【文徒】2019年(令和元)10月2日(第7巻178号・通巻1598号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】川越宗一の「熱源」(藝春秋)はスケールと深さを兼ね備えた力作だ
2)【記事】あいトレ「表現の不自由展」再開で和解成立 河村たかし名古屋市長は猛反発
3)【記事】北陸朝日放送の黒崎正己が「新聞記者・桐生悠々 忖度ニッポンを『嗤う』」を刊行
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.10.2 Shuppanjin

1)【記事】川越宗一の「熱源」(藝春秋)はスケールと深さを兼ね備えた力作だ

山田風太郎賞の候補作品が次のように決定した。
今村翔吾「童の神」(角川春樹事務所)、小野不由美「営繕かるかや怪異譚 その弐」(KADOKAWA)、川越宗一「熱源」(藝春秋)、月村了衛「欺す衆生」(新潮社)、葉真中顕「Blue」(光)。
あくまで私見だが、川越宗一の「熱源」が図抜けているのではないだろうか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006304.000007006.html
歴史の周縁部から現在の情況を撃ち抜く筆力が圧倒的であり、物語のスケールの大きさと歴史の深さを兼ね備えた傑作なのである。主人公の樺太アイヌたる山辺安之助も、ロシアから苦役囚として樺太に送られてきたポーランド人のブロニスワフ・ピウスツキも、ともに実在の人物なのである。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163910413
勝目梓が「熱源」を絶賛している。
《まず何よりも感服したのは、帝政ロシア末期の政治犯流刑囚のブロニスワフ・ピウスツキの、おそらくは広く知られてはいないのかもしれない事績を基にして、これほど壮大な主題を包み込む切実な物語世界を提示している作者の逞しい構想力と硬質で沈着な章力です。しかも語られている主題は、トランプ大統領の登場後には一段とあらわになった今日的な問題の根底に横たわるものであり、その根底に直接的に光を当てることができるのは物語りだけであって、小説にはまだ十分にその力が備わっているということを、改めて強く思わせられた作でもありました。》
https://books.bunshun.jp/articles/-/5010
「好書好日」で川越宗一は次のように語っている。
《「多数派の人間が普通だと思っていることへの反感も、小説を書くモチベーション。僕らがのうのうと暮らしてるから、少数派の人の苦難に思いが至らない、やさしくない社会が出来上がっていくんじゃないか、という気がします」》
https://book.asahi.com/article/12727947
「屍人荘の殺人」の今村昌弘がツイッターで絶賛している。
明とは、故郷とは、国とはなにかという疑問に、ここまで多角的な視点で迫った作品は初めてでした。時間によって影の形が変わるように、時代と共に変化する国や肩書きに翻弄される人々が「キラクター」ではなく「人」として躍動し、川越さんの深い敬意を感じます。》
https://twitter.com/Imamura1985/status/1171236202906673152
おい、おい、フォロワー数57.8万を誇るシャープの公式アカウントも取り上げているではないか。
《あまり歴史小説は読まない私ですが、すぐれた歴史小説は昔を語りながら現代を容赦なく照射することくらいはわかるし、つまりこの本がそれだった。「熱源」はかつてのアイヌとロシアとポーランドと日本、そしていまの私たちのお話。》
https://twitter.com/SHARP_JP/status/1178256522620461057
谷津矢車も太鼓判を押している。
《「熱源」(川越宗一 藝春秋)、会心の作品でした。歴史小説読みだけに独占されるような本ではありません。
一般芸読みクラスタの皆よ、手に取られよ。絶対に損のない読書である。》
https://twitter.com/yatsuyaguruma/status/1170211794389889024
「戦争も何もかも、生きてる人間が始めたんだ。生きてる人間が気張らなきゃ、終わんないだろ。あたしもあんたも、まだ生きてる。なら、できることがある」
良い台詞である。

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2)【記事】あいトレ「表現の不自由展」再開で和解成立 河村たかし名古屋市長は猛反発

毎日新聞は9月30日付で「表現の不自由展 展示再開で和解が成立 10月6~8日で協議へ」を掲載している。
《愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題で、不自由展実行委員会が展示再開を芸術祭の実行委に求めた仮処分の審尋が30日、名古屋地裁(片田信宏裁判長)であり、展示再開で和解が成立した。再開時期は10月6~8日の方向で今後協議を進める。》
https://mainichi.jp/articles/20190930/k00/00m/040/102000c
芸術監督の津田大介のツイート。
《関係各位の多大な努力と理解に最大限の感謝を示します。引き続き円滑安全な運営に努め、来場者に楽しんで頂ける芸術祭にしますトリエンナーレは10月14日まで開催しています。化庁の件などまだまだ困難は続きますが多くの方にご来場頂くことでこの状況を乗り越えたいです。》
https://twitter.com/tsuda/status/1178539821569953793
不自由展実行委員会のアライ=ヒロユキがツイート。
《すでに報道されていますが、表現の不自由展実行委員会は、仮処分の審尋においてあいちトリエンナーレ実行委員会と和解しました。展示再開のための協議を通じて、「表現の不自由展・その後」の再開に向けて進みます。
これまで多くの方にご声援いただき、感謝いたします。》
https://twitter.com/arai_hiroyuki/status/1178643291270594561
https://t.co/Qub4yy3uuq?amp=1
新潟県知事の米山隆一がツイート。
《予断は許しませんが、偉い!頑張っていただきたいと思います。反対派が反対するのはいいと思いますが、是非かねて主張する「民度」「日本の誇り」を示して、平穏に反対して頂きたいと思います。法的に問題ない展示について、「感情」で妨害する権利は誰にもありません。》
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1178542215615770625
産経新聞は9月30日付で「『世論のハイジャックだ』 名古屋市長が『不自由展』再開合意を批判」を掲載している。
《…名古屋市河村たかし市長は30日の定例記者会見で「市も主催者の芸術祭で政治的な作品を展示するのは、世論のハイジャックになり、とんでもないことだ」と批判した。》
https://www.sankei.com/life/news/190930/lif1909300029-n1.html
毎日新聞は9月30日付で「河村名古屋市長『暴力的で大変なこと』 表現の不自由展再開で」を掲載している。
《河村市長は、昭和天皇の肖像を素材にした映像作品や少女像などについて「トリエンナーレは市や県が主催する公共事業なので、(再開されれば)名古屋の人が公的に出すという意味を持つ」と述べ、「天皇陛下に敬意を払おうと思っている多くの人たちの表現の自由はどうなるのか。僕の精神では考えられない」と反論した。》
https://mainichi.jp/articles/20190930/k00/00m/040/181000c
「現代ビジネス」が9月30日付で高橋洋一の「あいちトリエンナーレ報告『公金支出は当然』という前提の奇妙さ」を掲載している。
《左派マスコミは、「どのような内容であれ公費支出は当然」と言うが、今回展示されていた昭和天皇の肖像が燃える映像作品(ネットではいくらでもこの種の映像を見られる。例えばhttps://www.nicovideo.jp/watch/sm35491365)などについては、映像そのものをニュースで流しているわけではない。はっきり言えば、こうした作品を不快と思う人が国民に多ければ、公費支出は難しくなる。》
《「公費支出は当然」と主張するマスコミが、作品そのものの内容をきちんと報じないのは、国民に適切な情報を提供するというマスコミの使命にも反している。もし詳しく報じれば多くの国民からの反発が予想されるが、それを理由に流さないのだとしたら、マスコミの終わりでもある。単に「公費をせびっているだけ」と看破されても仕方ないだろう。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67518
門田隆将のツイート。
高橋洋一氏が表現の不自由展の作品の中身を「詳しく報じれば多くの国民からの反発が予想されるが、それを理由に流さないのだとしたら、マスコミの終わりでもある」と。まさに終焉に向かってひた走る新聞TV。ネット時代の今、"旧来の煽動法"が通用すると思う感覚こそ見事。》
https://twitter.com/KadotaRyusho/status/1178467007345258496
補助金カットに反対の論陣を張るメディアは「昭和天皇の肖像が燃える映像作品」とは書いていない。「昭和天皇の肖像が燃える」という表現を避けている。手元の東京新聞を見てみると10月1日付「表現の不自由展6~8日に 展示内容を変えず再開へ」では「昭和天皇を扱った映像作品」と書くにとどめている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019100102000142.html
名古屋市河村たかし市長にしてもそうだが、「昭和天皇の肖像が燃える」ことを問題を前面に出すことで「世間」の支持を得ようとしている。そうすることで「表現の不自由展」を「世間」から孤立させてしまおうと企むのだ。これが藤田直哉言うところのアイデンティティ政治」なのである。
「ハフポスト日本版」が藤田直哉の「電凸した『アートがわからない人』とこそ対話すべきだ。 あいちトリエンナーレを擁護するリベラルたちへの提案」を公開している。
《現在は「アイデンティティ政治」の時代である。合理的な討論に拠る利害調整や合意形成よりも、人々のアイデンティティや尊厳を求める争いこそが、世論を動かす。
慰安婦天皇を扱った作品に対するネット上での過激な人々の反応は、まさにこの典型だったのではないだろうか。アイデンティティ(「日本人」)を脅かされていると感じたからこそ、理性的ではない行動が発生し、「敵対」が顕在化したのではないか。》
《リベラルが敗北するのは、このアイデンティティ政治時代に対応できていないからである。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/naoya-fujita_jp_5d91a7ede4b0019647aafb51?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
アイデンティティ政治」は「市民社会」ではなく、自分が見たことも聞いたこともない人々のことはまったく員数に入れない「世間」を場とすることで強度を増すのだ、ということを大衆政治家たる河村は本能的に熟知しているのだ。
《世間という言葉は「世の中」とほぼ同義で用いられているが、その実態はかなり狭いもので、社会と等置できるものではない。自分が関わりをもつ人々の関係の世界と、今後関わりをもつ可能性がある人々の関係の世界に過ぎないのである。自分が見たことも聞いたこともない人々のことはまったく入っていないのである。》(阿部謹也「『世間』とは何か」)
一方、リベラルと一般には認識されているメディアが「昭和天皇肖像が燃える」という作品そのものの内容を報じずに隠蔽することは、不敬罪の亡霊を日本社会に徘徊させることに繋がりはしないのだろうか。

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3)【記事】北陸朝日放送の黒崎正己が「新聞記者・桐生悠々 忖度ニッポンを『嗤う』」を刊行

北陸朝日放送報道制作局次長兼報道制作部長の黒崎正己が「新聞記者・桐生悠々 忖度ニッポンを『嗤う』」を現代書館から刊行した。黒崎が担当ディレクターをつとめた2018年放送のドキュメンタリー番組「言わねばならないこと 新聞人・桐生悠々の警鐘」は第1回「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞を受賞したが、本書は、その書籍版である。朝日新聞が9月30日付石川版で「むのたけじ賞受賞作が書籍に 新聞人・桐生を描く」を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/ASM9T66Z6M9TPJLB00N.html
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5866-2.htm
9月28日(土曜)に国立の増田書店南口本店で「青木理さん×黒崎正己さんトーク&サイン会」が開催された。幻冬舎の小木田順子も参加し、ツイッターで次のように感想を述べている。
《増田書店さんでの、黒崎正己さんと青木理さんの対談、とてもよかった。お客さんは地元のかたが中心。売り場スペースが会場なので、講師とお客さんの距離が近い。時折、お店の前を通る人が「何やってるのかな」とガラス越しに覗き込むのも開かれた感じ。自分の担当本もここでイベントできたらいいな。》
https://twitter.com/junkogita/status/1177968670024159233
「神国日本のトンデモ決戦生活――広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか」の早川タダノリは黒崎より献本を受けたそうだ。
北陸朝日放送の黒崎正己さんから新著『新聞記者桐生悠々忖度ニッポンを「嗤う」』(現代書館、2019年)を頂戴しました。2017年の「Jアラート」の住民避難訓練取材をきっかけに桐生悠々へとさかのぼり、彼の半生をたどりながら現在のジャーナリズムを問い返す。歴史的類推にとどまらない構成が面白い。》
https://twitter.com/hayakawa2600/status/1177788831350673408
桐生悠々は新聞社から去った後も個人誌「他山の石」を発刊し、ハロルド・ラスキやポール・ヴァレリーを翻訳していた。現在、商業ジャーナリズムや商業出版にかかわる記者や編集者には桐生悠々そうだが中国にあって日独の枢軸側の必敗を確信していた中江丑吉とか、「暗黒日記」の清沢洌とか、「現代国家批判」「日本ファシズム批判」を書き上げた長谷川如是閑とかいった先人たちについて少しは勉強しておいてもらいたいものだ。

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4)【本日の一行情報】

◎晶社から「美学校1969-2019 自由と実験のアカデメイア」が刊行された。美学校は今も健在。ウチの事務所の並びにあるんだよね。10月からは「出版人 広告人」連載陣のひとりでもある大谷能生も講師陣に加わる。この本でも座談会に登場しているよ。
https://www.sankei.com/life/news/190930/lif1909300010-n1.html
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5442

◎CCCグループで月額定額制雑誌読み放題サービス「T-MAGAZINE」(ティーマガジン)を運営する「株式会社Tマガジン」は、小学館博報堂DYメディアパートナーズを引受先とする第三者割当増資と、雑誌広告ビジネス、新規事業開発の強化を目的に資本業務提携を締結した。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/09/HDYMPnews20190930.pdf

小学館とアーバンリサーチはウェブサイト「URBAN RESEARCH」において協業によるコンテンツ開発をおこなうことで合意した。小学館からはOggi.jp編集長の岩﨑僚一率いるチームが参画するそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000400.000013640.html

徳間書店は、第一回大藪春彦新人賞受賞作家である赤松利市の最新作「犬」、第二回の受賞作家である西尾潤のデビュー作「愚か者の身分」を刊行した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000209.000016935.html
赤松は曲者であり、西尾はタランティーノ一派であろう。

◎ビーグリーが運営するコミック配信サービス「まんが王国」で電子書籍としてヒットさせた白泉社の「ただ離婚してないだけ」の最新4巻発売記念キャンペーンを9月27日(金)から10月10日(木)まで開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000034768.html

KADOKAWAは、「けものフレンズ」と千葉市動物公園・京都市動物園とのコラボを発表した。リアル謎解きゲームを実施し、またコラボメニューやキャラクターパネルの展示を行うそうだ。
https://gamebiz.jp/?p=249375

◎2016年に発売した「ざんねんないきもの事典」(高橋書店がシリーズ累計350万部、2018年発売の「わけあって絶滅しました。」(ダイヤモンド社)がシリーズ累計69万部と売れている。動物図鑑ブームに火をつけたのは監修者で動物学者の今泉忠明と、編集者の金井弓子である。「ダイヤモンド・オンライン」が発表した「動物図鑑ブームの仕掛け人!動物学者と編集者が考える『生き物』の魅力とは?」で金井は次のように語っている。
《例えば人間でも、めちゃくちゃエリートで頭が良かったり超イケメンだったりすると、「自分とは住む世界が違うな……」って少し引いて見ちゃう部分もあると思うんです。でも「天才だけど絶望的に朝が弱い」とか、「イケメンだけど女子の前だと緊張して震える」とか、その人の弱点を知ると、なぜか途端に愛らしさが湧く。弱点って、見方を変えればその人の強烈なキャラになると思ったんです。》
https://diamond.jp/articles/-/216162

◎日経が9月30日付で「郵政社長、NHKへの抗議『深く反省』 かんぽ不正」を掲載している。
長門社長は番組などについて「当時はアンフェアと感じた」「郵政グループが悪の権化だと言われているように感じ、NHKが続編を制作していることに抗議した」と説明した。グループの3社長が連名で上田良一NHK会長宛ての質問書を出し、さらにNHK経営委に抗議をしたという。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50412730Q9A930C1EE8000/
共同通信は「NHK経営委、会長注意記録せず『議題ではない』」を公開した。
かんぽ生命保険の不正販売問題を報じた番組を巡り、日本郵政ループから抗議を受けたNHK経営委員会が、上田良一NHK会長を厳重注意した問題で、一連の経緯を「議題ではなく視聴者対応の一環」として、議事録に掲載しなかったことが30日、分かった。
https://this.kiji.is/551253864891237473?c=39546741839462401

◎「トヨトミの野望」が小学館庫化された。本業は経済記者である覆面作家・梶山三郎のデビュー作である。奥付には「編集 加藤企画編集事務所」と記されているから、加藤晴之の仕事なのだろう。親本が刊行された際に梶山三郎は「現代ビジネス」で次のように語っていた。
《自動運転化の波、アメリカで進む環境規制、国内市場の先細り、日の丸技術の衰退…。
いちジャーナリストとして見た時、私は今の日本の自動車メーカーが、これらの問題を克服し、世界との競争に打ち勝てるとは思っていません。むしろ本書でも警告したように、このまま世界の変化に対応できなければ、トヨタをはじめとする大手メーカーは、いずれ海外の自動車メーカーやIT企業に買収されると思っています。》
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50011
https://www.shogakukan.co.jp/books/09406702
12月には続編にあたる「トヨトミの逆襲」が小学館から刊行される。

◎「リアルライブ」が9月1日付で「朝日新聞『値上げしないでがんばります』広告が炎上 “軽減税率対象事業者なのに”“意味が分からない”の声も」を公開している。
《9月30日、朝日新聞が消費増税後の対応を示した宣伝チラシが不謹慎すぎると一部から猛批判を受け、炎上する騒ぎがあった。
これはあるTwitterユーザーが画像を投稿したもので、そこには「ASA」のヘルメットをかぶった新聞配達員の姿が。その上吹き出しが付き、「朝日新聞はまだまだ値上げしないでがんばります!」の字が大きく掲載され、「日頃は朝日新聞をご愛読いただきありがとうございます。消費増税後も変わらない価格、変わらないサービスでお届けいたします」と書かれていた。》
https://npn.co.jp/article/detail/61574274/
話題となったのは、このツイート。農林水産省の元畜産部長であり、現在は畜産環境整備機構副理事長をつとめる原田英男が投稿したものである。
《他の業界は消費増税に伴ってやむなく値上げするだけ。軽減税率が適用された新聞が「消費増税後も変わらない価格」を自慢するって、勘違いも甚だしい。》
https://twitter.com/hideoharada/status/1178432742305853440
10月1日午後1時現在、2.5万件のリツイートがあり、3.4万件の「いいね」がポチられた。軽減税率の恩恵を受けた朝日新聞に10月1日付社説「5年半ぶり消費増税 支え合う社会の将来像描け」で《急増する社会保障給付などの公共サービスを続けていくには、景気の影響を受けにくく、安定した税収のある消費税は欠かせない》などと私にしても言われたくはない
https://www.asahi.com/articles/DA3S14199955.html
朝日新聞の鮫島浩もツイッターで、こう指摘しているくらいだ。
《消費税は社会保障充実のためではなく大企業金持ちを優遇する法人税所得税減税の穴埋めに使われてきた。その事実を指摘せず「給付と負担のバランス」「社会の支え合い」と言って「消費税は欠かせない」と論じても何の説得力もない。まるで政府機関紙だ。新聞不信は加速する。》
https://twitter.com/SamejimaH/status/1178809182515949568

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5)【深夜の誌人語録】

負ければ過信と言われ、勝てば自信と言われるものである。