【文徒】2019年(令和元)11月13日(第7巻205号・通巻1625号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】日共=赤旗の調査報道スクープ!「桜を見る会」私物化疑惑 
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.11.13 Shuppanjin

1)【記事】日共=赤旗の調査報道スクープ!「桜を見る会」私物化疑惑

安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に安倍首相の後援会員を多数招いていたという「桜を見る会」私物化疑惑は日共のスクープと言って良いだろう。田村智子の質疑はYouTubeに公開されているが、これが面白い!麻木久仁子も「面白すぎる動画です!30分、あっという間」と呟いている。
https://www.youtube.com/watch?v=FqG_eybQ_ZE&feature=youtu.be
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-12/2019111201_02_1.html
https://twitter.com/kunikoasagi/status/1192800490737680384
立憲民主党枝野幸男が「数年に一度の素晴らしい質疑だった」と田村の質疑を絶賛している。
《党派を超えて、数年に一度の素晴らしい質疑だったと思います。
少し長いかもしれませんが、やり取りに引き込まれて、あっという間に感じます。
多くの方にご覧いただきたいとお願いします。》
https://twitter.com/edanoyukio0531/status/1193062495948173312
有田芳生にとっては「古巣」だけに内情に詳しいのだろう。こう解説している。
共産党の田村智子さんが事実を突きつけて追及した「桜を見る会」の実態は、議員と「赤旗」記者による連携のみごとな仕事だ。最初は日曜版がスクープし、日刊紙が追い、さらに素材を集めていった。いまだ散見する週刊誌記事をもとにした「これは本当か」式の質問でなく、調査報道が基本にある迫力だ。》
https://twitter.com/aritayoshifu/status/1193346328975200258
これに火をつけたのは新聞、テレビの既存メディアではなくツイッターであった。毎日新聞グループホールディングス取締役の小川一ツイッターで「『桜を見る会』をめぐる論点はメディアも見落としていたと思います」と書いている。
https://twitter.com/pinpinkiri/status/1193998292503257090
参議院議員小西洋之NHKに厳しい。
《7000億円の受信料を集めているNHKは赤旗の追いかけ報道しかできないのか。
東京・渋谷の報道センターや山口放送局は何をしているのか。
徹底取材で公共放送の使命を果たして頂きたい。》
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1193873546746793985
山崎雅弘がツイートしている。
《「桜を見る会」で画像検索すると、世耕弘成参議院議員が彼の支援者らしき人々や安倍晋三首相と一緒に写っている記念写真がいくつも出てくるが、元記事である世耕弘成公式サイトのリンクへ飛ぶと、なぜか当該記事がなくなっている。
不思議。消したのだろうか? 消したとしたら、なぜ消したのだろう?》
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1193859200582967296
東京新聞が11月12日付で「首相主催『桜を見る会』 毎年前夜に後援会と懇親」を掲載している。
安倍晋三首相が第二次安倍政権発足後の二〇一三年以降、四月に東京・新宿御苑で開いてきた「桜を見る会」の前夜に、都内で後援会と懇親会を毎年開いていたことが分かった。桜を見る会当日も、首相は毎年、会場で後援会と記念撮影していた。野党は「公式行事の私物化だ」と批判した。参加した首相の地元関係者らには、当時の様子を伝えたブログの投稿削除が相次いだ。》
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019111290070749.html
毎日新聞もツイートしている。
《安倍首相の地元・山口県の県議らが、首相主催の「桜を見る会に参加したことを記したブログを自身のウェブサイトから相次いで削除。取材に対し「誰かに迷惑がかかると嫌なので削除した」などと回答しています。》
https://twitter.com/mainichi/status/1194040861304086529
削除すればするほど「疑惑度」が高まるとは考えなかったのだろうか。白石草は「削除が相次ぐことが、この問題がいかに問題であるかを物語っている」と指摘している。
https://twitter.com/hamemen/status/1194042960276406272
特筆すべきは削除されても、ツイッターには次々に新たな写真や動画が投稿されていることだ。花瑛塾広報局は、映像とともにこう書いている。
《官邸が公開した一昨年の「桜を見る会」の動画の一部。安倍が世耕弘成に「ひまわり会?」と聞くと、世耕が「ひまわり会です。今年は副長官ではなくなったので"招待枠"で」と返答。「ひまわり会」とは世耕の支援団体「ひまわり」のこと。石破証言通り、一部議員には支援者を連れられる「招待枠」がある。》
《えらいものを掘り当ててしまったかもしれない。正確に聞き取ると、動画で安倍は世耕に「今年はひまわり会?」といっている。「今年は」だ。自分に近しい議員らが毎年毎年支援者・後援会のメンバーを「招待枠」を使って「桜を見る会」に連れてきていることを知っているわけだ。組織的な公金私物化だ。》
https://twitter.com/kaeizyuku_PR/status/1194018462667923456
https://twitter.com/kaeizyuku_PR/status/1194021187065507840
http://kaeizyuku.com/
津原泰水が解説する。さすがツイッターを得意としている小説家だ
モリカケ問題と桜を見る会疑獄には、絶対的な性質の違いがあるモリカケ検証は一般の国民には手出しが出来なかったが、桜を見る会とその関係者・関係企業の情報はウェブにざくざくあり、国民の誰でも追及に参加できるってこと。マスコミのすっぱ抜きを待っている必要がない。》
https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1194039956747866112
室井佑月もこうツイートしている。
桜を見る会の批判の、ネトウヨのみなさんの動きが早い。てことは、親玉はこれに触れられるとイヤなのね~。よっし、わかったっ、まかせとけ~。今週はここ中心に書いていきますっ! ……ネトウヨのみなさんのリクエスト通りよ。》
https://twitter.com/YuzukiMuroi/status/1193761801936130049
〝アーカイヴィスト・ドキュメンター〟を自称する「Eigen Kino」の連続ツイートも話題になっている。今年5月の投稿である。
《「桜を見る会」における飲食物の提供業務、平成25年から平成29年まで一般企画競争で、平成30年は随意契約で、株式会社ジェーシー・コムサが落札。》
https://twitter.com/eigenkino/status/1131417264647835648
《株式会社ジェーシー・コムサの取締役の一人は総理の古くからの友人であり、昭恵夫人のFBにもよく登場するアーネストM比嘉氏だ。》
https://twitter.com/eigenkino/status/1131417265683947521
《2018年4月11日の衆院予算委員会で、エンボカ東京での飲食(2015年4月1日)についての質問に関して、総理が「私のやはり古くからの友人の、日系のアメリカ人」と言っているのがアーネストM比嘉氏だと思われる。》
https://twitter.com/eigenkino/status/1131419525142929409
《平成30年「桜を見る会」における飲食物の提供業務を随意契約によることとした会計法令の根拠条及び理由は、「契約の性質又は目的が競争を許さないため、会計法第29条の3第18項に該当するため」だそうで。随意契約なのはこの1年だけなのだが。》
https://twitter.com/eigenkino/status/1131421752020463616
以下省略!香山リカがこの連続ツイートを紹介しながら、こう呟いている。
《【ぜひ読んで】ここからの連続ツイートめまいがします。今年の5月の時点でここまで調べてたとはすごい。そして言いたくないけど、こんなすごいネタが目の前に用意されててマスコミはなにしてたの、と思う。でも今からでも遅くない。がんばれマスコミ!》
https://twitter.com/rkayama/status/1193508189137846273

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2)【本日の一行情報】

◎ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝はWBAIBF王者・井上尚弥WBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちしてWBSS制覇した。そんな井上が「週刊プレイボーイ」の表紙を飾った。井上自身がツイッターで11月10日に報告している。
《明日発売の「週刊プレイボーイ
創刊53年目にして男性3人目の表紙だそうです、、ボクシング専門誌みたいなシンプルな表紙。
『死闘を超えて』渋いね。。》
https://twitter.com/naoyainoue_410/status/1193452254138814465
男性が表紙を飾ったのはダウンタウン松本人志、サッカー日本代表の中村俊輔についで、井上が3人目ということだ。
https://www.oricon.co.jp/news/2148382/full/

◎ホラー映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」が11月8日の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で地上波放送された。「ミステリーニュースステーションATLAS」が11月10日付で「【放送事故レベル】話題のホラー映画、自主規制カット連続で大炎上!」を公開している。この記事によれば「カットされまくり」「見るに堪えない」とネットで批判が相次いでいるそうだ。
https://mnsatlas.com/?p=53156

◎「ブルームバーグ」が11月11日付で「NY州当局がゴールドマンを調査、アップルカード審査で性差別の疑い」を掲載している。
《米ゴールドマン・サックス・グループのクレジットカード事業慣行に対し、ニューヨーク州当局が調査を開始した。米アップルと共同開発した「アップルカード」の審査で利用限度額を決定するアルゴリズムが女性を差別しているとハイテク起業家がツイッター投稿で指摘し、これが拡散していた。》
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-10/Q0RFRA6JIJUO01

◎「BBC NEWS LAPAN」が11月11日付で「女性社員は『メガネ禁止』、冷たい印象だから? 日本で物議」を発表している。
日本テレビやビジネスインサイダージャパンを含む複数メディアが、異なる業界で、企業がどのように女性社員のメガネ着用を禁止しているのかを取り上げた。》
《今回の女性のメガネ着用をめぐる議論は、日本の職場における女性のハイヒール強制着用に端を発した「#KuToo(クーツー)」運動のときと共通している。》
https://www.bbc.com/japanese/50370886
ニッポンの女性ファッション誌は、こうした動向に鈍感である。

春OBの平山周吉が「週刊ポスト」で石川九楊の「河東碧梧桐 表現の永続革命」(藝春秋)を書評している。ここが重要である
《日本の近代化が「西欧化」であると同時に「中国化」でもあったことをも、碧梧桐を論じることで解明していく。》
https://www.news-postseven.com/archives/20191110_1476075.html

◎日販が運営する出版流通学院は、2019年度に開講30周年を迎えたことを記念して「30年後の書店の姿は?『書店の未来』イデアコンテスト」を11月1日より開催している。出版流通学院は、今年2月に第29期生26名が修了し、修了者は総勢994名を数える。
https://www.nippan.co.jp/news/ryutsugakuin_30th_contest/

琉球新報は11月11日付で「倒れて2日、あと1日遅れていたら… 新聞配達員、79歳独居男性の命救う 新聞たまり異変に気付く 団地住民と連携し救出」を掲載している。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1023722.html
新聞が宅配制度に支えられた紙のメディアであればこその「役割」は、こんなところにあるのかもしれない。

◎「J-CASTニュース」の「デイリーBOOKウォッチ」が読売新聞政治部・著の「令和誕生 退位・改元の黒衣たち」(新潮社)を紹介している。
《古谷一之官房副長官補が6つの案の典拠や意味について説明する。それが終わると、司会役の杉田和博官房副長官が「真ん中の白石さんからどうぞ」と、日本新聞協会会長の白石興二郎読売新聞グル―プ本社会長を指名した。白石氏は「私は令和がいいと思う。万葉集は天皇から防人に至るまで、当時の日本の人々の感情や気持ちを表した歌を集めたものだし、新しい時代にふさわしいのではないかと思った」と発言した。その後もいろいろ意見が出たが、8人が令和を支持した。》
《もちろん白石氏は政府による事前の根回しは「なかった」と否定している。しかし、本書は、「政府関係者は、白石への根回しの有無については詳しく語ろうとはせず、真相は明らかになっていない」としている。白石氏はその後スイス大使に転身しているが、自社の元最高幹部の否定にも関わらず、あえて含みを残しているのは、なかなか立派な姿勢だと感心した。》
https://books.j-cast.com/2019/11/11010190.html
これはなかなか面白そうではないか!

イチロー語録シリーズは累計が51万部という売れ筋。最新刊の「永遠に刻みたい イチロー262のメッセージ」が発売になった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001397.000011710.html
オレも毛沢東語録を読み替えた「毛沢東に学ぶ勝利のビジネス方程式」を出している。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784864084239

東海テレビが制作したドキュメンタリー番組「さよならテレビ」が2020年1月2日からポレポレ東中野で公開される。あいちトリエンナーレでも上映されていたんだね。
https://encount.press/archives/9033/

大嘗祭か…。現代書館から刊行された「マージナル」第2号の特集は「天皇をめぐる漂泊者の影」。折口信夫の「大嘗祭の本義」を掲載している。「円井照容」って名前があるでしょ。オレのことです。1988年11月刊、あれから早や三十年である
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-9962-7.htm

◎マガジンハウスの「アンアン」が2020年に創刊50周年を迎えるのか!日本で初めての L版オールグラビアの女性ファッション誌として創刊された。
https://ananweb.jp/news/258756/

◎「TechCrunch Japan」が11月11日付で「大統領選挙戦でデジタル広告担当だった私がTwitterの政治広告禁止を支持する理由」を公開している。
《政治広告は民主主義の敵だ。ネット上での関心の移り変わりの素早さ、それを助長する字数制限、そしてデジタル世界の門番となっているエンゲージメントアルゴリズムにより、キャンペーンでは複雑な政治的課題をたったの2行の骨子もどきに凝縮しなければならず、それにで討論会の司会者も説得できない。誰かに政治広告をクリックして欲しいと願うなら、できるだけ扇状的な内容にするべきだ。人は怒りを覚えるとクリックするものだ。》
https://jp.techcrunch.com/2019/11/11/2019-11-08-i-ran-digital-ads-for-a-presidential-campaign-and-twitter-is-right-to-ban-them/

◎「日刊ゲンダイDIGITAL」が11月11日付で「NHK田明子氏 祝賀パレード特番で“安倍総理”連呼の違和感」を掲載している。
《先月22日の即位の礼を振り返りつつ、パレードを見るために沿道に集まった人の様子や声を伝える番組だったのだが、番組には違和感を覚えずにはいられない解説委員もいた。「安倍総理大臣」を連呼していた岩田明子氏だ。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/264531

◎「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」が決定した。公共奉仕部門が毎日新聞の「公書クライシス」、草の根民主主義部門が中日新聞の「調査報道呼吸器事件 司法の実態を告発し続ける連載『西山美香さんの手紙』」、化貢献部門が佐々木実の「資本主義と闘った男 宇沢弘と経済学の世界」。
https://kyodonewsprwire.jp/release/201911113328

◎「NIKKEI STYLE」が「歴代の本屋大賞作品から選ぶ 読書家おすすめの10冊」を掲載している。第1位は三浦しをん舟を編む」(光社)、第2位は湊かなえの「告白」(双葉社、第3位は百田尚樹の「海賊とよばれた男」(講談社)、第4位は小川洋子の「博士の愛した数式」(新潮社)、第5位は恩田陸の「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO51852590W9A101C1W01001/

サブカル専門ライターの河村鳴紘が「YAHOO!ニュース」に「グリーやDeNA 新興ゲーム会社の苦戦なぜ続く」を寄稿している。
《ちなみにピーク時(1年間)の売上高ですが、DeNAとミクシィが2000億円以上、グリーが1500億円以上で、営業利益率はいずれも4割台や5割超(700億~900億円)と化け物のような数字でした。ピーク時とざっくり比べると、3社とも売上高が半減といったところで、営業利益率は1割を切りましたから散々です。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20191111-00150304/
大ヒットしたビッグネームのモノカルチャー経営なんだよね。残念ながら出版もそうした傾向がある。

集英社は、11月7日(木)より、「note」において、井上真偽のミステリー短編「目に見えない愛情」の全無料公開をスタートしている。10月4日(金)に集英社より発売された「ベーシックインカム」に収められている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000011454.html

講談社は、11月15日(金)から全国約700書店で、「講談庫 × クリエイターフェア」を開催している。参加クリエイターと書名は次の通りだ。
莉子 × 『島はぼくらと』(辻村深月
木村なつみ × 『むかし僕が死んだ家』(東野圭吾
青戸しの × 『殺戮にいたる病』(我孫子武丸
雪見みと × 『今夜、すべてのバーで』(中島らも
Monet × 『ウォークインクローゼット』(綿矢りさ
まつうらまれ × 『終わらない夏のハローグッバイ』(本田壱成)
わたらいももすけ × 『変愛小説集』(岸本佐知子
チョーヒカル × 『密やかな結晶』(小川洋子
橋下美好 × 『二度寝とは、遠くにありて想うもの』(津村記久子
ごめん × 『スペードの3』(朝井リョウ
日出木りんご × 『ジニのパズル』(崔 実)
工藤孝生 × 『星が吸う水』(村田沙耶香
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002413.000001719.html

関西大学は、「新入生に贈る100冊」の関連企画として、紀伊國屋書店と創元社の協力のもと「関大生による本の帯プロジェクト」(通称:オビプロ)を実施する。15名の学生が来春発刊される指定図書1冊の本の帯をそれぞれ作成し、出来栄えを競い合うという企画だ。最優秀作品は、実際に販売される書籍の帯を飾る。
指定図書は、関西大学OGのブローレンヂ智世の「ワンピースで世界を変える!!」(来春発刊予定)
http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/pressrelease/2019/No53.pdf

小学館女性メディア局Preciousブランド室が運営する「Precious.jp」が、10月期に、1063万6222PV、463万3421UUを達成した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000439.000013640.html

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3)【深夜の誌人語録】

余裕があるから緊張感を生かせるのだ。