Index------------------------------------------------------
1)【記事】続報!津原泰水が幻冬舎との攻防をTwitterで暴露
2)【記事】講談社・渡瀬昌彦常務取締役から届いた回答全文
3)【本日の一行情報】
----------------------------------------2019.5.17 Shuppanjin
1)【記事】続報!津原泰水が幻冬舎との攻防をTwitterで暴露(岩本太郎)
小説家の津原泰水が百田尚樹の『日本国紀』(幻冬舎刊)を批判したことを理由に、幻冬舎から文庫化の予定だった自作『ヒッキーヒッキーシェイク』の刊行が中止されてしまったとされる一件については一昨日(15日)付の『文徒』でも報じた。ネット上で話題となったことを受けて大手メディアもこの件に注目、同日の日刊スポーツにも「百田氏の著作権侵害指摘の作家、出版社の圧力訴える」と題した記事が掲載された。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201905150000253.html
もっとも、この記事は津原の当該ツイート引用のみで書かれており、当事者、少なくとも津原への直接取材はなかったらしい。記事を受けて津原は同日午後には再びTwitterに投稿し、不満を表明した。
《日刊スポーツの記事は、ただのツイッターからの拾いものの組合せです。僕はいっさい関わっていませんし、記事にするとの連絡も受けていません。完全に無断であり、きわめて迷惑に感じています。タイトルに百田尚樹さんのお名前を持ってくるのも不適切なミスリードだと思います。以上、表明致します》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128550817387118592
一方、毎日新聞の統合デジタル取材センター記者の大村健一は津原のほかに幻冬舎にも直接取材したそうだ。上記の日刊スポーツの記事については自身の取材記事がアップされた16日の朝、Twitterでやはり疑問を表明している。
《それにしても日刊スポーツは、津原さんのツイートの引用だけで、幻冬舎に確認もしないでよく書けたなと思う。訴えられたらどうするとか考えなかったのかな》
https://twitter.com/k_oomura/status/1128785433079365632
大村の記事は「百田尚樹さんの『日本国紀』批判で出版中止 作家が幻冬舎を批判」とのタイトルで、「(日本国紀の)販売のモチベーションを下げている者の著作に営業部は協力できない」と版元から伝えられたという津原の主張と、それに対する幻冬舎側の「文庫化を一方的に中止した事実はない」とのコメントを両論併記の形で伝えている。
https://mainichi.jp/articles/20190515/k00/00m/040/310000c
江川紹子はこの記事を読んで《多様な言論より稼ぐ著者、表現の自由より金になる商品が大事。出版社としての矜持はどこへ?》と感想を綴っていた。江川は、理はやはり津原の側にあるとの感想だ。
https://twitter.com/amneris84/status/1128826539884154880
とはいえ津原はもとより、この件を報じた大村自身も幻冬舎のやり方にはモヤモヤを払拭できなかったらしく、前記毎日新聞の記事がアップされた直後にはこんなツイートをしていた。
《新聞の「係争中事案は両論併記」の原則上、再反論は載せづらかったのですが、幻冬舎の回答の概要を伝えると、津原さんは「なんでそんなうそをつくのか……。私から出版中止を申し入れてはいないし、その証拠もある」と絶句していました》
https://twitter.com/k_oomura/status/1128785238509809665
ここから再び津原による舞台裏告発ツイートが怒涛の勢いで始まる。発端は、今年の正月休み明けに幻冬舎の担当者から来た1通のメールだった(やり取りの大半はメールだった)そうだ。
《「会社に来て、いろいろ考えてみましたが、『ヒッキーヒッキーシェイク』を幻冬舎文庫に入れさせていただくことについて、諦めざるを得ないと思いました」と1月8日15時54分受信の担当メールに残っています。これを読み、僕の方から袂を分かったと感じる人はいないでしょう》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128788538537828352
《遡って9時27分「年末から電話に出ていただけないのでメールを差し上げました。文庫ゲラについてのお尋ねもあったのですが、同時に、津原さんのツイッターについても…… 社内でも『どうしてここまで?』と白い目で見られ、ついに私も肩身が狭く居心地悪くなってきました」とのメール》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128790439950086145
《久々に携帯電話を確認しましたら、びっしりと着信履歴。で、折返した。出勤中だったみたいで駅にいらっしゃるような背景音。誰が文句を云っているのか、僕にどうしてほしいのかを問いました。ごにょごにょと誤魔化すので何度も問いました。前者についてのみ「営業部長」との回答を引き出しました》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128791655878807552
《要求を云えないんですよ、云えば違法だから。「そうですねえ……まあなんとか」と甘え声を出すばかり。「営業が協力できないって、幻冬舎文庫に入れても死蔵される、無駄弾ってことだよね? それ背任じゃないの?」とは云いましたね。遅刻すると可哀相なので、ちゃんと考えてくれと早めに切りました》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128793802477453314
《喋ったのは20分くらい? 電話の時間は短く感じるので30分くらいだったかも。会社からまた連絡があると思っていたので、電話を持ち歩いていたんだけど、それきりかかってこなくて、気が付くとメールが入っていた。その要件が冒頭の引用。お読みのように取材への回答とは正反対で、彼が決めています》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128795062157004801
《正直、僕は、拙作を厚遇するから黙ってくれ、或いは『日本国紀』の支援のまわってくれ、とでも云われるのか? それはそれで面白い、と思っていました。例えば『ガリバー旅行記』のように見立てて、虚実綯い交ぜに楽しむ方法を作品として発表するとかね、電話を待ちながらそこまで考えていました》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128796660828495873
《だから18時41分、彼への返信にこう書いています。「出版中止にあたっての、なんらかの条件提示、遵守事項の確認があるのかと思ったけど、何も無いって、ちょっと笑ってしまうというか」》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128797205240770562
《「これで僕は幻冬舎とは無関係な存在なので、『日本国紀』について黙っている道義はないし、『版元が変わりました』ってだけで読者には何が起きたか判ってしまう。幻冬舎、何がしたかったんだろう? としか。もうレッドパージそのもの」》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128797311167893504
《この時点から僕はメールに相手の文面を残し、幻冬舎文庫版『ヒッキーヒッキーシェイク』関係者とエージェントにこっそりBCCしています。証拠を残しとかないと、何されるか判んないと思ったから。カバーの画家、装丁家、解説者、全員が僕の人脈、僕のお膳立てですよ。いい加減にしろっていうか》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128798507706380289
《以上を固く黙っていたことで、僕が幻冬舎の面々を恨むどころか庇っていたこと、広くご理解いただけたかと思います。出版界の信頼にかけての批判行為をプロレス呼ばわりされなければ、たぶん全部、ずっと黙っていましたし、新聞で大嘘をつかれなければ、こうしてメールの一端を出したりもしなかった》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128807796147859456
《業務メールなので全文公開して構わないのかもしれませんが、今のところ、証拠保持を含め僕に虚言がないことと、相手の問答無用ぶりさえ伝わればよいので、他は伏せて》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1128833649325928448
作家で『情事 撮影所法務部妻木悠人の事件簿』(角川文庫)などを出している安達瑶の「片割れ」だという「安達O」はこの件について「抗議声明を出してください」とのメールを日本推理作家協会、日本文芸家協会、日本ペンクラブにあてて送ったそうだ。ブログによれば、例えば推理作家協会あてはこんな内容だ。
《昨日知りましたが、作家の津原泰水氏の「ヒッキーヒッキーシェイク」の文庫化が進んでいたのに、同じ出版社の他の出版物を批判したという理由で出版が拒否された件について、日本推理作家協会として、幻冬舎に抗議声明を出すべきであると考えます。
津原氏は協会の会員ではないようですが、会員外でもすべての推理作家(とりあえずは)の権利を擁護するのが日本推理作家協会の存在意義の一つであると考えます。
是非とも、なんらかの対応をしてください。
なにとぞ、ご検討ください。
すべての小説家の表現活動に影響のある事態であると憂慮しておりますので》
http://adachiyo.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-5684fb.html
https://twitter.com/Adachi_O1958/status/1128850799730122753
フリー編集者の浅原裕久も、幻冬舎の編集者が津原に送ったというメールの文面について、呆れたようにこう呟いていた。
《著者にこんな泣きごとをメールする編集者がいたなんて。ゲラやってるときにこれはキツい》
https://twitter.com/asahara1966/status/1128873359175872513
一方、花村萬月は前日の15日の段階でこの騒動を知ったと言い、角川書店にいた当時の見城徹との思い出も引き合いにしつつ、醒めた調子でこんなふうに呟いていた。
《SNSに興味をなくして、まったく触れていなかった。ツイッターもやめてしまおうと久々に覗いたら、津原泰水と幻冬舎のことが目についた。
俺からすれば津原もじつに面倒臭い奴だが、それは津原の繊細な美意識がもたらすものだから、そして俺は編集者じゃないから付き合わなければよいだけのこと》
https://twitter.com/bubiwohanamura/status/1128490449788854272
《俺が駆け出しのころだ。見城がまだ角川書店にいた時代だ。角川書店担当Sに上司の見城を紹介された。編集者なのにチープな文学意識の抜けていない薄気味悪いマッチョだった》
https://twitter.com/bubiwohanamura/status/1128495952036163584
《見城は仰有った。ボクは小説は最後しか読まない》
https://twitter.com/bubiwohanamura/status/1128495954338795523
《俺、角川書店との仕事をやめようと思った。でも、まあ、見城は俺の担当じゃないし、担当Sとはとても馬が合うので、思いとどまった》
https://twitter.com/bubiwohanamura/status/1128495958390480896
《俺は一切幻冬舎と仕事をしていない。だからなんでも書ける。幻冬舎と仕事をしない理由は、もちろん最後しか読まない編集者の会社から本を出したくないからだ》
https://twitter.com/bubiwohanamura/status/1128496829354528768
一方、見城徹も津原のツイートが拡散されネット上で話題になるのを見過ごせなくなったのか、16日の午後から夜にかけてTwitter上でついにこの件に言及。
《それでも、こちらからは文庫化停止は一度も申し上げておりません。担当者はずっと沈黙していましたが、あまりのツイートの酷さに「これでは私が困ります」と申し上げたところ「それでは袂を分かちましょう」と言われ、全く平和裡に袂を分かったのが経緯です。他社からその文庫が出る直前に何で今更?》
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1128927370256064512
《津原泰水さんの幻冬舎での1冊目。僕は出版を躊躇いましたが担当者の熱い想いに負けてOKを出しました。初版5000部、実売1000部も行きませんでした。2冊目が今回の本で僕や営業局の反対を押し切ってまたもや担当者が頑張りました。実売1800でしたが、担当者の心意気に賭けて文庫化も決断しました》
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1129025590021971969
《津原さんの[日本国紀]及び著者に対する誹謗中傷は執拗に続き、担当者は沈黙を破って「これでは、私の立場がない。困ります」と電話をしたのです。ならば袂を分かとうと津原さんが言い、文庫化中止の意思は担当者に伝わったのです。やがてメールのやり取りの全文も何らかの形で明らかになるでしょう》
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1129025896428462080
《これらのやり取りと決着は1月の初旬のことです。それを4ヶ月経った今、他社から文庫が間も無く出版されようという時に何故、突然に問題にするのか理解に苦しみます。こちらとしては文庫出版権を快く放棄し、他社から文庫化された場合のロイヤリティも放棄したにもかかわらずです》
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1129030298321055744
花村のツイートにも反応。こちらはそのまま受け止める考えのようだ。
《花村萬月さんに関してはあそこまで悪口を書かれるのは僕の不徳の致すところとしか言いようがありません。何故なら、僕はデヴュー当時の花村萬月さんの作品も人となりも好きだったからです。しかし、花村さんは僕のことを不快に思っていたことが良く解りました。身から出た錆と胸に刻みます》
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1129041360592543744
高橋源一郎も呆れている。
《見城さん、出版社のトップとして、これはないよ。本が売れなかったら「あなたの本は売れないからうちでは扱わない」と当人にいえばいいだけ。それで文句をいう著者はいない。でも「個人情報」を晒して「この人の本は売れませんよ」と触れ回るなんて作家に最低限のリスペクトがあるとできないはずだが》
https://twitter.com/takagengen/status/1129065110251507717
それにしても上記で毎日新聞の大村が言っていた「両論併記の原則上、再反論は載せにくい」などというくだりには、例の『美しい顔』をめぐる問題もダブってくる思いがしたものだ。一昨日、金菱清編著『3.11 慟哭の記録』の版元である新曜社を久々に訪ね、担当編集者に話を聞いたところによると、ここにきて大手メディアからの取材はかなり来ているものの、大半は講談社や北条裕子側の発言をベースにした「両論併記」のスタンスでやってくるとか。そうした取材に対して編著者の金菱は今なお一切取材には応じられないとの姿勢を崩していないという。
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2)【記事】講談社・渡瀬昌彦常務取締役から届いた回答全文(岩本太郎)
本誌と並行して私が仕事をしている『週刊金曜日』の本日17日発売号では『美しい顔』をめぐって講談社と『文徒』との間で先月以来続いてきたやりとりについて、「講談社が業界誌に取引停止通告」と題した1ページの拙稿を載せている。今はまだ紙版のみでの掲載だが、来週末か再来週の初めまでにはウェブ版の「週刊金曜日オンライン」でも無料公開されるはずだ。
http://www.kinyobi.co.jp/
この件に関して私は先月17日付の『文徒』で同社の乾智之広報室長に電話で取材した際のやり取りを紹介した。同じく取材を申し込んでいた広報担当・文芸担当役員の渡瀬昌彦常務からは回答が得られないままだったが、連休明けに改めて問い合わせたところ10日になってようやくメールで回答を得た。本来であれば上記の『週刊金曜日』の拙稿にもそれを盛り込みたいところであったが、渡瀬常務からのその回答は1ページ(400字換算で4枚程度)の記事に乗せるには少々長すぎ、なおかつ「『週刊金曜日』で執筆される場合には」「誤解を招かないためにも一部を抜粋したりせず全文を掲載していただきますよう」にとの断り書きがあったことから掲載を断念。代わりに私個人の以下のブログエントリに「誤解のないように」全文を掲載し、URLを同記事中に記載するにとどめた次第だ。以下その渡瀬常務からのコメント部分のみをここでは「孫引き」で引用する。
《岩本太郎様
すでにご承知かと存じますが、弊社とメールマガジン「文徒」との関係は途絶しており、そこで定期的な執筆を続けておられる岩本さんに対しても、お答えすべきことは特にございません。
その点、くれぐれもご留意ください。
「週刊金曜日」で執筆される場合には、以下のコメントをお使いいただきたく、よろしくお願いいたします。
「『美しい顔』に関して、主要参考文献のひとつである『3・11慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震』の編者である東北学院大学教授金菱清氏および金菱氏の代理人である版元・新曜社のご理解を得られなかったことはまことに残念です。それ以外の主要参考文献である4作品の版元(新潮社・東京大学出版会・ポプラ社・文藝春秋)ならびに著者編者の方々に対しても、金菱氏および新曜社への対応と同様に初出時の参考文献未掲載の過失を、「群像」編集部が作者の北条裕子氏と共にお詫びいたしました。また、金菱氏と同様に一部著者に対しては不備のあった点の修正についてご提示申し上げました。昨年12月まで及んだ当該の著者編者の方々との協議と交渉を経て、4月17日に単行本を刊行させていただきました。金菱氏および新曜社以外の著者編者の方々からのご異論やご批判は、現在まで私共が把握している限りでは、ございません。
関係各方面ならびにお読みいただいた読者諸賢のご批評ご批判を真摯に受け止め、今後の出版活動の糧といたしたく存じます」(講談社常務取締役 渡瀬昌彦)
以上です。誤解を招かないためにも一部を抜粋したりせず全文を掲載していただきますよう、くれぐれもお願いいたします。
2019年5月10日
講談社
渡瀬昌彦拝》
https://air.ap.teacup.com/taroimo/1939.html
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3)【本日の一行情報】(岩本太郎)
◎上記の『3・11慟哭の記録』の公式Twitterアカウントが、毎日新聞が13日付でアップした北条裕子へのインタビュー記事を引用しつつツイート。
《「不快な思いをさせた」戦争発言の丸山議員と盗用疑惑作者北条裕子氏の同じ言い回し。自らの行為の責任を問われないよう微妙にずらす、お詫びの常套句。後味が悪い。》
https://twitter.com/daishinsainohon/status/1128226981802209280
金菱清はこの件についてなおも沈黙を保っているが、上記のアカウントより私のtwitterでの呟き(講談社との件に関する『文徒アーカイブス』記事のシェアなど)も先日からフォローされるようになった。関心は持ってくれているようだ。
◎第50回大宅壮一ノンフィクション賞は河合香織『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)と安田峰俊さん『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』に決まった。贈呈式は6月下旬に東京都内で開催。
https://twitter.com/shinko_kai/status/1128616742433972225
https://mainichi.jp/articles/20190515/k00/00m/040/254000c
◎2012年にシリア取材中に凶弾に倒れたフリージャーナリストの山本美香に因んだ「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」の本年度(第6回)は「該当作品なし」。代わって奨励賞の顕彰が行われるそうだ。授賞式とシンポジウム「ジャーナリズムと民主主義」は5月24日の18時より日本記者クラブで開催。司会は野中章弘(アジアプレスインターナショナル)。パネリストには山本とは公私ともに最後までパートナーだった佐藤和孝(山本美香記念財団代表・ジャパンプレス代表)のほか、安田純平など同賞や同特別賞の歴代受賞者らが登壇する。
https://www.atpress.ne.jp/news/183568
https://www.facebook.com/events/817206725345011/
◎元NHK・堀潤が監督するドキュメンタリー映画『流刑地にて』が来年3月に公開されることが決まったそうだ。原発事故に遭った日本をはじめ中東、アメリカ、アジアで起きている「分断」を描いているという。NHKを辞めるきっかけとなった『変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界』以来5年ぶり2本目の作品となる。
https://twitter.com/8bit_HORIJUN/status/1128462491615354881
◎『ハフポスト日本版』が13日付で「大津事故の記者会見、質問する記者の社名は公表すべきか」を掲載。筆者の中村かさねは新聞社(毎日)時代に「社会的に注目される記者会見の一問一答記事では、質問した記者の社名も書くべきではないか」と何度か提案したものの「社名を挙げることは取材を萎縮させる」「社名を出したら自由に質問できなくなる」と却下されたという。
《記者会見で質問した報道機関の社名掲載がメディアのスタンダードになることは、対話を生み出すための一歩になると信じている》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cd8fa82e4b0796a95de65db
フリージャーナリストの佐々木俊尚が引用RTで賛同の意を表明。
《こういうのを大真面目に言う人がいまだいますからね…。「会見取材経験が豊富な先輩から『社名を出したら自由に質問できなくなる』と諭された」。この記事の結論にたいへん同意》
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/1128801486786486272
私もフリーランスの立場で時々記者会見に参加するが、会見場での質疑応答や、他の取材現場での新聞記者たちの取材の仕方を見ていると逆のことを思ったりする。「朝日ですが」「読売ですが」と社名だけ持ち出して自分の氏名は名乗らないお前ら、いったい誰なんだよ? と。
◎朝日新聞「GLOBE+」の連載「本屋さんに行こう」で中国や台湾、韓国、そして日本の書店事情をレポートしていた吉岡桂子らをパネリストに起用したトークイベント「本屋さんを遊ぼう」(「GLOBE+MEETUP」Vol.3)が5月30日に六本木の「文喫」で開催される。
https://globe.asahi.com/article/12365947
◎編集者やエンジニア、著述家、デザイナーなど有志が結成したコミュニティ「本とITを研究する会」が主催する「AI導入は出版業界を救うか?」が7月3日夜に都内・神田神保町の出版クラブホール会議室で開催される。沢辺均(ポット出版代表・JPO出版情報登録センター管理委員)、橋本泰一(東京工業大学特任准教授などを経て2014年からLINEに勤務)、三井篤(AIソリューション・プロバイダー)、そして話題の文学YouTuberベル(ベルりんの壁)らが登壇する。
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/10/121330
◎月曜社の全点フェアが早稲田大学生協戸山店で開催中(6月21日まで)。31日には「ウラゲツブログ」などでもおなじみの小林浩が「店頭にお邪魔します会(立ち聞き立ち見歓迎)」という無料イベントが開かれるそうだ。
https://urag.exblog.jp/239264626/
https://twitter.com/uragetsu/status/1128203971309400065
◎那覇市の「リブロリウボウブックセンター」では5月7日から27日まで沖縄県内の個性派古書店として知られる6店舗(ちはや書房、言事堂、市場の古本屋ウララ、小雨堂、くじらブックス、ダムダムブックス)による「リブロ古書フェス」を開催中。『ほんのひきだし』が「物流と境界の曖昧さが生んだ『沖縄ならではの本の世界』」と題して、こんなふうに紹介している。
《実は、沖縄における“本の世界”は、本土とは全く異なります。まず「すべての新刊書店が仕入れる商品は、原則同じ船の貨物で、本土より4~5日遅れて入荷する」という前提があり、新刊書店同士も、ライバルというよりは“一蓮托生の同志”というような相互認識を持っています(文字通り「同じ船に乗っている」わけです)。
同時に“新刊”と“古書”の線引きも、いい意味で曖昧といわれており、「出版業を営む古書店」や「新刊を置く古書店」が存在するなど重層的な構造となっています。
そのような背景から「新刊書店・古書店がタッグを組める下地が出来上がっている」ということが、今回の古書フェア開催にもつながっています》
https://hon-hikidashi.jp/bookstore/83685/
◎昨年秋に埼玉県秩父市を拠点に創刊された『ちちぶmagazine』はウェブマガジンでもフリーペーパーでもなく、地元の書店やコンビニでの販売を前提に立ち上がった今どき珍しい地域情報誌。編集長の相馬由子はリクルートの『R25』に創刊準備段階から参加していたスタッフの一人で、故郷の秩父に戻り、協力者らと一から会社も立ちあげて創刊にこぎつけた。創刊号は1万5000部、2号目は2万5000部。飛び込みで地元に西武秩父線が走る西武グループにも営業を掛けて出稿を得たりするなど奮闘中だ。
https://www.excite.co.jp/news/article/Finders_984/
◎電通が15日に発表した今年1~3月期の連結決算は最終損益が25億円の赤字(前年同期は107億円の黒字)。海外企業の買収、インターネット広告などデジタル関連事業のコストや、来年1月の純粋持ち株会社への移行に向けた費用もかさんだという。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0515-009815.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44829370V10C19A5DTD000/