢永吉よりも「キャロル」が好きだ。「愛の叫び」や「番格ロックのテーマ」は矢沢ひとりではできないはずだ。ジョニー大倉を欠如させてしまったから矢沢は「演歌」に転向せざるを得なかったのである。

◎「ブックリスタ年間ランキング2018」が発表された。
1位:「進撃の巨人(25)」諫山創講談社
2位:「進撃の巨人(26)」諫山創講談社
3位:「転生したらスライムだった件(7)」川上泰樹、伏瀬、みっつばー(講談社
4位:「転生したらスライムだった件(9)」川上泰樹、伏瀬、みっつばー(講談社
5位:「転生したらスライムだった件(8)」川上泰樹、伏瀬、みっつばー(講談社
6位:「キングダム 50」原泰久集英社
7位:「キングダム 51」原泰久集英社
8位:「キングダム 49」原泰久集英社
9位:「漫画 君たちはどう生きるか吉野源三郎羽賀翔一(マガジンハウス)
10位:「転生したらスライムだった件12」伏瀬、みっつばー(マイクロマガジン社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000006388.html
講談社が強い!ベスト10の上位半分が講談社の作品だ。

プログレス・テクノロジーズは、全巻一冊シリーズとして新たに10作品をラインナップに追加し、TSUTAYA および 蔦屋書店の計8店舗で販売を開始した。
「頭字 D」(講談社)、「沈黙の艦隊」 (講談社)、「ジパング」(講談社)、「静かなるドン」(実業之日本社)、「アカギの生涯」 (highstone, inc.) 、「無用ノ介・サバイバル」』(さいとう・プロダクション) 、「DEATH NOTE」 (集英社)、「銀魂」 (集英社)、「桂正和全集」 (集英社)、「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」 (TO ブッックス) がそう。全巻一冊シリーズはトータル16作となった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000012977.html

KADOKAWAは、12月3日に発売した「おひとりさま専用Walker2019」の重版を決めた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005320.000007006.html

リイド社は、12月14日(金曜日)正午に、完全無料・毎週金曜日更新のウェブメディア「コミック ボーダー」を創刊した。
https://comicborder.com
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000035072.html

日本経済新聞出版社は12月4日(火)にボブ・ウッドワード「FEAR 恐怖の男――トランプ政権の真実」を発売し、わずか2日で3刷7万5000部を突破したという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000027295.html

◎スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」をコミカライズした「まんがでわかる7つの習慣」は2013年10月に発売され、2014年年間ベストセラー単行本ビジネス部門で1位を獲得した。発売から5年が経て、このシリーズは累計180万部を突破したが、宝島社が今度は小説化してしまった。タイトルはズバリ「小説版 まんがでわかる7つの習慣」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000785.000005069.html

◎eBookJapanが2018年電子書籍ダウンロード数ランキングを発表した。「総合」および「少年・青年マンガ」部門の1位は「進撃の巨人」、2位「キングダム」、3位「転生したらスライムだった件」。
「少女・女性マンガ」部門の1位は「ヲタクに恋は難しい」、2位ちはやふる」、3位「凪のお暇」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000717.000001485.html

◎「キャリネコニュース」が「冬のボーナスが減額される業界1位『広告・出版・マスコミ』 一方で増額1位は『商社』」を掲載した。
「…減額予定は、『広告・出版・マスコミ関連』が31%で最も多く、『商社』(15%)、『メーカー』(10%)、『サービス業』(8%)が続いた。減額率は『わからない』(45%)を除くと『15%以上』(16%)が最多。理由は『業績不振』が72%となっている」
https://news.careerconnection.jp/?p=64187

放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会は12月14日、日本テレビの「世界の果てまでイッテQ!」のやらせ疑惑について討議したが、どこまでを演出と考えるのかなどについて日テレに追加報告を求めることを決めた。審議・審理入りするかどうかは継続討議となった。放送倫理検証委員会の委員長は神田安積弁護士だが、神田が「祭り企画」の制作会社の顧問を務めていたため、今回から、同番組に関する議論から外れた。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20181214-OYT1T50123.html

◎プレジデント社は「プレジデントオンライン」の編集職の中途採用を実施する。
「月給25万円~(採用時に支払われる最低支給額) ※年収550万円~ ※給与決定に際しては、前職等でのご経験・能力を考慮します」
https://president.jp/articles/-/26997

◎2019年3月1日に公開が決定している「映画ドラえもん のび太の月面探査記」の脚本を手がけた辻村深月が自ら書き下ろし小説化に取り組むが、その冒頭部分が公開されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000204.000013640.html
https://www.shogakukan.co.jp/pr/tsujimura/index_pc.html
映画「ドラえもん」の脚本は小説家が書き、ノベライズも手掛けるという手法を定着させることはできないだろうか。

◎アマゾンジャパンとメルカリが経団連に入会した。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181214-OYT1T50081.html?from=ycont_top_txt
出版関係で言うと、学研ホールディングス紀伊国屋書店、KADOKAWA、講談社宣伝会議ダイヤモンド社、東京書籍も既に経団連に入会している。
http://www.keidanren.or.jp/profile/kaiin/kigyo.pdf

KDDIは「ブックパス 読み放題プラン マガジンコース」(月額380円)で扱う300以上の雑誌の中から「見出し語大賞2018」を発表した。大賞は「バイラ」(集英社)3月号の「ほっぺは顔のおっぱいだから#ほっぱい美容」に決定。金賞は「ラ・ファーファ」(ぶんか社)7月号の「ぽちゃティブな夏真っ盛り!最旬Swim Style」、銀賞は「野菜だより」(学研プラス)11月号の「わがままな甘えん坊、エンドウの育ちを助けるのはムギとルッコラ!」、銅賞は「オッジ」(小学館)12月号の「今、私たちがデートするなら…王子様よりOJI様と」にそれぞれ決まった。
https://bookpass.auone.jp/info/midashigo/award.html

◎ANAセールスは、主婦の友社と2歳以下の赤ちゃん連れ限定のツアー「赤ちゃんごきげん沖縄の旅」を企画し、12月13日(木)より発売を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000029572.html

小学館のトレンドマガジン「DIME」2月号の付録は、人気ブランド「COMPLY」のイヤホンチップである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000013640.html

電通は、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(=「Jリーグ」)より、2019年から2022年までの4年間の「Jリーグ マーケティングパートナー」として指名された。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018130-1214.pdf

電通電通テック吉本興業が共同で出資するナイトエンタテインメント事業「サクヤルミナ」が、12月15日、大阪城公園内にオープンした。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018131-1214.pdf

電通は、自動運転技術により可能性が広がるMaaSの進展と近未来のモビリティ社会を見据えた事業創造の一環として、「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」が12月16日から来年2月1日にかけて兵庫県神戸市で行う、住宅地における「まちなか自動移動サービス」の実証実験に参画する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018132-1214.pdf

◎「J-CASTニュース」が「『読売新聞オンライン』は生き残れるか 主要各紙『電子版』の戦況と勝算」を掲載している。
「リニューアル後の料金プランは現時点では明らかではないが、『ご購読料金のみで、すべてのコンテンツ、サービスがご利用いただけます』とうたっており、引き続き紙媒体購読を前提にサービスを展開する可能性が高そうだ」
https://www.j-cast.com/2018/12/15346148.html

◎月2回刊であった「BE・LOVE」(講談社)は12月28日発売の2019年2月号以降、毎月1日発売の月刊誌となる。
https://natalie.mu/comic/news/312288

◎「ヒプノシスマイク」の漫画化を記念して、池袋のヤマダ電機イケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!山田3兄弟のスペシャルコラボ企画が決定した。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1544781263

アサツー ディ・ケイジェイアール東日本企画東急エージェンシーの3社は、データマーケティング領域での共同の取り組みに関するパートナーシップの締結に向けて、基本合意に至った。
https://www.adk.jp/news/201812-partnership/

朝日新聞デジタルは12月14日付で「神奈川新聞社で『重大なハラスメント』 局長を懲戒解雇」を掲載した。
「…局長はここ数年、社内外の女性数人に対し、体を触ったり、勤務時間外に『指導』と称して頻繁に電話をしたりするなど、セクシアルハラスメントとパワーハラスメント行為をした」
https://www.asahi.com/articles/ASLDG35GSLDGULOB006.html

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3)【深夜の誌人語録】

努力はいつでも足りないのだ。