【文徒】2019年(平成31)4月2日(第7巻59号・通巻1477号)

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1)【記事】元経産官僚の岸博幸の記事に批判が殺到!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】元経産官僚の岸博幸の記事に批判が殺到!

「ダイヤモンド・オンライン」に慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の岸博幸が「新事実が発覚、『ダウンロード違法化潰し』は漫画家の総意ではなかった」を発表している。元経産省の官僚らしい「体」の章である。
「…漫画家協会というよりも、背後にいるのであろう学者や弁護士が声明や戦術を考え、協会の一部の幹部の人たちがそれに乗っかった可能性が高いのではないでしょうか。そう考えると、やはりダウンロード違法化への反対は、漫画家全体の総意ではなく、一部の人たちによるものだった、と考えるのが自然ではないかと思います」
https://diamond.jp/articles/-/198241
経産省の官僚らしい「体」と私が評したのは岸の章を貫徹しているのは「ビジネスの論理」であって、「表現の論理」は徹底的に排除されているからである。部科学大臣の柴山昌彦どは「ダイヤモンド・オンライン」の記事に敏感に反応して、「もしそうなら、色々考えないといけません」などと呟いているが、柴山は経産大臣ではなく科大臣であることをもっと自覚したほうが良いのではないだろうか。
https://twitter.com/shiba_masa/status/1111788299562024960
講談社の「週刊少年マガジン」に「はじめの一歩」の大河連載をつづけているマンガ家の森川ジョージは、岸に怒っていることは間違いあるまい。
「おかしいな。出版社はそこまでしてくれるなと発言しているし、漫画家はこの案件は一般の方を困らせる、誰も得をしないと嘆いている。漫画家協会はそれら全ての代弁をしてくれた。感謝している。漫画家は政治に疎い?違うよ、勇気と時間が無いから発言を控えているんだよ」
https://twitter.com/WANPOWANWAN/status/1111539501908652032
岸は名前をあげていないが、漫画協会の背後にいる学者とは誰なのだろうか。東京大学名誉教授の中山信弘は「網が細かすぎて、マグロもメダカも一網打尽にするような規制はよろしくない」と警告を鳴らしているし、北海道大学大学院教授の田村善之は「権利者が保護を欲していない、保護の必要性もない著作物を含めて、一律に著作物を利用する自由を萎縮させる」と危惧しているが、彼らは岸の理解によれば漫画家協会の背後にいるであろう学者ということになってしまうのだろうか。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00138/032700258/
日経BPのIT記者である浅川直輝が呟く。
「協会の意見は『DL違法化の範囲を狭めるべし』であって『つぶすべし』ではなかったと思いますが。法制化のプロセスは記者でも知ってるので漫画家が知っててもおかしくないです」
https://twitter.com/nasakawa/status/1111617373314768901
化庁メディア芸術デジタルアーカイブ事業」のマンガ分野コーディネーターを担当していた池川佳宏は呟く。
「ひどい記事だなこれ。とうとう陰謀論か。。」
https://twitter.com/saikifumiyoshi/status/1111532746747203584
筑摩書房の元編集者で「私の居場所はどこにあるの? 少女マンガが映す心のかたち」 (朝日庫)などの著書を持つ藤本由香里も呆れている。
「ほんとにひどい記事。論理がめちゃくちゃ。『一般ユーザーのスナップショットへの懸念』は『スクリーンショット』だろうし、化庁はその検討は十分にした上で考慮の必要はないと切って捨てている。海賊版対策だけなら誰も反対していない。その他もろもろ」
https://twitter.com/honeyhoney13/status/1111817017877622784
朝日新聞記者の丹治吉順もツイートしている。
「やっぱり岸さんは岸さんだとしか言いようがない(苦笑)。漫画家協会の総意も何も、そんな時間もないほど拙速に手続きが進められた事実を気持ちいいくらいスルーしている」
https://twitter.com/tanji_y/status/1111497156722978816
これはマンガ評論家の三崎尚人のツイートだ。
「前回の章が岸博幸氏にしては穏当と思ったら本領発揮。過去連載見ればわかる通り、この方は常にコンテンツ企業の代弁者であって、クリエイターの味方ではない」
https://twitter.com/nmisaki/status/1111472312220475392
西田宗千佳はフリージャーナリストである。
「『漫画家の一部が反対している』でもなく、『漫画家が音頭をとって、誰もが犯罪者扱いされかねない法案に反対』したのだけれど」
https://twitter.com/mnishi41/status/1111487616275275777
他にも岸の記事を切って捨てるツイートが数多く投稿されている。岸の立場は「慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授」にとどまらないことも問題視されている。こんな具合に、だ。
「『岸 博幸 エイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問』
どこのポジションから物を言ってるかハッキリわかんだね」
https://twitter.com/nobuhusababa/status/1111499434783703040
「この記事正気なのだろうか。『一部でしかない』というならダウンロード違法化法案に賛成していた人そのものが『一部でしかない』のだが、この手のポジショントークが好きな人にありがちなブーメランかなんかだろうか」
https://twitter.com/sisya_hatebu/status/1111608819463811076
岸博幸avexマーケティング取締役、グループホールディングス顧問というもう二つの肩書もちゃんと書かないと公正な判断は出来かねる」
https://twitter.com/OkazakiMiai/status/1111496838631178240
広告マンガ制作プロデューサーのうるの拓也は次のようにツイートしている。
「漫画界の総意ではなかったかもしれないけど、一部と言えるほど少数でもなかったと思うなぁ。ボクも反対だし。あのダウンロード違法化案はクリエイターじゃなくてコンテンツで稼いでいる企業の目先の利益を守るだけだったと思うんだよ」
https://twitter.com/takuya_uruno/status/1111479435893436417
note編集部による「そもそも著作権ってなんですか? 」には目を通しておきたい。弁護士の水野祐は次のように語っている。
著作権という権利がなぜあるのか、必要なのか、という点に関して、伝統的な見解は、著作者の創作を促す『インセンティブ動機づけ)』として独占権を与え、それによって著作者がどんどん著作物を創ることによって、化を豊かにしていこう」という世界観に依っています」
「…このような著作権が前提としてきた世界観はインターネットの時代に揺らいでいます。私も個人的には、このような世界観はやや現在の権利者を優遇しすぎていると考えています。なので、私としては、著作権法は、『創作的な表現について著作者や著作権者、そして利用者などの関係者の利害関係を調整するルール』と、もう少しフラットに考えています。さきほどの深津さんの言葉を借りるのであれば、自由利用と保護のバランスを図る法律、つまりオープン・クローズのバランスを図る法律っていうことだと思います」
https://note.mu/notemag/n/n7ab7de61d783
内閣府知的財産戦略本部の会合でインターネット上の海賊版対策として、アクセス警告方式の検討・導入を含むロードマップが提示されたようである。「アクセス警告方式」をめぐっても賛否は分かれよう。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2019/contents/dai4/siryou1.pdf
弁護士の草原敦夫が早くも次のようにツイートしている。
「ダウンロード違法化の対象範囲の拡大に加えて、今回ロードマップに加えられたアクセス警告言の表示についても、その当否についてはきわめて慎重な議論が必要なところである。
すでに有識者の反対意見も出ているが、インターネット上の海賊版対策については、引き続き動向を注視していく必要がある」
https://twitter.com/atsuokshr0925/status/1111880922918338560
「出版状況クロニクル131(2019年3月1日~3月31日)」も、ダウンロード違法化問題に触れて次のように書いている。
「やはり問題なのは『著作権者である私たち漫画家が知らない間に話が進んでいて』、漫画家は政府や化庁から意見を聞かれることもなく、出版社からも説明や経過報告を受けていないことだ。つまり肝心な当事者に説明責任を果たすことなく、万事が進められていたのだ」
http://odamitsuo.hatenablog.com/entry/2019/04/01/000000

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2)【本日の一行情報】

大日本印刷DNP)が丸善ジュンク堂書店教堂、トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「hontohttps://honto.jp/)」は、キュレーションサービス「hontoブックツリー」の店頭導入施策「『平成時代』を読む」を3月28日(木)~4月25日(木)の期間、全国の丸善ジュンク堂書店27店舗にて実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000338.000009424.html

◎「BUSINESS INSIDER JAPAN」が「アマゾンの倉庫勤務vs.ウーバーの運転手。最低賃金の仕事はどっちが過酷か」で、光社から刊行されたジェームズ・ブラッドワースの「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~」を紹介している。書いているのは「ユニクロ潜入一年」横田増生。横田は「潜入ルポ アマゾン・ドット・コム」も書いている。
「この本がイギリスやアメリカで広く受け入れられた一つの要因は、冒頭で描かれたアマゾンの物流センターでの劣悪な労働条件だった。アルバイトがトイレに行くと、アマゾンが重要視する生産性が落ちたと追及されるのを恐れ、飲料水のペットボトルをトイレ替わりに使ったり、著者が病気で休んだときでも懲罰的な対応を取られたりした。大した理由でもないことで、多くのアルバイトが辞めさせられていったという」
https://www.businessinsider.jp/post-188059
日本のアマゾンとて「例外」ではあるまい。

◎学研プラスは、小学生女子に人気の「動物と話せる少女リリアーネ」シリーズが累計200万部を突破したことを記念してプレゼントキャンペーンを3月12日より開催中だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002110.000002535.html

幻冬舎が運営するブロックチェーン・暗号通貨メディア「あたらしい経済」編集長の設楽悠介が次のように語っている。こういう人材が幻冬舎にはいるのか。設楽はなかなか優秀である。
「いかに本を売るのかという点でいうと、昔みたいに当日まで情報を明かさずに発売日に本屋に並べて新聞広告を打って販促するという方法はまだ年配の方向けのコンテンツでは有効ですが、若い読者にとっては有効ではなくなってきています。
だからそのコンテンツの情報を事前にたくさん出して、発売前から読者コミュニティを作って温めてから本を出すという流れにどんどんなってきていますよね。これは本に限らず、映画や音楽もそうなってきていると思います。今売れているコンテンツは、それをちゃんとできているコンテンツです」
https://www.asahi.com/and_M/20190329/1188517/
プラットフォームからブロックチェーンへと時代は大きく旋回していくはずである。

◎「ウルトラマン」の円谷プロダクションは、ウェブマガジン「TSUBURAYA・GALAXY」( https://galaxy.m-78.jp/ )を、4月12日に月額980円で創刊する。
https://mainichi.jp/articles/20190328/k00/00m/040/186000c

近鉄近畿日本鉄道)の企画きっぷ「伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポート まわりゃんせ」と昭社がコラボしてオリジナル小冊子「ことりっぷ 近鉄電車で行く伊勢志摩さんぽ」を製作し、3月30日(土)からジュンク堂書店三省堂書店、Hair&Make EARTHの一部店舗や武庫川女子大学などで、合計14,800部を無料配布し、3月28日(木)~4月27日(土)には「ことりっぷ電子書籍版アプリ」のコンテンツとして同内容を無料配信する。また、3月28日(木)には、ことりっぷWEBサイトにおいて関連記事「お伊勢まいりときらめく海の恵みを満喫♪ 近鉄電車で行く1泊2日伊勢志摩さんぽ」も掲載する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000275.000007916.html

テレビ東京電通は、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」の高校対抗の全国大会「ステージゼロ」を開催する。
https://www.sanspo.com/sports/news/20190328/esp19032814270003-n1.html

福澤徹三の「Iターン」(藝春秋)が「下衆の愛」の内田英治監督によってドラマ化されることになった。主演はムロツヨシ。テレビ東京系ドラマ24で7月に放送開始となる。6月には「Iターン2」が発売される。内田が全12話の脚本と監督を担当するという画期的な番組である。ドラマ24って凄いよね。日本で最もネットフリックスに近い挑戦をしているのは、実はテレビ東京かもしれない。
https://www.cinemacafe.net/article/2019/03/29/60913.html

◎60周年を迎えた吉本新喜劇の公式スペシャルブックが光社から発売される。4座長(小籔千豊、川畑泰史、すっちー、酒井藍の集合写真が掲載された一般流通版の表紙に加えて、3月28日から始まったワールドツアーの会場や東京・ルミネtheよしもと大阪・なんばグランド花月などのよしもとエンタメショップでは、初回限定で4座長のソロ表紙版が販売される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000173.000021468.html

小学館が運営するWEBマンガサイト「裏サンデー」とコミックアプリ「マンガワン」で人気No.1を誇る「ケンガンアシュラ」(原作:サンドロビッチ・ヤバ子、作画:だろめおん)がアニメ化され、7月31日よりネットフリックスで全世界独占での配信が決定した。
https://news.ponycanyon.co.jp/2019/03/31196

◎「AbemaTIMES」が「新聞はオワコンなのか?新聞社はこれからも必要なのか?朝日新聞の鮫島浩記者、上念司氏らが激論」を掲載している。他にも「スマートニュース」の瀬尾傑や会員登録制ウェブメディア「リディラバジャーナル」を運営する安部敏樹などが喧々諤々。
「新聞の危機といっても、ビジネスモデルや信用の問題より、"どこかで変えないといけないが、なかなか舵を切れない"という、"変えられない"問題の方が深刻だと思う。内閣府の統計でも若い世代は新聞を本当に読んでいない。ただ、紙で新聞の記事を読んでいる人は減っていても、ネットを通じて触れる機会はむしろ増えていると思う。要はスピード感を持って経営戦略を変革できるかどうかだ」(瀬尾傑)
「だから強調したいのは、我々が紙の新聞を残すことを目的にしているというわけではないということ。記者の一番の仕事はジャーナリズムだ。極端な話、ジャーナリズムが生き残れば、なくなってもいいと個人的には思っている」(鮫島浩)
「『ジャーナリズム』と言っても、別に霞を食って生きているわけではない。新聞の価値は、情報が毎朝毎晩ちゃんと届くというところ、つまり販売のビジネスモデルあったという話なのに、日本の新聞社や記者たちは『いい記事を書くんだ。スクープを取るんだ』ということしか考えずにやってきたと思う。だからインターネットで新しいビジネスモデルが出てきた時に出遅れた」(安部敏樹)
新聞販売店のビジネスモデルを考えた場合、クリティカルマスを下回ると配達ができなくなるので、やがては駅売りだけになる。でも駅売りはもっと売れないし、それもなくなっていくと思う。紙は高級品になるというが、その高級品を"押し紙"として死ぬほど捨てている実態がある。朝日新聞も3割くらいがそうだという話もある。そうだとしたら、もう紙を切り捨てるしか生き残る道はない。巨大流通網と印刷所、販売店を維持しようと思ったら、今までのようにやっていくのは無理だ」(上念司)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5c9c7cabe4b07c8866311a02
安部が新聞社は軽減税率の適用を受けるべきではないとも指摘しているが、それはその通りなのではないのだろうか。消費税が10%レベルで新聞は軽減税率の対象となるべきではなかろう。

ダイヤモンド社から「もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと」を刊行した鈴木美穂に産経ニュースがインタビューしている。鈴木は元日本テレビ記者・キャスターで、がん患者らの相談支援を行っている認定NPO法人「マギーズ東京」の共同代表理事をつとめる。24歳で乳がん(ステージ3)にかかり、現在は小腸がん(ステージ4)にかかり、3年目だという。
「どんなにもがいても、どんなにやり直したくても、がんになってしまった自分を含めて、この自分で生き抜いていかなければなりません。すべての出会いと経験が自分の人生を作っているのです。すべてのことに意味があり、無駄なことはひとつもない。そう思えば、経験したくなかったことも、受け入れられるようになります。いつも自分に言い聞かせています」
https://www.sankei.com/premium/news/190329/prm1903290007-n1.html
本のタイトルに「がん」「癌」とあると、私はつい買ってしまう。

博報堂DYホールディングスは、MESONとARクラウドを軸とした体験拡張時代の行動や、体験拡張を実現する基盤となる技術についての共同研究契約を締結した。共同研究の成果発表の第一弾として、4月27日~29日に神戸市にて行われるクロスメディアイベント「078kobe」において、ARクラウド上で複数ユーザーが仮想オブジェクトを用い、都市開発を行うARクラウド技術の体験デモ展示を行う。
https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/assets/uploads/20190329.pdf

◎WiL, LLC(米国カリフォルニア州)が設置したWorld Innovation Lab Fund II, L.P.(WiL Fund Ⅱ)と博報堂DYメディアパートナーズは、動物病院と飼い主を結ぶプラットフォーム「ペット手帳」事業を行う「株式会社stepdays」を共同出資により設立し、4月1日より営業を開始した。「ペット手帳」は「動物病院の業務効率化」と「飼い主の利便性向上」を目的とした、動物病院と飼い主を結ぶプラットフォームである。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/03/HDYMPnews20190329.pdf

◎大広がSOOTH、ヒトクセ、ビデオリサーチと進めている共同研究プロジェクト「気持センシングラボ」に、ソネットメディア・ネットワークスが参画することが決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000042292.html

久坂部羊安楽死をテーマにした小説「神の手」(幻冬舎庫)WOWOWでドラマ化される。全五回、主演は椎名桔平
https://www.oricon.co.jp/news/2132590/full/

◎芳社は、公式マンガアプリ「COMIC FUZ」(コミックファズ)の配信を3月29日より開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000043331.html

◎「別冊少年マガジン」(講談社)に連載されている「かつて神だった獣たちへ」(めいびい)がアニメ化され、フジテレビが運営する動画配信サービス「FOD」で7月より独占配信される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000866.000000084.html

佐藤秀峰が「note」に「で、結局どうやったら漫画家になれるんスか?」を発表している。いつもながら佐藤の発言は鋭い。
「紙が売れる時代は出版社や書店の世話になればいいし、電子の時代になれば彼らを捨てればいい。
著作権は漫画家が100%持っています。
コンテンツホルダーの最上位にいること、作品を自由に運用出来る立場にいることを自覚すべきでしょう」
https://note.mu/shuho_sato/n/n42f3d274f85b?fbclid=IwAR3Ku1uG1miTqF_yiZwOiAzOM8IKkUUqz2YF38iqVO6JZhIQ7ke-zCYUExo

◎「週刊少年サンデー」(小学館)とサイバードは、マンガやスタンプ、アニメなど、「名探偵コナン」の全ての情報が詰まった「名探偵コナン公式アプリ」で、プレミアムクラブ会員限定リアルイベント「第2回プレミアムナイト」で販売した限定グッズの販売を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001531.000001661.html

TBSラジオは、音声メディアの可能性を探求し、その成果を広く社会に還元することを目的とした研究所「Screenless Media Lab.」の設立を発表した。
https://www.oricon.co.jp/news/2132519/full/

桂正和が「週刊少年ジャンプ」で1997年から2000年まで連載した「I”s<アイズ>」のアパレルグッズがヒューマンフォーラムの「SPINNS」から4月にリリースされる。
https://www.spinns.jp/feature/is/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000437.000009612.html
https://www.humanforum.co.jp/

テレビ東京の新ニュース配信ブランド「テレ東NEWS」が4月1日よりスタートした。
https://www.tv-tokyo.co.jp/information/2019/03/30/214873.html

◎東大総長の五神真は卒業式で永山則夫について見田宗介の「まなざしの地獄」を踏まえながら現在の問題として捉えている。
「N・Nは中学卒業後の1965年に、集団就職の一員として東北の地から上京しました。彼のように地方の中学や高校を卒業して東京やその近県に就職した若者は、この年だけで11万人を超えています。当時、日本はまさに高度経済成長のまっただ中で、彼らは『金の卵』と呼ばれ、多くの企業から引く手あまたで歓迎されました。彼ら自身も、地方での貧困や閉塞感から抜け出せることに希望を抱き、大都市に足を踏み入れたのです。
しかし、その若者たちとそれを受け入れる都市の間には、大きなすれ違いが潜んでいました。都市が要求し歓迎したのは、解放と幸せを夢見る一人一人の若者ではなく、安価で新鮮な大量の労働力だったのです。N・Nはやがて、自らに向けられた都会の人々の視線、まなざしの冷やかさと、その人々の目に映ったまま変えることができない自らの出身や経歴に気づき、強い疎外感と攻撃性とを抱くことになります。
そして、N・Nは充実感を得られないまま転職を繰り返し、絶望の果てに凶悪事件を起こしてしまいます。この事態そのものは、もちろん極めて異例です。しかし、この時期、希望に満ちて大都市東京に流入した多くの若者が、彼ほど際立った形ではないにせよ、本質的には彼と同じ生きづらさと孤独を経験したことは事実だったのです。
見田先生が取り上げた事例から半世紀が経過していますが、そこで浮き彫りにした格差社会の構造は、私たちが生きる今の社会にも実は横たわっています。優位な多数派の側に立つ人々が、異質な少数の他者に対して半ば無自覚に排他的な目を向けてしまうという構図は、現代においても珍しいものではありません。
さらに、現代において、異質な他者に向けられる人々のまなざしには、N・Nの時代よりもはるかに強い衝撃と影響力が加わっています。というのも、N・Nが強く意識し恐れた人々の評価は、基本的には彼が直接に出会った職場やその周辺に限られていました。しかし現代においては、直接に会うことのない幾多の見知らぬ人々の目が、あっという間に特定のターゲットに向けられます。SNS利用者のコミュニケーションの場に突如として生じる『炎上』という現象は、サイバー・カスケードのネガティブな帰結の典型で、現代の深刻な社会問題というべきものです。
私たちは、ついつい自分が主流派・多数派に属していると思い込むことで安心を得ようとします。翻って、自分と異なる他者に対しては『変わり者』や『異端』のレッテルを貼りがちです。一方で、多数派に属しているつもりだった自分が、何かのはずみで突然『異端』の側に立たされてしまうという事態が、いとも簡単に起こりえるのです。だからこそ、多様性を尊重するということの重要性を、常に強く意識しなければならないのです」
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message30_10.html
マルチチュードという言葉がリアリティを持つ時代がやって来そうである。アントニオ・ネグリの「デカルト・ポリティコ」が青土社から刊行された。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3277

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3)【深夜の誌人語録】

遠慮も忖度のうちである。