【文徒】2019年(平成31)1月21日(第7巻10号・通巻1428号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】「週刊SPA!」とフジテレビ「ワイドナショー」とNHK日曜討論
2)【記事】「日本国紀」をめぐる有田芳生VS幻冬舎見城徹バトルがツイッターで発生
3)【記事】編集者・松本昌次の訃報に接して
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】「週刊SPA!」とフジテレビ「ワイドナショー」とNHK日曜討論

「AbemaTIMES」は1月16日付で「記事のバラバラ流通で炎上する“通常営業”の『週刊SPA!』、直接抗議した女子大生らの対話の姿勢」を掲載している。
「『週刊SPA!』が昨年12月、『性交渉に持ち込みやすい』女子大学生が多いとして大学をランク付けする記事を掲載した件で、抗議の署名を呼びかけていた大学生らが14日、扶桑社を訪れ2時間以上に渡る話し合いを行った」
https://abematimes.com/posts/5568525
「2時間以上に渡る話し合い」がどのようなものであったのか。「日刊SPA!」の 1月16日付「[SPA!編集部]署名活動をした山本和奈さんらが来訪、会談の一部始終」は一方の当事者に報告である。犬飼孝司編集長の発言を引用しておこう。
「編集会議で現場から提案された企画の中に『ギャラ飲みの実態』についての企画があり、編集長である私が採用しました。
取材を進める中で、ギャラ飲みマッチングアプリの主宰者に取材し、その際に『“ガチ恋しやすい”または、“お持ち帰りしやすい”女子大ランキング』の作成を依頼。執筆過程で、副編集長・編集長の判断によって、ランキングや記事全体を、より扇情的な『ヤレる』という内容にしてしまいました。振り返ってみれば、編集長である私が、世間の耳目を引きたいためにより扇情的なものを求めていたことが、今回の事件の大きな要因であると思っています」
次のような犬飼発言は歴史に残るのではないだろうか。むろん皮肉を込めて言っている。
「これは語弊があるかもしれませんが、我々、女性のことを、好き……なんですね。(一同苦笑) こんな大の大人が若い女性に言うのも何なのですが。女性が好きで親しくなりたい、モテたい、という前提がありながら、結果的には『女性をモノのように見る』視線があったことは間違いないと思うし、その点を深く反省しています」
https://nikkan-spa.jp/1542787?cx_clicks_middlepanel=middlepanel1
J-CASTテレビウォッチ」の「『ヤレる女子大ランキング』抗議の女子大生に釈明した編集長のコメントがお粗末すぎ! 火に油か...」は、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」がこの問題を取り上げた際のやり取りを次のように再現している。
「2時間に渡る話し合いの後に編集長が寄せたコメントは以下――
 『(前略)性的なことにまつわる特集をするときにどういった視点が必要なのか、山本さんらは外国に住んでいた経験から我々には全くない視点があった。今後の紙面に反映していきたい』
司会の羽鳥慎一『『外国に住んでいた人はちょっと私たちとは違うのね』ってことですよね。このコメントで、また話がワーッとなりそうです』
 玉川徹(テレビ朝日解説委員)『編集部は、なんでダメなのか、本音で落ちて(理解して)ないですね。『だってそういう風に思っているじゃん、男は』って』
https://www.j-cast.com/tv/2019/01/15347975.html
小林よしのりは自らのブログに「SPA!に抗議に来た女子大生は危険だ」をエントリしているが、そのなかで次のように指摘している。
「わしは『ヤレる女子大学生RANKING』はマズいと思っている。/実名で書いたから名誉棄損の恐れが出てくるのだ。/だが、この出版不況の中で、SPA!が真面目な雑誌になれば売れなくなるのは必定だ。/実名で名誉棄損をしないように注意しながら、過激でふざけた企画は絶対に続けて欲しい。/社会には『ふざけた遊び』の場だって必要なのだ。」
https://yoshinori-kobayashi.com/17337/
鈴木涼美が「NewsPicks」で「週刊SPA!」批判の言説を次のように分析している。鈴木らしい指摘である。
「しばらく批判の内容を見ていたところ、いくつかの類型があり、大まかに分けると①炎上を先導した女学生のように女性蔑視・軽視であるというもの、②記事が記者の主観で書かれているというもの、③大学の品位を傷つけたり学生を傷つけるもの、④下品で扇情的だというもの、という感じがしました。当事者の大学以外では、1と2が最も多い。個人的にはどれもちょっと的が外れている印象があります」
「①まず女性蔑視だというのであれば、男性のランキングも併記されていればいいのか(需要ないけど)。言い訳的に毎回ヤレる男子学生のランキングでも載せれば解決してしまう気もする。」
「②についてはさらにちょっと無理があって、これ、逆に主観に書かれているから救われている面もある気がします。だって、本当にギャラのみをしまくってる男に精緻なアンケートを取ったら、その方が困るのでは?」
「③は、当事者の大学が不名誉に思うのは当たり前なのだけど、ヤレる、で傷つけられる品位は、研究や仕事によるパフォーマンスではなく、妻にしたいと思ってもらえるイメージのような気がする」
「私自身が、この元記事に肯定的かと言われれば、そうは思っていません。ただ、私が懐疑的に思うのは、あえてヤレるという言葉を使うことで、付き合いたい女とヤりたい女は別物、という男性心理が透けて見える点です。」
https://newspicks.com/news/3584375/
https://newspicks.com/news/3584375?ref=user_3945337&u=odgved&from=twitter
元木昌彦の次のような指摘を無視してはなるまい。
「雑誌SPA!を『女性蔑視』『モノとして扱っている』と批判している女性たちは、秋元のところへも行くべきだと私は思う」
https://www.j-cast.com/tv/2019/01/17348251.html?p=all
「週刊SPA!」の記事問題も、NGT暴行事件も底流において繋がっているのだ。1月13日に放送されたフジテレビの「ワイドナショー」における松本人志の「暴言」が炎上しているが、この「暴言」は、共演した指原莉乃に対するセクハラ発言だと問題にするツイートが数多く投稿されたのだ。番組で指原はNGT48山口真帆の暴行事件に触れて、運営の対応の遅さを批判した。すると松本は指原に対し「お得意の体を使って、何とかするとか…」と言い放っていたのである。指原は「何?何言ってるんですか?ヤバ……」と切り返したし、MCの東野幸治も「すみません指原さん」と謝罪したが、松本は笑っていたそうだ。
この「ワイドナショー」を放映したフジテレビも、「週刊SPA!」の版元である扶桑社も、フジサンケイグループを構成する企業である。次のようなツイートを紹介しておこう。
松本人志、NGT騒動で指原へ『体使って』発言に批判噴出『セクハラ行為の垂れ流し』『BPOに訴えよう』
フジメディアHDの『週刊SPA!』が大炎上している最中、女性トップアイドルの枕営業を推奨するような発言はフジTVの大失態。一方で松本の笑いのセンスのなさを指摘する声も…」
https://twitter.com/okeinan1/status/1085262793475973120
指原莉乃自身が次のようにツイートしている。
ワイドナショー、緊張しすぎて本当に記憶がほとんどなく…改めて録画をチェック…松本さんが干されますように」
https://twitter.com/345__chan/status/1085183432945152000
松本人志リツイート
「指原様~」
https://twitter.com/matsu_bouzu/status/1085195746234687492
フジサンケイグループの一角をなす産経新聞社のサンケイスポーツが「指原莉乃松本人志の“セクハラ発言”に『松本さんが干されますように!!!』」を掲載している。実はフジサンケイグループの「体質」そのものが問われているということに鈍感な記事である
https://www.sanspo.com/geino/news/20190116/akb19011614160003-n1.html
「Business Insider Japan」は1月16日付で「ワイドナショー松本発言炎上もフジテレビは“スルー”コメント」を掲載している。
「Business Insider Japanはフジテレビに松本さんの発言についての見解や、それを受けた視聴者からの批判をどう受け止めているかなどを問い合わせたところ、以下のような回答が返ってきた。
『視聴者の皆様からはさまざまなご意見を頂戴しており、今後の番組作りの参考にさせていただきます。
なお、これ以上の制作の詳細についてはお答えしておりません』」
https://www.businessinsider.jp/post-183310
脳科学者の茂木健一郎が自らのブログで次のように綴っている。 
「今回の松本さんの発言の謎は、それが放送されたこと。/ワイドナショーは生放送ではなく、編集されて放送されるものである。/ワイドナショーは私も何回かうかがったことがあるけれども、スタッフの方々は一生懸命つくっていらして、現場の士気も高い。/そんな中、今回の松本さんのご発言が放送されたら、どういう反応があるか(というか、ご発言自体がどういう風に受け取られるか)は、想像できたはずじゃないかと思う。/それでも、編集で残して放送したということは、ひょっとしたら、番組のスタッフの感覚と、世間の感覚が少しずれてしまっているということではないだろうか」
https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/8406307.html
私たちはNHKの「日曜討論」でも同じような光景を目にしている。「NETIB News」が発表した「安倍政権のサンゴ移植フェイク発言~怠慢司会者の罪『ボーっと仕事してんじゃねーよ!』」を読んでみよう
「1月6日放送のNHK日曜討論の司会者を務めた伊藤雅之・解説副委員長と牛田茉友アナだ。新年最初の日曜討論で安倍首相は辺野古問題について約2分半も話し続け、大嘘のサンゴ移植や絵空事普天間基地危険性除去を並べ立てたのに、『事実誤認ではないか』といった質問さえしなかったのだ。
安倍首相の嘘を交えた政治的宣伝(プロパガンダ)を聞き流した“官邸広報官”のような司会者2人の職務怠慢の結果、『報道は事実を曲げないですること』などを定めた放送法違反の安倍首相サンゴ移植フェイク発言(ニュース)が、公共の電波を使って全国の視聴者に発信されてしまった」
https://www.data-max.co.jp/article/27331
1月17日付東京新聞の「こちら特報部」でも、この問題を取り上げている。
「十三日に放送されたフジテレビ『ワイドナショー』で、アイドルグループ『NGT48』メンバーへの暴行事件をめぐるトークの最中、レギュラー出演者の松本人志さん(五五)が、ゲストのタレン指原莉乃さん(二六)にセクハラ発言をしたとして、批判の声が高まっている。同番組は録画で、問題の場面を編集せずに放送したフジテレビの姿勢を問う声も強い。六日、NHKの番組で安倍晋三首相の『サンゴは移している』との発言も『事実は異なる』と批判が集中しているが、これも録画だった。NHKに責任はないのか」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2019011702000165.html
朝日新聞は1月19日付社説「転機のNHK 『公共』の議論、今こそ」で次のように書いている。
「昨年出版されたNHKの元記者の手記が反響を呼んでいる。
森友問題の特ダネを報じた現場に、局幹部の不満が伝えられたり、予定していた放送がされなかったりしたという。NHKは『虚偽の記述がある』と反論するが、それ以上具体的な説明はしていない。
今月初めには、沖縄・辺野古の埋め立てをめぐり『あそこのサンゴは移している』という安倍首相の発言(事前収録)をそのまま放送し、沖縄県などから『不正確』との指摘を受けた。移植したのは区域外にあるごく一部だという事実を伝えなかったことを批判されても、『自主的な編集判断』と繰り返すばかりで、説得力を著しく欠く。
こんな姿勢で『転機』を乗り切れるだろうか。求められるのはうわべの言葉ではなく、視聴者の理解を得る行動である」
https://www.asahi.com/articles/DA3S13855113.html

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2)【記事】「日本国紀」をめぐる有田芳生VS幻冬舎見城徹バトルがツイッターで発生

有田芳生百田尚樹の「日本国紀」(幻冬舎)と決して名指ししているわけではないが、これは誰が読んでも「日本国紀」について書かれたツイートだと理解するはずだ。
「コピペ話題本の『7刷』を書店で見ました。売れ行きを店員に聞くと『もうあまり動きはないですね』。でも平積みじゃないですか。『注しなくても増刷すると、それが新たに届くんです』。そんなシステムがあることを知りました。誤りを訂正するたびに増刷すれば累計部数は増えていくという仕組みです」
https://twitter.com/aritayoshifu/status/1083973908980584449
このツイートに幻冬舎の社長をつとめる見城徹は次のように激怒した。
「国会議員である有田芳生氏の悪質な風説の流布は許しがたいと思っています」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1084838581259055104
「日本国紀」の編集を担った有本香も見城のツイートに同調した。
「国会議員がこれですからね。日本のサヨクはとことん劣化したのだと実感します。他に、幻冬舎の見城さんに世話になった物書き系何人かのうち、印税300万を前払いと住居の面倒までみてもらった人が見城さんについてウソ混じりの悪口雑言ツイートしているのを見て、人はここまで劣化できるものかと呆」
有田芳生参議院議員による風説の流布は非常に悪質と思います。どのような対抗手段があるのか、休み明けすぐに弁護士に相談します。現段階ではこれは、版元の幻冬舎さんを通じてではなく、編集者である私が個人的に行います。国会議員のこのような行為を一国民としてどうにも許すことができません」
https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1084817707675963392
https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1084873286779981824
見城は有本にこう応じた。
幻冬舎もキチンと法的に対処します」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1085056257549987840
更に見城徹は、こんなツイートを発表。
有田芳生氏が僕を侮辱したリツイートを消去した(笑)。卑怯な人だなあ。信念は訴えられても通せばいいのに。しかし、消去しても事態は何も変わらないですよ」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1085165083427143680
百田尚樹もツイートした。
「見城さんが本気で訴訟する構えを見せた途端、有田芳生はツイートを削除。どこまで肝っ玉が小さくて、卑怯な男なのか!」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1085178162932154369
見城徹のツイート。
有田芳生。国会議員。偽計業務妨害名誉毀損風説の流布。余りに軽率。呆れる」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1085167629726175232
有田芳生は見城+有本に白旗を掲げた?有田は投稿を本当に削除してしまったのだろうか。実は削除していなかったことが判明。有田のツイート。
「何も消していませんよ(爆笑)」
https://twitter.com/aritayoshifu/status/1085290461709955073
いったい、どういうことなのだろうか。「論壇net」が解説している。
「なぜこのようなコトが起きてしまったのかと言うと、どうやら私ツイッターカードのサムネイルを変更したことに起因するようです。
というのも新奇性(真新しさ)を保つために、当ブログではツイッターカードのサムネイルを定期的に変更しています。そのために見城氏は削除したと憶断してしまったのでしょう。
そういう点で見城氏のツイートは、余りに軽率ではありましたが、当方がその起因を作ってしまった点について見城氏にお詫び申し上げなければなりません。見城氏は、当該ツイートが間違っていたことを早急に表明されるべきでしょう」
https://rondan.net/12391

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3)【記事】編集者・松本昌次の訃報に接して

編集者・松本昌次が亡くなった。
https://www.asahi.com/articles/ASM1J3SHZM1JUTFL00D.html
戦後日本を代表する編集者の一人である。私は一面識もなかったが、その編集者としての仕事を、特に埴谷雄高と組んだ仕事を私は尊敬していた。2016年に一葉社から上梓した「戦後編集者雑抄 追憶の影」が遺作となった。
https://ichiyosha.jimdo.com/
影書房がホームページに「訃報」を掲げている。
「松本昌次さんは1927年、東京出身。東北大学を卒業後、東京都立一橋高校の昼間・夜間部の時間講師をされていましたが、夏休み明けにレッド・パージでクビに。
野間宏さんの紹介で1953年4月に未來社に入社。編集者として約30年多くの本づくりに携わられ、未來社を退職後の1983年に、同じ未來社の編集者だった米田卓史さん、秋山順子さんの3人影書房を創立されました」
http://www.kageshobo.com/main/others/fuhou_mm20190116.html
松本が富士正晴について書いた章が私は好きである。
富士正晴は、かつての戦争で中国戦線に一兵卒として狩り出された時、『戦時強姦をしない』と心に決めた。ということは、日本軍がいかにそういうことを公然とやっていたかということだ。幸い、鉄砲玉一つ撃たずに復員できたが、日本の中国に対する侵略戦争実態を目の当りにし、戦後、日本がそれらに責任をとらず放置し、豊かになることを深く恥じた。高度成長などどこ吹く風。大嫌いな新幹線には片手の数ほども乗らなかった。晩年のレンブラントのように、売れない原稿を茅屋の畳に坐りづめに坐って八方やぶれで書いた」
http://www.labornetjp.org/news/2014/1101matu
花田清輝の「アヴァンギャルド芸術」や丸山真男の「現代政治の思想と行動」、吉本隆明の「芸術的抵抗と挫折」も松本の仕事である。松本はこぶし書房版の「芸術的抵抗と挫折」では解説を書いている。私の10代は松本の編集した本とともにあったと言っても過言ではない。
http://www.kobushi-shobo.co.jp/book/b99827.html
大福書林のツイートである。
「松本昌次さんには、出版社を始めるときにも話を聞いていただいた。だいぶ心臓がつらいときで、狭山の駅ナカの喫茶店だった。『出版をね、いいことしてるって思っちゃいけないよ、それで稼がせてもらってると思いなさい』会社に来たヤマト運輸の人や、印刷会社の人、誰に対しても丁寧に接する方でした」
https://twitter.com/daifukushorin/status/1085523564445413376
共和国のツイート。
「なんと。起業した直後くらいだったか、西国分寺のBOOKS隆堂に寄ったさいに、店員の鈴木さんからたまたま来店していた松本昌次さんをご紹介いただいたことがありました。松本さんの影書房は、(営業ではなく)編集者が立ち上げた版元、という意味でも大先輩でした。御冥福をお祈り申し上げます」
https://twitter.com/Naovalis/status/1085361204179042304
「戦後編集者雑抄 追憶の影」の装丁を担当している桂川潤のツイート。
花田清輝丸山真男埴谷雄高、橋川三、藤田省三…。戦後史を象徴する作家・学者と交流し、名著を手がけ、「生涯現役編集者」として活躍された松本昌次さんが1月15日に逝去。享年91歳だった。
2016年に装丁を担当したこの本が、松本さんの最後の著作となってしまうとは」
「1月15日に亡くなった松本昌次さん(未來社元編集長、影書房前代表)からの手紙を読み返す。長年のガリ版切りから生まれた独特の字形。
当初は肉筆を装丁に使う予定だったが、松本さんから丁重に断られた」
https://twitter.com/jun_soutei/status/1085328795970617344
https://twitter.com/jun_soutei/status/1085702347534131200

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4)【本日の一行情報】

◎「NEWSポストセブン」が1月16日付で「平成の人気女子アナトップ10 3位は田丸美寿々、2位は高島彩」を公開している。TVウォッチャー32人と「週刊ポスト」読者がによる選出だが、1位は小宮悦子。
https://www.news-postseven.com/archives/20190116_845836.html?PAGE=1#container
月曜日発売の週刊誌の読者像が反映しているランキングである。メイン読者は私よりも上の層なのだと思う。65歳以上なのだろうなあ。

◎この「五輪招致疑惑 竹田会長の責任は重い」と題された朝日新聞の社説は、竹田会長に引導を渡しているのだろうな。
東京五輪をめぐっては、競技会場の見直しや経費の膨張など混乱が続いた。JOCと竹田氏の対応次第では、人々の間にさらに不信感が広がるだろう。どうやって事態の収拾を図るか。かなえの軽重が問われる」
https://www.asahi.com/articles/DA3S13851800.html?ref=editorial_backnumber
多くの新聞が1月16日に社説で取り上げていたが、朝日新聞は1日遅れで最も竹田会長に厳しい社説を掲載した。これもまた朝日新聞の「政治」である。

◎「USAトゥデー」の発行元として知られる新聞・出版大手ガネットが、ヘッジファンドを後ろ盾にしている同業のMNGエンタープライジズに敵対的買収を仕掛けられているそうだ。
https://www.sankei.com/world/news/190115/wor1901150011-n1.html

徳間書店ラジオ大阪とタッグを組み、「内田彩飯田里穂のしゅわしゅわ八方美人」(毎週金曜 24:30~25: 00)とコラボして「アニメージュ創刊 40 周年記念イベント」を開催する。A応Pを特別ゲストに、トークミニライブでアニメージュ創刊40周年を祝う。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000016935.html

共立女子大学・短期大学図書館は、電子書籍のサービスを拡大すべく、「電子図書館LibrariE」(ライブラリエ)と「dマガジンfor Biz」を導入した。すでに導入済の電子書籍Maruzen eBook Library」と合わせて、図書館ポータルへの表示と館内展示により、電子書籍見える化している。
https://www.u-presscenter.jp/2019/01/post-40801.html

◎電子コミック配信サービス「めちゃコミック」(めちゃコミ)を運営するアムタスは、ハーパーコリンズ・ジャパンと製作したマンガ誌「増刊ハーレクインめちゃコミック号」を2月15日(金)にハーパーコリンズ・ジャパンから発売する。ハーパーコリンズが雑誌を製作し、その電子コンテンツの独占配信権はSBクリエイティブがを持つ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000242.000022277.html

◎「サントリー天然水」ブランドが、国内清涼飲料市場で2018年年間販売数量でトップになったという。トップは1990年から「ジョージア」(コカ・コーラシステム)だったことから、28年ぶりの首位交代となった。
https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2019/01/2019-0115-1541-14.html

◎「Forbes JAPAN」の1月14日付「世界のSNS利用比較 日本はあまり『ソーシャル』じゃない?」は、こう書いている。
「日本では、意外なことに『ソーシャルメディアがあまり使われていない』、より正確に言うならば、自分からの発信に乏しく、新しい人間関係やつながりを創出する使い方が弱い、という実態があるようです。
まずソーシャルメディアでどれだけ情報発信を行っているのかを確認すると、例えばフェイスブックでは『自ら情報発信や発言を積極的に行っている』割合は5.3%、『自ら情報発信や発言することよりも他人の書き込みや発言などを閲覧することの方が多い』割合が8.4%となっており、情報発信をする人の割合は約14%。つまり7人に1人しかいない計算となります。ツイッター、インスタグラムでもほぼ同様のスコアです」
https://forbesjapan.com/articles/detail/24881/1/1/1
日本ではソーシャルメディアはマスメディアの「代用品」なのかもしれない。

◎オールアバウトと日本テレビ合弁会社であるオールアバウトナビが運営する、ミレニアル世代に向けたショート動画メディア「チルテレ」の人気番組「友近ゆりやんの時間」の累計再生回数が、1,000万回を突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000001207.html

◎リブレは、無料のボーイズラブWEB雑誌「ビーボーイP!」で、1月15日より、「ふり向いて、ゆきのちゃん!」(結城にこ)の連載を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000022435.html

読売広告社は、同社がライセンス窓口を担当する女児向け抱き人形「メルちゃん」にとって、初の大型イベントとなる「メルちゃんアイランド」を3月21日(祝・木)から開催する。おもちゃ王国(岡山県玉野市)を皮切りに、日本全国のおもちゃ王国や全国百貨店などの商業施設で順次開催する。
http://www.yomiko.co.jp/news/item/old/pdf/20190116.pdf

◎媒体資料ポータルサイト「メディアレーダー」なんてのがあるんだねぇ。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000005365.html
「媒体」といってもネット関連メディアのみを取り扱っているようだ。
https://media-radar.jp/
運営しているのはアイズ。2007年2月14日に創業している。
https://www.eyez.jp/
代表取締役社長は福島範幸。もともとは大日本印刷の出身だ。
「新卒で大日本印刷という大企業に入社しました。とても良い会社でしたが、次第に、自分がいてもいなくても会社にとって大きな影響はない、私の代わりは誰にでもできる、そんな思いがどんどん募っていきました。 そんな中、ベンチャーブームがやってきて、有名な起業家が相次いで登場し、とても刺激を受けました。 会社を辞めたいという気持ちはなかったのですが、「人生は一度きり」と考え、起業を決めました」
http://www.leaders-style.com/detail_122171.html

博報堂DYホールディングスと博報堂DYメディアパートナーズは、スポーツテクノロジーの研究、新規事業開発を目的に、Sports Technology Labを共同で設立することに合意し、2018年11月1日より営業を開始している。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/01/20190116-2.pdf

博報堂DYメディアパートナーズ、博報堂博報堂プロダクツ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムDAC)、博報堂DYデジタルは、販促領域のデジタル施策を一気通貫で支援するプロジェクトチーム「SP EXPERT’S」を組成し、2019年1月より本格始動した。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2019/01/H20190116.pdf

主婦の友社は7年前に発売された「たくさんのドア」の6度目の重版を決定した。
「きょうも あしたも あなたは/たくさんの ドアを あけていく/そのむこうに/たくさんの あたらしいことが まっている」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000877.000002372.html
いや本当にそうだ。

◎テレビで紹介されると、書店での検索数はグンと増える。1月13日(日)放送の「がっちりマンデー!!スゴい社長大集合SP!」(TBS系)でH.I.S.グループCEOの澤田秀雄が「私の一冊」として中村天風講談社庫「運命を拓く」を紹介したところ、反響を呼んだ。中村天風は明治から昭和にかけて生き、ヨガの教えをもとにした“心身統一法”を広めた「天風会」の創設者である。
http://hon-hikidashi.jp/more/73315/
中村は「玄洋社の豹」と呼ばれていた。「週刊現代」によれば大谷翔平も心酔しているようだ。

電通は、サッカーを中心としたスポーツ関連ビジネスをさらに強化してくため、フロムワンと資本業務提携契約を締結した。フロムワンはサッカー総合サイト「サッカーキング」や、野球をもっと楽しむための野球専門ポータルサイト「ベースボールキング」、日本バスケの魅力を伝えるバスケットボール専門サイト「バスケットボールキング」を擁し、サッカー漫画「キャプテン翼」の名を冠した多目的フットサル施設「キャプテン翼スタジアム」の展開や、サッカー評論家・セルジオ越後のマネジメントも行っている。紙の雑誌も「ワールドサッカーキング」や「Jリーグサッカーキング」などを擁している。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019006-0118.pdf
https://www.from1.com/

安藤ゆきが「別冊マーガレット」で2015年から2018年まで連載し、第20回手塚治虫化賞を受賞した「町田くんの世界石井裕也監督によって実写映画化され、6月7日に公開される。
https://animeanime.jp/article/2019/01/16/42736.html
石井は、この映画をフィルムで撮っている!私は「剥き出しにっぽん」が好きである。おじいちゃんの自慰シーンに泣いたもの。

沖縄タイムスの一面を真藤順丈の「宝島」(講談社)が飾った!1月18日付「書店も驚き!売り切れ続出 直木賞受賞作『宝島』は戦後沖縄が舞台」。
「16日夜にブースを設けた同市牧志ジュンク堂那覇店では、17日正午すぎに50冊が完売。200冊を追加発注した。森本浩平店長(44)は『圧倒的なクオリティー。きょうは年配の方が多く購入していたが、若い人たちにも手にとってほしい本』と太鼓判を押した。
午前中で22冊が売り切れた同市おもろまちの球陽堂書房メインプレイス店では、すでに20冊以上の予約を受け付けた。新里哲彦店長(61)は『小学校への戦闘機墜落、交通死亡事故の無罪判決、コザ騒動など、主人公を通して沖縄の痛みが理解できる。多くの人に読んでほしい』と願った」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/373705
井家上隆幸さんが存命ならば、「宝島」について井家上節が聞けたはずである。

西尾維新の小説「化物語」をコミカライズしたコミックス第1~3巻の累計発行部数が100万部を突破した。同作は「週刊少年マガジン」で連載中である。100万部突破を記念して講談社社屋に全長約13メートルの垂れ幕が掲げられたが、この垂れ幕をプレゼントするキャンペーンが実施されている。
https://mantan-web.jp/article/20190117dog00m200004000c.html

乃木坂46生田絵梨花のセカンド写真集「インターミッション」(講談社)が、22日の発売前に2万部の重版が決定し、累計発行部数が22万部でスタートすることになった。
https://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2127566.html

◎and factoryは、白泉社と共同で開発・運用している総合エンタメアプリ「マンガPark」のアフリカ版であるAndroidプリ「Manga Park W」の配信を開始した。初期配信国ケニア共和国とナイジェリア連邦共和国の2か国で、今後はアフリカの他の国でも配信予定だという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000014185.html
白泉社からすれば、アフリカ市場の海賊版コンテンツの流通を未然に防ぎ日本の漫画化を楽しんでもらうことが目的だそうだ。
https://www.oricon.co.jp/news/2127712/full/

◎現在、デジタルマーケティングを実行する企業の現場においてはGoogle Analyticsの導入が多くの企業に進む一方で、データ領域分析が進められていない企業も多くある。そこで朝日広告社はこうしたニーズの拡大に対応するため「Google データポータル」を活用した、データ統合と可視化のための自動収集ソリューションを提供を開始した。
http://www.asakonet.co.jp/images/topics/pdf/title_relation_file_20190115.pdf

◎アイティオールが企画するビックカメラ店舗擬人化プロジェクト「ビッカメ娘」のビジュアルブックがKADOKAWAより刊行されることになった。1月15日(火)から予約を開始し、ビックカメラ.comや書店などで3月15日から発売される。
https://www.value-press.com/pressrelease/214253
https://biccame.jp/

◎インターネット上で人気漫画などの海賊版に利用者を誘導する「リーチサイト」「はるか夢の址」を管理・運営し、著作権法違反などの罪に問われた主犯格の男3人に対し大阪地裁は実刑判決を言い渡した。ACCSコンピュータソフトウェア著作権協会は次のように書いている。
「男性3名は、複数のアップロード行為者と共謀の上『はるか夢の址』を通じて出版コンテンツを権利者に無断で公開していた事実により起訴されていましたが、大阪地裁は、男性らの役割について男性Aは首謀者、男性Bはサーバーの契約など運営に重要な役割、男性Cは運営にも関与していたものと認定しました。また本サイトを通じた被害について、(起訴対象となった)44著作権者、68点の書籍データに限っても3,931万円であり、サイト全体では極めて大規模、悪質で結果も重大、との事実を認定し、本判決を通じて、当該サイトを通じた著作権害行為が極めて悪質であったことが改めて明らかになりました。
 なお、共同対応を行っている会員6社((株)KADOKAWA、(株)講談社、(株)集英社、(株)小学館、(株)スクウェアエニックス、(株)白泉社)では、自社に関連するものとして14名の被疑者・合計26作品について刑事告訴を行っていたとのことです」
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2018/1221.php

◎刊行一周年となった岩波書店の「広辞苑 第七版」が期間限定・数量限定で7色カバー+熨斗(のし)カバーを用意して販売する。7色は群青色、藤色、紅色、山吹色、浅葱色、桜色、萌葱色となっている。
http://hon-hikidashi.jp/enjoy/72971/

稀勢の里横綱引退に際して「一片の悔いもございません」と結んだが、これは「北斗の拳」でラオウが、死ぬに際して言い放った「我が生涯に一片の悔いなし!!」という台詞を踏まえてのものだ徳間書店の「アサ芸プラス」が掲載した「稀勢の里の引退コメントに絶賛の声!さすがは北斗の男!」は次のように書いている。
稀勢の里は『北斗の拳』のファンで、原哲夫氏と武論尊氏、漫画の出版を手がけるコアミックス社から北斗の拳のキャラクターが描かれた化粧まわしを贈られている。稀勢の里ラオウ太刀持ち高安がケンシロウ、露払いの松鳳山がトキの化粧まわしをつけ、土俵入りしたこともあった」
https://www.asagei.com/excerpt/119953

◎3月15日発売の「月刊コロコロコミック」(小学館)4月号より、「Bラッパーズ ストリート」新連載がスタートするが、これは小学館ソニー・インタラクティブエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニー・ミュージックコミュニケーションズの4社が原作となるラップ&ヒップホップをテーマにした新プロジェクトだ。ソニーグループからすると、子どもたち向けにIP・キャラクターの育成を推進する活動「キッズの星」プロジェクトの第2弾となる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000218.000013640.html

小学館集英社プロダクションは、博報堂のクリエイティブディレクターである小野直紀の「会社を使い倒せ!」の刊行を記念して、1月23日(水)には紀伊國屋書店大手町ビル店で「どこでも誰とでも働ける」「モチベーション革命」の尾原和啓を迎えて、2月8日(金)には銀座 蔦屋書店で幻冬舎編集者の箕輪厚介を迎えてトークイベントを開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000002610.html

鈴木良雄のマンガ「フルーツ宅配便」(小学館)がテレビ東京実写ドラマ化されたが、これが面白いと評判だ。「しらべぇ」も早速「内山理名が風俗嬢役で『サービスしますから…』 テレ東『フルーツ宅配便』が超面白い」を掲載している。
https://sirabee.com/2019/01/18/20161964828/?FROM_WEBVIEW
監督が若松プロ出身の白石和彌なのである。「止められるか、俺たちを」の白石である。白石の監督デビュー作である「ロストパラダイス・イン・トーキョー」のヒロインも地下アイドルにして、デリヘル嬢であった。「牝猫たち」に至っては池袋のデリヘル嬢三人を主人公に据えている。
https://www.tv-tokyo.co.jp/fruits/intro/

◎板羽皆の集英社マーガレットコミックス「トラさん」がKis-My-Ft2の北山宏光の映画初出演にして初主演で実写映画化され、2月15日に公開される。
https://tower.jp/article/news/2019/01/18/tg001

◎俳優の斎藤工が2月15日(金)から読売新聞のCMに登場するにあたって、購読者500人を抽選で招待するCM報道発表会が開催される。
https://otekomachi.yomiuri.co.jp/info/20190118-OKT8T125078/

小学館から刊行されたコミック単行本「ダルちゃん」1、2巻が、1月16日三省堂書店の新井見枝香が主宰する個人賞「新井賞」を受賞した。「ダルちゃん」は資生堂の「ウェブ花椿」にて2017年10月から一年間に渡って連載され、発売は出版社14社によるコンペの末、小学館に決まった。このコンペに勝ったのが小学館のポスト・セブン局なのも驚きである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000217.000013640.html

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5)【深夜の誌人語録】

諦めることで焦りを断つことも必要だ。