【文徒】2019年(令和元)6月11日(第7巻101号・通巻1521号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】産経新聞は大丈夫なのだろうか?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.6.11 Shuppanjin

1)【記事】産経新聞は大丈夫なのだろうか?

既に公開されてから一週間が経つが、花田紀凱が「Yahoo!ュース」に「産経が心配だ。赤字幅は前期の4倍以上」を発表している。
産経新聞が心配だ。
経営的には危機と言ってもいい状態にある。5月14日、夏期賞与決定に際して、飯塚社長は30年度決算について社内に公表。それによると、売上高は前期比4・9%減、東日本大震災直後の23年3月期以来の大幅な減少。会社の実態を映し出す管理損益は10億8400万円の赤字。前期は2億5700万円の赤字だったから、赤字幅が4倍位以上に膨らんだことになる。本業の儲けを示す営業損益は30年ぶりに赤字。
昨年から希望退職を募っていたが、180人の募集に対し200人を超す応募があったという。ぼくが親しい永田町の黒シャツこと石政治部長もやめてしまった。現役の政治部長が希望退職なんて前例があるまい」
https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20190603-00128539/
産経新聞の場合、これまでフジテレビの利益で何とか支えられていたが、フジテレビがかつてのような利益を稼ぎ出せず、いよいよ産経新聞が苦境に立たされたということだ。まあ、アベシンパの最右翼がアベノミクスの恩恵を受けられなかったわけである。
https://www.sankei.jp/wp-content/uploads/2019/05/2019.5.28%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1.pdf
「5ちゃんねる」に「産経新聞社リストラ情報交換スレ」が立ったのが昨年のクリスマスのこと。2018年12月25日のことである。今年の2月27日には1000に至った。すると、当日には「産経新聞社リストラ情報交換スレ2」が立ち上がり、現在は「4」を迎えている。即ち3300以上も書き込まれているという盛り上がりぶりなのである。
確かに「便所の落書」のようなものも多い。しかし、産経新聞の関係者としか思えない書き込みも決して少なくないのが特徴である。このスレッドを読んでいると、産経の紙面ほどには勇ましくない実態も浮かび上がってくるのだが、取り敢えず、このところ気になった書き込みをここに紹介しておこう。
アベノミクスで景気がいいなんてのは大嘘で  単に勝ち負けがはっきりしてるだけだ 
もちろん産経は負け組な  新聞は本来こういうこと書かなきゃいけないけど  産経は安倍のゴマすりばかりして都合の悪いことは全く書かない 結局産経自らが真実を証明することになってしまった」
「社内報の『ご苦労さまでした』に俺、載ってないらしい。  やっぱり定年退職しないと載らないのか。 協力させられたのにひどい。 勧奨退職者も「ご苦労さまでした」に載せてほしい。 書きたいことあるよ」
「頼みのフジも斜陽だし、産経への支援を切って日経に接近したがってるからな」
「リストラはもう一回あるよ。 人数は前回と同じ180人。 対象は46~50歳。 割増金は前回と同じ」
「優秀でないお粗末な人物が管理職に大量についている のが産経をここまで 凋落させた大きな要因なんだよ。まともな人はいくらなんでもひどいと思うさ」
「中日に身売りして関西専業  それしかない」
「通期で2期連続赤字決算、額も20億に拡大と完全に終わってる会社にしか見えんのだが。 
未払金は10倍に膨れ上がり、170億の長期債務がのしかかる。賞与引当金は半減し、めぼしい資産を売って糊口をしのぐもリストラ絡みの特別退職金としてほぼ消えた。キャッシュフローは悪化の一途をたどり、財務体質の改善に寄与できていない。 
どうすんだ、これ?!」
「紙の新聞を辞めるためには輪転機を解約しないといけないよね。輪転機の解約には膨大な違約金を払わないといけないため、紙の新聞を続けるしかない」
「強いて戦犯を推薦するとすれば、熊坂、清原、飯塚の順かな」
「朝刊の配達がもう来た。今まではだいたい5時前後だったけど最寄りの取扱い販売店が毎日から読売の販売店に移管されたためかな? 
スポーツ欄のプロ野球のナイター結果がいつも何試合かは7、8回くらいの途中結果だけになってるし、リストラ効果でこんなことになってるのか」
「人事めちゃくゃですね。 退職勧奨拒否に対する報復とか。 報復って言葉おかしいけどね。 
応募しないという消極的行為に対して 人事権で攻撃するんだから」
「田北も正論調査室次長だもんなあ。 政治部長は佐々木さんだし次長酒井だし もう政治部長にはなれないよなあ。 産経新聞は他の全国紙と違って過去には 局長クラスまで女性登用したんだがなあ」
「新聞記者をメールセンターに飛ばすなんて 正気の沙汰ではない。 希望退職を断っても不利益な人事はしないという約束だったのに。 組合は何をやってるのか」
「10連休明け。本当に人が減った! と映る職場もあれば、人口密度がほとんど変わらず、若手が一定数いる職場もある。 
しかし、1割もの「仲間」がこの2カ月で去ったというのは重い現実だ。 
彼らの背中を押した人、なんとか残った人…それぞれにメンタルは痛んだ。 
50歳未満の社員も世代によって意識は異なるだろうが、うまく切り替えて新「産経」のために働く気になっているだろうか。 
明確な力強いメッセージを発するべきだけど、そんなことできる人間いるかね? 
話題になっている、T北さん、あのめくれあがった唇はセクシーだけどねえ。一緒に仕事したのは大昔なので、最近のことは知らんけどね」
産経新聞がこうなったのは自業自得かもしれないね。 新聞もテレビも主要なところは、本業は赤字でも不動産業で何とか黒字にしている。 朝日新聞毎日新聞も不動産業が好調なんだろ?いざというときには不動産を売ることもできる。 しかし産経はそれがない。東西の本社ビルは立派だが、サンケイビルとして上場されていて、 フジテレビの傘下だ。そして業績が悪化しているフジテレビを支えているというのが現実だ。 
産経新聞が本社用地として国から払い下げを受けた虎の子の土地を手放したのは産経新聞自身なわけで、 歴代の経営者はいったいどんな経営をしてきたのかな」
「講師派遣制度のメンバーを見て愕然とした。早期退職、リストラは何の成果もあげませんでしたと自ら強調しているようなものじゃないか。 
これで金を取ろうなんて言語道断。逆に10万円あげるから、頼むので、講師の話を 
聞いてくれと言われても即座に断る。そんな無駄な時間は過ごせないと」
「ぼろぼろなのは東京編集局。若手がドミノのように辞めていってる」
「退職勧奨に応じなかった複数の記者に メールセンターへの異動を内示したって本当みたいですね。 えげつない」
「メールセンターへの異動って年収が150万円~200万円下がるだけで仕事内容としては一番マシだと思います。いきなり経験もないのに販売や営業に異動させられた方もいるみたいですから・・・」
「リストラ終わったら首切った当事者が自らも辞めるのは普通によくあること。 赤字解消して無事にフジメディアホールディングスの子会社になったら 使命を果たしたとして引退するのは当然でしょ。 フジメディアホールディングスの子会社にならずに独自路線貫いたバカどもが 今も会社に残っている方が異常なんだよ。 熊〇とか有〇とか乾とか石〇とか。 今もいIZAとZAKZAKレジスタンスな真似しているよな」
「好き勝手に政治活動したいからとフジ・メディア・ホールディングスに入らなかった産経新聞の自業自得。 フジ・メディア・ホールディングス出来てからフジサンケイグループなんて過去の遺物」
鹿内信隆のときは低賃金だっていうけど、 鹿内が『刷新3カ年計画』を始めた昭和51年夏のボーナスの額は 18万8000円なんだよ。『これじゃ生きていけない』と社内は騒然となった。 ところが、昨年末の産経のボーナスはほぼ同額。 当時と物価が全然違うのは分かるよね。 それを考えると、今の産経経営陣がいかにひどいか。 
そのときは1800人を『要員調整』したけど、 クビを切られたのは定年後再雇用と契約社員だけで、 組合員は全員、産経の関連会社とフジテレビ、ニッポン放送が引き受けたんだよ。 今みたいに『辞めろ。就職先は自分で探せ』なんて言わないんだよ
「でも産経新聞記者が転職するなら東スポよりも 東京新聞なんだよなあ。思想よりも仕事内容の 親和性が優先される。 もちろん朝日なら最高や。 読売は外様受け入れないしな」
「原稿ヘタ…か…。まず、産経抄やな。編集の元締めのI氏からして原稿ダメな人やろ。 
よう、台湾まで行ったな、と思う。ま、お膳立てされた場所やけどね。 
産経抄は、ま、書いてる人が一番ダメなのを分かってると思う。 1面コラム大手6紙で一番内容が薄い。 深みがない。全国にある地方紙と混ぜても下位3分の1レベルだね。 そこから、変えてほしいわ、めしづかさん。 おっと、ワイもうつってしもうた」
「51歳から54歳は早期退職に応募すれば割増金2000万円もらえるんだからうらやましいよ。 40歳代はどうすればいいんだ、こん畜生。 オレにも2000万円よこせ」
「財界展望、何回か産経を取り上げてるけど、いつもピント外れてるよ。 今回も、反飯塚の政治部長を貶めたり、 熊坂前社長のせいにしたり、 挙句の果ては『飯塚社長の覚悟に一服の清涼感』???? 
誰に取材して、こんな飯塚寄りの記事書いてるのかな。 ちなみに『一服の清涼剤』という言葉はあっても 『一服の清涼感』は誤用だから。頭悪いライターだな」
「仮にも五大紙、全国紙なのに、 ボーナス手取り15万という恥ずかしい金額で、 51歳以上は辞めろって、ひどすぎるよね。 雇用と賃金に手を付けてはいけないよ。 すべて経営者の責任」
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/mass/1558180383/?v=pc
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/mass/1553825277/
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/mass/1551274831/
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/mass/1545737003/
「産経残酷物語」の伝統が正しく継承されてしまっている。産経新聞は朝日新聞より先になくなりそうである。

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2)本日の一行情報

◎「東洋経済オンライン」が水島宏明の「読売テレビの『性別質問炎上』に何を学ぶべきか」を掲載している。
「性的マイノリティーの人たちを傷つけかねない今回の放送がなぜ起きてしまったのか。その再発を防止するためには『報道番組』であるという原点を思い起こして、番組制作にかかわる人たちが性的マイノリティーなどの実際の声を聞く機会を数多く設けるほかはないだろうと思う」
https://toyokeizai.net/articles/-/283880
報道番組のバラエティ番組化は「かんさい情報ネットten.」に限ってのことではあるまい。報道番組のバラエティ番組化は視聴率至上主義の歪みを反映している。

◎and factoryと白泉社が共同で開発・運用している総合エンタメアプリ「マンガPark」は450万ダウンロードを突破した。これを記念して「午前がお得」キャンペーンを実施中だ。6月19日までの期間限定で、毎日9:00~12:00、人気作品を全話無料で公開している。更にアプリ内ストアで雑誌やコミックスを購入すると、1巻分のコインが即時還元される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000014185.html

◎二大取次が発表した2019年上半期ベストセラーで第1位を占めたのは2018年9月に亡くなった樹木希林春新書「一切なりゆき」であったが、宝島社の「樹木希林 120の遺言」、「樹木希林さんからの手紙」(主婦の友社)、「心底惚れた 樹木希林の異性懇談」(中央公論新社)の2冊まで合計すると累計200万部に及ぶそうだ。
https://hon-hikidashi.jp/more/85441/

日本テレビで「世界まる見え!テレビ特捜部」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」「恋のから騒ぎ」などを手掛けた元テレビマンであり、現在はKADOKAWAのコンテンツプロデューサーをつとめている吉川圭三が「#SHIFT」の公開した「テレビはなぜ“つまらなくなった”のか 日テレ『世界まる見え!テレビ特捜部』生みの親に直撃」で次のように語っていた。
「だから今、NHKが先鋭的に見えるのです。大河ドラマは明治維新前の世界を描くものとされてきたのに、オリンピックを扱った『いだてん』とかね。失敗作とは言われていますが、これをやること大河ドラマは表現が広がる。戦前・戦後のことをやってもいいのだ、となるのです」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1906/07/news038.html
視聴率にテレビの未来が胚胎されることはない。同じようにベストセラーに出版の未来は胚胎されまい。未来が胚胎しているのは有名にではなく無名だということを決して忘れてはならないはずだ。

◎インスタグラム広報の市村怜子が「AERA」6月10日号で次のように語っている。
「インスタグラムユーザーの20%が毎日何かしらの検索をして、情報を取りに行っています。特に、ハッシュタグ検索でいうと日本はグローバルの3倍以上検索している。本国のアメリカで、日本のユーザーの使い方が最先端かもしれないという声もあるんです」
https://dot.asahi.com/aera/2019060500080.html?page=1
インスタグラムって昔の雑誌の役割を果たしているんだよね、日本では。

◎「MITテクノロジーレビュー」が発表した「アラブの春からトランプへ 政治を変えた ソーシャルの幻想と現実」はしっかりと読んでおきたい。ソーシャルメディアが市民に力を与えたり独裁政権を転覆させたりする直接民主主義の道具から少数の巨大テック企業が主導するデジタルテクノロジーは、政治的な弾圧と対立を生み出す道具になり果てるまで10年を必要としなかったのである。
「権力を持つものは常に間違いから学び、強力な道具や手段は常に権力者の手に落ちる。これは歴史の厳しい教訓であり、根拠のあることだ。これはデジタルテクノロジーが、自由のための道具だと称えられてから7年後に、一転して西洋の民主主義を混乱させる(つまり対立を増大させて独裁主義を起こし、ロシアなどによる国政選挙への干渉を引き起こす)ものになり果てたと非難されているのかを理解するためのキーポイントになる」
https://www.technologyreview.jp/s/100111/how-social-media-took-us-from-tahrir-square-to-donald-trump/
では、私たちはソーシャルメディア以前に戻れるのか。答えは簡単。否である。理念的に戻ることはできても、現実的に戻るのは難しいのよ。

◎「TechCrunch Japan」が「Facebookの独自仮想通貨でユーザー間の送金や購入代金の支払いが可能に」を発表している。
Facebookは、Libraというコードネームで呼ばれる仮想通貨の詳細を発表する準備をようやく整えたようだ。同社の仮想通貨の概要を説明するホワイトペーパーが、今のところこの6月18日に発表される予定となっている。複数の投資家が、Facebookからこの日付を明かされた、と主張する、ある情報筋からもたらされた話だ」
https://jp.techcrunch.com/2019/06/07/2019-06-06-facebook-libra-launch/
「TechCrunch」のスクープである。

日立製作所博報堂は、生活者のパーソナルデータ利活用に対する意識や、AI(人工知能)によるプロファイリングへの期待と不安、ビッグデータ利活用への親しみ度合いによる意識差などを調査した「第四回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」を協働で実施した。
これによればパーソナルデータ利活用に対する期待と不安の全体的な傾向は、前回調査と変わらず。年代別では、“年代が若いほど不安が少なく、年代が高いほど不安が大きい”という傾向が初めて明確になった。
AIを利用する企業に求められているのは、「人や環境に対する安全性の担保」、「使用データの適切な管理」、「AIに起因する問題の責任の所在を明らかにすること」などの原則の遵守することだ。
また、ビッグデータを利活用したサービスの開発に携わっていた経験や、実際にそのサービスを利用したことがあるなど、ビッグデータへの関わりや親しみがある生活者ほど、データ利活用への期待や関心・知識が高い傾向にあることがわかった。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2019/06/20190606.pdf

◎東海TSUTAYAは、マガジンハウスの「BRUTUS」が2018年に発売し好評を博した「福岡の正解」、「札幌の正解」に続く「正解シリーズ」の待望の第三弾「名古屋の正解」発売(6月14日発売、一部エリアでは6月13日より発売)を記念して、6月14日(金)より東海エリアの「TSUTAYA」、「蔦屋書店」、「草叢BOOKS」にて、特集とコラボしたイベントや商品展開を期間限定で開催する。
「出張BRUTUS in SAKUMACHI商店街 (株)東海TSUTAYAオフィス」と「出張BRUTUS in 名古屋みなと 蔦屋書店」をそれぞれ6月14日(金)に、「出張BRUTUS in 草叢BOOKS 新守山店」は6月15日(土)に開催する。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000823.000018760&g=prt
この程度の「名古屋の正解」では物足りないというのであれば、私は迷うことなく矢部史郎の「夢みる名古屋――ユートピア空間の形成史」(現代書館)をオススメしたい。矢部にとっては7年ぶりの新刊である。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5857-0.htm
外山恒一矢部史郎を次のように評している。
矢部史郎を一生どころか地上に人類ある限り赦さないというのが、悪辣な謀略によって私をファシズム陣営へと“追いやり”、結果として来るべきファシズム千年王国の礎を拓いてくれたことになるだろう矢部史郎への、私なりの感謝と友情の表現である」
https://twitter.com/toyamakoichi/status/741974653510385664
矢部史郎と平沢剛が聞き手となって松田政男神山茂夫埴谷雄高花田清輝吉本隆明谷川雁大島渚澁澤龍彦寺山修司らを語らしめる「私闘する革命――戦後思想の10人」が刊行されるのは2019年冬。版元は航思社である。これも楽しみな一冊だよね
http://www.koshisha.co.jp/pub/archives/403

◎6月7日付日刊スポーツ「ネイマールマスターカードが広告起用取りやめ」は、こう書いている。
「性的暴行の容疑をかけられているネイマールに対してマスターカードは「問題が解決するまで、一時的に広告を取りやめる」と発表した。選手本人は容疑を否定しているものの、容疑の結果が出ていない状況では起用できないことを明かした」
https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/201906070000320.html

◎日経の6月8日付「広がる異世界(4) 出版不況でも返本ゼロ」はORブックスのジョン・オークスを取り上げている。
「米ニューヨーク。チェルシー地区の出版社『ORブックス』の社員はたった3人。デスクの上に本は見当たらず、経営者のジョン・オークス氏(57)は電子書籍を直販する自社のウェブサイトに熱心に見入る。書店で本を売らないため、サイトのデザインが生命線だ。売れ行きが鈍ければ社員の一人であるインドの現地エンジニアに連絡し、字や画像の見栄えを直す」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45363730Y9A520C1MM8000/

朝日新聞デジタルが6月7日付で「サントリー、全ペットボトルをリサイクルと植物由来に」を掲載した。
「飲料大手のサントリーホールディングスが、ペットボトルの製造化石燃料に由来する原料を2030年までに全廃する方針を掲げた。世界中で生産するすべてのペットボトルを、リサイクルした原料と植物由来の原料でつくる方針で国内初の取り組みという。ペットボトルの回収量を増やすために大阪市と協定を結ぶなど、資源確保の取り組みを今後、強化する」
https://www.asahi.com/articles/ASM674J5BM67PLFA00J.html

秋田書店のレディースコミック誌エレガンスイブ」(秋田書店)に連載され、黒木華主演でTBSでの実写ドラマ化も決まっているコナリミサトの「凪のお暇」が5巻で累計250万部のヒットとなっている。「日経ビジネス子版」の「ヒット漫画『凪のお暇』に見るKYの肯定」によれば「主要読者である20代女性だけでなく、男性にまで支持を広げ」ているそうだ。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/060700021/
https://souffle.life/

村上龍の「ピアッシング」(幻冬舎庫)がアメリカで映画化され6月28日より公開される。
http://piercing-movie.com/

◎学研プラスのトレンド情報誌「GetNavi」がプロデュースした「USB充電式 2WAYハンディファン」(実売価格1728円)が発売された。アウトドアでは手持ちで、デスクでは付属の卓上用スタンドに立てて使える2WAY仕様の扇風機だ。
https://getnavi.jp/homeappliances/390208/

◎新潮庫「二十歳の原点」(高野悦子)は54刷というロングセラーなのか!
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/516902/
この記事を読んで西日本新聞に「『私』事典 全共闘ダイアリー」が連載されていたことを知った。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%85%83%E9%97%98%E5%A3%AB%E3%80%81%E6%84%9A%E7%9B%B4%E3%81%AB50%E5%B9%B4-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%81%8B%E5%96%B6%E3%83%BB%E9%80%B2%E8%97%A4%E8%BC%9D%E5%B9%B8%E3%81%95%E3%82%93-%E3%83%AF%E3%82%BF%E3%82%B7%E3%83%9A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%80%8C%E7%A7%81%E3%80%8D%E8%BE%9E%E5%85%B8%EF%BD%9E%E5%85%A8%E5%85%B1%E9%97%98%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC-%EF%BC%881%EF%BC%89/ar-AACy8zq

◎6月8日付日経は「米書店大手B&N、ヘッジファンドが買収 740億円」を掲載した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45860070Y9A600C1000000/
5月8日付で紹介したが「おたぽる」が5月2日に公開した「書店業界最大チェーンが抱える大幅赤字 出版業界の再編はこれから本格化か」も読んでおこう。この記事はとても重要だ。
「書店業界の中で、書店事業がメインとなっている上場企業は堂だけ(丸善ジュンク堂書店の場合は半分程度)。その企業の不振が与えるインパクトはものすごく大きい。出版業界の本当の再編は、これからか」
https://otapol.com/2019/05/post-63682.html
こんな呟きも発見した。
教堂の上場廃止は、業界1位の日販の経営に大きな影響となる。それはそのまま出版業界の危機にも繋がりかねない。これまでのなんとかなってきた状況とは違う危機意識持たないと。おまけに消増税。ため息も出ない」
https://twitter.com/tomzt1026/status/1124571358510239744

朝日新聞デジタルは6月8日付で「グーグルのゲーム、11月から14カ国で 日本は含まず」を掲載した。
https://www.asahi.com/articles/ASM67544MM67UHBI01K.html

朝日新聞出版の男性ファッション誌「アエラスタイルマガジン」は9月に発売される秋号と11月に発売される冬号でも田中圭が表紙を飾ることになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000706.000004702.html

◎読売・吉野作造賞読売新聞社中央公論新社共催)は、摂南大経済学部准教授・牧野邦昭の「経済学者たちの日米開戦」(新潮選書)に決まった。昭和初期に統計学の基礎を築いた有沢広巳に焦点を当てている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060800213&g=soc
池田信夫が昨年の今頃、「経済学者たちの日米開戦」を取り上げていた。
「この報告書を出した有沢はマルクス経済学者で、当時は人民戦線事件で起訴されていたが、戦後は東大経済学部に復帰して『傾斜生産方式』を提唱し、戦後復興に大きな影響を与えた。よくも悪くも計画経済的だった日本のエリートの失敗は、今もすべて解明されたとはいえない」
http://agora-web.jp/archives/2033224-2.html
厳密にいえば有沢は労農派である。

◎「ソーシャルトレンドニュース」が公開した「ファッション好きに朗報!楽天マガジンで始める“雑誌バイキング”が便利すぎ」は、こう書いている。
「また、ファッショニスタは雑誌の読み方に特徴があることも明らかに。『いつも決まった雑誌だけを読む』人が25.4%である一方、『その都度気になった雑誌を読む』と答えた人が65.4%と多く、まるで食べ放題のバイキングのように、気になったタイトルだけを選び読む“雑誌バイキング”のスタイルが主流となっているようです」
https://social-trend.jp/51430/

稲垣美晴の角川庫「フィンランド語は猫の言葉」は81年の刊行以来、出版社を変えて今回で4度目の出版となる。著者自身が絶版状態にあった同書を猫の言葉社を立ち上げ、新装版を刊行したのが2008年4月のことであった。最初、化出版局から刊行され講談社庫化し、猫の言葉社が復刊させ、今度はKADOKAWAが庫化したという次第である。
https://www.sankei.com/life/news/190609/lif1906090023-n1.html

◎6月9日放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」の関東地区の平均視聴率が6・7%。大河ドラマ史上ワースト記録を更新したことになる。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906070000336.html
脚本は素晴らしいけれど数字がついてこないという典型である。

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3)【深夜の誌人語録】

蟻は象を恐れない。