【文徒】2019年(令和元)9月9日(第7巻163号・通巻1583号)

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1)【記事】激震のつづく「週刊ポスト」 小学館本社前でスタンディングも
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】激震のつづく「週刊ポスト」 小学館本社前でスタンディングも

小説家の志茂田景樹が9月4日に次のようなツイートをしている。
《週刊誌が元気だった頃の特集記事のタイトルはドキッとさせられても余裕があった。選び抜いたテーマと懐の深い取材に自信があったんだよ。だから、ドキッとさせられて買いに走ったもの。今のタイトルは断末魔の悲鳴に聞こえる。余裕がないんだなあ。週刊誌の終焉近しを自ら予兆している。悲しいなあ。》
https://twitter.com/kagekineko/status/1169077201972559872
日刊スポーツは、このツイートを踏まえ、9月4日付で「志茂田景樹氏、ポスト韓国特集『週刊誌終焉の予兆』」を公開した。
《作家の志茂田景樹氏(79)が、「週刊ポスト」に「韓国なんて要らない」と題した特集が掲載された問題に、「週刊誌の終焉近しを自ら予兆している」と私見を述べた。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201909040000257.html
この記事について志茂田景樹は、こう注意している。
《日刊スポーツさんへ。当ツイートは近年の週刊誌一般の特集記事のパワーダウンについて嘆いたものです。貴紙の見出しのつけようは過敏な思い込みによるものと判断します。あえての抗議はしませんが、今後お気をつけくださるようお願いします。》
https://twitter.com/kagekineko/status/1169212541827862528
小説化の司凍季のツイート。
小学館さんとは付き合いありませんが。子どもの頃から大好きな出版社、父も毎週ポストを楽しみにしていただけに、悲しいものがあります。しかし、正気? 「韓国なんて要らない」週刊ポストの特集に作家たちから怒りの声。「今後仕事はしない」とする作家も》
https://twitter.com/tsukasatoki/status/1168435789815934976
ノンフィクションライターの神田憲行のツイート。
《さあさ、フリーライターの俺らの次の戦い方は小学館の各編集部に「そうじゃない」企画を出していくことですよ。ポストだけじゃなく、小学〇年生とか、いっぱいあるよ!断筆して事足れりのお偉い思想家センセとかと違うのが俺らの戦い方。俺もたまたま来週小学館の奴と飲むから考えよっと》
https://twitter.com/norikan2/status/1168537724053159936
「バトルグラウンドワーカーズ」を「週刊スピリッツ」で連載している竹内実のツイート。
小学館の雑誌で漫画を描いて、韓国語版も出て、韓国の読者さんから温かい…そして超アツい感想(英語でくれた方もいれば、一生懸命日本語で書いてくださった方も)をいくつももらった身としては、週刊ポストの件はとてもショック…》
https://twitter.com/takeyoshiminoru/status/1168504629052620801
平野啓一郎がこう揶揄している。
のび太くんの母親が「嫌韓」ワイドショーにのめり込み、お父さんが『週刊ポスト』の「嫌韓」特集を嬉々として読んで、のび太んに「韓国となんか付き合う必要ないぞ」と教えてる姿を想像すべきだね。悪夢だよ。》
https://twitter.com/hiranok/status/1169961267798265858
柳美里のツイート。
《わたしへのメンション欄は「朝鮮に帰れ!」「病院へ行って治療しろ!」の大合唱だけど、これからも、わたしは福島県南相馬市高区で本屋と演劇を続けていくし、日本語で小説や戯曲やエッセイを書いていきます。
美しい日本語の作品を生み出すことで、わたしは、わたしなりに闘っていきます。》
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/1168719022470262784
デイリースポーツが9月3日付で「柳美里氏 メンション欄へのヘイト投稿に『美しい日本語の作品を生み出して闘う』」を掲載している。
https://www.daily.co.jp/gossip/2019/09/03/0012666796.shtml
柳は、こうもツイートしている。
《わたしへのメンションで『週刊ポスト』応援と、わたしの国籍を罵倒するみなさん、今月の給料で『週刊ポスト』を買いまくり、お仲間に配る運動をなさったら、いかがですか?
「死ぬまで 死ぬほど SEX」「50歳過ぎて「はじめての女とのセックス」入門」も特集されているので、お得ですよ。》
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/1168696439955787778
門田隆将、百田尚樹、有本香は「週刊ポスト」支持だ。夕刊フジzakzak掲載「【有本香の以読制毒】『韓国要らない』はヘイト、『日本死ね』は流行語という“二重基準”にうんざり 『韓国批判許さない』という呪縛」は、こう書く。
小学館発行の週刊誌「週刊ポスト」が掲載した特集「韓国なんて要らない」が話題になっている。おそらく今週号は完売だろう。
例によって、一部の物書きが「ヘイトだ!」「もう小学館では書かない!」と叫んでいるが、この大騒ぎがなんとも下品で、うんざりさせられる。》
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190906/for1909060002-n1.html
「台湾生まれ 日本語育ち」の温又柔のツイート。
《仮にいま私が16歳で「台湾なんて、いらない」という吊り広告を見たら自分を保てない。でもその辛さをたぶん、誰にも言えない。ましてや親には台湾人の親にだけは言いたくない。「韓国なんて、いらない」? そんなおとな、いらない。日本には韓国好きな人もいっぱいいるよ。ほんとだよ。》
《「表現の自由」と、「ヘイトスピーチ」を、区別もできてないひとたちがウヨウヨいるの、毎回おどろく。ウヨウヨしながらニュートラルなふりをしてる自称ふつうの日本人の、ふつう、は、すごく偏ってる。気付こうよ。いや、気づかないほうが楽なんだろうね。楽したまま自尊心保ちたいんだもんね。》
《これがいまの日本の現実。といってもわたしは、この現実をうけいれているわけじゃない。現実は変えられる。わたしたちが望めば。まんまと飲み込まれたくない。わたしたちがこぞってあきらめたらおおいにほくそ笑むであろうだれかの思惑に。》
https://twitter.com/WenYuju/status/1168461527801663488
https://twitter.com/WenYuju/status/1168464802026422273
https://twitter.com/WenYuju/status/1168940656741494786
俳優でもあり、コラムニストでもある松尾貴史毎日新聞の社説に反応したようだ。
《「編集部」が詫びているそうですが、これは経営陣が詫びてもすまない問題。「配慮を欠いた」レベルか。小学館の断末魔を聴いているような気がします。他の国を「病理」と貶める前に、自らの病を省みるべきでは。》
https://twitter.com/Kitsch_Matsuo/status/1169419972159799297
女優の東ちづるのツイート。
《社会が「排外主義」に傾き、ヘイトするターゲットを求めている・・・それがエンタメのようになってしまっている。冷静、理性をじわじわと奪われていっている。その先にあるものは・・・
でも、この流れを止めなければ、と思ってる人もわんさかいる!》
https://twitter.com/ChizuruA1/status/1169075169928761345
「BusinessJournal」は9月4日付で「【悪化する日韓関係】嫌韓を煽るメディアよ、頭を冷やせ…江川紹子の提言」を公開している。
《少し頭を冷やして、なぜこれほどまでに関係がこじれるのかを分析したり、考えたりする機会を、メディアが提供することこそ必要だ。メディア自身が嫌韓を煽ってどうするつもりなのだろうか。》
https://biz-journal.jp/2019/09/post_117163.html
江川紹子は「YAHOO!ニュース」に「もその軽さと分かりやすさを憂う~『週刊ポスト』の”嫌韓”記事をめぐって」を発表している。
《『週刊ポスト』の韓国特集は、本当にひどかった、と思う。とりわけ「『10人に1人は治療が必要』――怒りを抑制できない『韓国という病理』」は、見出しから差別的で、醜悪だった。
同誌は、かつては多くの読者を持ち、売り上げナンバー1を誇る週刊誌の雄であった。私もここで連載企画を担当したこともある。もちろん極右言論で知られる媒体でもなかった。そうした雑誌までが、部数凋落の中、一部でも売り上げたいと、嫌韓世論に媚びて、こんなになってしまったのか……と愕然とした。まさに「貧すれば鈍する」とはこのことだろう。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190905-00141391/
朝日新聞デジタルが9月5日付で「『嫌韓』議論深めず炎上、謝罪 週刊ポストの特集めぐり懸念の声」を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14165579.html
この記事を踏まえて鮫島浩記者がツイートしている。
週刊ポスト「韓国なんて要らない」の新聞広告を載せたことについて「差別を助長しかねず不適切との批判を真摯に受け止め今後も検討していく」とのコメントは何も表明していないに等しく不誠実極まりない。新聞社として広告掲載の是非を曖昧にするから無責任体質が蔓延るのだ。》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1169415921909153793
「あしたメディア研究会」主宰の亀松太郎も、この朝日の記事について言及している。
《この記事の最後に、週刊ポストの広告を載せた朝日新聞の広報部の「差別を助長しかねず、不適切ではないかというご批判がありました」というコメントが掲載されているが、有料記事で購読者しか見れない。こういう記事は無料で全を見せるべきではないかと思います。》
https://twitter.com/kamematsu/status/1169241600074993664
J-CASTニュース」が「新聞紙面に並んだ『韓国なんて要らない』広告 週刊ポスト批判する各社の『掲載責任』は?」を公開している。
https://www.j-cast.com/2019/09/05366817.html?p=all
《いい加減にしてくれ小学館。何にもしないのか出版労連。》とツイートしたのは岩波書店の閔永基(中山永基)。こうも投稿している。
週刊ポストの記事について小学館が謝罪。問題は、次号以降の週刊ポストの記事が変わるのかどうか。》
https://twitter.com/yonggi623/status/1168319185723654145
https://twitter.com/yonggi623/status/1168475670160146432
斎藤真理子はツイッターに1993年に小学館から刊行された「朝鮮語辞典」の前書きを引用したうえで小学館に問うている。
《『朝鮮語辞典』(1993年)の前書きより
「我々の社会には, 朝鮮語を母なる言葉として学ぶ人々がいる. その一方, 外国語として学ぶ日本人もいる. 海外に目を転じれば, 大韓民国朝鮮民主主義人民共和国以外にも中国・アメリカ・中央アジア・ロシアなどに, この言語を母語とする人々の営みがあり
そしてまた, 我々と同じように朝鮮語を外国語として学ぶ人々が世界中にいる. 同じ朝鮮語でもその表情はさまざまである.
日本社会における朝鮮語は, 残念ながら冷遇され続けてきた. その表情はお世辞にも明るくのびやかだとは言いがたい.
隣国の言葉であり, 我が国と長い歴史的関係を持ちながら, 彼らが口にする挨拶を一つも知らないという不思議な状況が長い間続いてきたのである. しかし近年, テレビ・ラジオで「ハングル講座」が開設されたこともあって, 様相が少しずつ変わりつつあるようだ.
幸いなことに, 朝鮮語を学ぶ人が増えている. 朝鮮語が本来持っている, ダイナミックでそれでいて優しい表情を, 日本でも普通に目にすることができたら,どんなにすばらしいことだろう.
編者(油谷幸利・門脇誠一・松尾勇・高島淑郎)」
小学館のみなさま、こういうお仕事が、今も現役であることを 軽々に考えないでほしいのです。》
https://twitter.com/marikarikari/status/1168494128864215042
https://twitter.com/marikarikari/status/1168494583589662720
https://twitter.com/marikarikari/status/1168494939505737731
https://twitter.com/marikarikari/status/1168495523390640128
https://twitter.com/marikarikari/status/1168495804798996480
斎藤は、こうもツイートしている。
《ああいう見出しにOKを出す「上の人」は、自社の媒体に書いてくれている作家がどんなに困るか、考えないんだろうか。現に深沢潮さんをこんなに苦しめてるじゃないの。そして、自社の社員が人間性を疑われることを考えないんだろうか。》
《日本の出版社は、キレイゴトを馬鹿にしてゲスな本音を書けば庶民が喜ぶと思うのをやめてほしい。それに、それ、本音じゃないから。普通の人はよその国と揉めることを喜んだりしないんだから。大人ならキレイゴトを面白く編集してよ。在日外国人も在外日本人もみんなほんとに迷惑してるんだから。》
https://twitter.com/marikarikari/status/1168486193169719296
https://twitter.com/marikarikari/status/1168487549276323842
内田樹がブログに「[週刊ポスト」問題について]をエントリしている。
《第二に言いたいことは、実はもっと深刻である。
それは「職を辞してまで言いたいこと」ではないにもかかわらず、そういう言葉が小学館のような老舗で、良識ある出版社の出版物で「ぺろっと」口から出てしまったということである。
世の中には「職を賭しても言いたいこと」とは別に、「職を賭してまで言いたいわけではないが、職を賭さないで済むなら言ってみたいこと」というがある。
うっかり人前で口にすると品性知性を疑われるリスクがあるので、ふだんは呑み込んでおくびにも出さないのだが、「言っても平気だよ」という保証が与えられたら、言ってみたい。そういう言葉である。
私は今の嫌韓言説は「それ」だと思っている。》
http://blog.tatsuru.com/2019/09/05_1411.html
7月4日、午後7時46分に投稿された、このツイートがきっかけとなった。呼びかけたのは神保町の書店で働く女性だ。
《明日5日、小学館前でスタンディングしようと思います。18時半から1時間くらい。私個人でやることなので音響とか仕切りとか何もなしになると思うけどやりたい人いたら一緒にやろう。》
https://twitter.com/kapapanpan/status/1169199988196270080
スタンディングの模様はYouTubeで閲覧できる。
https://twitter.com/mkouno4/status/1169547370410827777
漫画家「浜口奈津子広報部」のツイート。
《涙が出た。恥ずかしい。小学館の良いところも悪いところも知ってる。今回は思い知ってほしい。》
https://twitter.com/hnatsuko201807/status/1169754947908292610
神奈川新聞が9月6日付で「『ヘイトで商売するな』 週刊ポスト嫌韓特集に抗議」を掲載している。
《2日発売の週刊誌「週刊ポスト」が韓国に対する差別と敵意をあおる記事を掲載した問題を巡り、発行元である東京都千代田区の小学館本社前で5日、市民による抗議活動が行われた。参加者は「ヘイト本で商売するな」といったプラカードを手に「デマと差別に基づく記事を謝罪し、雑誌を回収しろ」と求めた。》
https://www.kanaloco.jp/article/entry-193368.html
神奈川新聞社川崎総局編集委員の石橋学がツイート。
《個人の呼び掛けに約150人が集まった。出版社、書店の関係者の姿もあり、差別への怒りがしっかり可視化されていた。》
https://twitter.com/ishibs_kanagawa/status/1169805323768487937
野上暁こと上野明雄は小学館の元取締役。「論座」に「“断韓”『週刊ポスト』を、小学館OBが叱る!」を発表している。
《9月2日付の「朝日新聞」朝刊に掲載された「週刊ポスト」9月13日号の広告を見てぶっ飛んだ。“総力大特集”として、“日韓関係「禁断のシミュレーション」”を頭に置いて、超特大のゴシックで「韓国なんて要らない」というベタ白抜きの字が目に飛び込んできた。その脇に“「嫌韓」でなく「断韓」だ 厄介な隣人にサヨウナラ”とある。同日発売のライバル誌「週刊現代」の倍のスペースをとっての広告だから、その力の入れようも尋常ではない。編集部はもちろん、宣伝部も販売部も了解の上での大宣伝か? 小学館で禄を食んできた一人として、理解し難いどころか、にわかに怒りが込み上げてきた。》
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019090500001.html?page=1
元「週刊春」編集長の花田紀凱は《この『週刊ポスト』の特集、タイミングといい、タイトルといい、なんの問題もなーい。ヘイトでもなんでもありゃしない》と断言している。
《いったい毎日新聞東京新聞論説委員や記者たちは、『週刊ポスト』や『Hanada』を読んでいるのか。
断言しよう。当該号ですらちゃんと読んではいまい。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20190906-00141583/
元木昌彦が「深読み週刊誌」で次のように指摘している。
小学館の雑誌ということがあるのだろう、何人かの作家や知識人たちが「こんな雑誌を出す小学館には書かない」と執筆拒否宣言をする、毎日新聞東京新聞が社説で批判するという騒ぎになっている。
だが、小学館にはつい最近までSAPIOという雑誌があり、「日本人よ、気をつけろ 北朝鮮と韓国はグルだ!」などという論調の記事をしょっちゅうやっていたことをお忘れか。小学館岩波書店でない。
付け加えれば、私がいた講談社は、戦争中、陸軍や海軍と組んで膨大な戦争協力雑誌を出して大儲けした出版社である。悪名高いケント・ギルバートの「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」(講談社+α新書)を出す素地は講談社にはもともとあったのだ。小学館だけではなく、講談社も執筆拒否すべきだろう。》
https://www.j-cast.com/tv/2019/09/05366809.html
渡瀬夏彦のツイート。
《この国の政府とメディアの壊れ方は、まさに「戦前」ではないか
そう恐れているのは、わたしだけではあるまい。》
https://twitter.com/natsuhikowatase/status/1168472178066522113
兄弟でよ~く議論すると良いと思うよ。兄は「悪名高いケント・ギルバート」の「嫌中韓本」で一儲けした講談社の渡瀬昌彦常務取締役。思い起こせば夏彦は昌彦の上司である田代忠久にかわいがられていた。

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2)【本日の一行情報】

元木昌彦の「平成挽歌―いち雑誌編集者の懺悔録(17)」。今回は「週刊現代が検察に屈した記念すべき夜」を描いている。
《現在ほどではないが、講談社も電算化が進んでいて、彼がいうには、「そこだけ切り取って渡すということはできない。検察が来れば、すべての経理の記録は持って行かれる。会社としては、それだけは絶対避けたい」。河上弁護士から、「これから地検がそっちへ向かう」という電話があり、浜田が決断した。
「業務命令だ。コピーを渡せ」
私は無言のまま退席した。》
https://www.data-max.co.jp/article/31299
元木を第一編集局再建の切り札と考え、「婦人倶楽部」から第一編集局に呼び戻し、「フライデー」編集長、「週刊現代」編集長に就任させたのは鈴木俊男取締役であった。しかし、当時、講談社にあって「番頭」をつとめ、副社長までつとめることになる浜田博信は元木を評価していなかったのも事実である。鈴木は元木を守り続けるが、当時の講談社をまとめられるのは浜田しかいないと考えていた。
鈴木は常務取締役に昇任することはなかったし、元木も局長に就任はしたが、最終的には三推社の専務取締役で終わる。ある意味、講談社の浜田体制において、良い意味で、最も浜田に批判的だったのは広告局では浜田の同期であり役員としては第二編集局を担当した松岡直昭取締役であったのかもしれない。周知のように松岡は日本雑誌広告協会の専務理事に就任するが、このとき日本雑誌協会と日本雑誌広告協会の一本化を構想する。結局、この構想は実現することなく今日に至っている。

◎「ORICON NEWS」によれば新潮社は、日向坂46の1st写真集「立ち漕ぎ」の2万部重版を決定したという。累計発行部数は14万部を突破。
https://www.oricon.co.jp/news/2143698/full/

◎フジテレビも出版ではNHK頼み? NHKみんなで筋肉体操」の谷本道哉がラジオ体操をアレンジした「毎日4分で超快適! 超ラジオ体操」は、扶桑社から発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000323.000026633.html

学研塾ホールディングスのグループ会社である学研スタディエ及びその海外子会社(シンガポールベトナム・台湾)は、早稲田アカデミーと早稲田アカデミーブランドによる海外学習塾事業に関して業務提携契約を締結した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002376.000002535.html

◎2014年~2017年まで「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載されていた鳥飼茜の「地獄のガールフレンド」がFODオリジナル連続ドラマ化され、加藤ローサが8年ぶりにドラマ出演する。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1909/03/news109.html

日刊ゲンダイは実名を出さなかったが、「週刊春」は実名を出している。
テレビ朝日の看板報道番組「報道ステーション」で、予算や人事権を掌握する番組最高責任者のチーフプロデューサー(CP)・桐永洋氏(49)が解任に至ったのは、出演女子アナに対するキスなどのセクハラ行為を告発されたためだったことが、「週刊春」の取材でわかった。》
https://bunshun.jp/articles/-/13813

毎日新聞は9月4日付で「MXとマツコさん相手に原告1万人の集団訴訟提訴へ 『N国支持の有権者侮辱』理由に」を掲載している。
NHKから国民を守る党の立花孝志党首は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)とタレントのマツコ・デラックスさんを相手取り、総額1億円の慰謝料を求める原告1万人の集団訴訟を起こす方針を示した。動画サイト「ユーチューブ」に投稿した動画で明らかにした。》
https://mainichi.jp/articles/20190904/k00/00m/040/238000c

◎扶桑社が運営するWebメディア「女子SPA!」の8月の月間アクセス数が4,400万PV(ページビュー)、月間訪問者数が1100万を記録した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000328.000026633.html

幻冬舎が運営するブロックチェーン/仮想通貨専門メディア「あたらしい経済」とCoinPost (代表取締役CEO 宮本剛大 )が運営するブロックチェーン/仮想通貨専門コラムメディア「NODEE」が業務提携し、共同イベント「#CONNECT」(コネクト)をシリーズ開催することになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000472.000007254.html

◎日刊スポーツの9月4日付「浜崎あゆみ交際明かした小説「M-」が連ドラ化決定」によれば、小松成美幻冬舎から刊行したモデル小説「M 愛すべき人がいて」がテレビ朝日系で連続ドラマ化され、来年4月から土曜ナイトドラマ枠(土曜午後11時15分)で放送されることになった。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201909040000708.html

小学館はマンガ誌「ゲッサン」で連載し、コミックスのシリーズ累計700万部を突破した「からかい上手の高木さん」(山本崇一朗)のVRアニメ化に伴うクラウドファンディングを9月4日(水)より開始している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000385.000013640.html
https://www.makuake.com/project/takagi3/

東浩紀ツイッターのタイムラインから拾ってみた。津田大介「あいちトリエンナーレ」の芸術監督をやめるべきだと…。
《しかし、津田さんも、ここまで問題が大きくなったんだから、自分は検閲側(展示中止側)なのか検閲反対側(展示再開側)なのか明確にすべきじゃないかな。先日の記者会見といい、いまのふるまいは、ぼくにも自己保身にしか見えないな。おかげでみな振り回されている。》
https://twitter.com/hazuma/status/1169457871576129536
《津田さんは政治家にも県職員にもアーティストにも嫌われたくないと思っているようだけど、この状況でそれはもう単にありえないよ・・・》
https://twitter.com/hazuma/status/1169462373918236675
《津田さんの発言は実に曖昧です。彼は要は「政治家からの明確な圧力はなかったが、市民からの抗議電話がすごかった、自分はそれを政治的圧力と感じた」と言っていて、これを左右両方が好きなように解釈する事態になっています。これは混乱を深めるだけなので、やめるべきだというのがぼくの主張です。》
https://twitter.com/hazuma/status/1169466562660593665

◎「検閲という空気」「天皇アート論」の著者であり、あいちトリエンナーレで公開が中止となっている「表現の不自由展・その後」実行委員でもあるアライ=ヒロユキが会田誠についてツイートした
《カオス*ラウンジ事件、会田誠森美術館事件には、筆者も賛否さまざまな意見を持つが、「美」という美術界のローカルルールを盾にした社会への応答性の欠如で共通しており、これはJアートも同様の弊に陥っている。
美術界のローカルルールを持ち出すたびに社会との断絶の度合いが増し、衰弱していく。》
https://twitter.com/arai_hiroyuki/status/1169438424291397632
これをエゴサーチ会田誠が発見し、こう投稿している。
エゴサで見つけたので軽く反応しておきますと。一読「?」となった。「ローカルルールを盾にした社会への応答性の欠如」「社会との断絶の度合いが増し、衰弱していく」。「表現の不自由展」実行委員は鏡を見た方が良いのでは。》
《だって僕が森美術館の騒動で断絶状態になったのって「左派と結びついた一部の頑ななフェミニスト集団」だけでしょ?  それをアライ氏は「社会」と呼ぶのかな?  では今回「不自由展」が断絶状態を生んだ、その相手は?》
《あと森美術館の考えは置いて個人的に答えておきますと、僕は別に19世紀の画家じゃないんで、「美」を盾になんかしません。その鉤括弧に強いて何か入れるなら「批評」です。コンセプチュアルな現代美術家なんで。》
https://twitter.com/makotoaida/status/1169445960973336576
https://twitter.com/makotoaida/status/1169451202515369984
https://twitter.com/makotoaida/status/1169452989464997890

◎「アエラドット」が「芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』が謎過ぎる? ファンと編集担当者が読み解く今村夏子ワールドの深み」を発表。今村夏子が朝日新聞出版から刊行した同書は11万部を突破した。
https://dot.asahi.com/dot/2019090300028.html?page=1

TSUTAYA書店員の栗俣力也が原案を担当した新刊プロデュース庫の第3弾は井上剛の「きっと、誰よりもあなたを愛していたから」(徳間書店)。
恩田陸作品のプロデュース庫第2弾の「月の裏側」(幻冬舎)も刊行された。
https://tsutaya.tsite.jp/news/book01/i/41565589/index

◎新潮社の国際情報サイト「フォーサイト」の購読料金は内税処理。5年前の2014年に5%から現行の8%に引き上げられた際と同じく、今回も月額800円(年額一括の場合9600円)から増額はしない。
https://www.fsight.jp/articles/-/45826

白泉社の「花とゆめ」19号(9月5日発売)は、TVアニメ化・実写映画化を果たした「覆面系ノイズ」の福山リョウコの新連載「恋に無駄口」をスタートさせた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000046848.html

◎9月5日付時事通信「全国信金福島民報中日新聞と包括協定=中小企業支援で」は、こう書いている。
《全国の信用金庫でつくる「よい仕事おこしフェア実行委員会」(事務局・城南信用金庫)は5日、福島民報社中日新聞社それぞれと、中小企業支援に関する包括連携協定を結んだ。信金の取引先企業の事業拡大などで、新聞社の情報網や紙面を活用。地域活性化に貢献するのが狙いだ。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090500544&g=eco

ソフトバンク博報堂およびArm(本社英国)は、日本においてデータ活用による企業の変革を支援する合弁会社「インキュデータ株式会社」を設立した。
インキュデータは、データ活用の戦略立案から、各種施策を実行するためのデータ活用や分析基盤の構築・運用、コンサルティングで、データを活用して変革しようとする顧客企業をワンストップで支援し、顧客企業の競争力の強化に貢献することを目的とした会社だという。
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2019/09/20190905w.pdf

吉本興業がホームページに「当社所属タレント兼近大樹に関する一部報道について」を公開している。
《弊社としては、週刊春の発行元である株式会社藝春秋社に対し、事前に、(1)本件記事は公益性なく弊社所属タレントの前科を実名で報道するものである、(2)しかも、当該前科はタレントが芸能活動を開始する前の未成年の時点におけるものである、(3)さらに、何ら刑事処分を受けていない事実についても、あたかも犯罪行為を行ったものであるかのように報道するものであり、兼近の人権を著しく侵害するものであることを伝えておりました。
しかし、藝春秋社は、これらの点を全く考慮することなく、本件記事を掲載するに至っており、弊社としては、同社の報道機関としての倫理観・人権意識の希薄さについて大変遺憾に考えており、藝春秋社に対し本件記事を掲載した行為について強く抗議するとともに、民事・刑事上の法的措置についても検討して参る所存です。
http://www.yoshimoto.co.jp/corp/news/media/media190905.html
春オンライン」が「『EXIT』兼近大樹さんを巡る『週刊春』報道について」を発表した。
《3ページにわたる記事をお読みいただければわかるように、「週春」記事は逮捕の過去によって現在の兼近さんを否定するものではありません。兼近さんという芸人がいかに生まれたのかを、ご本人の言葉によって伝える記事であることは、読者の皆様にご理解いただけるものと思います。》
https://bunshun.jp/articles/-/13916

ジュピターテレコムJ:COM)は、100ch以上の放送サービスと、複数の動画配信サービスを融合させた次世代のテレビ視聴体験ができる新 STB(セットトップボックス)「J:COM LINK」を 2019 年度冬に提供開始する。「J:COM LINK」は、4K 放送対応をはじめとする多彩な放送チャンネルに加え、それぞれに特長を持つ NetflixDAZNTVer、AbemaTV などの動画配信サービスを 1 台の STB で楽しめる。
https://newsreleases.jcom.co.jp/file/81476_print.pdf

◎日経は9月5日付で「NHK会長、ネット配信基準『詰めの作業』」を掲載している。
NHKの上田良一会長は5日の定例会見で、インターネット常時同時配信に関するネット業務の「実施基準」の策定について、「詰めの作業を急いでいる」と述べた。現状の実施基準ではNHKネット業務の費用は受信料収入の2.5%までと定められている。民放側はこの上限の維持を求めており、新しい実施基準でもこの上限が維持されるかどうかが焦点だ。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49455050V00C19A9X30000/

◎「Business Journal」が9月6日付で「ヴィレッジヴァンガードが大量閉店していた…なぜ斬新性失われ『中途半端な店』化?」を公開している。
《2014年5月末には403店を展開していたが、不採算店の閉鎖を進めた結果、19年5月末には346店まで減った。この5年で57店減ったかたちだ。》
ヴィレヴァンはマニアックなだけにターゲットは限られている。もちろん、マニアックなものを好む層は一定程度存在するが、本格的なマニアは、アニメ専門店「アニメイト」などヴィレヴァンを上回るマニアックな店に行く。そのため、ヴィレヴァンを好む層のボリュームはそう大きくはない。また、ヴィレヴァンは商業施設内の店舗が増え、ターゲットがファミリー層に拡大したが、こうした層とマニアックな商品の相性は良いとはいえない。売り場を見て回って楽しむ人は多いだろうが、購買となるとまた別だ。》
https://biz-journal.jp/2019/09/post_117532.html

◎「教堂 溝ノ口本店」がリニューアルした。「タウンニュース」は次のようにも書いている。
《今回のリニューアルは「外壁の改装」といったハード面のみならず、ソフト面の充実が大きな特長の一つ。「ワンランク上の街の書店」をコンセプトに、地域最大級の品揃えを誇る拡充を果たした具売場(4階)では「都内まで出向かなくても、欲しい商品が殆ど入手頂けますよ」と胸を張る。》
https://www.townnews.co.jp/0202/2019/09/06/496358.html

大日本印刷DNP)が丸善ジュンク堂書店教堂及びトゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto 」のhonto電子書籍ストア(https://honto.jp/ebook)において、「honto × 講談社 マンガ連載」を9月6日(金)より開始した。
「honto × 講談社 マンガ連載」は、人気の話題作や名作を中心に紹介し、読みやすい手軽なボリュームにすることで電子書籍利用経験の少ない読者への利用体験の後押しと期間限定で読める無料話が毎週更新されることにより続きを読みたくなる期待感の醸成を狙いとしたhontoマンガ連載の第一弾としてオープンした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000414.000009424.html

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3)【深夜の誌人語録】

考えていないから、考え過ぎるのだ。