Index------------------------------------------------------
1)【記事】日産 西川広人社長もゴーンも同じ穴の狢だった…
2)【記事】ZOZOがヤフー傘下に!創業者・前澤友作はZOZOを去る
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.9.17 Shuppanjin
1)【記事】日産 西川広人社長もゴーンも同じ穴の狢だった…
毎日新聞が9月3日付で「日産・西川社長の再任に反対 日本生命が日産の株主総会で」を掲載した。
《日本生命保険が、日産自動車の6月の株主総会で西川広人社長の再任に反対していたことが3日、明らかになった。日生が同日、投資先企業の株主総会(4~6月)での議決権行使結果を開示した。西川氏がカルロス・ゴーン前会長の不正を見抜けなかったとして、厳しい姿勢を示した形だ。》
https://mainichi.jp/articles/20190903/k00/00m/020/347000c
日産で何かが起こるかもしれない。私はそう思った。案の定、朝日新聞デジタルは9月5日付で「日産・西川社長、かさ上げ報酬の授受認める 指示は否定」を掲載した。
《日産自動車の西川(さいかわ)広人社長は5日朝、株価に連動して受け取れる報酬をめぐり、かさ上げされた金額を受け取っていたことを認めたうえで、「(社内で)適切に処理されていたと認識していた」と述べ、意図的な不正を否定した。かさ上げされた分の報酬については「しかるべき金額を会社に返納すべきものだと思っている。私もそのつもりでいる」と述べた。東京都内で報道陣の質問に答えた。》
https://www.asahi.com/articles/ASM9532FCM95ULFA005.html
もともと、この問題は「文藝春秋」7月号に端を発してのことである。約3時間に及んだ日産の前代表取締役であるグレッグ・ケリーのインタビューの「西川廣人さんに日産社長の資格はない」を掲載しているのだ。
このインタビューをソースに「文春オンライン」は9月5日付で「日産・西川社長の不正報酬問題 グレッグ・ケリー前代表取締役が目撃していた“巧妙な手口”」を発表している。
《西川氏が不正な報酬の受け取りに用いたのは、ストック・アプリシエーション権(SAR)である。これは日産が導入している株価連動型の役員報酬のこと。あらかじめ基準となる株価が決められていて、その価格と、権利行使したときの市場株価との差額を日産から受け取ることができる仕組みだ。
ケリー氏の証言によれば、西川氏の本来の「行使日」は2013年5月14日だったが、実際に行使されたのは同年5月22日。この約1週間で、行使価格は約120円(約10%)上昇している。》
https://bunshun.jp/articles/-/13925
ロイターは9月6日付で「日産、西川社長に不正報酬問題で辞任求めない方向で調整=関係筋」を公開している。
《日産自動車の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が社内規定に違反して不正に上乗せされた株価連動型報酬を受領していた問題で、同社が西川社長に辞任を求めない方向で調整していることが分かった。9日に開く取締役会で正式に判断される予定だが、本人に不正の意図がなく、違法性がないことなどから留任させる方向だ。複数の関係筋が明らかにした。》
https://jp.reuters.com/article/nissan-saikawa-idJPKCN1VR085
金子勝が9月6日にツイートしている。
《【デタラメ】日産の西川社長が、ゴーン疑惑と同じく自らの給与を操作し、自分の不動産買取を会社に要求。このような人物が国際的企業のトップとして司法取引で生き残り、日仏間の交渉を担うのに、マスコミからも経産省からも疑問がでない。異常な社会になった。辞めろ。》
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1169722007019147264
この西川の居座りには社内外から反発が強かったのだろう。そうした空気を背景にして日経は9月7日付で社説「報酬疑惑で日産は求心力を保てるのか」を掲載したのだろう。
《西川氏は「事務局に一任していた」と説明し、上乗せ分を返納するとした。重要な報酬を、指示なく事務方だけで操作できるのか疑問も残るが、そうだとしても組織自体に不正を顧みない風土があるなら極めてゆゆしき事態だ。
いわば後から都合よく運用を変え、会社財産を役員が懐に入れていた。発覚してから運用に問題があったとして、単にかさ上げ分を返せば済むことではあるまい。》
《このさき顧客に支持され、従業員が前を向いて働き、株式市場で評価される会社となれるのか。今の経営体制では、信頼回復へ向けて求心力を保つのはおぼつかないといわざるをえまい。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49552520X00C19A9SHF000/
情況は一日で一変した。共同通信は9月8日午後11時46分に「日産の西川社長が周辺に辞意示す」を発表した。
https://this.kiji.is/543431949177963617
産経新聞が9月9日付で「日産・西川社長辞意、不正報酬への批判厳しく 社内混乱は不可避」を掲載した。
《4日夜に西川氏の不正報酬が発覚したが、日産社内からは「(6月発売の月刊誌『文芸春秋』の報道で)すでに出ていた話で、今さら大騒ぎすることはない」(関係者)と、早期の問題収束を見通す声も出ていた。社内調査結果を報告する9日の取締役会でも、辞任までは求めない情勢だった。
しかし、ゴーン被告による会社の「私物化」を指弾してきた西川氏自身の不正だけに、問題発覚後に噴出した批判は予想以上に厳しかったようだ。西川氏は5日朝に不正報酬を釈明した際、他の複数の役員にも同様の行為があったと明らかにした上で「ゴーン体制時代の仕組みの一つだ」と強調。自身の不正さえも、ゴーン被告の責任に転嫁した姿勢は潔くなかった。》
https://www.sankei.com/economy/news/190909/ecn1909090002-n1.html
元検察官の郷原信郎がツイッターにこう投稿している。
《日経社説にも批判され、窮地に追い込まれたので、「退任」という言葉で責任をとるように見せかけ、「時期は今後検討」で誤魔化して、延命を図る可能性もある。この人物は全く信用できない。「直ちに辞任」が当然》
https://twitter.com/nobuogohara/status/1170802523675869184
デイブ・スペクターが9月9日に呟く。いつもながら冴えている!
《日産の西川社長の後継選びにカルロス・ゴーンの名前が挙がったりして》
https://twitter.com/dave_spector/status/1170974280646942721
毎日新聞が9月10日付で社説「西川日産社長の辞任 企業体質の改善が優先だ」を掲載している。
《日産は前会長のカルロス・ゴーン被告による会社資金の私的流用など不正事件で信頼を失墜させた。自らも不当報酬を得た西川氏に信頼回復の担い手が務まらないのは当然だ。
8年前に代表取締役となった西川氏はゴーン体制を中核として支えてきた。このため、もともとゴーン被告の不正を長年、見逃した責任問題がくすぶっていた。》
https://mainichi.jp/articles/20190910/ddm/005/070/195000c
日経が社説で再び日産を取り上げる。9月10日付で「日産社長の辞任を主導した社外取締役」を掲載している。
《注目すべきは、今回の人事を主導したのが、社外取締役が多数を占める同社の取締役会だったことだ。西川氏辞任の流れは、9日に開かれた取締役会の議論を経て固まった。その後、会見した取締役会議長の木村康氏は「求心力からすると交代が適切」と述べ、今回の人事は引責辞任の色合いが濃いことも示唆した。
経営のお目付け役である社外取締役の最大の仕事は「ダメな経営者の首に鈴をつけること」だが、日本では社外取締役がトップの交代に深く関与した例は少ない。日産のケースは日本の企業統治を考えるうえで、一つのモデルになるかもしれない。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49635250Q9A910C1SHF000/
ただし、9月11日の金子勝は次のようにツイッターで指摘している。
《【日産も経済産業妨害省支配】西川の発言で2度びっくり。社長はやめるが、不正給与は問題ないので取締役はやめない。助け舟を出したのが、豊田正和役員指名委員長だ。なんと経済産業妨害省の元審議官である。日産を検察と経産が食い物にし、崩壊させるのがわかる。》
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1171784403111964672
朝日新聞が9月11日付で社説「日産社長辞任 今度こそ経営刷新を」を掲載している。
《今回の辞任の決定自体は、企業統治の強化の面で評価できるが、経緯や理由についての社外取締役らの説明は「客観的な情勢判断」といった抽象的な表現が多く、歯切れが悪かった。西川氏の今後の社内での立場も、明らかにされていない。》
https://www.asahi.com/articles/DA3S14172777.html
讀賣新聞も9月11日付で社説「日産社長辞任へ 企業風土の刷新につなげよ」を掲載している。
《見過ごせないのは、元取締役2人、現・元執行役員4人で同様の報酬上乗せが発覚した点である。役員に甘い企業風土が根付いていたとみられても仕方なかろう。
日産は主力の北米市場で販売がふるわず、2022年度までに1万人超の人員を減らす計画を立てている。組織の体質を変えなければ、痛みを強いられる従業員らの理解は得られまい。社長辞任を再生への契機にしてもらいたい。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190910-OYT1T50310/
「JBpress」が9月13日付で細野祐二による「日産激震、ゴーン氏が特別背任なら西川氏も特別背任」を公開している。
《西川廣人現社長は本件司法取引の対象者ではないが、本件の発端となった内部告発を支える日産自動車内反ゴーン一派の中心人物である。特捜検察は、ゴーン元会長に対する逮捕容疑の証拠のほぼ全てを日産自動車からの内部情報に依存している。すなわち、特捜検察と西川廣人現社長は共存関係にあり、だから、本件第2回目の虚偽記載における主犯が西川現社長であるとしても、だからといって、西川現社長を逮捕することができない。特捜検察は、一民間自動車会社の内紛に刑事司法をもって介入したばかりに、秋霜烈日たるべき法の適用を自ら歪めてしまった。》
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57638
猫組長のツイート。同感だなあ。
《西川社長は共同正犯、役員会で承認して議事録に署名した役員は従犯で起訴されるべき。》
https://twitter.com/nekokumicho/status/1172370260747411459
「現代ビジネス」が「日産・西川社長を『辞任』に追い込んだ『物言う株主』の正体」(磯山友幸)を発表している。
《日本を代表する機関投資家である日本生命保険が9月3日、6月の株主総会での議決権行使の内容を公表したのだ。
株式を保有している会社すべての議案について賛成したか反対したか、あるいは棄権したかを個別に公表するもので、機関投資家の行動指針であるスチュワードシップ・コードが2017年に改定されたのを機に、公表する機関投資家が急速に増えた。
その発表で、日産自動車が6月に開いた定時株主総会で、日本生命が西川社長の取締役選任議案に反対していたことが明らかになったのだ。
日本生命保険は2019年3月末で日産自動車の株式を5402万株保有する6位の大株主で、筆頭株主のルノーと、信託銀行のカストディーを除くと、国内最大の株主である。その大株主に西川氏はノーを突きつけられたのだ。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67138
西川社長は経営者としても力不足だったと言って良かろう。「BusinessJournal」は9月12日付で山田修の「日産、西川社長解任は当然…不正に報酬水増しの一方、社員1万人削減&利益99%減」を公開している。
《しかし、私に言わせれば、西川氏の最大の蹉跌は、日産の経営者としてなんら顕著な経営実績を挙げられなかったことだ。それどころか、西川時代に入ってからの経営状況は大きく後退し、企業価値は毀損されてしまっている。
ゴーン氏が実質トップだった逮捕前の18年11月の日産の株価は、1020円前後だった。ところが、今月6日の終値は674円と、34%も下落している。企業価値(株式総資産額)としては、なんと約1兆4000億円も毀損している。日産の株主を中心としたステークホルダーとしては、これが西川経営の「1年間の決算」だとしたら憤激に絶えなかったのではないか。西川退陣の正式決定を受けて、9月10日の日産株価の終値は697円となり、市場はこれを歓迎した。》
https://biz-journal.jp/2019/09/post_118462.html
------------------------------------------------------
2)【記事】ZOZOがヤフー傘下に!創業者・前澤友作はZOZOを去る
9月12日に発表されたニュースリリースのタイトルは「株式会社ZOZO、新社長就任のお知らせ」。
《ファッション通販サイト 「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOは、本日2019年9月12日付けで、代表取締役社長 前澤友作が代表取締役ならびに取締役を退任したことをお知らせいたします。あわせて、本日開催の取締役会にて、取締役 澤田宏太郎が代表取締役社長兼CEOに就任することを決議いたしました。なお、前澤友作の退任は、本人の意向によるものであります。》
https://d31ex0fa3i203z.cloudfront.net/wp/ja/wp-content/uploads/2019/09/Release_transfer_20190912.pdf
続いて「株式会社ZOZO、ヤフー株式会社による当社株式に対する公開買付けに賛同意見を表明し、資本業務提携を決定 強固な提携関係に基づき、集客と決済面や「PayPayモール」出店を中心としたシナジーを創出、ファッションECプラットフォームとして、新たな成長ステージへ 」が発表された。
《ファッション通販サイト 「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZO(本社:千葉県千葉市 代表取締役社長兼CEO:澤田宏太郎)は、ヤフー株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:川邊健太郎)による当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」)に関して、取締役会の決議に基づき、会社として賛同の意見を表明するとともに、ヤフー株式会社との間で資本業務提携契約(当該契約に基づく資本業務提携は以下「本業務提携」)を締結することを決定いたしました。》
https://d31ex0fa3i203z.cloudfront.net/wp/ja/wp-content/uploads/2019/09/Release_TOBpartnership_20190912.pdf
びっくりしたナァ、もう! 何しろ前澤友作は9月11日の時点で次のようなツイートをしていた。このツイートからは、翌日こんなことになるとは夢だに思わなかった。
《千葉県全域を襲った台風15号の影響で、千葉が苦しんでいます。何かできることはないかと、情報を集めていますが、情報が少なすぎてまだ何もできていません。情報をお寄せください。県や市の方も是非。ZOZOも僕も千葉生まれ。何かお役に立ちたい。同じく千葉の皆さんでも協力して千葉を助けましょう!》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1171623106722574337
正確に言えば9月11日午後0時14分に投稿されていた。明くる9月12日午前8時34分、前澤は次のようにツイートして私を驚かさせる。
《先ほど適時開示しましたが、ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます。詳しくは本日17:30からの記者会見でお話しさせてください。》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1171930131268390917
驚いたのは私ばかりではない。千葉市の熊谷俊人市長もツイッターで驚きを隠さなかった。
《今日、停電対策をしていると、ZOZOをヤフーが買収との驚き報道。今頃記者会見でしょうか。
ZOZO前澤社長は千葉市愛に溢れ、社員を本社近くに住むのを支援する幕張手当、花火大会を日本一にしようと大型協賛など本当に支援頂きました。買収で関係が変わらないよう、ヤフー川邊社長に連絡したところ…》
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/1172119408187101185
何と川邉社長も千葉県民。しかも館山市在住だという。
《「当たり前じゃないですか!僕は千葉県民ですよ!」と。川邊社長は館山市在住で、今回の台風で被災もされています。
もちろん、ZOZOもヤフーも社長の個人的な関係だけで地域支援を決めるわけではありませんが、嬉しいコメントでした。被災地支援も考えているとのこと。新たな展開に期待しています!》
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/1172119756880543746
しかし、前澤友作はツイッターが本当に好きなようだ。今回の件について書いた記事について論評をはじめた。
《報道記事もいろいろ見ています。中でも、事実に基づき、まとまり良く分かりやすく読みやすく、記者さんの鋭い視点や思考の盛り込まれた素晴らしい記事をいくつか紹介させていただきます。ありがとうございます。他にも良い記事あったら教えてください!変な意地悪なのは遠慮します》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1172724972428521472
こんな具合だ。
《CNET山川記者による記事。要点が簡潔に1~2分で読める程度にまとまってます。ありがとうございます。》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1172724974588547072
「CNET Japan」は9月12日付で「ZOZO前澤氏『どうしても宇宙に行きたい』--涙ながらに語った退任への思い」を公開している。
《孫氏は、「経営者としても一人の男としても大好きな前澤君から相談が来た。聞いたら、新しい人生をもう一度過ごしたいという話だった。いろいろな話を聞いているうちに、ヤフーとZOZOで提携してやってみるかという話を二人でした」と経緯を説明。前澤氏も、「人生をもっとロックに生きたいという相談をしたら、ヤフーの川邊氏を紹介するから話してみて」と孫氏から紹介を受けたという。もともと、ヤフーとZOZOではさまざまな提携を進めていたが、どうすればより盛り上がるか、改めてテーブルの席を設けることで提携の話が進んだ。》
https://japan.cnet.com/article/35142623/
《日経 田中陽記者の記事。僕の資本主義に対する考え方や向き合い方などから、今回の資本業務提携に至るまでの時系列を簡潔にまとめてくださってます。ありがとうございます。》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1172724976220135424
日経は9月13日付で「前沢ZOZOの野望は『未完』だったのか」を掲載している。
《「本当は資本主義が好きじゃないんですよ。お金のない世界に憧れています」。2011年の夏の終わり、ZOZOの創業者、前沢友作社長への取材を終えようとしているときに意外な言葉が飛び出した。》
《ZOZOの企業理念「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」は平和で戦争のない世界が来るようなメッセージを込めた。上場当日、東証で鐘を鳴らすセレモニーで前沢氏はおもむろにTシャツの上にスプレーで「NO WAR(戦争反対)」と書いて、金融関係者を驚かせた。》
《ZOZOの旧社名はハードコア・パンクバンドのゴリラ・ビスケッツの曲名「スタートトゥデイ(今日から始まる)」から付けた。ヤフーとの資本業務提携の記者会見で前沢氏が着ていたTシャツには「Let's Start Today」、そして反戦のマークも描かれていた。》
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO49766290T10C19A9000000?unlock=1&s=3
《WWDの石塚記者の記事。会見時の質疑応答の中から僕の部分だけを切り出した簡潔にまとめられた記事。読みやすい!ありがとうございます。》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1172724977851699201
「WWD JAPAN」は9月12日付で「退任後は月旅行に新規事業 ZOZO前澤前社長の今後を知る一問一答」を発表した。
《―ここまで成長させてきたZOZOに愛着もあると思うが、その社長を退くことに対して、どういう気持ちなのか。後悔はしていないのか。
前澤:これは悩みに悩んだ。無責任なのではないか、と言われることも予想していたし、ネット上で実際にそう書かれている。しかし、自分の地位や権力に甘んじて、ZOZOの事業拡大や成長を見過ごす経営を行うことこそが無責任だと思う。ZOZOは成長にあたり一つの課題を抱えている。それはこれまでの自分のワンマン、トップダウン経営もその一つ。ZOZOはもっと社員それぞれの個を生かしたチーム力や総合力を磨かなければならない。そういう意味で後継者である澤田新社長にZOZOを譲り、さらなる成長を遂げていく。苦渋の決断だったが、退くことにした。よく「経営者は孤独」と言われるが、個人的にはそんなことはないと思ってきた。しかし、社長退任という最後の決断を一人で悩んでいた時に、孤独を感じた。》
https://www.wwdjapan.com/articles/930774
ほっとプラス代表理事、聖学院大学客員准教授、反貧困ネット埼玉代表などの肩書を持つ藤田孝典が「YAHOO!ニュース」に「前澤友作社長おつかれさまでした」に発表した。
《時給を引き上げることはできるし、それによって労働者の生活はよくなるということも社会に訴えさせてもらった。
ときにはネガティブキャンペーンも張らせてもらった。要するに、あらゆる形態で労働組合と連帯し、異議申し立ての声をあげてきた。
社会を変える、生活を向上させるのは実際に働く労働者の声である。
それに対して(株)ZOZOも今年の6月から派遣労働者を含む非正規労働者の賃上げを発表してくれた。
時給1,000円から1,300円への引き上げや賞与の支給などは社会的な注目を集めた。
(株)ZOZOの賃上げ効果は大きく、千葉、茨城、埼玉など近隣の同種産業では、新規採用の際に、時給単価の上昇傾向が見て取れる。
ZOZO賃上げの波及効果は周辺の企業にも影響を与え、全体の賃金を底上げする圧力として作用している。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190912-00142372/
藤田は前澤の次のようなツイートも紹介している。
《日本はもっと労働者ファーストの資本主義に変わっていくべきだと思っています。経営者の皆さま、もっと社員を大切にして、もっと給与を上げていきましょう。日本の最低賃金は諸外国に比べ安すぎます。賃金アップと生産性アップを経営努力で同時に実現できれば問題ありませんので。》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1159820392749555712
《働くあなたが一番偉いので、面接に落とされたり、給料が低かったり、上司が気に入らなかったりの場合、自分じゃなく会社が悪いのです。そんな会社はとっとと辞めるか、給料を上げろ、上司を変えろ、と強く要求しましょう。言った分、やった分、働いて結果を出せばいいだけです。自信と覚悟を持って!》
https://twitter.com/yousuck2020/status/1159818969395662849
堀江貴文のツイートも核心を衝いている。例えば9月12日付産経新聞には「ZOZO買収 『打倒アマゾン・楽天』が悲願の孫氏」という見出しが躍っているけれど。
《ヤフーxZOZOでアマゾンにガチで太刀打ちできるわけないじゃん笑》
https://twitter.com/takapon_jp/status/1172334099094073345
https://www.youtube.com/watch?v=sLAtmgWAwmI&feature=youtu.be
https://www.sankei.com/economy/news/190912/ecn1909120053-n1.html
これもホリエモン。これも当たっているのではないだろうか。
《孫さんは綺麗事の天才です。って今回も思ったな。俺的にはまーた、子会社(孫会社)上場維持して資本市場を財布に使ってんなーって思ってるけど、ほとんどの庶民はそれを知らないです孫さん△ってなる。》
https://twitter.com/takapon_jp/status/1172746814161735685
------------------------------------------------------
3)【本日の一行情報】
◎訪日外国人観光客が旅マエ・旅ナカに「日本で何をしよう」を検索でき、体験までを提供するWOW Uを運営するEXestは、レジャー・エンタテインメントのチケット販売及び各種イベントの企画・運営等を行うぴあと事業連携し、新サービス「Event Picks:イベント ピックス」(商標登録出願中)をリリースした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000030995.html
◎大日本印刷(DNP)がDNPグループの書店及びトゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」は、全国で謎解きイベントを展開する「タカラッシュ!」とコラボし、9月20日(金)から2020年1月31日(金)の期間、丸善日本橋店において書店内を巡りながら物語を進めて行く体験型謎解きイベント「フシギ書店の謎めく物語」を開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000419.000009424.html
◎hontoは「honto電子書籍回し読み」の実証実験を始めているという。
https://www.gizmodo.jp/2019/09/honto.html
◎KADOKAWAの「東京ウォーカー」は9月28日(土)に、KADOKAWA富士見ビルで「秋の読書会」を開催する。参加資格は、満30歳から49歳の独身男女。課題図書は、リアルな結婚生活の教科書と言われるコミックエッセイ「夫の扶養からぬけだしたい」だ。
https://ddnavi.com/news/563910/a/
◎佐倉市は、出版社18社とときわ書房志津ステーションビル店、佐倉市立志津図書館がタッグを組む「本気(マジ)BOOKフェス2019 本を読む、ゆったりした時間」を10月5日に開催する。出店出版社は亜紀書房、朝日出版社、偕成社、カンゼン、共和国、京阪神エルマガジン社、作品社、G.B、タバブックス、太郎次郎社エディタス、Two Virgins、トランスビュー、夏葉社、ナナロク社、ビーナイス、堀之内出版、本の雑誌社、ミシマ社。この出版社の顔ぶれが良い。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000024449.html
https://tokiwabooks.wixsite.com/tokiwabooks/post/%E6%9C%AC%E6%B0%97book%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B92019
ときわ書房志津ステーションビル店ってブレイディみかこ、梯久美子、武田砂鉄、笙野頼子、栗原康を好きだと言う日野剛広がいる書店だよね。
http://www.webdoku.jp/cafe/hino/
ときわ書房志津ステーションビル店でかけられていた「緑と赤」オリジナル帯は、くまざわ書店南千住店でも使われている。
https://twitter.com/sgkbungei/status/1172528618238398464
小学館出版局文芸編集部のツイート。
《深沢潮さんとときわ書房志津ステーションビル店にお伺いしました。著書「緑と赤」をオリジナルの帯で展開してくださってます。2つの国で揺れる女子大生とその友人たちのリアルな思いを描いた作品。多くの方に届きますように。千葉では、物流が滞ってるとのこと。早い回復をお祈りしてます。》
https://twitter.com/sgkbungei/status/1172526986742222848
◎「文春オンライン」が9月11日付で「『報道ステーション』スタッフもセクハラで厳重注意」を発表した。
《「週刊文春」は9月5日発売号で、テレビ朝日『報道ステーション』のチーフプロデューサー・桐永洋氏(49)のセクハラによる解任劇を報じた。だが、『報ステ』では、他のスタッフもセクハラで厳重注意されていたことが「週刊文春」の取材で判明した。》
https://bunshun.jp/articles/-/14011
「ハフポスト日本版」が9月13日付で「『報ステ』でハラスメント事案。元テレビ朝日報道局員の私が伝えたいこと」(湊彬子)を公開している。
《しかし、私はあの問題以降、報道の現場でセクハラに直面する女性たちに対する、テレビ朝日上層部の心ない発言を聞いた。記者たちの前で女性アナウンサーに対して社員がセクハラ発言をする場面にも遭遇した。
外から見ている私は、「テレビ朝日幹部、報道局の上層部は、真剣に変わろうとしていないのではないか」と疑問を持った。》
湊彬子はテレビ朝日を経て朝日新聞社に入り、2018年には朝日新聞の放送担当記者。現在は「ハフポスト日本版」に出向している。
《私は大学卒業後の2009年にテレビ朝日に入社した。入社試験を受けたのは、「ニュースステーション」「報道ステーション」への信頼と憧れがあったからだ。
私は報道局の夕方のニュース番組に配属された。10年前のことなので、現在とは違う部分も多くあると思うが、私の周りではセクハラは日常的にあった。
配属されてすぐ、自分の体型のことを職場で上司からからかわれたことに驚いた。そして、女性アナウンサーをはじめとした女性の見た目や私生活についての噂話、聞くのも辛い下ネタが、飲みの席だけでなく、職場でも聞こえてきた。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/tv-asahi-harassment_jp_5d7a1adae4b0fc7153428f9d
「ZAITEN」の記事も読んでおこう。
http://www.zaiten.co.jp/blog/2019/09/post-5.html
http://www.zaiten.co.jp/blog/2019/09/post-6.html
「報道ステーション」のチーフプロデューサーは解任されたものの、桐永洋に下された処分は謹慎3日間という軽いもの。「デイリー新潮」が「「報道ステーション」セクハラ事件 被害『森葉子アナ』のマンションで抱きつきキス…」を公開している。
《セクハラ問題に詳しい板倉由実弁護士はこう語る。
「キスは強制わいせつに当たりますから、3日間の謹慎処分では軽すぎます。これが外資系の企業だったら、懲戒解雇の対象になるはずです」》
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09041600/?all=1
◎「受験生ブルース」の中川五郎が、「七〇年目の風に吹かれ 中川五郎グレイテスト・ヒッツ」(平凡社)を刊行した。
https://mainichi.jp/articles/20190911/ddl/k27/040/300000c
中川五郎がノレペ・ウリナラと共演する。
《1999年の結成以来「みんなで楽しみ共有できる」歌を創作し、平和と人権、南北統一のために歌ってきて、毎年200回を超える公演を開催する韓国の音楽グループ、ノレペ・ウリナラが、朝鮮学校の学生たちを少しでも励ましたいと、結成20周年に日本公演を開きます。
ぼくもゲストで共演します。光栄です。》
https://twitter.com/GoroNakagawa/status/1171713019304300544
中川五郎は1980年代の「ブルータス」(マガジンハウス)を編集者として支えたことでも記憶されるべきだろう。ディランやブコウスキーの翻訳家でもあり、小説も書いている。「愛しすぎずにいられない」の版元はマガジンハウスだった。
◎ハースト婦人画報社は、クライアントブランドの課題に沿った広告施策を提案・実施する組織として、Hearst Data Studio (ハースト データ スタジオ)を立ち上げた。
Hearst Data Studioは、同社のファーストパーティデータによるセグメンテーションや、リサーチ機能などを活用して広告施策を実施する。メディア横断の広告運用やデータ分析の知見を有する組織がファーストパーティデータを活用することで、ブランドのマーケティングをデータドリブンな手法で長期的に支援するという。
https://media-innovation.jp/2019/09/11/hearst-launched-hearst-date-studio/
◎「WEZZY」が「一億総ユニクロ時代の『おしゃれ嫌い』現象 ファッション雑誌が末期状態に追い込まれた今の時代の空気とは?」を公開している。幻冬舎新書「おしゃれ嫌い 私たちがユニクロを選ぶ本当の理由」の米澤泉は次のように語っている。
《私はずっと研究対象としてファッション雑誌を見てきましたが、今や末期状態に思えます。『JJ』(光文社)や『ViVi』(講談社)などの女子大生向けの雑誌を見ていても、全国縦断ファッションスナップみたいな、インスタグラムがある時代にわざわざやる意味があるの? って感じの記事が載っていたりしますし。
そもそも読者モデルが憧れの対象ではなくなってきたと思います。新聞社の調査機関がファッション雑誌の女子大生読者モデルの所属大学をずっと調べてランキングを出しているのですが、登場する大学は様変わりしました。10年前までは東京だったら青山学院大学やフェリス女学院大学、関西なら甲南女子大学みたいな、いわゆるおしゃれなイメージの大学がトップ争いをしていたんですが、今は早稲田とか法政とかの読者モデルが多いんですよ。これはおしゃれな子が選ばれて出ているんじゃなくて、単なる母数の多さに比例しているだけなんじゃないかと(笑)。》
https://wezz-y.com/archives/68521
終わったのはファッション誌ばかりではない。「エロ本」の歴史もまた終わってしまった。安田理央の「日本エロ本全史」(太田出版)が切ないというか、胸にグッと迫って来る。安田は、こう書く。
「平成という時代の終わりと共に、ひとつの文化が、その幕を下ろしたのである」
この本に登場する70年代以降の「エロ本」の大半をオレは買ったことがある。「エロ本」の黄金時代は80年代になるわけだが、何をもって黄金時代かといえば、私の記憶に間違いがないとすれば、スワッピング雑誌の映画批評を松田政男が書いていたことをもって黄金時代としたい。
http://www.ohtabooks.com/publish/2019/07/01152623.html
◎日販が発表した8月期の雑誌の売上冊数ランキング。1位が「コロコロコミック」(小学館)、2位が「ちゃお」(小学館)、3位が「週刊少年ジャンプ」(集英社)、4位が「MYOJO」(集英社)。売上金額となると1位が「コロコロコミック」、2位が「文藝春秋」、3位が「MYOJO」!4位が「リンネル」(宝島社)
https://hon-hikidashi.jp/more/94356/
◎美容専門誌「美的GRAND(グラン)」(小学館)の現役編集長である天野佳代子がテレビ番組「マツコ会議」出演し、その年齢不詳肌が「奇跡の62歳」と話題になったが、天野によれば「奇跡などではない。やるべきことをやっていれば、誰でもなれます!」と。天野のスキンケアメソッドは誰にでもできるのだそうだ。そんな天野が、「何歳からでも美肌になれる!」を小学館から発売し、「奇跡の62歳が実践する美肌術」を公開した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000388.000013640.html
◎神田松之丞が監修する「講談えほん 全6巻」が講談社創業110周年記念企画として刊行される。12月1日には神田松之丞出演の刊行記念イベントを、その社名の由来が講談である「講談社」で開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002325.000001719.html
◎ショーケースと、雑誌および書籍の出版・販売を行う三栄が共同運営するゴルフ情報サイト「ゴルフサプリ」が、月間300万PVを突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000003483.html
◎「BCN+R」が9月12日付で「廣済堂、子会社の廣済堂出版を譲渡、譲渡先や譲渡契約の内容は非公表」を公開している。
《廣済堂は、廣済堂グループの第3次中期経営計画「KOSAIDO Re-Innovation」に基づき、事業ポートフォリオの見直しの一貫として、5期連続で赤字を計上している廣済堂出版の株式と債権を譲渡する契約を締結した。なお、譲渡先は日本国内在住の個人だが、意向により詳細は非公表としている。》
https://www.bcnretail.com/market/detail/20190912_136700.html
◎「現代ビジネス」(講談社)が9月13日付で「出版不況でも小学館の雑誌『幼稚園』がバカ売れするヒミツ」を発表している。
《この点、「幼稚園」は巧みなターゲット戦略を取っているといえそうです。その理由は、「幼稚園」のターゲットを幼児だけでなく、その外縁にいる保護者の大人をもターゲットとしているからです。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67081
◎JALのハワイ島・コナ線直行便2周年と枻出版社から「1冊丸ごとハワイ島 決定版」が刊行されるのを記念して、特別ゲストを迎えたトークイベントが実施される。
https://www.facebook.com/hawaiistylemag/posts/2423445404398381
◎小学館児童出版文化賞が「ある晴れた夏の朝」(小手鞠るい 偕成社)、「くろいの」(田中清代 偕成社)、「わたしといろんなねこ」(おくはらゆめ あかね書房)。偕成社が二作同時受賞を果たした。
https://www.shogakukan.co.jp/sites/default/files/manual/20190912.pdf
◎エイチ・アイ・エス(H.I.S.)は、小学館の美容誌「美的」とのコラボ企画第2弾として、「キレイを磨く美的旅 ベトナムツアー」を9月13日(金)より販売開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000651.000005110.html
◎「#SHIFT」が「メディアドゥの社長はなぜ、マイノリティーの登用を恐れないのか 情シス部長に50代半ばの女性、ベトナム人採用の背景」を公開している。メディアドゥで代表取締役社長 CEOをつとめる藤田恭嗣の発言である。
《私が重視しているのは、サステナブル(持続可能)な経営ができていることや、SDGs、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治)の観点です。当然、その文脈には、ダイバーシティや、マイノリティーをどう扱うのか――といったことも含まれています。》
《大事なのは、社員ひとり一人を個人としてリスペクトし、その人がやりたいこと、できることを、この会社の中でどう最適化できるのか――を考えていくことです。そのためには、それぞれの文化や意識の殻を破って理解し合うことを助ける仕組みや仕掛けが必要になるんです。
だから当社では、昔から成果主義による人事評価を一切しておらず、全て能力主義です。男性か女性かということはもちろん関係ないし、どれだけの成果を上げた、ということも重要ではない。その人が「会社に対してどれだけの能力を発揮してインパクトを与えているか」で評価をしています。》
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1909/09/news014.html
◎朝日新聞デジタルが9月15日付で「『不自由展』再開求める声、今も 芸術祭は残り1カ月」を掲載している。
《芸術祭実行委員会によると、来場者数は8月だけで約25万8千人を記録。3年前の前回より約7万5千人多く、過去最高を更新しているという。》
https://www.asahi.com/articles/ASM9G6DXFM9DOIPE030.html
「表現の不自由展・その後」が打ち切りになったことで逆に注目を集め来場者が急増しているということなのだろうか。
-----------------------------------------------------
4)【深夜の誌人語録】
いつか何かの役に立てば良いんだよ。そういう余裕を持ちたいものである。